どうやら俺のブルアカにドラゴンエンジンが搭載されたみたいだ。 作:スーさんFDP
あらすじ
連邦生徒会長によってキヴォトスに赴任してきた先生。
彼は着た早々に稼働しなくなったサンクトゥムタワーを再稼働させることに成功した。
そして連邦生徒会長代行である七神リンからシャーレを託される。
これは本編へと続く一匹の先生とシャーレ創設のお話である。
その1
ガタン・・・ゴトン・・・
綺麗な日差しが車窓から電車内を綺麗に光さしていく。
とても現実的な光景ではない空間に2人の人影がいた。
1人は白い制服に透き通る蒼く長い髪を伸ばした少女。
もう1人は白のロングスーツを着た3,40台の強面な男性。
2人は向かい合って座席に座りながらお互いを見ていた。
――私のミスでした―――
少女の声が聞こえる。
いや、正確には声鮮明過ぎて、耳で聞き取るのではなく、頭に響く様な声だ。
――私の選択・・・それによって招かれたこの全ての状況―――
“何?”
少女の言葉に男は疑問を口にする。
――今更図々しいですが、お願いします。先生。―――
“どういうことだ?”
しかし少女は先生の疑問に答えず、ただ淡々と独白を続ける。
――大事なのは経験ではなく、選択。先生・・・あなたにしかできない選択の数々―――
“何が・・・言いてぇ・・・”
――大人としての、責任と義務。そして、その延長線上にあった、あなたの選択、それが意味する心延えも・・・―――
──この捻じれて歪んだ先の終着点とは、また別の結果を・・・・・・だから──
──先生、どうか・・・──
“俺は・・・”
「先生、起きて下さい・・・・・・先生!!」
先程の少女とは違う凜とした声色に目が覚める。
男はゆっくりと目を開ける・・・先生の目の前にはメガネを掛けた気の強そうな女性がこちらを見ている。
周りを見渡すと、大きな窓とそこから見える光景を目に情報を集める。
窓から見えた光景は照り尽くすほど日差しの良い空に大きなビル群・・・そして自分の居る部屋が高層建築の上階ということがわかった。
「ここは・・・?」
「ここは学園都市キヴォトス。数多の学園がおりなす場所で、ここはその学園を統括している連邦生徒会が所有する建物です」
「お前は・・・」
「はい、私は七神リン。学園都市「キヴォトス」の連邦生徒会所属の幹部です」
ドンドンッ
「連邦・・・生徒会・・?」
聞き慣れない言葉に男は首を傾げる。
「混乱されていますよね。分かります」
聞き慣れない土地によく分からない状況を目の前の少女は察してくれたのか静かに相づちをうつ。
「俺はいったい・・・どうしてここに・・・」
「先生は私達・・・いえ、正確に言えば連符生徒会長が・・・になりますが・・・」
「何?」
「ともかく、先生には急いでやってもらわなければいけないことがあります」
「どういうことだ?」
「学園都市の命運を賭けた大事なこと・・・ということにしておきましょう」
「何が言いてぇ?」
「とりあえず、私に付いてきて下さい」
「・・・・・・わかった・・・」
何もよく分からないが、事の状況を掴むため、男はリンと名乗る少女のあとを付いていくことにした。
何処へ向かうのか分からないが先導されるままエレベーターに乗る。
景色の良い眺めに静かにガラスに手を当て、外を覗く。
「よい景色ですか?」
「ああ・・・綺麗なもんだ・・・」
そんな静かな会話をする中、エレベーターは目的の階にたどり着き、小さな音を立てて扉を開く。
そしてリンに付いて一緒におり、廊下を歩いていると、それぞれ違う学生服を着た女子高生が足早にこちらへやってきた。
「あ、いた!代行!見つけたわよ!!」
ドンドンッ
「首席行政官。こちらにいたんですね」
「連邦生徒会長に会いに来ました」
「状況についてのご確認に来ました」
彼女達はリンに用事があるのか、一斉に彼女に詰め寄る。
そんな彼女達を見て、リンは小さく舌打ちをしながら、返事をする。
「っち・・・こんにちは各学園の時間を持て余している皆さん。あなたたちの用事はわかっています・・・今、学園都市に起きている混乱の責任を問うためにでしょ・・・でしょう?」
「混乱だと・・・?」
リンの言葉に口を出してしまう男。
「そこまで分かってるなら何とかしなさいよ!!連邦生徒会なんでしょ!」
