死滅回游妨害RTA(ガチ) 作:相川
『自分以外のあらゆる術式を無効化する』
これが、俺がこの世界で持ち得た
…………チートでは?自分で言うのも何だが、はっきり言ってチートだと思う。あの最強生物五条悟も両面宿儺も俺に対して肉弾戦以外に致命傷を与えることが出来ないのだから。
いやまあ、もしその二人と戦うようなことがあったらその肝心の肉弾戦でボッコボコにされる未来が見えるんですけどねハイ。あとは天与の暴君や虎杖悠仁、
さて、もうお気づきだろうが俺は転生者だ。それも『呪術廻戦』の世界に転生した術式持ちの一般人。家系は非術師の家系だ。呪術のじゅの字もない、ただただ平穏に暮らしている。
この世界、悪くはない。前世とあまり変わらないし。ちょっとだけ過去に転生したようなものだろう。家は貧乏ではないし、何不自由なく暮らせている。まあ生まれた時からちょっと
と、まあ俺は前世の記憶を受け継いだまま『呪術廻戦』の世界に転生したわけだけれど、無論前世において『呪術廻戦』は原作が漫画雑誌で数々のメディア化がされた人気作品だ。勿論俺は原作を読んでいたので、今後どんなイベントが待ち構えているのかを知っている。知っているが、懐玉・玉折は俺が干渉出来る余地はない。
理由は単純だ。今が西暦2008年の12月だということ。そして俺は現在5歳児。
無理でーす。ついこの間術式を自覚した幼稚園児にできることなどありませーん。
確か原作だと星漿体の護衛任務が2006年だったはず。もう前髪は闇落ちしていますね(諦め)
ということで、夏油の闇落ちは防げないし、羂索ママは虎杖を産んでいる。羂索め、気色の悪い真似をする(宿儺並み感)
つまりなにもできやっせん。お疲れサマンサ。
なんて諦めるのは簡単なんだが、このまま原作通りに進むと日本が終わる。これは言葉通りの意味でマジで日本が終わる。死滅回遊のコロニーに限って言えば世紀末だからね。北斗の拳レベルの世紀末だもんね。
でもそんなのかんけーねーはいおっぱっぴー。って放り投げたいのは山々なのだが、俺が現在拠点としている所、つまり実家が新宿なんですよね。詰みじゃん。死滅回遊参加待ったなしじゃん。俺術式あるし。
つまり諦められません!クソが!
だがまだ希望はある。俺の術式だ。
俺の術式は俺以外のあらゆる術式を無効化する。つまりアンチ呪術。ゲーム的に言うとメタ。
だがこれだけでは何の解決にもなっていない。それは当然だ。俺が呪術効かないマンだったところで五条先生は封印されるし、死滅回遊を止められる力もない。だが、方法はある!
それは――
『領域展開』
呪術の到達点にして秘奥。生得領域に術式を付与し、結界として周囲に構築することで必中必殺へと昇華させるまさに『必殺技』
それが俺の見出した希望だ。
まず考えてほしいのは、俺の術式。まあ名前を付けるとしたら『反呪術』と言った所か。それの効果は術式無効。これを領域に付与するとなれば考えられる効果は“領域内での術式使用不可”となるだろう。たぶん。これは術式を持っていない術者――例えば虎杖、三輪、日下部――には効かなそうだが、それ以外の術師には必殺足り得るだろう。まあ呪力も練れなくなるという可能性もあるが。
思い出してほしい。原作での東京第一コロニーの虎杖VS日車の戦い。その際に日車の術式によって虎杖が
『術師は術式が使用できなくなると基礎的な呪力操作もグダグダになることが多い』
故に、俺の領域は対術師において超強力!……に、なる可能性がある。
それにもし俺の思った通りの領域なら、恐らく獄門疆の封印も解けるだろう。
作中で獄門疆の封印を解く手段が、天逆鉾、黒縄、天使の術式であったからこれはほぼ確定と言っていい。
方法としてはまだある。というかこれが一番楽な手段だが、今の俺の術式は己のみを効果対象としているため、ただただ俺が術式効かないマンなだけなのだ。例えるなら文ストの太宰さんがいるだろう。彼は触れた異能を無効化できるが、俺はそれができない。
これを、特訓によって外への干渉を可能にさせる。そう、俺自身が太宰さんになるのだ。
この案は領域より習得難易度が下がるが、一点だけ難点がある。それは、獄門疆に張り付いている羂索相手に俺が勝てるわけなくね?
