ブルア廻戦   作:天翼project

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今回は呪術廻戦0の中盤部分でお送りします。


0 中編

 

「ねえ、もう帰ろうよ…」

「ちょっと待ってなよ。大丈夫だからさ」

「でも…」

「いや〜、待たせちゃったね〜!」

「「!」」

 

キヴォトスのどこかにある、とある宗教施設。

そこを訪れていた2人の生徒の前に、水色の髪と発育の良い身体が特徴的な女性…”梔子ユメ”が姿を現した。

気の抜けたような挨拶をしたユメは用意していた椅子に座ると、2人の生徒にも腰を掛けるように促す。

 

「こんにちは、そちらの子が話に聞いていた佐藤さんですよね?」

「え?いや…私斎藤ですけど…」

「いや、佐藤さんだよ。私が言うんだからそっちの方が良いよ」

「はぁ…」

 

要領を得ない話に困惑する生徒。

本当にこんな胡散臭そうな相手に相談することなのかと踵を返そうと思い始めていたが…

 

「突き刺すような視線を常に感じたり、肩が重くなるような瞬間があるよね?息をするのを忘れるような…そして、執拗なセクハラをされる夢を見る」

「…なんでその事を…?」

「動かないで」

「えっ?」

 

ユメはその生徒にそっと手を向けると…ずっとその生徒の背中に縋り付いていた特異体がぐにゃりと歪み、ユメの手の中に移動してテニスボール程の大きさの球体に代わる。

何が起きたのか、神秘が強くない生徒には見えていなかったようだが、その直後に肩を回して何か変化が起きたことを悟った。

 

「ウソ…凄い楽になった…」

「良かったじゃん!ね、来てよかったでしょ?」

 

生徒とその友達の子は共に喜び合い、その様子をユメは微笑ましく眺める。

施設の外まで2人を見送ると、去り際に2人ははしゃぎながらユメの手を握った。

 

「ありがとうございました!私にとって、ユメさんは女神様みたいに優しくて素敵だと思います!」

「そっか、ありがとう。また何かあったらいつでも来てね」

 

お辞儀をして立ち去る2人に手を振ったユメは、後ろ姿が見えなくなったのを確認すると息を吐いて近くの柱に寄りかかる。

 

「…女神様、か〜。分かってないなぁ、私はそんなのじゃないのに」

「黄昏てますね〜、ユメ様」

「あ、チアキちゃん」

「皆揃ってますよ。ミーティングルームに行きましょう」

 

黒いコートを羽織った捻れた角の生えた少女…チアキに呼び出されると、ユメは上機嫌で施設に戻った。

 

「楽しみだな〜!いつぶりだろう、全員集まるの。そうだ、皆で写真撮ろう!カメラは?」

「もっちろんありますよ!はいチーズ!」

「チーズ〜!」

 

ユメはチアキの肩を抱き寄せると2人のツーショットを何度も撮る。

ポーズを変えながら道中仲良く写真の出来栄えについて2人が話していると…廊下の向かいから騒がしくユメを呼ぶ声が聞こえた。

廊下の奥から駆けてきたのは、見るからにやつれた顔をした犬の住人…大人。

 

「おい!おい!早く…!」

「あら、銅田さん。どうしましたか?」

「どうしたではない!貴様、早く私に付き纏う特異現象を鎮めろ!お前に幾ら払っていると思ってる!」

「幾らでしたっけ?」

「ざっと1億、飛んで5000万クレジットですね。ですが半年前から寄付が途絶えています」

「あーあ、もう限界かな〜」

「な、何を言って…うごっ…がぁぁ…!」

 

銅田と呼ばれた大人は立つことすら出来なくなりその場に蹲る。

そんな彼をユメは蔑んだ目で見下し、銅田の頭を踏んづけた。

 

「大人には、幾つか役割があります。お金を集める大人と、特異現象を集める大人。あなたは前者…お金が無いのなら、用済みです」

「ふ、ふざけ…が…ぁ…」

 

先程生徒から剥がした特異体の玉を飲み込みながらユメがそう言うと、銅田は顔を真っ青にして頭を踏むユメの足に縋り付こうとする。

しかし…無数の小さなハエのような特異体が銅田に群がると、その全身を掴んで引っ張り合い、引き裂いてしまった。

 

飛び散る血をぴょんと跳ねてユメとチアキは避けるが、廊下は血と肉で塗れた無惨な様になり、チアキが「うぇ」と呻く。

 

「汚いですね…ここで殺さなくても良かったのでは?掃除面倒ですよこれ」

「あはは、ついうっかりね〜。掃除も適当な大人の人にやらせるからチアキちゃん達は手を汚す必要は無いよ」

 

