どうやら俺のブルアカにドラゴンエンジンが搭載されたみたいだ。 作:スーさんFDP
今回は龍が如く3のカップ麺のお話です。
どうぞ!
ある日の出来事・・・
いつも新作のお菓子や度々世話になっている義孝の所にお礼をしにいった先生。
軽い談笑を済ませ、帰りに柴関ラーメンでも食べに行こうとした際のことだった。
大将の屋台の前に行くと、一人のスーツ姿の男性(ロボット)が屋台の前に立っていた。
どうやら芝大将と話をしている様だが、何やら険悪な雰囲気だ。
「おい、このスープの味が柴関ラーメンの味だと!なめんじゃねえ!!!」
「し、しかし・・・この味、この匂い・・・カップラーメンとしては最高の味です!」
「カップ麺としては・・・だろ・・・!」
「!!!!!」
芝大将の言葉に狼狽える男性。
「・・・・・・今日はもう帰んな・・・こんなんじゃ味なんて分けてやれねえよ・・・」
「・・・失礼しました・・・」
男性は静かにそう言うと、とぼとぼと店から帰っていた。
“なんだあれは・・・”
「よお先生!いらっしゃい!」
“あ、ああ・・・今のは・・・”
「ああ・・・気にしなくて良いさ・・・」
先生の質問に大将はばつが悪そうに皿洗いを始める。
大将の様子に首を傾げつつも、いつものラーメンを食べ、帰路にたつ先生。
すると駅の入り口でカップ麺を片手に項垂れる男性がいた。
その男性は先程、柴関にいた男性だ。
“おい・・・”
「あ、はい・・・ってあなたは先程のお客さんですか?」
“ああ・・・あんたあの大将があんなに大声を上げるなんて、なにしたんだ?”
「・・・いきなりですみません!このラーメンを食べてみてくれませんか!!」
男性はそう言って、すがるような思いで先生にカップ麺を差し出す。
“お、おい・・・”
「あ、すみません。私、エースクックの開発部の担当、植田です!」
“エースクックっていや・・・あの・・”
インスタント食品のパイオニアであり、様々なインスタント食品を作っている会社。
ヒヨリやラブにミヤコ達がよくお昼に食べているカップ麺だったりする。
「実は私、大将の柴関ラーメンに惚れまして・・・それで是非ともカップ麺の試作を作っては、大将に合格を貰えず・・・」
“そういうことか・・・いいぜ、大将のラーメンファンとして俺にも食わせてくれ”
「あ、ありがとうございます!!」
“どれどれ・・・”ズズッ
「・・・・・」ドキドキ
“・・・ん~・・・スープを飲んだときのガツンとくる濃厚さが足りないな・・・”
「うう・・・大将と同じ感想ですね」
先生の感想を聞いた植田は少しショックだったのか目に見えて落ち込む。
“大将からレシピは教えて貰っていないのか?”
「はい・・・自分で考えろとのことで・・・でもどうすればいいか・・・やるべきことが分からなくなってしまい・・・」
“・・・なあ、お前だ作りたいのは「柴関ラーメン」なのか?”
「え、それは・・・そうですけど・・・」
“違うだろ・・・お前が作りたいのは柴関ラーメンのカップ麺の筈だ”
「・・・はっ!」
先生の言葉に思わず声をあげる植田。
“大将は俺が知っている限りでは、店を爆破されても怒らないくらい広い心の持ち主だ。そんな大将があんなに怒鳴るほど、ラーメンに対しては真剣ということだ”
「確かに大将は何度もやめろとは言わず、作り直せと言ってくれました・・・ボク、諦めません!」
“ふっ・・・良い元気じゃないか・・・”
「・・・しかし、これからどうすれば・・・」
“そうだな・・・待てよ・・・飯のことならあいつらに聞いてみるか”
「あいつら?」
「それで私を呼んでくれたんですね先生♪」
電話で呼び出したのはゲヘナ学園美食研究会会長の黒舘ハルナだ。
“ああ、そう言えば他の3人はどうしたんだ?”
「今日は皆さん、それぞれ別の用事でしたので・・・・・・・・・それはそうと先生、こちらの方は?」
「どうも、先生の生徒さんですね。私はエースクックの植田と申します」
「エースクック・・・あのインスタント食品のですか・・・・えっと、先生どういう経緯でこのようなことに?」
純粋な疑問としてハルナはこれまでのことを先生から聞いた。
「なるほど・・・フフ♪先生が私を頼って頂けるなんて・・・こんなに嬉しいことはありませんわ♪」
“そ、そうか・・・”
いつも以上に嬉しそうなハルナに気圧されつつも、当初の目的を遂行することにした。
「まずは柴関ラーメンに負けない濃厚な出汁ですね・・・」
「ええ・・・色々な肉は確かめましたが・・・中々難しく・・・魚介や根菜では味も変わってしまうし・・・」
「・・・・それでしたら、調理の仕方に問題があるのでは?」
“調理の仕方?”
