どうやら俺のブルアカにドラゴンエンジンが搭載されたみたいだ。   作:スーさんFDP

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投稿が遅くなってしまい申し訳ありませんでした。

今回はいつかの変態三銃士の2回目です。

今回から、ジャッジアイズのサブストと少し変わっていきます。


第15話「カンナと先生と変態三銃士その2」

 

 

「先生、ちょっとお時間頂けますか?」

 

“カンナか?どうかしたのか?”

 

平穏なシャーレに目の隈が酷い様子のカンナがやってきた。

 

「ええ、実は例の変態が現れました」

 

“変態・・・例の三銃士か?”

 

「はい、2人目が現れたのです・・・」

 

“パンティ教授の時に比べて、少し時間が経ったな・・・”

 

「奴は逃げ足が速く、顔を見た物も少なく、パンティ教授に比べて、物的証拠が無く、時間が掛かりました」

 

“物的証拠?”

 

「はい、2人目は痴漢のプロ、異名は「お尻マイスター」です」

 

“また・・・変な名前の奴だな・・・”

 

先生は新たな変態の異名を聞いて、頭痛を感じる。

そしてカンナも、嫌悪感MAXな表情で現状報告を続ける。

 

「先程も言いました通り、奴は足が速く、顔を見た被害者がいない程です。」

 

“・・・不躾だが、尻以外を触られたりはしていないのか?”

 

「ええ・・・ですが、犯行時は尻を触りながら、被害者の趣味や特技を巧みに当てるそうで・・・かくいう私も・・・」

 

“何ッ!!カンナ、まさかお前も!?”

 

カンナの言葉に驚きの様子で声を荒げる先生。

 

「・・・・・・・・・奴を捕まえる為に囮を勝手出たのですが・・・追いつけず、逃げられました・・・」

 

思い出すのも辛いのか、カンナは僅かだが、肩を震わせて、悔いの言葉を吐き出す。

 

“カンナ・・・どうして俺を頼らなかったんだ?”

 

「・・・実は、今回の犯人の被害者の中には精神的に病院に通う物も出ているほどの被害が出ています。同じ女性として、決して許せないことでした。だからでしょう・・・身を掛けてでも捕まえようと頭に血が上ってしまいました・・・情けないです・・・」

 

そう吐露するカンナの目元から僅かに涙が零れる。

 

“お尻マイスター・・・死ぬことよりも恐ろしい目に遭わせてやる。”

 

先生は涙を流すカンナを見て、力一杯で握られた拳から血が溢れさせる。

 

「それで奴を捕まえる為にも、先生にお力を貸して欲しいのです。」

 

 

“わかった・・・しかし、捕まえる宛てはあるのか?”

 

「私が被害に遭った際に後ろから声を掛けられました。」

 

“何、奴は何を言っていたんだ?”

 

「顔所か、奴は私の尻を触った後・・・「お尻の筋肉が少し固いな・・・デスクワークで寝不足かな?お尻に毒だから、休むといい」・・・変態のくせに医者みたいな台詞を言って、逃げていきました。」

 

“妙に細かい奴だな・・・逃げていくときに、後ろ姿からは何か分からなかったのか?

 

「後ろから見えたのは大きな耳でした。ただどの耳かは分かりませんでした。」

 

“そうか・・・”

 

このキヴォトスでは、様々な動物の住人がいる。その中でも大きな耳となると、犬か猫に狐、又は狼の可能性が考えられる。

 

「手詰まりですね・・・」

 

“このままじゃ、更なる被害が・・・”

 

 

二人がどうすれば良いか頭を悩ませていた時だった。

 

「話は聞かせて貰った!」バンッ!

 

“・・・サオリ?”

