ブルア廻戦   作:天翼project

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今回は原作266〜267話までの範囲でお送りします。


忘れられた少女たちのためのキリエ

 

Keyとの問答を交わし、思いを全てぶつけたアリスは最後の戦いへと臨む…その直前に、あの時───クロコと共にKeyと戦った際に触れた、ヒナとのやり取り…その続きを思い出す。

 

 

 

 

『───もういいのよ…助けなくて…私ごと、消して…』

 

『だ、ダメですヒナ…!まだ…!』

 

 

『大事だった後輩が…アコが、理不尽に晒されることの無い世界を作りたかった。作れなくともせめて、私が生きている間は、私の目の届く範囲ではそんな脆い日常を送って欲しかった。負けず嫌いで強気で、1人突っ走るところのある手のかかる子だったけど、こんな私を慕ってくれて、心の底から助けたいと思ってくれた子。貴女には分からないでしょうけど、ホシノ先輩に誘われてから特異現象捜査部に入るまでの色々と準備して不安定だった中等部の頃の私を、ずっと傍で支えてくれたの。あの子のお陰で、私はきっと大丈夫だって思えて───でも、もういいのよ』

 

 

 

 

 

 

 

(…アリスも、大切で大好きだった人を何人も失いました。ヒナとその人程の付き合いの長さがあった訳ではありませんし、本当の意味で人の苦しみを理解出来ることは、ないのかもしれません。それでも…それでも、この苦しみを他の人に味わって欲しくないって思うから。それだけアリス自身が苦しんだから、きっとヒナの気持ちにも共感できると思うんです。だから───もうアリスは、今のヒナに生きて欲しいだなんて言うことが出来ません)

 

 

大切な人を喪う苦しみを。

それによって心にぽっかりと空く穴を。

怒り、悲しみ、その果てに理解したアリスは心の中でヒナに謝罪する。

自分は、なんと無責任なことを言ってしまったのだろうと。

 

しかし、それでも───

 

 

 

 

「『簡易領域』」

 

アリスの展開した今は無きミレニアムの景色を映し出した領域。

その必中効果から逃れる為にKeyは簡易領域を展開し、守りの姿勢を取った。

先程の話を経ても尚Keyが戦うつもりであることを認めたアリスはあらゆる意識を集中させ、1歩1歩Keyへと歩み寄っていく。

同じくKeyもそんなアリスを迎え撃つべく身体の不調を確かめるように手を振りながらアリスへと迫った。

 

 

(小鳥遊ホシノが編み出していた焼き切れた秘儀のリセット方法…今の私がヘイローに負担のかかるあの方法を取るのはリスクが大き過ぎますが、どの道出力の低い簡易領域ではいずれ剥がされてしまう。ならば、この賭けに打ち勝たなければ勝機は無い!)

 

 

Keyは今度こそ最後だと、ここで決着を付けるために全てを投げ出す覚悟を決める。

それを感じ取ったのか、アリスはそうはさせまいとKey目掛けて駆け出した。

 

目の前に迫ったアリスにKeyは回し蹴りを叩き込もうとするが、高い軌道で払われた脚の更に上を飛び越えるようにして避けたアリスは真下にレールガンを向け、直下のKeyを狙い撃つ。

それを後ろに避けたKeyに対して、続けてアリスは自分の後方へ向けてレールガンを放つ事でその反動を利用してKeyに向かって吹っ飛び、レールガンの砲身をぐるっと一回転させながら叩きつけた。

 

それをKeyは腕で受け止めるて捕まえると、逆にレールガンを持つアリスごと振り回してビルの方へとぶん投げ、アリスは壁を突き破ってビルの内部に突入する。

さらに一気に跳躍してそれに追いついたKeyは追撃の飛び蹴りをかけるが、アリスはレールガンの砲身を盾にして受け止めつつ押し戻すようにして強引に跳ね返し、ビルの外に飛び出たKeyにレールガンを放つ。

 

