ありふれない偽りの人間は異世界を駆ける   作:カオスサイン

2 / 2
本編
EPⅠ「醜き嫉妬が招く悲劇」


Sideベグ

「さてとこれからどうするべきか…」

突然異世界に戦争の手駒として召喚されて元の世界に戻る為の手段も今の所は皆無な俺達は慎重に行動するしかなさそうだ。

「ん?…」

思考しながら単独行動していると物音が聞こえてきて俺は覗き見る。

そこでは友人の一人である南雲 ハジメが檜山 大介を筆頭とした不良グループにいわれのない集団リンチを受けていた。

「アイツ等!…ちょっとばかし脅してやるか…」

そんな光景を目の当たりにして俺は力を込め妖怪人間の姿へと変わる。

「シャアー!」

「「ば、化物!?」」

妖怪人間の姿となって現れた俺に檜山達は驚き攻撃してくるがそんな遅い攻撃に当たる俺などではない。

俺は最初の咆哮以外は無言を貫き檜山達に反撃を仕掛ける。

「ギャアアアアー!?」

「お、俺の腕があああああー!?」

「ヒイイイイイイー!?く、来るなああああー!?」

「痛い痛いィー!?」

俺は爪で檜山の右足、取り巻きの近藤の右腕、斎藤の左足、中野の左腕へとそれぞれ傷をつけていく。

「!」

物音を聞いて誰かが駆けつけてきたのを察した俺は天井裏をつたって逃げた。

「ベグ、アンタ何かしたでしょう?」

「アイツ等が悪い」

ベラには察せられて注意されたが後悔などしていない。

ちなみに檜山達は俺の存在を訴えたようだがその前にクラスメイトである白崎 香織さんにハジメを傷付けていた事を問い詰められてそれ所じゃなかった。

そして…

「はあっ!」

異世界召喚された影響で人間の姿でも妖怪人間の力を扱うのが不自然に見えないおかげで俺とベラは難無く戦闘訓練で潜ったダンジョンの魔物を討伐していく。

だがそこでアクシデントが発生する。

檜山達が身勝手な行動をし今の彼等のレベルでは到底勝てない魔物が存在している階層にへと飛ばされてしまい混乱に陥っていた。

「アナベラ姉さんはあっちの援護を!俺はハジメと向こうの援護をやる!」

「分かったわ!」

ベラには戦闘向きではない者達の援護を任せて俺は走り出す。

「はあああー!」

俺は妖怪人間パワーを込めたキックで確かトラウムソルジャーだったか?を粉砕する。

「あ…ありがとう…」

「ん?ああ、今のは偶然だ気にするな」

ふと声をかけられて俺が振り向くと其処にはクラスメイトである園部 優花さんが腰を抜かしてしまっていたようで手をとってあげた。

「君は下がっていてくれ、俺はまだやる事があるからな」

「う、うん…」

俺はベヒモスという魔物を抑え込んでくれているハジメの下へと駆け出す。

「でやああー!」

「グルオー!?」

「ベグム君!?」

「流石に固いようだな…ならもう一撃喰らわせれば!…」

割り込んできた俺に驚くハジメをよそに俺はもう一撃与えようと構えようとしたその時、

「アンタ達!其処から早く離脱しなさい!」

「!?」

ベラの叫びの警告が聞こえ俺はおもわず飛び退いた。

その瞬間に火球が撃ち込まれて此れ迄の戦闘の影響で脆くなってしまっていた地面が遂には崩落し始めたのだ。

「うわあー!?…」

「しまった!?」

おもわず本能で飛び退いた事が仇となってハジメが崩落に巻き込まれてしまったのだ。

「い、嫌あーーーー!?」

ハジメが真っ逆さまに奈落へと落ちていったのを目にしてしまった白崎さんが絶叫する。

「今余計な一撃を放ったのはどいつだああー!?」

俺は怒号を上げ犯人を探す。

そこでドサクサ紛れにこの階層から離れようとしている檜山を発見する。

「やっぱりお前かあああああー!檜山あー!」

「ぐえっ!?…」

即座に檜山に強烈なライダーキックをお見舞いし奴を気絶させる。

「おいお前、檜山に何をし!?…」

「うるせえよ偏りエゴ野郎…!」

「なっ!?…」

そこでクラスメイトである天之河 光輝が止めようとしてくる。

コイツを見てると只々真相を見ようともせずに俺達を迫害してきたあの糞刑事を思い出し立腹する。

先日のリンチ事件も何をどうしたらハジメも悪いだなんて結論になるのか理解出来なかった。

「ベグ、やめなさい!」

おもわず我を忘れて変身しそうになった俺だったがベラの一声でなんとか思い留まる。

「…」

「お、おい?」

「とっとと戻るぞ…」

俺はさっさとこの気まずい空気になった場から離脱する事を選んだ。

そして…

「結局は捨て駒扱いって訳かよ…」

ハジメが檜山の余計…というより明らかに狙った一撃で奈落に落ちていってしまった事を団長さんが報告したが城の連中は一部を除いて全く気にしていない所か足手纏いだったなどとのたまっていた。

あれでは檜山への厳正な罰など期待しない方が賢明だろう。

「どうするの?」

「とりあえず奴の行方も気になるしハジメも助け出さないといけないからこの国から一刻も早く出るとしよう」

「ああ、悪いんだけど私は此処に残らせてもらうわ。

友達が心配だから…」

「そうか…」

元の世界でリブラシティに居た頃かつて俺とベラが通っていたセントジョーゼフハイスクールでの事を思い出したのだろう。

あの糞刑事が指名手配してきたせいで一度友人達に裏切られているにも関わらずそこは変わらないな…(俺やベロに関しては変わり者が多かった為普段と変わりなかった)

この世界だと人間の姿で力を使っても違和感は無いだろうし下手に変身を迫られる可能性は限りなく低いだろう。

その分俺が頑張らないとな。

「さてと、待っていろよハジメ!」

クラスメイトや城の人間が寝静まった頃を見計らって俺はハジメが落とされた地点迄向かった。

そして妖怪人間の力を解放し一気に穴の奥へと突入していった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。