異世界人をVtuberに   作:デストーリー

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第15話 二回戦と三回戦と

 

 

 

 

 

 

 

二回戦開始前

 

 

アマツは10分休憩の間、素早くお手洗いを済ませ、先ほどの試合を見返していた

 

 

「相手はジャック対策に受け身のジャストガード戦法で来た、フレーム単位で正確に攻撃を見切ってる、ゲームセンスというより身体的アドバンテージがあり、でもおそらく僕対策に集中してそれ以外の動きは対応可能か微妙、所々でゲーム慣れしてない個所があり、多分一ヶ月か半月、いや、もっと短いか」

 

ゲーミングチェアに体育座りをしながらぶつぶつと独り言をつぶやく

 

 

5分ほどたつと両手で顔を叩き、気持ちを切り替える

 

 

 

「強い相手に出会えて嬉しいっすけど、負けっぱなしは嫌っす!」

 

画面に映らない素顔のアマツは本気の相手に燃えた笑みを浮かべる

 

 

「舐めるなっす、新人!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして二回戦はわずか15秒で終わった

 

 

 

 

『はやっ!?』

『えっどういうこと?』

『なんでジャストガードができなかったの?』

『さっきと同じようにしか見えなかったけど』

 

 

 

 

ディシアの配信では視聴者は何が起こったか理解できずにコメントしていた

 

 

「わらわが、負けた?」

 

 

「いったい何が、同じようにジャストガードしたのにガードできなかった、そのまま何も抵抗できずに一発なんて」

 

「多分タイミングをずらしたんだよ」

 

 

「え?」

 

「な?」

 

俺とディシアは呆然としていたが、正弥が冷静に分析を行っていた

 

 

「本当に多分なんだけど、ディシアさんのジャストガードに対抗してジャストガード判定にならないようにフレーム単位で攻撃のタイミングをずらしたんだよ、タイミングが合わないとジャストガードは空振って隙ができるし」

 

「おいおい、そんなジャストガード対策を、というか10分の休憩でフレーム単位で?普通出来ないだろ」

 

正弥のいうことが本当なら10分間、お手洗いで1.2分削れたとしても8.9分でディシアのジャストガードを分析してフレーム単位っていうコンピューターレベルのことを自身の指の感覚でやり遂げた

 

 

 

「普通じゃないんだよ、最強Vゲーマー八皇は」

 

「え?」

 

正弥の一言に俺はアマツに対し少しの恐怖を覚えた

 

 

 

だがここで俺らがこんな雰囲気だとディシアに悪い

結果でいえば目的は達成されたのだから気持ちを切り替えよう

 

 

「ま、まあ一回は勝てたし、マーシャルコードとしては目的は達成できたわけだし、これ以上はいいんじゃない社長?」

 

「え、あ~そうだな、ディシアが頑張ってくれたおかげで紹介コーナーに出られる」

 

 

俺たちはディシアを慰めようといろいろ言葉を並べた

 

ディシアは平和主義?だと俺は思っているし、元の世界でいろんな経験をしてきた魔王だからこのくらいでへこたれることはないだろうと思った

 

 

 

『ディシアはよく頑張った』

『アマツ相手だからな~~』

『アマツの配信から来ました、アマツファンからしても一回勝てたことは相当すごいと話題ですよ』

『アマツファンも流れてきてるからVtuberとしては勝ちも同然』

『ディシア様、元気出して』

『ゲーマー界隈でもディシアの話題で持ち切り』

 

 

臣下もディシアを励まし、アマツの配信から来たアマツファンやゲーマーも素直にディシアを称賛していた

 

確認すればチャンネル登録数や現在の配信の同接もうなぎ上りだ

 

 

 

 

 

 

 

 

皆がディシアを励ました

 

 

 

が逆効果だった

 

 

「………………はぁ?」

 

 

その声は怒りを通り越した呆れや怨念ような、零れ落ちた声

 

 

 

 

「っ!?」

「ひぇっ!」

 

俺は始めたディシアとあったときのような圧を感じた

 

鳥肌が立ち、体がブルブルと震える

正弥は極寒のど真ん中で凍えてるかのように震えていた

 

 

『やばい呼吸止まったかと思った』

『ディシア様!どうかお怒りをお鎮めください!』

『あわわわわわわ』

『これはヤバいかも』

『もしかしてディシア様ってアマツ以上に負けず嫌いなんじゃ』

『今回は圧倒的にやられたからな』

『ディシア様ーーーーーーー!!!』

 

 

コメントも一瞬止まったが、初配信で慣れてる視聴者はすぐに意識を取り戻す

しかし視聴者も俺たちと同じ、いや直接ではないから幾分かましか

 

 

