どうやら俺のブルアカにドラゴンエンジンが搭載されたみたいだ。   作:スーさんFDP

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今回は義孝視点での出来事です。

彼のキヴォトスでの気になることを書きました。

それではどうぞ!!




第18話「峯義孝はわからない」

 

 

 

何の因果か・・・キヴォトスに流れ着いた男、峯義孝。

 

彼は以前東城会にて白峰会という組のトップであり、東城会4代目である桐生一馬と戦い、敗れ、和解した後、桐生一馬と堂島大吾を守り・・・死んだ・・・筈だった・・・。

 

 

 

昔は金が無いことも、無力な子供も毛嫌いしていた筈の自分が今・・・

 

 

 

「はい、こちらランチAのセットとアイスコーヒーです」

 

Yシャツにエプロンと喫茶店の制服を身に纏った義孝は手慣れた様子でハンバーグに温野菜、ライスを載せたランチプレートをカウンター席に座っているアビドスの生徒達の前に置いていく。

 

「わあ、今日の日替わりのハンバーグ美味しそう♪」

 

「私は昨日のオムレツが好きでしたね。中に入っているシチューと玉子が絶妙で♪」

 

「それも良いけど・・・私は金曜日のカレーも最高だと思ってる。いつも色んなカレーが出てくるから・・・ほんっと飽きないのよね~~」

 

そう喋ってる彼女達は上から順に元アリウス、元トリニティ、元ゲヘナの生徒たちだ。

 

「(何でも兄さんの話じゃ、エデン条約?だったか・・・それの一件で前いた学校に嫌気が刺したとかでアビドスに転校してきたとか・・・)」

 

他にも彼女達の様な生徒がアビドスには多い。

元々アビドスの生徒はホシノたち5人しか居なかったが、砂漠の問題を一つ一つ解決していき、街も少しずつだが復興していきたことで住人も戻り始めてきた。

 

そこで先生がエデン条約で転校したいと申してきた生徒達をアビドスに勧誘したことで学園としての姿を少しずつだが取り戻してきた。

最初はゲヘナ、トリニティ、アリウスの生徒達も環境の違いに四苦八苦していたが過酷な環境下で手を取り合う事で徐々に絆が生まれ、今ではこうして談笑している程仲がよくなっていた。

 

「なら明日のメニューは皆さんの要望でも叶えましょうか?」

 

「ホント!」

 

「あ、でしたらコートレットとかいかがですか!?」

 

「え、何それ?」

 

「カツレツのことですね・・・仔牛とはいきませんがステーキ用の肉がありますので、それにしてみましょうか」

 

「ふふ♪楽しみです♪」

 

「ねえねえカツレツってなに?」

 

「多分とんかつの親戚。ピザとピッツァぐらいの違いだと思う」

 

「(それにしても・・・)」

 

そんな会話をしている最中、義孝には未だよく分からないことがある。

 

此処キヴォトスには人間の格好をしているのは女生徒しかいない。

そして頭にはヘイローという天使の輪のようなものが鎮座しており、色々な形があるらしい。

さらに目の前で座っている子達も自身が知る普通とは違う特徴がある。

 

それは彼女達の容姿のことだ。

 

まず元アリウスの生徒。

この子は少し体躯が小さいこと以外は変わった所がない。

幼少期に充分な栄養が取れなかったことで成長が遅くなっているから小さいのだと思われる。

 

問題は残りの二人だ。

 

元トリニティの生徒である背中には白い翼が見えている。

以前彼女に尋ねたが、別に空が飛べると言うわけではないらしい。後、滑空ぐらいはできるとのこと。

正直何のために生えているのか分からないが本人的には服を買う際、後ろに穴が空いている服を買わなければいけないため、そこに苦労しているとのこと。

 

最後に元ゲヘナの生徒だが彼女には角と尻尾がある。

彼女曰く、角は服を着る際に誤って破いてしまったり、お尻の尻尾もズボンを履く際は穴の空いたズボンでないとダメらしい。

しかも使いどころもないから余計面倒らしい。

 

「(知れば知るほどによく分からない・・・まあ一番分からないのは普通に柔らかそうな肌なのに銃弾が通らない程頑丈な彼女たちの肉体だ・・・兄さん曰くこのキヴォトスには神秘というものの存在が関係しているらしいが・・・まあ、今の俺は関係無いか・・・)」

 

昔の自分ならこんな便利な兵器だと考え、間違いなく利用していただろうなと思いながら、他の生徒が食べ終わった食器を片付ける。

 

「(こういう考えになったのも、生まれ変わった証なのかもな・・・)」

 

いまだからこそわかる・・・あの人たちと会えてよかったと・・・

 

「そう言えば峯さん。先生のことでお願いがあるんですけど・・・」

 

「ん?兄さんのことでですか?」

 

「うん、峯さん今日の午後はシャーレに行くって聞いていたから、これを届けて欲しくて」

 