つまり、必然的に俺は領域を習得し羂索に不意打ち領域を食らわせ獄門疆の封印を解く。これしかない。
まとめると、俺は原作にいなかったイレギュラーであり、五条悟の封印を解く手段を持っている存在(仮)に他ならない。これは大きなアドバンテージである。
もし俺が獄門疆の封印を解けたら、まあ死滅回遊は始まらんよね。ってか自然呪霊組と偽夏油が生き残れるとは到底思えん。
そうなれば、漏瑚のせいで死ぬことになった七海や直毘人が生き残るだろうし、釘崎だって真人とエンカウントせずに済むだろう。済むよね?
今のところ取らぬ狸の皮算用すぎるが、これに縋っていないとまともに楽観視すらできないので許してヒヤシンス。
つべこべ言わずにやるしかないのだよ。頼むから手加減してくれ右京さん。
その上で、俺には厄介なことがある。
それは、呪術上層部に羂索の息がかかっていることだ。
独学での領域取得など俺にはできると思えない。ではどうするか、教えてくれる存在が必要だ。そうなると現実的な案は高専に入学することだが、術式無効術式なんて持っている奴が入学してきたと知れば羂索が取り得る手は容易に想像できる。
万が一羂索に俺の存在が露呈すれば、俺を排除ないし無力化しに来るだろう。
獄門疆を解除できる可能性がある存在がいると知れば、どんな手でも使うだろう。
間接的、直接的に関わらず殺そうと……待てよ?
原作開始時、羂索は夏油の肉体を操っているが、それは五条封印で切り札となる事実だ。皆さんご存知、きっしょなんで分かんだよ(パカッ)である。
羂索にとって、夏油もしくは夏油のようなナ二かが存在していることは高専側にバレたくない事実であることは間違いない。ならば、羂索は安易に姿を現さないだろう。
千年も自分の計画を進めてきた怪物であることは間違いない。六眼持ちを生まれた時に殺しているような人物だし、特級の肉体を手に入れたスーパー羂索。まあ、まだ羂索は夏油の肉体を手に入れてないけどね。
だが、逆に高専に入ってしまった方が良いのではないだろうか。入ろうが入らなかろうが、俺が呪術の特訓をするのは変えられない事実。
もし、高専に入っていない状態の俺を羂索が嗅ぎ付けたら?後ろ盾もない一般人一人殺すのは訳ないだろう。
だったら、呪術界の問題児。グットルッキングガイ五条悟の庇護下にあった方が幾分か安全なのではないだろうか。
どうせ原作に介入するんだし、メリットデメリットを考えた結果、高専に入った方が良い気がする。俺は虎杖と同い年だし。
さて、俺が今思い描いている図はこうだ。
まず、領域展開を会得する(無理難題)。次に、2018年10月31日午後19時、高専の術師として渋谷事変に参加する。そこで、五条悟が封印されたという知らせを受ける。五条が獄門疆に封印され、獄門疆が五条の情報を処理している隙に俺がホームに突入し領域展開をする。そして、五条は封印から解放されゲームセット。
まあキツい。
何がキツいって第一関門である領域展開の会得がキツい。なんならそれ以外よりもキツい。
特級同士の戦い潜り抜けて死なないように立ち回るのもそこそこの難易度であると思うが、領域展開の会得に比べれば朝飯前だろう。
作中で領域展開を会得しているのは極わずかであり、どいつもこいつも特級レベルだ。例外として伏黒や秤、日車などがいるが片や不完全。片や術式に付随する形の領域だ。必殺の領域ではない。
これで領域がどれだけ高等技術であるのか理解できただろう。だって百鬼夜行時点の夏油ですら領域展開は会得できていないのだから。
何か違和感が……。あ!俺の実家新宿だから百鬼夜行あるじゃねぇか!!
やべ、高専云々なんて言っている場合じゃなくなった。サトル=ゴジョウをさっさと見つけて弟子入りでもなんでもさせてもらおう。
なんとかして羂索に見つからないように呪術師を見つけることが最優先だ。
笹食ってる場合じゃねぇ!