目の前で無惨に人が死んでいるというのに、それ自体に何か思う訳でも無く2人は目的の部屋に到着する。

勢いよく部屋の扉を開けたユメは、パタパタと小走りで部屋の真ん中に躍り出るとそこで待っていた皆に笑顔で告げた。

 

「皆、ついにこの時が来たよ!大人に子供達が搾取される時代が終わって、子供達だけの楽園を築こう!…まずは手始めに、キヴォトスの要であるS.C.H.A.L.Eを落とすよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

寮からS.C.H.A.L.Eのオフィスビルへレンゲ、ミノリ、ペロロと登校中のクロコは、不意に振り返ってあらぬ方向を眺める。

 

「おい、どうした?」

「いや…なんか、嫌な予感がして…」

「気のせいだろ」

「気のせいだな」

「プロレタリア〜」

「えぇ…」

「だってお前の神秘の感知能力ザルすぎんだよ。プレナパテスみたいなのが常に横にいるのなら鈍くなるのも分かるけどな」

 

信じるどころか取り合ってさえくれずそのまま進んで行ってしまう皆の対応に、繊細な心が若干傷付いたクロコ。

慌てて3人を追いかけて…その様子を、窓からS.C.H.A.L.Eの特異現象捜査部の部長、ヒマリが見下ろしていた。

その横にはホシノの姿もあり、朝日が眩しいのか目元を覆いながら欠伸をしている。

 

「未だユメの動向は掴めません。やはり貴女の杞憂では無いのですか?」

「ヒマリ部長、残念だけどそれはありえないよ。直接現場を確認したからね。私が…ユメ先輩の神秘の痕跡を間違えるわけがないでしょ?」

「ユメ先輩…ですか…あっ!?」

「!」

 

その時、S.C.H.A.L.Eの周辺に出現した神秘を察知したヒマリが車椅子を走らせる。

 

「噂をすればですね!今いる準1級以上の生徒を集めてください!」

 

 

 

 

時を同じくして、クロコ達も異変に気が付き空を見上げていた。

視線の先には、巨大なペリカンのような特異体がクロコ達へ向かって高度を下げてきている。

 

「こりゃ珍しい」

「クロコの勘も当たるものだな」

「デモ」

「…?」

 

ペリカンのような特異体はクロコ達の前に着陸すると…その巨大な嘴から複数の生徒が降りて来た。

先頭に立つのは水色の髪の発育の良い女性…ユメ。

 

「関係者、じゃねえよな」

「見ない特異体だ」

「闘争」

「うわぁ…大きな鳥…」

 

 

レンゲとペロロは銃を構え、ミノリマフラーに手をかける。

イマイチ状況が飲み込めないクロコは呑気に鳥の特異体に気を取られていた。

 

「変わらないね〜、ここは」

「ええ!?ユメっち何ここ本当にD.U.!?寂れ過ぎじゃない!?」

「キララちゃん、失礼」

「え〜、エリカちゃんもそう思うでしょ?…って、わぁ!ペロロ様だ!可愛い!」

 

「貴様ら何者だ?侵入者は許さんぞ、クロコさんが」

「デモ」

「えぇ!?」

「殴られる前にさっさと帰りな、クロコさんに」

「レンゲまで…!?」

 

こんな時にも関わらず悪ノリする3人に、敬称を外せるぐらい仲良くなったと思っていたクロコは抗議の目線を向ける。

 

次の瞬間、いつの間にかクロコの前に立っていたユメはクロコの両手を包み込むように握っていた。

 

「初めまして、クロコちゃん。私はユメだよ」

(((速い!)))

 

誰も反応出来ない速度で詰め寄ったユメにレンゲ、ミノリ、ペロロは驚愕するが、それでもユメの雰囲気故か未だ危機感が湧かないクロコはなんとなくユメに会釈を返した。

 

「えっと…初めまして…?」

「ふふん…君はとても素晴らしい力を持ってるね。私はね、クロコちゃん。大いなる力は大いなる目的の為に使うべきだと思ってるんだ。今の社会に疑問は無いかな?」

「うん…?」

「キヴォトスに根を張る大人達の大企業が、様々な手段で子供達を搾取して支配している世界だよ」

 

ユメは一旦クロコの手を離し、その周りをくるくると回りながら歩くと、クロコの肩に腕を回して抱き寄せる。

 

「つまり、子供が大人に脅かされる理不尽な道理が生じちゃってるんだ。嘆かわしいとは思わない?」

「はぁ…」

「大成して空に羽ばたく子供達の成長を、大人が邪魔してるんだ…ナンセンスだよね!キヴォトスは一度この社会の構造を見直すべきだよ。だから…君にも手伝って欲しいんだ」

「何を…ですか?」

「大人達を皆殺しにして、子供達だけの世界を作るんだ」

「!」

 