「各学園で大きな問題があれこれ起きています。矯正局からも停学中の生徒達が一部、脱出したとの情報も上がっています」
「停学?・・・脱出?」
男は学生から聞き慣れない言葉に頭を傾げる。
「スケバンの様な不良たちがうちの学校の生徒を襲う状況も増えてきています」
「戦車やヘリコプターなどの武器の不正流通も2000%以上増加して、学園生活に支障が生じています」
スズミとハスミの言葉に男は最早言葉が出ないほど驚く。
「おいおい・・・ゲームの話でもしてんのか・・・」
「それで、連邦生徒会長は何をしているの!!どうして何週間も姿を見せないの!!今すぐ会わせて!!」
ユウカは納得がいかないといった様子で大声をだす。
「・・・正直に言いますと、会長は今、席におりません。行方不明になりました」
「・・・えっ!」
「・・・!!」
「やはりあの噂は・・・」
「結論から言うと「サンクトゥムタワー」の最終管理者がいなくなったため、今の連邦生徒会は行政制御権を失っています」
「おいちょっと待てっ!」
リンの言葉に後ろにいた男性が少し大きめに声をあげる。
すると、話に夢中になっていた後ろの4人は少し驚いた様子で男性の存在に気が付く。
「ええ・・・だ、誰ですか!?あなた!?」
ユウカは驚いて男に向かって声を出す。
しかし、男はユウカの問いを無視し、リンに問いただす。
「お前・・・さっき俺を呼んだのは連邦生徒会長と言ったな・・・なのにどうして呼んだ奴がここにいない」
「それは失踪した連邦生徒会長があなたを先生として、特別に指名した人物だからです」
「・・・どういうことだ?」
後ろで聞いていた4人も意味が分からないといった様子だ。
「文字通りの意味です。先生。あなたにはこの状況を打開するフィクサーになって貰います」
「話が見えねえな・・・」
「先生は元々、連邦生徒会長が立ち上げた、ある部活の担当顧問としてこちらに来ることになっておりました」
「ある部活?」
「はい、連邦捜査部「シャーレ」に」
「何だその部活は?」
「これは単なる部活ではなく、一種の超法規的機関。連邦組織の為、キヴォトスに存在するすべての学園の生徒たちを、制限なく加入させることすらも可能で、各学園の自治区で、制約なしに戦闘活動を行うことも可能です」
「・・・・・」
「これだけの権限を持つ機関を、会長がどういった理由で作ったのかは分かりませんが・・・先生にはここから離れたシャーレの部室にある建物にある物を取りに行って貰います」
「おい待て!話を勝手に進めるな!」
「・・・時間がありません。詳しいことは後で聞きます。モモカ、シャーレの部室に行く為にヘリを準備して」
男の言葉を遮り、リンは通信機を使い、相手の名前を呼びつつ、指示を出す。
『シャーレの部室?ああ、あそこ今、脱出した停学中の生徒達とかオートマタの人たちが騒ぎを起こしているよ?』
「はあ?」
『もう巡航戦車とか出てきて、建物を占拠しようとしてるみたいだよ~あ、デリバリー来たから切るね~』ピッ
そう言って間の抜けた声で話していた少女は連絡のスイッチを切った。
それらの出来事にリンの額には血管が浮かび上がる。
様子を見ていた男は呆れた様子で溜息をついた。
「・・・もう帰っても良いか?」
「!!お待ち下さい!!大丈夫です!!少々問題が発生しただけです!!」
「分かった分かった・・・そんな詰め寄るな・・・」
「・・・すみません。取り乱しました・・・ん?」
リンは少し落ち着きを取り戻すと、後ろで静かに見ていた4人に視線を向ける。
「え、どうしてこっちを見ているの?」
ユウカが嫌そうな表情で声をかえす。
「丁度ここに暇を持て余そうな優秀な方々がいますね・・・キヴォトスの平和の為にお力を貸して下さい」
「え、・・・」
「それでは行きましょう」
リンはユウカの声を無視して、そくさくと外へと出て行こうとする。
「ちょ、待ちなさいよ!!」
ユウカは怒ってリンに付いて行き、他の3人もそれに続く。
そんな光景を見ながら男は溜息をしつつ、付いて行くことにした。
そして、現在の光景を見て男は驚愕する。
「なんだ・・・これは・・・」
男の目の前には年端もいかない少女達が、殺傷能力のある拳銃・・・否、マシンガンにガトリング、アサルトライフルを容赦無く撃っていた。
「どうして、子供が銃を持って・・・」
ドドドドドドドドド!!!
