「わあ☆ モモフレンズですね!私も大好きです!ペロロちゃん可愛いですよねえ!私はミスター・ニコライが好きなんです。」
「分かります!ニコライさんも哲学的なところがカッコ良くて。最近出たニコライさんの本『善悪の彼方』も買いましたよ!それも初版で!」
ノノミちゃんとさっき助けた少女────阿慈谷ヒフミちゃんが繰り広げるモモフレンズとかいうシリーズの話に全く付いてけない。
よーく見てみると彼女の背負っているリュックも例のペロロ様とやらがモチーフになってるようだ。
どうやら彼女はあの鳥にかーなーりお熱なようだ。
それはそれとして2人の会話の様子から結構メジャーなものかと思い、他の3人に目線を向けるが、帰ってきたのは無言の否定。
よかった、ついていけなくても大丈夫らしい。
にしても。にしてもだ。あんな気が狂ったような目をしているデザインの鳥のどこに可愛げな要素があるのだろうか。
ヒフミちゃんはあんなデザインのぬいぐるみのためにこのブラックマーケットにやってきたようだが、正直あんまり魅力的かと言われればわたしはNOを突きつける。
同じ鳥系としてPちゃんアナザー*1とかの方がよっぽど可愛げのある顔をしている。
「ところでアビドスのみなさんは、なぜこちらへ?」
「ま、君と同じ探し物。手掛かりがある可能性がここしかなくてね。」
「そうなんですか。似たような感じなんですね。」
聞いてきたヒフミちゃんにそう答えておくと何やら周囲がざわついている様子に気づく。
『皆さん、大変です!四方から武装した人たちが向かってきています!』
同時にアヤネちゃんのドローンからの警告。
なるほど、さっきの不良の仲間がやってきたのか。
「先生、ここはわたしたちに任せてよ。先生の攻撃は軒並み派手だから余計に敵を呼んじゃうだろうからね。」
「んー…………まぁ仕方ないか。悪いけどヒフミちゃんも戦える?ここまで来たら一蓮托生ってことで。」
「わ、わかりました!!」
先に魔法陣を仕掛けて先手を取ろうとしたが、ホシノちゃんからそう言われ納得したわたしは魔法陣を消し、代わりにヒフミちゃんにお願いをした。
程なくして全体的に薄暗いブラックマーケットの通路からわらわらと不良の仲間たちが押し寄せてくる。
「的だねぇ。ノノミちゃーん、よろしく!」
「はーい☆」
仲間がやられ頭に血が昇っているのかがむしゃらにこちらに突っ込んでくる不良たちだが狭い通路でそれをしてしまったらどう見てもノノミちゃんのガトリングのいい的だ。
腰だめに構えたノノミちゃんが似つかわしくない爛々とした声でトリガーを引くと、重厚な音と共に不良たちが薙ぎ倒されていく。
「とりあえず包囲される前に抜けるのが吉かな。アヤネちゃん、ドローンで上から相手の様子を見てきて。」
『わかりました!』
さて…………話は少し変わるけどこのブラックマーケットの範囲はかなり広い。それこそ学園がいくつ入ってしまうほど。
「そういえばヒフミちゃん、ここには詳しい方?」
「えっ!?は、はい!一応事前に調べては来ましたので、ある程度は!」
「おっけー、なら聞きたいんだけど、あんまりここでは騒ぎすぎない方がいい感じ?」
「ッ………!!はい!ブラックマーケットには独自の治安機関があります!あまりに騒ぎすぎてしまうと見つかってしまう可能性も………!!」
ああ、やっぱりそういうのがあったか。騒ぎが大きくなる前にそれを聞くことができて重畳だ。
わたしが初めてキヴォトスに来た時に会った4人のうちの1人、守月スズミちゃん。彼女は自警団に入っていたはずだ。
それも所属も確か………トリニティだった気がする。
ともかくそういう自主的な警備組織が立ち上がるのはなまじ各学校の敷地が広すぎるあまり、警察の役目を果たしているヴァルキューレだけでは無理があるということからだろう。
ブラックマーケットも範囲だけ言えばそこらへんの学園と遜色はない。そういう自浄作用のための組織がいてもなんらおかしい話ではない。