明らかに異常な思想を語るユメに、クロコ達は目を見開いて戦慄する。

この穏やかで虫も殺せなさそうな程に優しい笑みを浮かべる女性が、多くの生き物を殺そうと素面で言っているのだ。

ねっとりとしたプレッシャーが汗となって首筋を伝い、こうして腕を肩に回されている状況が断頭台に立たされているのだとクロコは錯覚する。

 

と、そこに複数の気配が近付いてくる。

 

 

「私の後輩に、イカれた思想を吹き込まないでください。ユメ先輩」

「…ホシノちゃん!久しぶりだね〜!」

「まずはその子達から離れてください、ユメ先輩」

 

ヒマリを初めとした現時点でS.C.H.A.L.Eにいた生徒達。

そして、唯一ユメに単独でやりあえるホシノが先頭に立ってユメと対峙する。

普段のおちゃらけた雰囲気とはまるで違う…ピリついた空気感を醸し出すホシノに、ユメは気安く手を振った。

 

「今年の1年は粒揃いって聞いたけど…なるほど、ホシノちゃんが教えてあげてたんだ。”特級憑霊者”に、”生徒の交わり”、”言霊使いの末裔”…そして、”魑魅一座の落としもの”」

「っ…!てめぇ!」

 

クロコを、ペロロを、ミノリを…そしてレンゲを見やりながユメはそう言うと、自分の呼び方に悪意を感じたレンゲが銃を突きつける。

当然それに怯む筈もなく、いつの間にかユメはレンゲの銃身を掴むと自分から逸らして射線を外していた。

 

「気を悪くしちゃったらごめんね。不快にさせるつもりはなかったんだ。君を傷付けて自由を奪っていた魑魅一座の大人も勿論殺すよ?だからさ…あれ?」

 

レンゲに平謝りしていたユメの手を、クロコが振り払う。

意外なものを見たような表情でポカンとするユメの目をクロコは恐る恐る見つめておずおずと口を開いた。

 

「ごめん…その…私は、あなたが言ってることは、よく分からない…でも、友達に嫌な思いをさせる人とは…仲良くなれないよ」

「…ごめんね、クロコちゃん。私は君も嫌な気持ちにはさせたくないからさ」

「じゃあなんのつもりでここに来たんですか?」

 

自然とホシノが会話に割り込み、クロコとユメの間に立って2人の距離を離させる。

一瞬そのシームレスさに固まっていたユメは、しかし次にはニンマリと笑うと少し離れた場所で控えているヒマリ達の方を向いて両手を広げた。

 

「勿論、宣戦布告だよ。お集まりの皆、よく聞いてね!来る12月24日、私達は百物語を始める。場所は特異現象の坩堝、D.U.。神秘の聖地、百鬼夜行。各地に1000の特異体を放つよ。与える命令は言うまでもなく殲滅、地獄絵図を描きたくないのなら、死力を尽くして止めに来る事だね────思う存分、殺り合おう」

 

 

 

 

「あー!ユメっち!お店閉まっちゃう!」

 

大見得を切った宣戦布告の直後に響く場違いな小さな角が付いたカチューシャをした赤い髪の少女…キララの声。

気の抜けたユメはやれやれと肩を竦めると、一同に背を向けて仲間達の方へ向かった。

 

「もうそんな時間か〜…ごめんね、あの子達がD.U.の人気店のミラクル5000が食べたいって聞かなくて。今日はお暇するね〜」

「…このまま行かせると思いますか?」

「…よしなよ。可愛い後輩ちゃん達が私の間合いだよ」

 

空から、人型をした1つ目の巨大な特異体がホシノの前に降り立つ。

さらにどこからともなく沸いた無数の特異体がクロコ達やヒマリ達を取り囲み、手を出して来れば襲わせると暗にユメは脅しをかける。

 

「ふふん…それじゃあ皆、また戦場で」

 

ユメの仲間達は最初に来た時と同じく巨大なペリカンのような特異体の嘴の中に入り、最後にユメも乗り込んで…空の彼方に飛び去った。

完全に目視できなくなった時点で取り囲んでいた特異体達もいつの間にか姿を消し、ホシノはただ空を睨んで舌打ちをする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『大人が子供を守って、導く。子供はそれに応えて元気に成長する…それが社会のあるべき姿なんだよ?きっといい大人だっているんだって、そう信じてみようよ』

『…ユメ先輩は甘すぎます。そんな夢物語…あるわけないじゃないですか』

 

 

 

 

『ホシノちゃんは…”小鳥遊ホシノ”だから最強なの?それとも”最強”だから小鳥遊ホシノなの?』

『何が…言いたいんですか?』

『私が君になれらなら…この馬鹿げた理想も地に足が着くと思わない?…生き方は決めたよ。後は自分に出来ることを精一杯、やる』

 