「わらわはのう、無駄に戦うのは面倒くさいのじゃが、負けてもいいと思ったことは一度もない、目的は達成された?紹介コーナーに出れればいい?我は魔王ぞ!このままは敗北したままでいられるか!!」

 

「わ、わかったから落ち着けディシア!」

 

画面には映らないが俺たちの目の前にはディシアがダークなオーラを漂わせていた

 

って召喚された騎士もあわあわしてるんだが

 

 

「にしても、まさかわらわがゲームとはいえ敗北するとは、面白いの~~この世界は!!かかかかかか!!」

 

負けたことが悔しいのか嬉しいのかわかんないくらいガチの魔王のようなセリフに視聴者のコメントも俺たちも恐れおののく

 

 

 

『ガチで魔王じゃん』

『………やばいね』

『ディシア様万歳!ディシア様万歳!』

『最近見始めた勢だけど、ガチ臣下の気持ちがよくわかる』

『アマツ逃げて案件かこれ?』

『まあマジの二人の三回戦は絶対にヤバいよね』

 

 

のちに切り抜きで魔王の雄叫びとすこーしだけバズることになる

 

 

 

「龍錬、相手に10分の休憩時間を取ってもらってこい!」

 

「え?」

 

「あちらも10分の対策時間をもらって居ったんじゃ、こちらもいいじゃろうて」

 

「あっあぁ、とりあえず確認してみる」

 

 

 

 

 

 

確認した結果、アマツ本人が了承したためまた10分休憩を挟むことになった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10分後

 

 

「勝つ、例え意味のなくとも」

 

ディシアは画面に映るアマツのアバターに向かって吠える

 

 

 

「楽しいっす、そっちも10分待ったっすからさっき以上に楽しみたいっす!!」

 

アマツは10分の相手の対策時間に胸を躍らせる

 

 

 

 

 

 

双方やる気十分

 

焦らされた視聴者たちもボルテージは上がってリ、アマツ無双からどちらが勝つかわからない面白い試合観戦の場に変わっていた

 

 

『あっちも10分ってことはまさか相手も対策を?』

『いや無理だろ、アマツなら10分で対策できるかもしれんが相手も同じ時間で対策できるとは思えない』

『もしできたらアマツレベルの強者ってことかよ』

『いや~~、アマツ相手でそれは厳しいだろ』

『頑張ってアマツ!!』

『これは面白くなってきた――!!!』

 

 

 

『ディシア様ーーーーー!!!』

『臣下としてはディシア様に勝ってほしいが』

『あのコンマ単位の操作に対抗できるかどうか』

『でもあのディシア様だぞ?』

『ディシア様万歳!』

『勝ってくれディシア様ーーー!!!』

 

 

 

 

両方のファン、ゲームガチ勢、それ以外の視聴者もコメントで盛り上がりを見せる

 

 

 

 

 

準備は万端、後は開始のカウントを待つだけ

 

 

3………

 

「………………………叩き潰す」

 

 

2………

 

「………………削りきるっす!」

 

 

1………

 

 

 

 

 

 

BreakStart!!!

 

 

「っ!」

「っ!」

 

 

 

試合が始まり、まず動いたのは今まで同様アマツの操作するジャック

すぐに距離を縮めていく

 

対するディシアが操作するヘルカイザーは

 

 

同じようにジャックに近づいていく

 

「っ、自爆っす?いやっジャストガードをやめての捨て身攻撃?」

 

ジャストガードを予想していたアマツ、しかしそのようなやり方の相手など今まで何人もいた、対処可能であった

 

 

 

今までよりすぐに距離が縮まったためアマツはすぐに攻撃コマンドを放つ

 

ジャストガードのタイミングを考慮しなくていいと考え、余裕をもって攻撃を行う

 

 

 

 

 

「わらわは諦めておらんわ!!」

 

 

「おっとっす!」

 

 

今までのジャストガードは相手が自分から近づいてくるから自身が動く必要はなかった、しかし今回は動く

 

 

接敵したヘルカイザーは自身から近づきつつもジャストガードを成功

 

 

「ここまでジャストガードでくるっすか、っつ、相手が動きだした分タイミングが取りずらいっす!」

 

ヘルカイザーの追撃を回避したジャック、おなじみのヒット&アウェイ戦法をするも、今回はヘルカイザーが攻めの体制であり、動かなかった時よりタイミングが読みずらい

 

 

「かかか!魔王のわらわが防御ばかりなのがおかしかったんじゃ、魔王は攻めて攻めて攻めまくるのじゃ!!!!」

 

 

 

 

とはいっても相手は最強アマツ

 

 

「調子に乗るなっす!!!」

 

少し驚きはするが考えれば普通の殴り合いに変わっただけのようなもの

 