 

突然部屋に入ってきたのは、いつものキャップに長い髪をヘアゴムで纏め、黒シャツにパンツズボン、そしてミチオの絵が描かれたエプロンを身に付けたシャーレスクワッドの錠前サオリであった。

 

「先生、私が囮になろう」

 

“おい、何馬鹿なことを言っているんだ”

 

「先生、このままでは被害は広がる一方だ・・・もし犯人がアツコたちに及ぶと思うと、気が気でならない・・・それにだ、先生もしワカモが被害を被ったりしたら・・・」

 

“・・・・・・・・・・・それは不味いな・・・”

 

先生の脳裏に浮かぶのは怒りに染まり、妖怪と変わりない顔をしたワカモが街を破壊しながら犯人を追いかける姿であった。

 

「先生・・・私は家族がそんな目にあう姿を見たくないんだ・・・それにもし襲われたとしても・・・先生が守ってくれるのだろう?」

 

サオリはそう言ってまっすぐな目を先生に向ける。

 

“・・・はあ、わかった・・・”

 

「い、良いんですか先生!!」

 

話を聞いていたカンナは驚きの声をあげる。

 

それはそうだ。先生は生徒のこと大切に思っている。

そんな先生がこういった痴漢の囮を認めることに驚いた。

 

“カンナ、サオリは俺の大切な生徒の1人だが・・・それ以上に大切な家族でもあるんだ。”

 

「な、なら・・・」

 

“だからこそ、サオリの思いを・・・俺は買いたい。それに・・・俺が居るんだ。奴に変なマネはさせねえ”

 

「わかりました・・・それならまず、準備をしましょう。そのエプロン姿では流石に・・・」

 

「何ッ!? アズサから貰ったミチオ君エプロンの何処がおかしい!」

 

「いやエプロンだけじゃ無くてだな・・・囮をするなら、作業姿では無く、せめて私服・・・この場合はお尻が目立つ様な格好に着替えないといけないだろ」

 

「ムッ、そういうことだったか・・・先生はどういう格好をすれば良いと思う」

 

“え、俺に聞くのか?”

 

「聞くところによると犯人は男性だ。先生の方が参考になりそうだからな」

 

 

“格好か・・・・”

 

 

選択しろっ!

 

・C&Cのメイド服

・ブランド店のドレス ← ピッ♪

・ヴァルキューレのミニスカポリス

 

“身体の線が綺麗に見えるドレスとかどうだろうか”

 

「ドレスですか・・・良いかもしれませんね・・・少し高いヒールを履いていれば、犯人は追いつかれないと思い、犯行に及ぶかも知れません」

 

「しかし先生、私はドレスなんて持っていないぞ」

 

“これから買いにいくのさ。いくぞ、2人とも”

 

 

 

 

そう言って先生が向かった先は近所に最近出来たばっかりの高級ブティックであった。

 

「せ、先生!ここは確か高い物しか取り扱っていない最近出来たばかりの高級店だぞ!」

 

「す、スゴいですね店頭に並んでいるバッグ・・・私の月収よりも高い・・・!」

 

店の存在を知っていたサオリは驚愕し、カンナは店頭に並んでいるバッグの値札を見て、目を見開く。

 

“落ち着け2人とも”

 

先生は冷静な様子で驚いている2人を宥める。

 

「まさかですが先生・・・錠前サオリに着せるドレスは・・・」

 

“ああ、この店で買う”

 

「正気か先生!!」

 

“おいおい、そこまで驚くことか?”

 

「あ、当たり前だ!先生こそ、囮に使うのだから、こんな高い物でなくてレンタルなどで充分だろう!」

 

“まあまずは入ってからだ”

 

先生はそう言って、ガラス扉のノブを掴み、店に入る。

 

「いらっしゃいませ・・・って、兄さんじゃないですか」

 

店の中に居たのは、衣服や装飾品を店頭に飾っている峯義孝であった。

服装は普段の服では無く、黒シャツ黒のチノパンの姿であった。

 

そうここは義孝が最近始めた高級向けのドレスショップであり、以前アビドスに言ったときに義孝から、もしご都合があった際にお寄り下さいと話があったこともあって、今回伺うことにしたのだ。

 

“義孝?オーナーのお前がなんで店番を?”