 

 

 

 

 

 

「梔子ユメ…『特異操術』を操る特級生徒。主従契約のない特異体を操ることが出来ます。ちなみに彼女が冠する『特級』とは、”アウトロー”に付けられる特級区分ではなく、”生徒”として付けられたものだと言うことを忘れないようにしてください」

 

ユメ達が去った後、特異現象捜査部の関係者はS.C.H.A.L.Eの本部に集まり対策会議を進めていた。

いつもの事ながら毎回こういった報告を皆の前でさせられることにアヤネは胃を痛めながらも、ホワイトボードに資料や写真を貼り付けて説明を進める。

 

余談として、アウトローに付けられる危険度の等級は特異体に付けられるものと同等の扱いとなる。

故に例えば1級の生徒ならば1級のアウトローに勝って当たり前となるのだが…ユメに付けられた特級という称号は、彼女が特異現象捜査部に所属していた時に付けられたものであった。

つまりは、最低でも特級の特異体を鎮められて当然の実力を彼女は持っていることになる。

 

話は戻ってアヤネはポインターでホワイトボードの資料を指しながら説明は続く。

 

「設立した宗教団体を呼び水に信者から特異体を集めていたようで、元々彼女が持っているであろう特異体…そして近年報告される特異現象の発生件数の減少傾向を考慮すると、計2000の特異体を放つという言もハッタリとは言いきれません」

「だとしても、統計的にその殆どは2級以下の低級の特異体でしょう。集められるアウトロー仲間の数も多くて50かそこら程度の筈…」

「そこが逆に怖いですよね〜…あの人が、なんの策もなく負け戦を挑むとは思えない」

「…OB、三大校だけでなくレッドウィンターや山海経、ハイランダー鉄道学園やオデュッセイア海洋高校にも協力を要請してください!総力戦です、ここで…あの子を完全に鎮めますよ!」

 

ホシノからの注釈を受けたヒマリは長年頭を悩ませてきたユメを確実に制圧する為に珍しく声を上げて指示を飛ばす。

それを聞いた一同も各々行動を開始し、対ユメとの決戦に向けて準備を始めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「って息巻いてるんだろうね〜、あの部長頭硬いからすーぐ考えてること分かっちゃうよ」

 

一方、ユメはそんなヒマリ達の動きを初めから予測していた。

部屋に集まった仲間達に向け、ユメも今回の件における本当の目的について話す。

 

「お互い本気でやりあったら、こっちの勝率は3割ってところかな。三大校以外の支部の連中も集められると2割を切るだろうね。だけど…そのなけなしの勝率を9割9分まで引き上げる方法が一つだけあるんだ」

 

人差し指を立て、ユメは妖しく笑った。

 

「砂狼クロコちゃんを殺して、特級過責特異体”プレナパテス”を手に入れる。学生時代のブラフをまだ信じてくれてるのはありがたいね〜。主従契約があろうとなかろうと、首を私とすげ替えちゃえば特異体なんて幾らでも取り込める。ただでさえ勝率の高い戦いで向こうがクロコちゃんを前線に出すことは無い。下手したら敵も味方も全滅するだろうし。百物語の真の目的は、クロコちゃんを孤立させること…さぁ、新時代を始めようか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────12月24日 百物語 当日

 

 

 

 

 

茜さす夕暮れ、クロコはS.C.H.A.L.Eにある教室で椅子を前後に揺らし、ボーッと天井を見上げていた。

鴉の鳴き声が外で響き、それが哀愁を強く感じさせる。

 

「…何か…凄いことになったなぁ…わっ!?」

 

そこに、脚で雑に教室の扉を開けたレンゲが入ってきた事でクロコは椅子のバランスを崩し後ろに倒れそうになる。

それを手を引っ張って引き戻したレンゲは、机の上に座って胡座をかいた。

 

「何してんだお前。今週は休校だろ?」

「落ち着かなくて…寮の人もいないし…」

「2年は前から百鬼夜行に遠征中だしな。ミノリは3、4年とサンクトゥムタワー辺りでバックアップ。ペロロは部長のお気に入りだから、多分ミノリと一緒だろ」

「そっか…」

 

今日S.C.H.A.L.Eに居ない生徒達の行方を聞いて、クロコは寂しそうに呟いた。

それを機に沈黙が流れ…レンゲがクロコをじっと見つめる。

 

「…聞けよ」

「え…?」

「だから、気になってたんだろ?アタシの昔の話」

「…いや…う、うん」

「はぁ…アタシは孤児でな、それを拾ったのが有名な指定アウトロー集団”魑魅一座”。神秘と秘儀を使って好き勝手する犯罪集団、その兵隊の1人にするために育てられたんだ。が…アタシは才能が全くなかった。特殊なコンタクトを付けなきゃ特異現象すら見えないし、弾に勝手に神秘を込めてくれる遺物を使わなきゃ強い神秘を持つ相手にろくにダメージも与えられない。だから他の連中には後ろ指指されたよ。馬鹿にされて、嫌がらせされて…ほんっと最悪だった」