そう言って元アリウスの生徒が手渡したのはいちごのドライフルーツでできたクッキーだった。

 

「それとこちらは峯さんに」

 

元ゲヘナの生徒はブルーベリーのドライフルーツでできたクッキーを峯に渡す。

 

「そして、こちらもお渡しします」

 

最後に元トリニティの生徒が渡してきたのは、ジップ袋に入ったお茶の茶葉だ。

 

「これは・・・」

 

「こちら今日の家庭科の実習で作ったクッキーと・・・」

 

「学園で生産中のルイボスの茶葉です。いつもお世話になっています峯さんと先生にプレゼントしましょうと3人できめました」

 

「ほんとはみんなで食べようと思ってたんだけど・・・近くにテストがあるから、勉強もしないとおもってね。これで成績落ちたら先生に悪いし・・・」

 

「・・・そうですか・・・」

 

義孝は頂いた手作りのクッキーと茶葉を見て、何ともいえない感情が身体に走る。

 

その感情を義孝はもう知っている。

 

「(そうか・・・これも人の温かさってやつか・・・)ありがとうございます・・・本当に嬉しいです・・・」

 

「へへ♪」

「頑張って作った甲斐がありますね♪」

「だねっ♪」

 

「こちら兄さんと一緒に頂かせて頂きます」

 

 

正直、色々とわからない事だらけだが・・・

 

ここに来て本当によかった・・・・・・

 

 

 

ランチの時間も終わり、店を閉めてシャーレに向かう義孝はここ最近の充実な日々に心の底から満足していた。

 

金では絶対に手に入らないもの・・・これがこんなにも美しいものだと理解していたのだった・・・

 

 

 

 

それから車を走らせて1時間・・・目的のシャーレについて、兄貴分である先生の執務室へと向かう。

紙袋の中には先程頂いたクッキーと茶葉、それとシャーレの生徒達にと喫茶店の新メニューである低脂質のティラミスが入っている。

 

「~~♪~♪」

 

気分のよかった義孝は自分らしくないなと思いつつも、鼻歌を小さく歌いながら廊下を歩いて行く。

 

そして目的地である執務室のドアが見え、普段の彼なら絶対にしないであろう「ノックをしない」で扉を開けて中に入ってしまったことで、とんでもない光景を目にする。

 

「兄さんお邪魔します。こちらアビドスの子達からクッキーと茶葉を貰いましたので、よろしければ・・・・・・・・・・・」

 

“よ、義孝・・・・・・これは・・・違うんだ・・・!!”

 

義孝の目に入ったのはスタイルの良いバニースーツの生徒達(1人除いて)に囲まれ、奉仕させている尊敬する兄貴分の姿であった・・・

 

 

「・・・・・・すいません・・・ちょっとヤニ吹かしていきますね・・・」パタン

 

とりあえず真っ白になったこの気持ちをどうにかしようと部屋の扉を静かに閉める。

 

ドアの向こうから『義孝!これは誤解なんだぁ!!!』と叫び声がするが、一目散に屋上へと向かい、ポケットから煙草を取り出し、震えた手でライターに火を入れ、煙草に火を点けて、煙を肺に送り込む。

 

「ふう~~・・・まだわからないことだらけだな・・・」

 

 

とりあえずその後、無事?誤解はとけたのだった。

 

 

 

第18話「峯義孝はわからない」  完

 

 

 




あとがきアーカイブ

後日、喫茶店にて・・・

峯「本当に驚きましたよ兄さんがバニーガールの生徒を侍らせていて・・・他の学園の生徒もあんな感じなんでしょうか?」

アヤネ「ち、違います!そんな痴女みたいな格好しません!」

ノノミ「あれ?ゲヘナの行政官の方は結構卑猥な服着てませんでしたっけ・・・」

セリカ「そう言えば、シャーレにいる錠前サオリも滅茶苦茶お腹出してたし・・・」

ホシノ「いつだったか、百鬼夜行の生徒達にも、すごい脇の空いた服着ている生徒もいたよね・・・」

シロコ「ん、なら私達も、もっと色っぽい格好をするべきだと思う」

ホシノ「うへ~~お、おじさんそんな格好恥ずかしいよ~~」

シロコ「大丈夫、ホシノ先輩には弁当の水っけのなくなったたくあんぐらいしか期待してないから、ノノミとアヤネと私でアビドスのお色気担当は任せて」

セリカ「ちょっと待って、私だってホシノ先輩ほど絶望的に子供体型じゃないわよ!!」

ホシノ「・・・2人とも・・・表出なよ・・・」

アヤネ「ホ、ホシノ先輩!落ち着いて!!・・・」



ワーキャーワーキャー・・・

峯「また私のわからないことが増えましたね・・・」

ノノミ「だからこのキヴォトスは毎日が楽しいんですよ♪」

峯「・・・ええ、そうですね」


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