 

「まだ店が開いたばっかで、今日は店員として働きながら様子を見ようと」

 

“カフェの方はどうしたんだ?”

 

「今はホシノさんたちにバイトで店番を任せています」

 

“そ、それは大丈夫なのか?”

 

「バイトが得意なセリカさんが纏めてくれているので大丈夫でしょう」

 

“・・・あとで、セリカを労うとするか・・・”

 

「それにしても兄さん。本日はどういうご用で?」

 

“ああ、実はな・・・”

 

 

 

先生はこれまでの経緯を話す。

 

 

 

「そうですか・・・でしたら、俺も協力させて頂きますよ」

 

“協力はありがたいが・・・お前の店でドレスを買えば、それで済む話なんだが・・・”

 

「ふふ・・・兄さん、女を彩るのはドレスだけではありませんよ」

 

義孝はそう言って、スマホを取り出し、どこかに連絡をし始める。

 

“相変わらずだな・・・”

 

「あ、あの先生・・・」

 

“どうしたカンナ?”

 

「そちらの大人の男性は先生の弟さん?ですか?」

 

そう言えば、カンナは義孝のことを知らなかったな・・・

 

「先生、先程言っていた義孝という大人・・・もしやヒヨリがお世話になった御仁か?」

 

“そうだ、俺の弟分で、普段はアビドス高等学校の支援者で、喫茶店のマスターをしている。”

 

「喫茶店のマスターがなぜこのお店を?」

 

“ああ、あいつの趣味というより特技なのか、こういう金を稼ぐのが得意なのか、色々経営をしているんだ”

 

「ああ、思い出しました・・・例の先生の半裸CMの時に一緒に後から来た御仁ですね。ちらっと見かけた程度でしたので忘れていました」

 

思い出したかのようにカンナはこの間あったお茶の間先生半裸事件?のことを思い出す。

 

“おいおい変なこと思い出させんじゃねえよ。久しぶりのムショでこっちは気が気じゃなかったんだぞ”

 

「あの後、みんなで矯正局まで迎えに行って、シャーレに帰ってきたら、ラブや他の子が出所祝いで物々しくごつい車を並べていたな」

 

「ヤクザの出迎えみたいなことしてますね」

 

“・・・俺はカタギなんだがな・・・”

 

そのことを思い出した先生は微妙な様子の表情のまま天を見上げ、何回も吐いた言葉を呟いた。

 

そんなこんなで、外の扉からコアラな女性店員とチワワな女性店員が店に入ってきた。

 

「「店長、来ましたよ!」」

 

「ああ、2人とも急に呼び出して済まないな」

 

“義孝、彼女たちは?”

 

「この店と専属契約しているファッションコーディネーターと美容師です。2人とも、俺が別で経営している店で店長として雇っている人間です。今回はこちらで割引させて頂きますので、兄さんの生徒さん達に宣伝をお願いしますよ」

 

“ちゃっかりしてるな・・・まあ、お前の頼みだ。キッチリ宣伝しておくぜ”

 

「フフッ・・・じゃあ2人ともよろしく頼む」

 

「わかりました!」

「こんな美人なお二人をコーディネートするなんて、腕が鳴りますね♪」

 

「・・・・・・・え、・・・?」

 

義孝の言葉に後ろで聞いていたカンナは思わず小さな声をあげる。

 

 

「さあ、お二人ともスタイルが良いですね♪まずは採寸から始めましょう♪」

 

「さあ、そちらのヴァルキューレのお嬢さんもこちらに♪」

 

「い、いやま、まってくだ!!」

 

「ほらほら♪恥ずかしがらずに!!」

 

「あ、せ、先生!!たすk!!」

 

「えと・・・よろしく頼む」

 