「ええ、例えば牛骨で出汁をとるにしても、温度や出汁の取り方で千差万別です。さらに野菜や海鮮も含めれば多くの味が生まれます」
“なるほど・・・ラーメンの出汁も奥深いな・・・”
「そうなんですよね・・・・あいたっ!」
「イテッ!・・・何処見てんだてめぇ!!」
話していると植田の背中にチンピラな獣人がぶつかってきた。
「ひぃ!な、何なんですか!急にぶつかってきて!」
「うるせー!ぶつかってきた慰謝料だこらー!!」
「・・・・・・まったく無粋な方ですね・・・」スチャ
チンピラの登場に気分を害したのかハルナは銃を構えようとする。
しかし、そんなハルナの前に先生が手で制す。
「先生?」
“おいおいこっちは忙しいんだ。ままごとみたいなたかりに付き合っている暇はないんだ。さっさと帰れ・・・”
「んだと、このくそオヤジ!!!」
チンピラは見え見えのパンチを先生目掛けて殴り放つ。
しかし先生はそのパンチを防御もせずに受け止める。
バシっと先生の頬にチンピラの拳が当たり、植田が心配そうに見つめる。
一方ハルナは少し意外そうな様子で目を見開く。
チンピラがニヤリとしているが、拳を引っ込めると先生が何も無かったかのようにこちらを見つめ返す。
「ち、梳かしやがって!!」
チンピラはへっぴり腰な喧嘩キックを先生に放つ、しかし先生はその蹴りを手で掴み取る。
「は、はなせ!!」ジタバタ
チンピラは慌てて振りほどこうとするが一向に足は離れない。
そして先生はチンピラの足を掴んだままヒートアクションを放つ。
△極「パワーラリアットの極み」
先生は力を振り絞り、チンピラを空中に投げ飛ばす。
「うひゃあ!!」
投げ飛ばされたチンピラは驚きのあまり声をあげる。
そして落ちてきた所をチンピラの背中目掛けてラリアットを放つ。
「ぐえ!!」バキボキ!
チンピラの背中から鳴ってはいけないような音が鳴り響き、チンピラはそのまま地面に倒れてしまった。
“まったく・・・粋がるだけだったな・・・”
「すごい・・・骨がバキバキになるような一撃だ・・・骨がバキバキ?そうか、骨髄からならあの旨みが出せるのか!!・・・しかし、それだけじゃあ・・・」ブツブツ
“どうした植田?”
突然植田がブツブツと考え始めたのを見て先生が声を掛ける。
しかし、そこにハルナが少し怒った顔をしながら先生の前に立つ。
「・・・先生、先程の方のヘロヘロパンチ、何故避けなかったのです」
“避けるほどでも無かったからな・・・”
「ですが少し痕になっています!顔をこちらに向けて下さい!」
ハルナは少し怒りながら、自身のショートバックから軟膏を取り出し、痕の出来ている頬に軟膏を塗り出す。
“お、おいおい・・・こんなのツバでも舐めとけば・・・”
「子供みたいなことをおっしゃらないで下さい!」
植田はハルナが先生に塗っている軟膏に目を向け、思いついたのか声を高らかにあげる。
「ん・・・軟膏・・・油・・・そうか!!豚骨スープの旨みを逃さないために表面を油で塞げば!!」
「う、植田さん・・・?」
叫んでいる植田にハルナは心配そうに声を掛ける。
「お二人ともアイディアが浮かびました!!後日連絡させて頂きますので、それでは!!」
“・・・・・”
「・・・嵐のように去って行きましたわね・・・」
風のように去って行った植田を前にぽかんとする2人であった。
数日後、シャーレ宛てに植田から連絡が掛かってきたのでハルナに連絡し、共に柴関ラーメンへとむかうのであった。
「大将・・・完成しました」
「おう・・・・ってなんで先生にハルナのお嬢ちゃんもいるんだい?」
“なりゆきでな・・・・”
「ええ・・・そんなことより柴大将様。麺がお伸びになりますので」
「そうだな・・・どれ、ズルル~~~・・・・スゥー・・・・・・」
柴大将は麺を啜り、最後にスープを飲んで味を確かめる。
その後、ラーメンの入ったカップを静かに見つめ、ぽつりぽつりと感想を言っていく。
「豚の骨髄からのエキスにその旨みを閉じ込める為のラー油(ラード)にネギで焦がした物を使うことで香味を豊かにしてある。しかも太麺でなく、中太麺にすることでスープとの味わいも完璧だ・・・これは完璧な柴関ラーメンのカップ麺だぜ」
「や、やったーーーー!!!!!」
“良かったな植田”
「ええ、本当に♪」
「しかしラードに気が付いたのは流石だな・・・カップ麺でこの味が出せると思わなかったぜ」
「ええ、これで柴関ラーメンをいつでも食べることが出来ます!!
“何だお前、自分の為に作っていたのかよ・・・”
植田の言葉に呆れる先生。
「へへへ♪ じゃあ早速会社に戻って商品会議に行ってきます!!・・・っと、先生にハルナさんありがとうございました。こちらを渡しておきますね!!それでは!!」
・『試作』柴関ラーメンを手に入れた♪ティン
“相変わらずせわしない奴だな・・・”
「ええ、ですが折角の出来たてホヤホヤなカップ麺・・・食べずにはいられませんわ♪」
「まったく、本物のラーメンが目の前にあるってーのによ!ほら柴関ラーメンおまち!」
“おいおい頼んでねーぜ・・・”
「うるせい!こちとらあんなもん食わされてラーメン屋としての維持があんだ食わねえわけねえよな先生!」
プリプリしながらも餃子をも焼き始める柴大将に呆れつつも小さく笑うのだった。
「さあ先生♪頂きましょう♪」
“そうだな・・・”
その後、2人は柴関ラーメンを美味しく頂いた。
しかし、その日の夜にヒヨリが柴関カップラーメンを勝手に食べてしまい、先生は結構落ち込むのであった。
第23話「柴関カップラーメン物語」 完
あとがきアーカイブ
ヒヨリ「うわああぁぁん~~ごめんなさ~~い!!!」
↑正座+膝の上に重し載せ(50キロ)
アツコ「デブヒヨリ・・・泣いたって落とし前はつけられないよ」
ミサキ「勝手に食うのはダメでしょ・・・」
先生「・・・・・」ズーン
サオリ「先生、すまない・・・すまない・・・」ドゲザ
ワカモ「先生、商品が出ましたら間違い無く買ってきますので・・・」アセアセ
先生の機嫌はそれから中々治らなかったのだった・・・・