死滅回游妨害RTA(ガチ) 作:相川
と言うわけで、俺は百鬼夜行に巻き込まれることが半ば確定しました!何も嬉しくない!
現在2012年です。私、小学4年生となりました。
前世の記憶を持っていると、周りの大人たちは俺のことを嫌に空気を読むのが上手くて語彙力のある子供だと感心または不気味な目で見てくる。周りの子どもたちは、近寄って来ません!
これは別に俺がロリコンショタコンだったことを見破られたからではない。単純にIQの問題だ。争いは同じレベルでしか発生しないと言うように、会話も同じレベルでなければ成り立たない。
つまり、俺は今このコミュニティでは“アッチ側”に立ってるわけなんよね。
え?アッチ側じゃなくてボッチ側だって?
ひ、人の心とかないんか?
そんなことはさておき、俺は呪術師としての実力を付けるために、なんとかして五条先生に弟子入りしたい今日この頃。五条先生の封印を解くための第一歩が五条先生を探すことなのなんかのパラドックスだと思うんだけど。
ごじょせんに弟子入りしたい理由は単純で、羂索対策だ。俺の存在が羂索にバレることはそうそうないと思うが、万が一のために現代最強とのコネを持っておくことはこれ以上ない安心感がある。それに、早い段階から最強を教師に付けられたら、俺の呪術師としての実力の伸び幅も相当だろう。
実際、原作で五条に小学生の時から育てられていたであろう伏黒は呪術師として強い。不完全でも領域を使えているのを見るに、やはり幼い時からの特訓が大事であるのが分かる。
まあ、あれは伏黒の意識改善の代物と言われると言い返せないけど、意識改善すれば不完全領域を即興で出来るだけの基礎は完成されていたと考えるべきだろう。
五条先生に弟子入りした場合、羂索に俺の存在がバレやすくなるというデメリットもあるが、俺のことをあまり他言しないように頼めば大丈夫だろう。……大丈夫だよね?
だめだ。五条先生ならポロっと歌姫辺りに零しそう。
では、目下の課題を発表します。
それは、どうやって五条先生に会うか!
うん。特級呪術師で忙しなく全国を巡っている五条悟を相手にどうやってエンカウントするべきなのか。全く分からない。
これなら、伏黒を探したほうが幾分か楽なのではないかと思うんだよね。
町中にいる呪霊を見つけては、呪術師が来るかどうか観察する。そんな日課を過ごす電波系男子になってしまって幾星霜。
いたんだよなぁ伏黒恵。
どうやって話しかけるべきだろうか。あのツンツンした性格で睨まれたら俺ちょっと非リアの記憶が蘇って「あ、なんでもないですスイマセン」ってなる未来が見える。
路地裏で呪霊相手に戦っている伏黒を遠くから見つめている。呪力で強化した視力なのでまあまあ距離は離れている。
俺は特別呪力操作に定評があるらしく、呪力を用いた五感の強化と呪力を鞭のようにして攻撃する手段をこの4年で手に入れた。
五感の強化に関しては便利だが使いどころは腐りやすい。呪術師やら呪霊相手なら呪力で気配を感じることができるからだね。まあ、目が良いのは便利だよ。
呪力の鞭に関しては、攻撃手段を持たない俺の術式にとっては嬉しいものだ。中距離の攻撃手段は近距離が得意な相手に有効打になりやすいし。
そんなこんなで、俺は伏黒の奮闘を見つめつつどうしようか悩んでいた。話しかけるのはいい。でもなんて話し掛けよう。今日はいい天気ですね?絶対に違う。
いやまあ呪霊が見えることをカミングアウトすれば良いだけなんだろうけどさ。いざ原作キャラを見つけたとなると心臓がバクバクして思うように動けないんだよ緊張しちゃって。
そんなことを考えながらうじうじしていると、俺の肩に誰かの手が乗せられる感覚がした。
ふと振り返ってみると、高そうな正装に身を包んだ目隠しグッドルッキングガイがいた。
アイエエエ!ゴジョウ!ゴジョウナンデ!