 

まさか自分も着替えることになるとは思わず、慌てて先生に助けを請うが、店員2人の腕力になすすべ無く、奥のドレッサールームに連れて行かれるカンナ。

 

サオリはその状況に唖然としながらも、小さく謝礼の声を出して、3人の後についていった。

 

 

「兄さん、とりあえず、近くのバーで一杯いかがです?」

 

“・・・まだ勤務中だからな・・・・・・・・・・一杯だけだぞ・・・”

 

「そうこなくては・・・」

 

 

 

そして時間が経ち数十分後・・・近所のバーで一杯引っかけて、他愛のない会話に花を開かせていると、義孝のスマホが鳴り、着替えが終わったと連絡がはいった。

 

支払いを済ませた二人は店に戻り、扉を開けて中に入る。

 

「戻ったぞ」

 

「せ、先生!!ちょ、ちょっと待って下さい!!」

 

「・・・尾刃カンナ、もう諦めろ・・・」

 

「く、自分はそんなに綺麗になっているから余裕そうだな!!」

 

「いや、そういうお前こそ、スゴく綺麗だが・・・」

 

奥の衣装室のカーテンの向こうから、サオリとカンナの声が聞こえてくる。

 

サオリに対して、カンナがいつ以上の焦り声を出しながら、出るのをためらってるようだ。

 

「こんな・・・扇情的な格好を・・・先生の前で!!」

 

「いい加減にしろ出るぞっ」

 

「おい!!!」

 

サオリによって無慈悲にも開かれるカーテンにカンナが叫ぶ。

 

 

“・・・・“

 

「・・・これはまた・・・」

 

 

現れた二人を見て、無言な先生と驚嘆の声を出す義孝。

 

 

カーテンの向こうから出てきたのはドレス姿とメイクの施されたサオリとカンナ。

 

ドレスは二人ともスタイルの良さからタイトラインでスカートは二人とも足首が見えるくらいの長さだ。

サオリのドレスは純白で染められており、首元から肩まで綺麗に露出して扇情的に見える。

メイクは目元に紫のアイシャドーを元にルージュの口紅と大人な雰囲気の彼女にはぴったりだ。

一方カンナの方は、肩は隠れている物の、胸元は少し広がっており、首から胸元は黒のレース、そこから下の部分はミッドナイトブルーと2色で構成されている。

サオリの長い髪は上手に編み込まれ、アップで首元を見せるようなスタイルをだしている。

メイクは特徴的な口元を目立たせないように薄いリップとチークで頬を少し紅くさせて普段の大人な雰囲気からかわいらしさを出していた。

さらにカンナのシルクのような金髪は後ろで束ねてポニーテールに、前髪のいつもの隠れ目の部分はヘアピンや編み込みでおでこを見せる様にしてある。

 

 

「ふむ、どうだろうか、先生?」

 

「み、見ないでください・・・」ブルブル

 

 

“・・・・・・“

 

「・・・兄さん?」

 

“・・・・・・・“

 

「兄さんっ!」

 

“・・・はっ・・・ああ・・・”

 

義孝に肩を揺すられ、意識を取り戻す先生。

 

“あーそのーなんだ・・・とても綺麗で・・・年甲斐も無く、惚れそうになっちまうくらい綺麗になったな”

 

先生はどこかしおらしく、恥ずかしそうに頭を掻きながら、感想を言う。

 

「そうか・・・フフッ♪」

 

「先生・・・」

 

いつもの様子と違う先生にサオリは小さく笑みを溢し、カンナは少し嬉しそうに笑った。

 

「兄さん、お二人の美貌なら夜の神室町でもトップにいけますよ」

 

「おいおい、うちの子達にそんなこと言うんじゃない。悪影響だろ」

 

「それもそうですね。フフッ」

 

父親のような言葉を口にする先生に義孝は小さく笑う。

 

“それじゃあ、会計は?”

