薩摩フリーレン   作:解雇された青い鳥

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思いついたのがアウラだったのでチェストされてもらいました。ごめんアウラ。


チェストアウラ!

ー勇者ヒンメルの死より60年前

 

聖都シュトラールは魔法で栄えていた。伝説の大魔法使い、フランメが広めた魔法は一般化しそれにより急速な発展を遂げた。魔法使いが増え、剣で戦う者は現象の一途を辿っている。

 

時を同じくして極東、ニホン。ここでも魔法は一般化していた。

かつて呪術と呼ばれた不思議な力をとある陰陽師の末裔が解明し、南蛮から渡った魔導書と照らし合わせ魔法が確立された。

しかし、ニホンの武士は刀を捨てなかった。幼い頃から剣術に励むことで武士道精神を培いながら、同時に魔法も修得する。全ては来たる戦で主を守り、誉れを以て死ぬ為に。

 

 

 

これは、大陸魔法協会とニホンの武士の戦いである薩英戦争の後に、留学生として大陸へ渡ったある1人の薩摩隼人の物語である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「エ゛クズベリア゛ア゛ア゛ーーーーッ!!!!」

 

 

夜の森に猿叫が轟く。そこには一体の魔族と一人の人間(ほぼ魔族のようなものだが)がいた。周囲には四肢が四散し動かぬ肉塊となった大量の首なしの兵士が散らばっている。

アウラは恐れの退いた。こいつは何者だ?どうやってこの軍勢を抹殺した?多くの疑問が絶えずアウラの脳内を駆け巡る。ただ一つ。只一つだけ本能的に理解したことがある。

 

 

 

 

 

逃げねば殺される

 

 

 

 

 

最初は舐めていた。頑丈な武装もせず夜の山に足を踏み入れる唯の馬鹿だと、手駒に加えられるカモだと、そう思っていた。だがどうだ?兵士たちは全滅、相手は無傷。しかも杖を武器にする魔法と剣の二刀流。本人が戦える魔法を持たないアウラにとっては絶望的な状況だ。

しかし、仮にもアウラは七崩賢の一角。この状況を覆す手があった。

 

 

 

服従させる魔法(アゼリューゼ)

 

 

 

天秤にアウラの魔力が載せられる。そして、男の魔力も載せられた。

アウラは嗤う。

 

「やっぱり、アンタの魔力量は大したことないのね。それじゃあ死んでもらうわ。」

 

自害しろ

 

アウラが男に自害を命じた、その時だった。

 

「相手を操っとは女々しか魔法じゃ!だがこん程度クルーシオで慣れちょい!」

 

何故だ?おかしい。アゼリューゼには屈強な精神を持つ騎士であっても少しの抵抗しか出来ないはずだ。しかし彼は現に簡単に抗っている。さらに、この男は慣れていると言った。アゼリューゼに抗う以上の苦しみを常習的に浴びているというのか?

考えれば考える程意味がわからない。そして彼女は忘れていた。これが戦闘中であることを。その隙を見逃す程男は優しくない。

視界に捉えた敵は全てチェストしろ。それが彼が幼い頃から教えられてきた藩の決まりだからだ。

 

 

 

「チィィィエエエエエエストォォォォォオオオオッッ!!!」

 

 

 

脳天がかち割られる。痛み苦しみが一気に押し寄せ...

 

 

「アンタ...何も...の...?」

 

「おいか?おいは薩摩藩ん武士じゃ。名乗っような名は無か。」

 

二の太刀にて首を斬られる。夜山に魔族の首が舞う。彼女の命の最期、辛うじて問うたそれはもはや届きはしなかった。

 

かくして、薩摩...いや、殺魔の名が魔法史に刻まれたのだった。




おわり。続きは出るかわかりません。箸休めに書くかも。
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