プロローグ
Side?
「そう…まだ見つかっていないんだ…」
「ああ、学生生活の片手間に虱潰しに違法な研究を行っている研究所を潰していってはいるが未だに奴の影すらも掴めていねえ…」
俺の名はベグム、だがこれは俺が普通の人間として生活をしている時の偽名だ。
本当の名はベグ、かつてとある町の研究所で一緒に昼食を摂っているアナベラ(ベラ)や他の仲間と共にこの世に生まれおちた妖怪人間と呼ばれた化物なのだ。
そんな俺達は何時の日にか普通の人間に生まれ変わるが為に人間達を助けたりしていた。
だがそれは世界を裏側から支配しようと企んでいた悪い人間や俺達の存在を認めない人間とのいざこざによって儚くも崩れ去った。
そして仲間の一人で俺達のリーダー格でもあったベムは俺達を産み出した伯爵という人物と戦いその最中で重傷を負ってしまった愛した人間の女性の命を救う為にその自らの命を捧げ人生に終止符を打った。
だがベムがいなくなった後もまだ俺達の戦いは終わっちゃいない…違法な人間改造研究を行い、ベムを捕らえ記憶を操作し彼の妖怪人間の細胞を研究利用し生体兵器として売り出そうとある企業と手を組んでいたDr.リサイクルという外道科学者を見つけ出してとっちめてやらなければまたあの悲劇が繰り返されてしまう。
俺は奴が日本に隠れ潜んでいるかもしれないとの信頼している情報筋を得て、ベラにも声をかけ留学生として日本で学生生活を送りながらも奴の行方を追い探っていた。
ちなみにベロにも声をかけたが彼は依頼で請け負うようになったヴィランハンターの仕事で多忙なようでこっちに来れる余裕がなかった。
「アンタが焦った所でどうにかなるものじゃないでしょう…」
「むう…それはそうなんだが…!」
「!…」
あるいは俺達の動きを察知して既に別の国に逃亡しているという事も考えられたが…ベラにそう言われ一旦落ち着き教室へ戻って自席に座り込んだ瞬間の事だった。
「「!?」」
「コレは!?…」
俺達の足元に突如として魔法陣の様な物が浮かび上がってきたのだ。
「皆さん、早く教室から避難…」
担任の先生から避難を促されるが最早間に合わない…俺達は魔法陣に吸い込まれるように教室から姿を消した。
「…ぐう…今のは一体?…」
「どうやら又とんでもない事に巻き込まれたみたいね…」
俺達は怪しげな洞窟の様な場所に飛ばされていた。
「まるで本で読んだ魔法のよう…」
「ああ、そういう事か…」
ベラの冷静な状況分析で漸く俺も別の世界に飛ばされてしまったのだと理解した。
その直後現れたイシュタルと名乗った胡散臭過ぎるというか伯爵以上のヤバイ何かを感じるオッサンに連れられて行ったお城に俺達は迎え入れられた。
「どう思う?」
「どうってどこの世界も人間は愚かしいわねって…人よりちょっとばかし強いだけの同じ人間を神様だなんて崇めて言いなりになっているなんてね…」
「…(真逆な…)」
そう、この世界トータスの創造神とされる奴はどうやら魔法に長けているだけの人間の様だ。
只の人間は誤魔化せても俺達妖怪人間を騙せる程の力量は持っていないようだ。
それにこの世界の情勢、その人間の言いなりになってしまっている状況といい…奴が喜んで入り込める隙しかない…まあいずれにしろ警戒しておくに越した事はないな。