 

「こちらになります」

 

所持金:7586270円

 

チャリチャリ♪

 

所持金:6986270円

 

“中々したな・・・”

 

「これでもお二人分で半額価格ですよ」

 

“トリニティの子達に宣伝しておくか”

 

「何かありましたら、お店にお寄り下さい」

 

 

・ドレスショップ「MINE」が利用可能になった♪

 

 

 

 

 

それから先生はドレス姿のサオリとカンナを連れて、事件が発生している付近に足を運ん

 

 

 

“ここの辺りか?”

 

「ええ、時間帯も夕方の少し前くらいに行われています」

 

「・・・人が少しずつ増えていく時間帯のようだな・・・」

 

サオリはそう言って、辺りを見回すと、学校帰りの生徒や夕飯の買い物をしている主婦の方々など、それなりに多くの人が街を歩いていた。

 

「さて・・・これからどう動くんだ尾刃カンナ?」

 

「そうだな・・・正直この格好で普通に歩いていたら、目立って逆に仕掛けてこないかもしれません」

 

“まかせろ、俺に案がある”

 

すると天啓を得たかのような顔つきで先生が二人に提案をする。

 

先生の提案した内容・・・それは・・・

 

 

 

 

 

 

 

“いやぁ~~今日はカナちゃん(カンナ)にサリちゃん(サオリ)と一緒に同伴出勤出来るなんて、こんなに気分が良いのは久しぶりだぜ!”

 

「も、も・・・も~う~先せ・・・ジョウリュウさん(浄龍)たら、いつもお世辞ばっかりなんだから~♪ねえ~錠ま、・・・サリちゃん♪」

 

「む、そうだな、いや!・・・・・・そうだね~カナちゃん♪」

 

 

街の真ん中を地味に上手い演技で歩くサングラス姿の先生と、自分のキャラにあっていない演技を必死にしながら、先生の腕に絡みつくカンナとサオリ。

 

 

どうしてこうなったか・・・それは先生の提案したカモフラージュの一つで、この時間なら、キャバ嬢の同伴出勤をしていてもおかしくなく、先生の両脇を二人で固めて、イチャイチャすることで、周囲にアピールすると同時に痴漢されても、すぐに対応出来ないだろうと思わせる作戦だ。

 

そして先生の読み通り、周囲の道行く生徒に主婦の方々から物珍しい物を見る視線が集まる。小声で「ハレンチねえ~~」とか「あんな時代錯誤な人たち居るんだ・・・」等言いたい放題言われていた。

道行く人の声によって、先程以上に顔を真っ赤にするカンナとサオリ。

一方先生は意外とノリノリで演じていた。

 

すると、少し後ろの方からか視線を感じる。

 

“二人とも・・・どうやら餌に食いついたようだ”ボソッ

 

「「!!」」

 

先生の言葉にカンナもサオリも小さく反応する。

 

“・・・ふう~~少しトイレに行きたいな・・・”

 

「ジョウリュウさん、それなら近くに公園があるから一緒に行きましょう?」

 

“そうか?さすがカナちゃん!”

 

3人はそのまま近くの公園に行き、ジョウリュウはそのまま公衆トイレに入っていく。

残されたカンナとサオリはこれからどうしようかと会話に花を咲かせていた。

 

そして先程の視線の持ち主は無防備な2人に静かに近づき、そっとお尻に手を伸ばす。

 

触れるか触れないか、周りの空気の音が止まる・・・

 

ガシッ!!