ジャストガード崩しも相手が攻めてくるからと言ってできないわけではない

 

 

攻めることをやめないアマツの第二派の攻撃は、ジャストガードからずらして相手にヒットする

 

「ぐぬっ!」

 

パーセンテージが加算されていくが、前回みたいに一方的な作業にはならず、すぐに追撃をかわすために操作する

 

先ほどとは違って回避は成功し、空振りした相手にカウンターを食らわせる

 

 

早い代わりにダメージ量が低いジャックに比べ、ヘルカイザーはダメージ量が多い

 

単純に同じようにしていけばヘルカイザーに軍配が上がる

 

 

「でもスピードで躱せば意味ないっす」

 

 

 

アマツは警戒を強めて動きが遅いヘルカイザーではすぐには来れないほどの距離まで下がり、少し心を落ち着かせる

 

 

「逃げてばっかではわらわに勝てぬぞ最強!」

 

すぐにとはいっても1秒程度の差、すぐに攻撃を繰り出すヘルカイザー

 

ダメージの多くすこし前進する強攻撃でダメージを与えようとするディシア

 

 

 

「っ!」

 

「自分ができないとでも思ったっすか?」

 

 

 

 

しかし今度はアマツがジャストガードをする

 

しかも的確に相手がひるんで隙ができる攻撃で対処したため、ディシアに隙が生まれる

 

 

 

 

「なっ、ぐっ、あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

 

「面白かったっす、紹介コーナー楽しみにしてるっす」

 

 

 

 

最後はジャックのため技から場外へ吹き飛ばすコンボでヘルカイザーは抵抗できずに吹き飛ばされる

 

 

 

Finish!!!  Winner ジャック

 

 

 

 

画面にはジャックの姿が大きく映りだした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「決着!!勝者はアマツさん!!どちらが勝つかハラハラしながら見てましたが、さすがは最強Vゲーマー八皇!!」

 

 

『さすがアマツ!』

『マジでひやひやした』

『相手も強かったな』

『アマツが負けるかもと思ったけど』

『最強Vゲーマー八皇は伊達じゃないな!』

『両方すごかった』

 

 

 

『ディシア様ーーーー!!!!』

『ようやったほんとに』

『もう少しだった』

『試合のレベルが違いすぎて』

『ディシア様万歳!ディシア様万歳!』

『お疲れ様です。』

 

 

視聴者たちは試合の内容に驚き、二人をたたえ、拍手を送る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ディシア……………………お疲れ様」

 

俺は試合の終わったディシアに声をかける

 

「お疲れ様ディシアさん」

 

「ほんとによく頑張ったわね、ディシアちゃん」

 

 

 

配信画面用のモニターとは別のモニターに、運営から紹介コーナーについてのメッセージが送られてきているが、ディシアは上の空であった

 

 

 

「負けたか……………………あぁ、悔しいなぁ」

 

「ディシア…………」

 

 

多分落ち込んでいるだろうと俺は思い、なんて声をかけようか考えていた

 

 

「ディシア、その………」

 

「はーーーーはっはっはーーー!!!!!」

 

「!?」

 

『!?』

 

 

俺たちと視聴者たちもディシアの笑い声に驚いた

 

 

「ふ~~、やはり笑えばすっきりするものじゃ、っとどうしたんじゃ?」

 

「あ、いや…………」

 

「かかか、まさかわらわが落ち込んでおると思ったか?馬鹿を言うな、わらわは魔王ぞ!いちいちめそめそすることはない!!」

 

 

「っ……………………はぁ~~、しんみりして損したよ、ずっと上の空だったし」

 

「ははは、わらわは面白くて仕方がない、元の世界では何事も簡単にこなすことができた、たからかわらわは慢心して負った、今回も最後には勝てるんじゃとたかをくくっておった、じゃがわらわのその傲慢な慢心は打ち砕かれた、しびれたぞ」

 

「本当にこの世界に来てよかった、ゲームであれどわらわを打ちのめす勇者がこの世界にはゴロゴロいる、実に面白いのじゃ!!!!」

 

 

「お、おう」

 

 

 

『さすがディシア様!!』

『確かに魔王からしたらアマツは勇者なのか』

『ディシア様のその心意気に感服いたしました!!!』

『ディシア様万歳!!!』

『ディシア様万歳!!!』

『ディシア様万歳!!!』

 

 

 

「かかか、臣下諸君!そなたらに見せ続けてやろう、魔王の覇道の道を!」

 

 

 

 

 

ディシアのフォローはいらないようだ、じゃあ俺は運営にいろいろと手続きをするか

 

 

 

 

 

 

 

 

それにしても、おれもディシアの覇道が楽しみで仕方がない、この事務所を立ち上げて本当によかったと思う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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