迫るエネルギー砲を両腕で受け止めるようにして弾いたKeyは、焼けた腕を恐怖で回復させながら地上に着地すると、直ぐに追ってきたアリスが落下しながらレールガンを放って薙ぎ払う。

一直線に払われたエネルギー砲が道路を1本の溝のように抉るが、それをひらりと避けたKeyは近くの電柱を引き抜くとアリスへと投げつけ、防ぎはしたものの空中で踏ん張りが効かずに諸共吹っ飛ばされたアリスを追い、着地した直後の無防備な瞬間を狙って殴り飛ばす。

 

ぶっ飛ばされたアリスは車やガードレールを巻き込みながら突き抜けていき、建物の壁に身体をめり込ませたところでようやく止まり、口から血を吐き出しながら深く咳き込んだ。

 

「ぐっ…ゲホッ…ゴホッ…」

「ふ、ふふっ…自分自身でも驚いていますよ、小娘。私は他人に憐れまれ見下される事にこんなにも腹が立つものなのですね。私に憐憫を垂れくさったことを…貴女以外の者に償わせる事が今から楽しみで仕方ありません」

「そんな、こと…絶対にさせません…!」

 

手を翻し、大袈裟な身振り手振りでそう語るKeyにアリスは激情を紛らせて果敢に攻め込む。

コンクリートを踏み砕く程の力強さで踏み込むと、砕いたコンクリートを乱雑に蹴り上げて無数の礫を撒き散らす。

そんな撹乱に付き合う必要は無いと大きく後ろに飛び退いたKeyは、礫の雨霰を後ろから突き破って飛び出てくるレールガンのエネルギー砲を横に避ける。

 

が、その砲撃の閃光が目眩しとなり一瞬Keyの視界を遮ると、それに紛れて迫ったアリスが拳を振るい、何とか反応するも避け切れなかったKeyの側頭部を掠める。

そして、その掠めるだけの一撃ですら今のアリスの攻撃ならばKeyのヘイローを捉えることが出来ていた。

 

Keyのヘイローの境界を…そして、ヒナのヘイローの境界を。

同時に、極限まで昂ったアリスの激情そのものである神秘がヘイローに触れた事により、その奥深くまで神秘に乗せられたアリスの思いが伝播する。

それは、Keyへと…

 

 

(…何が不平等に人を救う勇者ですか。結局、それは貴女の勝手な善悪と正義の押し付けでしか無いでしょうに)

 

(ずっと前にアリスが学んだ事です。アリス達の戦いは、正しさの押し付け合いなのだと…アリスはそれを言い訳にKeyを打ち倒すことを正当化していました。皆の青春を守る為にそれを奪おうとするものは何人であれ倒さなければいけないのだと。ですが…)

 

 

 

 

『ふざ、けるな…ふざけるな!私だって…私達だって!報われたいのは同じなのに!アンタだけが青空の下にいるつもり!?何がハッピーエンド…何が夢だって!?その勘定に、私達はどうでもいいんでしょ!』

 

 

 

 

(今思えば、ムツキだってそれが自分にとっての正義であったことに変わりはないんでしょう。ムツキなりに、自分が、自分達が幸せになる道を歩んでいた。そしてアリスは自分の正義の為に、その正義を踏み躙った。そうして、きっと正義がまた別の正義を踏み潰すという連鎖は続いて行くのでしょう。それを断ち切らない限り、きっとこの戦いは永遠に続くんです)

 

(だから、私を憐れんだのですか?だから、私を殺すのではなく再び自分の中に封じると?今まで私が殺してきた多くのものに面目が立つと思うのなら面の皮が厚いなんてものじゃないですね)

 

(だからこそ、ここで断ち切らなければ行けないんです。そして、きっとそれが出来るのは本物の”勇者”だけなんです。正しく…それが出来るのは過去を受け入れ未来へと踏み出すことが出来る”勇気ある者”だけなんです。その1歩を、アリスが踏み出さなきゃ行けないんです)

 