 

「っ!!!!」

 

“オイタはそこまでだ”

 

伸ばされた手は先程トイレに向かっていた筈のジョウリュウの手で止められていた。

 

「ようやく尻尾を出したなお尻マイスター!!・・・って・・・」

 

「ヘイロー・・・だと!」

 

先生の腕に捕まれているお尻マイスターは顔にサングラス、白いマスクとフードを深く被っていたが、キヴォトスでは生徒にしか存在しない筈のヘイローが頭に浮かんでいた。

つまりお尻マイスターの正体は・・・

 

“生徒だったのか・・・”

 

先生がゆっくりフードを開くと大きな狼の耳が出てきた。

 

「じゃあ、私が聞いた男の声は?」

 

「・・・これじゃないのか?」

 

サオリは犯人の生徒の着けていたマスクを開くとマスクの内側に小さなマイクのついた装置が取付けられていた。

どうやら高性能な変声機の様だ。

 

「先入観でしたね・・・女性に対しての痴漢だからと、犯人が女性だと頭から離れていました」

 

「無理もない・・・掛けられた声色が男性の物であるなら余計に疑いから外れるだろう」

 

“さて・・・君がお尻マイスターで良いのかな?”

 

「うう・・・はぃぃ・・・」

 

問い詰められた少女は虫が鳴くような小さな声で返事をした。

 

「・・・それでお前はどこの生徒で、どうしてこんな事をしているのか、話して貰おうか?」

 

「えっと・・・ミレニアム2年の冨樫ミナミで、お尻マイスター2世と名乗っています。えっとその・・・犯行理由は・・・その・・・私自身お尻を見るとですね・・・その人のことがよく分かりますといった次第でして・・・それで何かに悩んでいる方や疲れてそうな人を見るとですね・・・つい・・・」

 

「おい、私は動機を話せと言ったんだ!性癖の話をしろとは言っていないぞ!!」

 

「ひいい!!」

 

「落ち着け尾刃。そう威圧するな」

 

「邪魔しないで貰おうか。犯人逮捕の協力には感謝するが、これはこちらの領分だ」

 

「それは無理な話だ。生徒が関わっているのならシャーレの領分でもある」

 

「自分が観察保護身分だということを忘れているのか?」

 

「そちらこそつい最近までは同じムジナだったろうに」

 

「さすがだな、先生を撃った奴がよく言う」

「そちらこそ・・・カイザーみたいな悪徳と違法取引をしていた上、サイみたいな立派な警察官を追い出すくらいだ。言うことが違うな」

 

 

「・・・ツッ!」

 

「あうう~~」

 

カンナの威圧するかのような視線と凜としてまっすぐな視線をぶつけ合う2人にお尻マイスターことミナミは震えてビクビクしていた。

 

“お前達、もうやめろっ!カンナ、この子はお前に任せる”

 

「先生、だがッ!」

 

「・・・いいえ、私も言い過ぎました。ご協力感謝します。それでは・・・」

 

カンナはそう言って、ミナミに手錠を掛けると、応援に来たパトカーと共に署へと戻っていった。

帰り際の彼女の背中は少しだけだが小さく見えた。

 

 

 

 

帰り道、2人はシャーレに向かってゆっくりと歩いていた。

 

「先生、すまない。出しゃばってしまった」

 

“いや、それだけお前が真面目にやっていただけだ。ただカンナもそうだが、お前も言いすぎだ。サイの件はそっとしておいてやれ・・・”

 

「・・・先生、私はサイに良くからかわれ、馬鹿にされている。私と同い年の癖に私が1人で居ると、それとなく構いに来てはマイペースに連れ回す・・・身勝手な奴だとおもっていたが・・・アイツはずっと私を気に掛けてくれた・・・・・・そんなあいつをヴァルキューレは不正取引の罪を着せて追い出した・・・」

 

“サオリ・・・”

 

「・・・すまない先生・・・これはサイの問題だと言うことは、分かっているんだが・・・」

 

“まあ、こればっかりはな・・・”

 

「・・・・それにしても先生、どうして冨樫ミナミをそのまま引き渡したんだ?」

 

“サオリ・・・今回の事件、少し妙だと思わないか?”