「…レンゲは、なんで特異現象捜査部に入ったのかって私に聞いた。じゃあ、逆にどうしてレンゲは特異現象捜査部に入ったの?」

「…アタシは性格悪いからな。特異現象も見えないような奴が大成して、いつか魑魅一座をアタシの手でぶっ潰してやるんだ。いつまでものらりくらりと逃げ続けてるあのクソッタレ共をな」

「…ふふっ」

「あ?何だ?」

「いや…レンゲらしいと思って。私、レンゲみたいになりたい。強く真っ直ぐな、そんな生き方がしたい」

「!」

 

はにかむようにぎこちなく笑うクロコにレンゲはトクン、と心臓が跳ねたような錯覚を覚える。

こんな自分を慕う人なんていない、誰も自分に憧れなんてしない、そんな自嘲を持って生きてきた中で、初めての感覚。

不器用な笑顔が眩しくて、その目と目を合わさることが照れくさくなったレンゲは顔を逸らした

 

「私に手伝えることがあったら、なんでも言って。魑魅一座ぶっ壊そ〜…なんて…あはは…」

「…馬鹿。1人でやるから意味があるんだよ…アタシはもう部屋戻ってるぞ」

「あ、うん…またね」

 

 

荒っぽく机を降り教室か出て扉を後ろ手で閉めたレンゲは、そのまま扉に寄りかかって顔を赤くする。

 

「馬鹿かアタシは…認められた気になってんじゃねーよ…」

 

 

 

 

 

 

今は殆どの生徒が出払っていて、辛うじて残っていた者も始末したユメはS.C.H.A.L.Eから少し離れた廃ビルの屋上で、詠唱を唱えていた。

 

「…始めよっか」

 

 

 

 

 

「…!」

 

レンゲが教室を出た後も椅子を揺らしてボーッとしていたクロコだったが、S.C.H.A.L.E周辺を覆うようにして結界が降りたことに気が付き窓から身を乗り出して空を見上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、サンクトゥムタワー周辺で防衛線を張っていたヒマリが指揮する生徒達は、空から次々と降りてくる特異体の群れの姿を確認する。

 

「建物、インフラの破壊は可能な限り避けてください。逃げ遅れた一般人がいる可能性もあります。見つけ次第避難させてください…聞いているんですかホシノ!」

「…1人、面倒くさそうな奴がいるね」

 

 

 

ホシノが見上げる先…ヒマリ達、そしてホシノをビルの屋上から見下ろすのは、ユメの秘書であるチアキと金髪をポニーテールにした和装の少女…フィーナ。

 

「なるほど、あれが小鳥遊ホシノデスね!」

「はい、他は私達で引き受けますので。良いですか?何度も言いますが…」

「分かってマス!あくまで足止め、のらりくらりユメの仕事が終わるまでアソビマショ!」

 

 

 

 

 

 

S.C.H.A.L.Eへの道路を歩いていたユメは、向かいからやってくるレンゲの姿を見て足を止める。

 

「君がいたか〜」

「居ちゃ悪いかよ…お前こそ、なんでここにいる」

「悪いけど…今ちょっと急いでるんだよね〜」

 

レンゲはユメに愛用の銃を構え、ユメはムカデのような特異体を出現させた。

 

 

 

 

 

 

特異体の群れとビルの屋上から見下ろしてくるユメの仲間であろうアウトローを見上げるホシノは、顎に手を当てて考え事をしていた。

 

「ホシノ先輩!報告が…どうかしました?」

(…前線に出てこない…?百鬼夜行の方かな…いや、だとしたら何かしら連絡が来る筈…)

「いや、なんでもない。どうしたのアヤネちゃん」

「こんな時ですが、早い方が良いと思って…以前調査を依頼されたクロコさんの件ですが─────」

 

「…!ペロロ!ミノリ!」

 

「「!?」」

 

アヤネからの報告を聞いて何かに勘づいたホシノはバックアップに控えていたペロロとミノリの首根っこを強引に掴んで引きずり出すと、ペロロにミノリを抱き着かせ、その状態の2人を担ぎ上げた。

 

「おい待て、何をするつもりだ…!?」

「ストライキ!?」

「質問禁止!今から2人をS.C.H.A.L.Eに飛ばす!ユメ先輩もそこにいる!絶対、多分、間違いないよ!」

「どっちだ…!?」

「最悪クロコちゃんとレンゲちゃんが死ぬ。私もあの異人の子を片付けたら直ぐ行く。それまで死守して、良いね?」

 