(過去に踏ん切りを付けて未来を掴む…故に『不平等に人を救う勇者』と。なるほど、失くしたものは過ぎ去ったものだと認め、ただ未来に目を向けると。嫌いではない考えですが…それを言うのが貴女だと思うと、実にくだらない)

 

 

 

「貴女は!どこまで行っても甘いんですよ、小娘!」

「っ!」

 

触れたのは一瞬、それでも多くの言葉と思いを互いに交わし、理解を深め…その上で意識が現実に戻ったKeyはそれを否定する。

アリスの胸ぐらを掴み、地面に叩きつけ何度も何度もその自分によく似た腹立たしい顔面を殴りつける。

数発殴られたアリスはKeyの脇腹にレールガンを押し当てると、直撃の爆発に自分が巻き込まれることも厭わずゼロ距離でそれを放つ。

 

激しく光が瞬くと吹き飛ばされたKeyが、その反対方向にアリスが転がり、両者直ぐに起き上がると再び向き合う。

真っ先にKeyが攻撃を仕掛けようとするが、アリスは地面に手を触れ『解』を放って地面を跳ね上げるように乱雑に分解、Keyとアリスは瓦礫と共に浮き上がる。

跳ね上がった瓦礫が周囲に舞う中…アリスはそれらを足場として蹴って空中を移動し、Keyは何も無い空気の面を捉えて蹴ることで同じく空中を移動する。

 

堅実に瓦礫群の外側へ出ようとするKeyに、しかし回り込んだアリスは途中で拾った瓦礫を投げつけてKeyの進路を遮ると、跳ね回るようにKeyの後方へと移動して背中を狙って突進する。

空中で振り向きながらそれを受け止めたKeyだが、同時にアリスの神秘がKeyのヘイローへと届き───今度はまた別の深層へと神秘に乗せられたアリスの思いが伝播した。

 

 

 

 

 

 

 

大切な人を喪う苦しみは理解出来る。

それなのに無責任なことを言ってしまったことを後悔している。

 

しかし、それでも───

 

 

 

『アリスは、ヒナがいないと寂しいです…』

 

『…何よ、それ…あんた、なんて顔してるのよ…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(下手に受け止めることすらもう出来ない…!大人しく秘儀の回復を待って、距離をとってすり潰さなくては───っ!?)

 

突進を受け止めただけでヘイローに響くダメージを負い、咄嗟に突き飛ばして逃れたKeyはそう考えながら一度距離を取ってから安全に地上に着地しようとするが…その瞬間、何故か足元に広がった沼のような影がKeyの脚を絡め取り、体勢を崩してしまう。

 

(これは…十種影法術?まさか、度重なる小娘のヘイローを捉える打撃が、そして侵食するヘイローの境界を切り離す『解』が空崎ヒナのヘイローを少なからず解放し、私から秘儀の制御を取り戻し始めている?)

「チッ、何のために手間をかけて”浴”で沈めたと…ぐっ!?」

 

足を取られ一瞬動きを封じられたKeyは、その出来事に意識が向いてしまったことで反応が遅れ、追跡してきたアリスからの強打を顔面に受けてしまう。

近くの街路樹をへし折りながら吹き飛ばされたKeyは地面に指を突き立て急制動をかけると、流れる鼻血を拭い取り追撃をかけてくるアリスの連打を捌き、反撃に蹴りを繰り出す。

 

アリスは蹴り放たれた脚を捕まえると、それを引っ張ってKeyを引き寄せ、鳩尾に膝蹴りを入れる。

身体をくの字に曲げて顔を痛みに歪めるKeyだったが、負けじと頭突きを返してアリスを仰け反らせると、片手でその頭を掴んで固定する。

だが同時にアリスも目を鋭く光らせるとレールガンを後ろに放り捨て、片手でKeyの頭を掴んで固定する。

 

 

そして、お互い空いたもう片手でノーガードの連撃を互いの顔面へと叩き込み合った。

しかしどれだけKeyが強打を叩き込んでもアリスは決して崩れることはなく、逆にアリスの強打はKeyのヘイローを着実に揺らし、削り、破壊する。

 

 

「っ…ぐぅぅぅっ…!」

 

 

この打ち合いに先に音を上げたKeyはアリスの腹を蹴って引き離すが、ヘイローに広がるひび割れはより深刻となり、最早一部が欠けてボロボロと崩れ落ち始めている。

それに加え、アリスの領域から身を守るために展開していた簡易領域にも大きく亀裂が走る。

 

 

(Keyの簡易領域が剥がれる…勝てる…!)