なんて内心でビビり散らかしたけど、そりゃあいるわな。伏黒は五条先生が預かっていることになってるんだし保護者として付いているのは当たり前だわ。この人に親としての自覚があるのか知らんけど。
「君、何見てるの?」
俺がアワアワしていると五条先生の方から話しかけてきた。ニッコリ笑顔で語りかけてきて興味津々って感じを隠そうともしていないけど、ぶっちゃけ怖い。あんた背が高すぎるよ。圧が、圧が凄すぎる。
その上目隠しなんてしているもんだから不審者感が凄すぎる。
「え、いや何も見てないですよ……」
「ふーん」
咄嗟に嘘をついてしまったけど、怪しんでいるようには感じられない。
いや、この人六眼で人の術式分かるんだから俺の事なんて格好のおもちゃに写ってるんじゃないかな。
「おーい、恵!ちょっとこっち来てくれない?」
路地裏から出てきた伏黒を呼び、俺の横に座る。なんで座った。
「ねえ。君ってさ、変な生き物が見えたこととかない?オーラとかでもいいんだけど」
これ普通の人に言ったら頭おかしい人として扱われるよな。
「いや、ないですけど」
俺は俺で嘘をついてしまう。いや、別に嘘をつく必要なんてないのよ?俺の目的は五条先生の教えを乞うことだし。
でも、スタイル抜群イケメン高身長白髪細マッチョ相手にすると咄嗟に自己防衛心が芽生えるのだ。口が勝手に動いてしまう。本能でこの人やべぇってなる。
「ほんとに~?」
ああ、この人遊んでるわ。俺で遊んでやがる。
そんなことをしていると俺たちの許に伏黒がやってきた。ショタ黒である。俺と同い年だから今はまだ小学生。
「恵、なんか式神出して」
「は?」
唐突に五条先生がそんなことを言うもんだから伏黒君が困惑している。
「は?」の一文字だけで反応しているが表情は「また変なこと言い出したよこの人」ってところだ。俺には分かる。
「まあいいから。脱兎とか出してよ」
「はあ、まあいいですけど」
めんどくさそうにしながら脱兎を出す伏黒。おおーこれが脱兎か。パパ黒相手にカンフーで相手してた脱兎がこれかー。
「君、やっぱり見えてるでしょ」
「え?」
見れば、伏黒でさえ少し驚いたような顔をして俺を見ていた。
「目で追えてたからね」
「あっ」
あっ。
いやまあ別にバレたっていいんだけどね!?と言うかバレた方が俺としては都合が良いんだけどね!?
でも嘘をついていたという後ろめたさはあるからなんとも言い難いモヤモヤがある。
「君さ、ちょっと僕の手触ってくれない?」
「え?」
俺の術式を確認したいんだろうけど。初対面の子どもに言うことがそれか?
「いいからいいから。あ、僕の名前は五条悟。君は?」
え、え?
いや今聞くことではないよね!?
「藤原辰久ですけど」
「ハイ握手!」
そうして五条先生は無理やり俺と握手をした。
多分だが、この時五条先生は術式を解いていなかったんだろう。
「うんうん。やっぱり、君面白い
ニヤニヤしてやがる。
すると、不思議そうに伏黒が五条先生に問うた。
「……なにしたんですか」
「ん?ああ、今の握手の時僕は術式を解いてなかったんだよね」
「は?」
「恵も知っての通り、僕の術式無下限呪術は物体が僕に近づけば近づくほど遅くなる。それを無視して僕の手に触れたんだよこの子は」
まあやってることは完全に幻想殺しだよね。
「辰久も気づいてるはずだよ。自分が持ってる力について」
うん。気づいてます。ここから誤魔化す必要もないし、素直に頷いておこう。
「術式無効の術式。対呪術師相手には特攻にもなり得る術式さ」
それを聞いて、伏黒は大層驚いている。
うん。そりゃ驚くわ。俺だって驚いてるもん。
さて、ではここからは俺が呪術師として弟子入りしたいことをアピールするターンに入ります。