「…分かった!」

「デモ!」

「よーし!舌噛まないようにね〜!」

 

ミノリがペロロにしっかり捕まっていることを確認したホシノは…担ぎ上げたペロロをS.C.H.A.L.Eの方へ思いっきりぶん投げた。

投げる直前、2人にはホシノの秘儀によって擬似的な”不変”を付与された為、音速を超えた投擲とそれによる着地による影響を受けることは無いだろう。

 

そしてそんなホシノの様子を眺めていたチアキとフィーナも行動を開始する。

 

「もう気付かれマシタカ!デスから影武者を用意すればいいとイイマシタのに」

「下手なダミーは逆効果ってユメ様が言ってたでしょう?…あーあー…キララさん、エリカさん」

『なーにー?』

「予定を繰上げますよ!開戦します!」

『お、待ってましたー!』

 

特異体の群れの中の一体、大きな特異体の口内に潜んでいたエリカとキララは意気揚々と外へ飛び出した。

 

また、ホシノの近くの信号機の上に着地したフィーナも戦闘体勢を取る。

 

「アナタの相手はワタシデスよ、特級!」

「…悪いけど、遊んであげられる暇はないんだよね」

 

苛立ちを顕に、ホシノはショットガンを構えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ホシノにぶん投げられたペロロとミノリは、S.C.H.A.L.E周辺を覆う巨大な結界を視認し空中で突入の準備を始める。

 

「私が結界を破る。後は最短で行くぞ!」

「労働!」

 

 

 

 

「おっと、誰かが結界に穴を開けたね。何事も上手くいかないものだね〜…侵入地点からここまで五分ぐらいかな?無視するか片付けるか…迷うなぁ」

 

頭から激しく出血し倒れるレンゲの横を通り抜けたユメは、結界への侵入者を察知していた。

クロコの元へ直行するか侵入者の相手をするかを考え────真横のビルの壁がぶち抜かれ、その奥から現れたペロロがユメにアサルトライフルを連射する。

 

「やるねぇ!」

「おおぉぉぉぉ!!」

 

銃弾をあっさり避けたユメにペロロは着ぐるみの巨躯を利用した体当たりを行うが、軽々と頭上を飛び越え避けられてしまう。

振り向いて追撃しようとするペロロだったが…視線の先に倒れるレンゲを見て一瞬動きを止めてしまった。

 

「レンゲ…ぐあぁ!?」

「よそ見厳禁だよ!」

 

ユメはペロロの頭を殴りつけその勢いで押し倒すと、さらに踵を顔面に振り落とす。

弾むように着ぐるみの上で跳ねて距離を取ったユメに、直ぐに起き上がったペロロは足元にスモークグレネードを叩き付けて煙を炊く。

 

視界を完全に奪う程の煙の中から離脱したユメだったが…煙の中から、どこから取り出したのか対物ライフルを持ったペロロが姿を表した。

 

「ひいぃ…!辛いです怖いです〜!」

「へえ?それあんまり喰らっちゃうとまずそうだね?」

 

口調も雰囲気も声も、そして動きの抑揚さえ切り替わったペロロは凄まじく正確な射撃でユメの腹を撃ち抜き、弾丸の威力で別の区画まで吹き飛ばす。

離れた距離を保ち一方的に撃ち抜こうとするペロロだったが…ユメは大量にムカデのような特異体を出現させると、それをペロロに襲いかからせる。

 

咄嗟に迎え撃ってそれらを消し飛ばしたペロロだが、ムカデを目くらましにユメは背後に回り込んでいた。

 

「単純だね?」

「それは…誘い込んだからね」

「ん!?また…!」

 

最初のもの、対物ライフルを取りだした時のもの…そしてそれらとはまた別の雰囲気と声に変化したペロロは、背中に開いた穴…そこからロケットランチャーを持った腕が伸び、そして放つ。

急加速するミサイルと精確なホーミング性能によりユメは避け切ることが出来ず、ミサイルに押し出されて近くのビルの壁に直撃…大爆発に巻き込まれる。

 

「ひぃん…いったいなぁ〜…ふふっ」

 

口では効いたような素振りを見せながら、しかし余裕に笑ったユメは再びムカデのような特異体を出現させてペロロへ差し向ける。

それを先程と同じようにロケットランチャーを放って吹き飛ばし…今度は回り込まれる前に爆炎を突っ切ってペロロはユメに迫ろうとする。

 

が…ユメは戦闘中、敢えて吹き飛ばされる事で位置を変え、そして現在始めの位置にまでぐるりと戻るように計算していた。

そこに落ちていた…レンゲの銃を拾い上げたユメは、それを使ってペロロを撃ち抜き…その銃の特性によりペロロは炎に飲み込まれる。

 