「皆さん!伏せて下さい!!」
ハスミの言葉に男と他4人は近くの遮蔽物に隠れようとする。
「ぐっ!!」
しかし、一歩遅れてしまったユウカが頭に銃弾を受ける。
目の前で少女が頭を打たれた事実に男は倒れそうになるユウカを受け止める。
「おい!しっかりしろ!!おい!!!」
「うう・・・いったぁぁ~~~」
「何!」
男は頭を打たれた筈のユウカが銃弾を受けた箇所を摩りながら、喋っている姿を見て驚愕する。
よく見れば、ユウカの頭には血はなく、当たったおでこの部分が少し赤く腫れているだけの事実に気付く。
「ゴム弾・・・いや、そこらの銃痕を見るに弾は本物の筈・・・」
状況を必死に把握しようとしている先生にリンが諭す様に伝える。
「先生、これがキヴォトスの日常なんです」
「何だと?」
「キヴォトスの外から来た先生からしたら、驚くかも知れませんが、ここでは違います」
「訳がわからねえ・・・」
しっかりと抱きしめているユウカの身体の柔らかさはまさしく自分達と変わらない人間の肌だ。それがどうして銃弾をこうも弾く。
常識の違いに男の脳内は理解を拒む。
「あ、あの・・・先生・・・その・・・もう大丈夫ですから・・・その・・・離して貰っても・・・」
ユウカは抱き留められたことで、顔を真っ赤にしながら、恥ずかしそうに男に離して貰う様喋る。
「あ、ああ・・・頭の方は大丈夫か?」
「は、はい・・・そ、それにしてもこの銃弾、違法JHP弾使ってるじゃない!」
「ユウカ、ホローポイント弾は違法ではありませんよ」
「うちの学校じゃ違法になるの!傷跡が残るし!!」
恥ずかしがったユウカは、使われた弾に怒り、調子を取り戻す。
「それよりも先生は注意して下さい」
「先生はキヴォトスの外から来た人・・・一発の銃弾で命を落とす危険があります」
ハスミとチナツの言葉に改めて息を飲む先生。
彼女達の言葉の通り、男の身体は彼女達とは違う。
一発の銃弾で、当たり所が悪ければ、命の灯火は消えてしまうのだ。
「分かってるわ・・・先生は戦場に出ないで下さいね!」
「わかった・・・なら、俺が指示を出す」
「「「「え!!」」」」
突然の男の言葉に驚きの声をあげる4人。
男も何故こんなことを自分の口から出したのか、今となっては分からない。
しかし、こう言わなければいけない気がした。
「まあ・・・先生ですし」
「わかりました。先生の指揮に従います」
「生徒が先生の言葉に従うのは自然なこと、ですね」
「わかりました。」
4人は素直なのか、先生の指揮に従うことにした。
「それでは先生、お願いします」
「ああ、だがその前に・・・」
「ん?どうしました先生?」
スズミが不思そうに訪ねる。
「まずは、俺に自己紹介をして、自分に何が出来るかを教えてくれ」
それから、男は少女たちの名前と戦い方を聞いて、戦いを始めるのであった。
シャーレに向かえ!!
目標は目の前の不良たちの鎮圧、そしてシャーレの建物に向かうことだ。
「目の前の連中は多い・・・数を減らしながら進ぞ。ユウカはバリアを張って敵を引きつけろ!スズミはユウカの援護と集まってる所にフラッシュグレネードで叩け!ハスミは俺が指示した所を狙撃!チナツはハスミの護衛をしつつ、ユウカを中心に回復を!」
「「「「了解!」」」」
先生の指示に従い、4人はそれぞれの役割をこなす。
そして戦闘を進めるうちに4人は何かを感じる。
「(わ、私、戦闘得意じゃないのに、面白いように敵が倒れていく)」
「(すごい、的当てのように敵が倒れていく)」
「(途中・・・先生がタイミングよく指示を出してくれてるおかげで、効率よく鎮圧できてる)」
「(す、すごい・・・風紀委員での戦闘に比べて、先生の指示でこんなにも簡単に倒せるなんて・・・先生がゲヘナに来て下されば・・・)」
4人はそれぞれ先生の指示によって普段とは違う戦闘のしやすさに舌を巻いていた。
そして・・・・・・
「(なぜだ・・・こんな経験はない筈なのに、どこをどうすればいいか分かってしまう・・・)」
指揮していた先生も不思議な感覚だった。
間違い無くこういった経験は無いはずなのに、生徒達にどこをどうすれば良いか、的確に判断出来てしまう。
「どういうことなんだか・・・」
「先生、どうかなさいましたか?」
「いや何でもない・・・それより、シャーレの部室はこの先を向かって行けば良いのか?」
「はい・・・ん、連絡ですか・・・七神です・・・そうですか、分かりました」
突然の電話にリンは応答し、手短に済ませる。
「どうかしたのか?」
「はい、この騒ぎを起こした生徒の正体がわかりました」
「誰なんだ?」
「狐坂ワカモ・・・百鬼夜行連合学院で停学になった生徒です。矯正局にいましたが、脱獄したもようです。危険な前科がある人物なので気をつけて下さい」
シャーレの建物付近のビルの屋上にて、この騒動の中心人物である狐坂ワカモは暴動に飲まれる街を見て、仮面の奥底で口元に歪ませていた。
「あらら、連邦生徒会はまだ来ていない様ですわね・・・フフ♪まあ構いません。あの建物に何があるかは知りませんが、連邦生徒会が大事にしている物と聞いてしまうと壊さないと気が済みませんね・・・」
「ですが・・・フフ♪面白くなりそうですね・・・♪」
あとがきアーカイブ
この作品の根底となるプロローグを書いてみました。
殆どは原作のプロローグに近い内容ですが気が乗ったら続けていきます。