「時間との勝負!最短・最速!仕分けもかくやというレベルでここを突破するよ!なに、しなやすの精神で行けば楽なものさ!!」
「先生、しなやすってなんのこと?」
「死ななきゃ安い。要は最終的に勝ってれば良しって考えさ。大会とかだと結構メジャーな考え方でね。あ、あくまで心構えみたいな話だからね?実際に死にに行こうもののなら速攻で引っ叩くから。」
「……………なるほど、確かにそれはいい心構えかも。」
「ツッコミたいところはあるけど、とりあえずそうするしかないわよね!!」
「おじさん的には腰にきそうでカンベンさせて欲しいんだけどなぁ。」
「いつもそんな重そうな盾持ってるのに今更!?」
やんややんやという雰囲気だが、とりあえず方針が固まったところで一気に攻勢に出る。気怠げな顔ながらも最前線で盾を構えて突撃するホシノちゃんに追従する形で包囲を組まれる前に突破する。
数は向こうの方が多いが基本的に枚数不利な状況に置かれてきたアビドスの面々の前ではやはり烏合の衆なのか蹴散らすのは容易だった。
ヒフミちゃんもオドオドした様子だが、やっぱりキヴォトス人なのか撃つこと自体を躊躇う雰囲気もなく支援をしてくれる。
『通路の先、ロケットランチャーを装備したオートマタがいます!その前にも複数の不良が待ち構えています!』
「…………ホシノちゃん、最初の一発撃ち落とすからその間に懐に入れる?」
「うへぇー…………おじさんに負担を強いる気?」
気怠げな返答だが、盾を持ち直す様子を肯定と捉えた。
進んでいた路地を抜けると、アヤネちゃんの報告通り、不良たちが作る布陣の先に大筒を構えた機械人形がその砲口をこちらへ向ける。
「イケるでしょ?君結構インファイト好きそうだし。」
「ちょっとせんせーい?この前の便利屋の子から悪影響受けてない?…………まぁ、
ホシノちゃんが駆け出すと同時にオートマタがロケットランチャーの引き金を引く。
弾速も彼女のショットガンの射程に入るより着弾が先になるくらいには速い。
「まぁ、それは一般的な話なんだけどね。」
撃ち出されて間もない弾頭がわたしの出した魔法陣のレーザーに撃ち抜かれる。
その周りには枚数有利をとったつもりなのかちょっとよろしくない笑みを浮かべる不良たちの姿。
うーん、まさに滑稽。撃ち抜かれた弾頭が派手に爆発し、不良たちを吹き飛ばし、辺りを爆煙で包み込む。
速いのは認める。だけどあの程度じゃダメージにもならないね。当たらないだろうし、何より速度耐性持ってる連中にはそれ以前の話だ。
(パッと思いつくのは2人くらいだけど、ランセレの中にいたかなぁ…………正直
だって無理だもん。かたやほぼ完全に運だし、かたやわたしへの対策バッチリだしで。
「せんせーい?こっちは終わったよ?」
そんなことを考えているうちにホシノちゃんが終わらせて帰ってきたようだ。
それに伴って劣勢を感じたのか不良たちの勢いが衰え、退いていくグループが見え始める。
「ん、ざっとこんなもの。」
「じゃ、わたしたちも退散退散。長居して例の治安機関とやらに見つかったら面倒だからねぇ。」
相手が下がったタイミングでこちらもこの区画からの離脱を促す。
セリカちゃんやシロコちゃんとかはまだやる気なようだが、弾が無駄になるとかの懐事情を理由にあげると渋々ながらな様子だがそれに従ってくれる。
(さてさて、これからどうしたものかねぇ…………一応カイザーローンの銀行がここら辺にあるっていうのはわかっているんだけど。)
逃走の道すがら、わたしはそんなことを考えるのだった。
SAMSARA氏製
こんなキャラすら改変の対象にしてしまうなんてすげぇな(小並感)
感想で言われてそういえば隔離持ってたんだっけって思って調べたら 某盾(笑)さんを隔離技術で判定勝ちに持ち込んでて大笑いした
ちなみに今回の話で出てきた『パッと思いつく2人』はランセレの中におるで
多くは言えないけど1人はあんな大立ち回りして入れないわけにはいかんやろってなり、キャラのDLを始めるきっかけ作ったキャラ。