「うぐっ…!?」

「惜しかったね〜」

 

まともに直撃を受け膝を着いて萎れるペロロ。

レンゲの銃をその辺に放り捨てたユメは適当な特異体を出してトドメを刺そうとして─────

 

 

 

「あんたもね…!」

 

 

 

『暴落しろぉ!!』

 

 

 

「えっ…!?」

 

ペロロの図体を囮にその背後から飛び出したミノリが、マフラーを外して言霊を放つ。

 

言霊を受けたユメは、真上から生じた圧力によって地面に押し付けられ、地面が円柱状に陥没して底の見えない穴の下に落下する。

 

「ゲホッゴホッ…!カハッ…!」

「大丈夫か!?」

 

圧倒的に格上の神秘を持つ相手に言霊を使ったことで大きな跳ね返りが発生し、ミノリは血を吐く。

そんなミノリをペロロは背中をさすって介抱し…次にユメにやられたレンゲの元に駆け寄った。

 

「おい!レンゲ!しっかりしろ!おい!」

 

 

「逃…げ…」

「「?」」

 

掠れた小さなレンゲの声を聞き取ろうとペロロとミノリは耳を近付け…その背後で、大穴から巨大な特異体と共にユメが浮上していた。

 

 

 

 

 

 

 

「…!?な、なに…?」

 

近場で大きな揺れを感じ取ったクロコは慌てて装備を担いで轟音が聞こえた方へと向かい───そこで、倒れ伏すレンゲとミノリ、ペロロと、狂気的に笑うユメの姿を見てしまった。

 

「…」

「嬉しい…嬉しいよ…!私は今、すっごく感動してるよ!クロコちゃんを助けるために来たんでしょ!?子供が子供を、自分を犠牲にしてまで慈しんで、敬う…私が望んだ世界が、今目の前にあるんだ!」

 

「…レンゲ…?」

「…本当はね、私は君にも生きてて欲しいんだよ、クロコちゃん。でも全てはキヴォトスの未来のため」

「ペロロ…」

 

「クロ…コ…逃げ…ろ…」

「ミノリ…!」

 

重症に倒れる仲間の姿を見て…クロコの中で何かが弾ける。

煤けたカードを取り出してそれを掲げたクロコは怒りに満ちた叫び声を上げた。

 

 

「来て!先生!!」

 

 

 

 

記録───20XX年12月24日

 

特級過責特異体”プレナパテス”

2度目の完全顕現

 

 

 

「君を殺すよ、クロコちゃん」

「ぶっ殺す…!」

 

 

 

ユメが呼び出した無数の赤子のような特異体が波のようにクロコ達を飲み込まんとする。

 

「まずは質より量…さて、どうするかな?偉大なる大人は」

 

後ろに避けながらプレナパテスを背に、クロコは愛銃を構えると次々と襲ってくる特異体を撃ち落とし、撃ち漏らしたものはプレナパテスが圧倒的な暴力で叩き潰してそれらを全滅させた。

戦闘の最中クロコの指示によりレンゲとミノリ、パンダを回収したプレナパテスはクロコと共に適当なビル、その高層に窓を突き破って飛び込むと、安全な場所に3人を寝かせてクロコは”恐怖”のアウトプットで3人の傷を癒す。

 

処置を済ませたクロコはプレナパテスを伴い、律儀に待っていたユメの前に降り立った。

 

 

「おかえり〜」

「…なんで攻撃をやめたの?」

「神秘による治癒には、高度な反転による恐怖の抽出が必要になる。君の意識を少しでもそっちに割かせて勝率を上げられるなら万々歳でしょ?じゃあ…続けよっか」

 

「…先生、やるよ」

 

ユメが大量のムカデと赤子の特異体をけしかけるが…

クロコが背後に立つプレナパテスに手を出すと、その手の中に1つのメガホンが収まった。

 

(あれは…!)

 

その正体を勘で察したユメは耳を抑え…その直後にクロコがメガホンを通して一言。

 

 

 

 

『死ね』

 

 

 

その声を聞いた瞬間、けしかけた特異体が一体残らず消滅する。

それは紛れもなく、ミノリの『言霊』の模倣だった。

 

「…難しい…神秘が拡散して狙いが定まらない…ミノリは凄いな…」

(やっぱり、プレナパテスの正体は変幻自在…底なしの神秘の塊…益々欲しいね)

「そうだ…私の友達は凄いんだ…それをあなたは…!ぐちゃぐちゃにしてやる…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特異体が跋扈するD.U.で、覆面を被った少女…セリカが襲い来る何体もの特異体を排除していた。

 

「もう!なんでユウカ先輩百鬼夜行の方行っちゃったんですか!私の活躍見て欲しかったのに!」

「うるさい、文句言わないでよ!ただでさえ面倒くさいのに…まだまだ来るよ!」

「え〜…」

 