 

 

畳み掛けるなら今しかないとアリスは先程放り投げたレールガンを回収しながら追撃しようと駆け出し───衝撃を受けたように後ろに吹っ飛ばされ自分の、皮膚や筋肉、装備の一部..が崩れていくのを見た。

 

(Keyの秘儀が…回復が早い…!)

 

「ハァ…ハァ…!ははっ…小鳥遊ホシノはよくもまあこれを何度も連続で行えたものです…!」

 

Keyは恐怖を強引に回転させることで秘儀を回復するも、その反動でヘイローの崩壊が加速する。

しかし秘儀が復活したということは、再びKeyも神秘を解放出来るということであり…

 

「しまっ…」

「今度こそ…終わりです…!神秘解放────

 

アリスが止めようとするよりも先にKeyは掌印を結び…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『共振』

 

 

 

「ガフッ…な…な、ぜ…?」

 

「!」

 

 

突如、Keyは血を、その他胃の内容物を吐き出しながらその場に膝から崩れ落ちた。

一体何が起こったのか、アリスも困惑してその原因に思考を巡らせる。

超遠距離からの狙撃…ここは街を再現した広大な領域ではあるが、それでも外界から隔離されている為に外から物理的な干渉が入ることは無い。

ならば距離を、結界をも無視して遠隔でKeyにダメージを与えたことになるが、そんなことが出来るのは───

 

 

「…ふふっ…心配させないでくださいよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わっぴー!ってね、馬鹿アリス」

 

 

そこは、後方支援組が前線をサポートする為に慌ただしく駆け回っていたS.C.H.A.L.E。

その隔離室にて、患者服を着たまま足取りはフラフラとし、片目を眼帯で覆っていてとても元気な状態とは言えないながらも…杏山カズサが目の前に置かれた”Keyの機器部品(モジュール)”に、大型の対物ライフルを突きつけていた。

 

それをカホとリオ…そして途中まではKeyとの戦いを支援していたもののスーパーノヴァでの反撃を受けて重症を負ってしまい戦線から離脱せざるをえなくなったサオリが呆れた様子で見守っていた。

 

「ペロロ…サオリ先輩のこのライフル、当てたら相手の神秘削れるんだね。今度任務が被らなかったら貸してくれない?」

「別に構わないが…」

 

「あの子ミレニアムの時から一月以上重度の昏睡状態だったのに…30分ぐらい前に目覚めたと思ったら状況を話してからのこれですよ。行動力どうなってるんですか…」

「あの状態から回復できただけで奇跡だったのに…正直に言うと回復する見込みも無かったし安楽死させることも考えてたわ」

 

「そこ聞こえてるからね!?本人の目の前で怖いこと言わないでくれない!?」

「お前も病み上がりだろう、無理するな」

 

サオリから借りた対物ライフルを杖代わりにして身体を支えリオとカホに抗議しようとするカズサを、サオリがなんとか宥める。

「相変わらずデリカシーが無いわね…」とリオに愚痴を零しながらも、再びカズサはサオリに身体を支えて貰いながらKeyの機器部品(モジュール)…クロコが秘儀を模倣(コピー)する為にプレナパテスに取り込ませていたが、一度致命傷を負ってS.C.H.A.L.Eに撤退した時に取り出したものを狙う。

 

そして引き金に手をかけ…

 

 

「もう一発、景気の良いの行くよ───」

 

 

 

 

 

「『共振』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐあっ!?」

 

「…カズサ、ありがとうございます」

 

 