 

「妙だと・・・」

 

“ああ、前のパンティ教授や今回のお尻マイスターも2世を名乗っていた。だが、事件の記録を調べてみたが、此処キヴォトスの過去の犯罪歴には載っていなかった”

 

「つまりどういうことだ。先生?」

 

 

“外からやってきた誰かがキヴォトスの人間に犯罪を伝授している可能性があるってことだ”

 

 

 

 

とあるビルの屋上・・・・

 

 

そこには二人の人物が先ほどの状況を覗いていた。

 

一人は全裸に仮面と第三者が見たらまごうことなき変態。

 

そしてもう一人は狐の獣人の男性で、右目に眼帯をしている。

 

 

「ふむ、パンティに続き、マイスターもやられたな・・・」

 

「師父よ。あの二人は所詮、ただの先代の劣化コピー・・・私たちとでは変態力が違います」

 

「しかし、デバガメよ・・・そういうお主こそ、大丈夫か? 相手はこのキヴォトスの英雄であり、懐かしきわが好敵手に似た匂いを放つ男だ」

 

「……フフッ♪」

 

「…デバガメ?」

 

 

「フフッ!ハハッ、アーーハッハハハハ!!!!!」

 

 

デバガメと呼ばれた男はビルの屋上で大きく笑い声をあげる。

 

「ははーーはーー…いやあ久しぶりに笑わせていただきましたよ…あのキヴォトスの救世主に、私のような変態が挑めるとは…」

 

「ふむ、意気やよし…それでは始めるとしよう…カーニバル(変態祭)を!!!」

 

 

このキヴォトスにまた大きな陰謀が渦巻くのであった。

 

 

 

第15話「カンナと先生と変態三銃士その2」 完

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





あとがきアーカイブ



義孝がアビドスのスポンサーになった際の出来事・・・


ホシノ「いやあ~~マスターも物好きだね~~学園のスポンサーになってくれるなんて」

義孝「いえ、皆さんには大変お世話になりました。兄さん、いえ先生のお願いが無くっても、手伝わせていただきましたよ」

アヤネ「とうとう私たちにもスポンサーが…」

シロコ「ん、頑張ってきた甲斐があった」

ノノミ「ええこれからも頑張っていきましょう♪」

セリカ「でもマスター、あのお店、いつも学割でランチにドリンク付きで500円でやってるのに、経営は大丈夫なの?」

アヤネ「恩義とはいえ、ご無理はなさらないでくださいね。マスターさんにはいつもおいしいジュースをごちそうになってばっかりですし…」

セリカとアヤネは義孝の懐事情を心配そうに尋ねる。

義孝「お二人とも心配していただきありがとうございます。ですが、命の救っていただいた御恩と同時に昔はお金に振り回されたこともあって、皆さんの苦しみを勝手ながら理解させてもらっています。ですので、こちらはとりあえず、2億ほど…」

義孝はそう言って、机に大きなジュラルミンケースを置き、開いて中身の札束を見せる。

ホシノ「うへ~2億なんて・・・・・・・・・・・・はあ?」

シロコ「・・・・・・・・・・・・・・・・」

ノノミ「あ、ほんとに2億円・・・・」

セリカ「ggほhろghされdgへpぉgp@ぽあ;rうぇんg@p;!!!!!!!」

アヤネ「                  」パリンッ

突然の大金を目の前に5人はそれぞれの反応を見せて、意識が飛びそうになる。

すでに2名ほどとんでいるようだが・・・

そんな5人に対し、義孝はとどめの一撃かのように、話を続ける。

義孝「残りの8億は下の車に積んでありますので、あと新作のドリンクとお菓子を用意しましたので、そちらも・・・・皆さん?」


義孝の持ってきたお金がかつてのアビドスが借金していた額を大きく超えて、いるほどだと知り、ホシノは眩暈を起こして倒れて、シロコは目を光らせてお金を見て、ノノミはとんでもない人が味方になったなと冷や汗を流しながらニコニコ笑うのであった。



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