 

ユメが放った2000にも登る特異体に、各地で反撃が行われる。

 

 

シュンは美しく艶めかしく、見惚れてしまうような妖艶な体捌きで現在50体もの特異体を撃破する。

 

「子供達の負担を少しでも減らさないといけませんし…もう少し働きましょうか」

 

 

 

 

歩道橋から首を吊るされている何人もの監督オペレーターの姿を見たアヤネは、それを行ったと思われる2人の少女を見やる。

 

「…あなた達、歳は?」

「え〜?14」

「まだ中等部じゃないですか。ならまだやり直せます。善悪の区別もまだついてないでしょう」

 

「はぁ〜?エリカちゃん、あいつ喧嘩売ってるの?」

「キララちゃん、あいつ吊るす?」

 

アヤネの交渉にも応じず、キララとエリカは殺気立たせた。

 

「あんたらは知らないでしょ?地図にも乗らないような田舎で…子供が大人にどんな風に扱われてるのか。善悪…、そんなのあんたらで勝手にやってろし!」

「私達は…あの人が見据える世界を信じてる。邪魔をするなら─────」

 

 

 

2人の後方で何かが墜落し爆発が起きる。

驚き振り返ったキララとエリカが見たのは、瓦礫を押しのけて首を回していたフィーナだった。

 

「フィーナ!?何してんの!?」

「見て分かってくだサーイ!」

「しぶといねぇ」

「!」

 

そんなフィーナの後ろに音も立てず接近していたホシノに…フィーナは黒い縄を振り回すと、ホシノの腕を弾き上げた。

縄が触れた部分が微かに焼け、その縄の効果をホシノは分析する。

 

(あの縄…珍しい神秘が編み込まれてるなぁ…こっちの秘儀が乱される)

(モウ半分も残ってナイ…)

「これ1本編むノニ、ワタシの国の生徒が何十年かけると思ってるんデスカ!」

「知らないよ、私の1秒の方が上ってだけ…邪魔」

 

ビルの合間から姿を表した巨大な特異体をホシノはショットガンのワンショットで消し飛ばし、その余波で周辺のビルの窓ガラスがまとめて粉砕された。

ヒマリの忠告を完全に忘れて…或いは無視していることから、アヤネはホシノがどれだけ怒っているのかを察して冷や汗を垂らす。

 

(アレがユメが言っていた『ウジャトの目』の力…本来は強大な再生の力を有スル秘儀、それを反転させる事で生ジル破壊の力を弾に乗せて放つ…その上、秘儀の副産物で緻密な神秘の操作も可能にシテイルと…ノルマまでアト12分強…死ぬ気で逃げキル!)

 

フィーナは触れた相手の秘儀を乱す特級遺物…『黒縄』を鞭のように操り、近くにあった室外機を引っこ抜いてそれをホシノへとぶつける。

しかしその衝突によってペシャンコになったのは室外機の方だが、それにホシノが気を取られた隙に背後に回り込み、フィーナは黒縄を交えた格闘戦に持ち込んだ。

 

ぐるぐると回って踊るような格闘。

それら全てを捌いたホシノはフィーナを蹴り飛ばすも、吹き飛んだ先でフィーナは電線に黒縄を引っかけて引きちぎり、ちぎれて放電する電線の中から現れた特異体がホシノに食らいつこうとする。

それをショットガン一発で消し飛ばしたホシノはフィーナを追うが、その前に巨大な特異体が立ちはだかる。

 

が、それすらもホシノはパンチ一発で鎮め、黒縄を電柱に巻き付けターザンロープのようにして空中を移動するフィーナの進路に先回りすると、顔面に容赦なく『ウジャトの目』を反転させた破壊の力が籠ったショットガンを放って吹き飛ばす。

 

「ワーオ!?」や「オウ!?」と元気に叫びながら地面を転がるフィーナだが、地面を割る勢いで着地したホシノを迎え撃つ為に黒縄を振り回して反撃を試みるも、その全てをひらりと避けたホシノはインファイトへと持ち込み、顔に、腹に、胸に、何度も何度も殴打を叩き込んでラッシュのフィニッシュに横腹を蹴り飛ばす。

車のボンネットに衝突したフィーナは続くホシノからの追撃を避けると、ユメが放った大型の特異体の元まで撤退した。

 

「イテテ…さっきのはヤバカッタデス…ノルマまであと10分弱を全力で耐エル…死んだら祟りマスよ、ユメ」

 

 

フィーナは不敵に笑い、ホシノを前にしてもなおユメへの軽口を叩ける程度には未だ戦意を衰えさせないのだった。

 

 

 




配役
夏油の秘書…チアキ
美々子…キララ
菜々子…エリカ
ミゲル…フィーナ
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