再び遠隔攻撃を受け地面に手を着くKeyに、アリスは駆け出す。

Keyの機器部品(モジュール)はその性質により破壊されることは無いが、Keyと神秘で確かな繋がりがある故に、神秘を辿って対象に攻撃を伝えるカズサの秘儀はKeyへと届いた。

それもただの『共振』ではなく、サオリから借りた命中した相手の神秘を削り防御を弱める効果を持つそれを身体の内側から撃ち込まれたようなものなのだ。

全身が震える今のKeyに十分にアリスを迎え撃てる余力等なく、無防備な所を全力で殴り飛ばされてしまう。

そしてそれによってKeyの簡易領域は完全に剥がされてしまい…

 

 

「くそっ…!」

 

 

簡易領域の守りを失ったKeyに、アリスの領域の必中効果が…ヘイローを分解し破壊するその攻撃が容赦なく降り注ぐ。

パキン、パキンと音を立てて砕かれていくKeyのヘイロー。

それでも尚未だ一命を取り留めているのはアリスの秘儀、そして領域が付け焼き刃のものであり十分な出力が無いからか…或いはKeyの名も無き神々の王女としての意地か。

 

「まだっ…まだです…!小娘、貴女にだけはっ!絶対に負けたくない!」

(小娘とて、先程私が秘儀で分解した体表を回復出来ていない!そして神秘解放による莫大な神秘の消費、限界をとうに超えているのはあちらも同じ!終わるのは、貴女です…!)

 

 

 

「それだけ感情を表に出せて、怒ることが出来て…それでもまだ、アリスの思いを認められないと言うんですか?」

 

 

「小娘ぇぇぇ!」

 

 

「…はい。今度こそ、終わりです」

 

 

 

領域の必中効果を受けながらやぶれかぶれに迫ってくるKeyに、アリスはレールガンを構えながら駆ける。

レールガンの砲口にエネルギーがチャージされ、そこにアリスの全力の神秘が込められていく。

 

 

(あれが小娘の最後の一撃…あれを躱してトドメの反撃を差し込む!今度こそ、確実に殺す!さあ、早く撃って来なさい!)

 

 

お互いの距離が縮まっていく。

双方が駆けているので一瞬で衝突する筈だが、不思議とそれまでの時間がスローモーションのように見え、永遠のように感じることが出来た。

ここまでの時間を噛み締めるように…終わりの時が近付いていることに高揚するかのように。

 

Keyは、アリスがレールガンを撃ってくる瞬間を待ち───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───Keyの脚が地面に…否、影に沈んだ。

 

 

「ここでっ…!」

 

 

先程妨害されてから自らの意思で抑え込むことで再びの妨害を防いでいたKeyだったが、アリスに意識を割き過ぎたことによってそれが弱まり、再び秘儀の制御を奪われて脚を取られる。

アリスのレールガンの照準は精確にKeyに合わせられており、この状態での回避は難しい。

 

(いや、まだ避けられる!落ち着いて、足元を神秘で保護すれば抜け出せる!勝つのは、私です!)

 

目の前まで迫ったアリス、爛々と相手を焼き焦がすかのように光を放つレールガンの砲口が向けられるも、Keyはそれが放たれる前に冷静に影から脚を抜き取りアリスへとカウンターを叩き込もうとして────アリスはレールガンを捨て身軽になると、急激に速度を上げてKeyの反応を超える速度で腕を振り抜いた。

 

 

「なっ…」

「言いませんでしたっけ…あれを持ってない方が動きやすいんです」

 

 

 

 

 

 

 

 

─────黒閃

 

 

 

 

 

 

 

「あ…が…」

 

 

長い、戦い。

何度もぶつかり、突き放され。

何度も追い縋り、振り落とされ。

何度も食らいつき、引き剥がされ。

 

幾度も死闘を繰り返し、何人もの仲間が倒れ、永遠に続くかと思われた苦難の道。

 

 

 

その果てに─────遂に、Keyのヘイローが砕け散った。

 

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