MUGEN アーカイブ    作:わんたんめん

34 / 45
多分デカグラマトンが変な行動とったらこの子たち動くくね?と思って書いた

<追記>

前話投稿した後ランキングに入ってました!!
評価とお気に入り登録してくださった皆様、本当にありがとうございます!!


割と八方ふさがりなアビドス

 

「どーしたものかねぇ。」

 

日が沈み、可能な限り電力費を抑えるために必要最低限の灯りしかない教室の中で独り言のように呟く。

前回のアビドス砂漠奥地への探索。

色々とアクシデントはあったが、結果だけ見ればアビドス高等学校の抱えていた借金は半分近くまで減らすことができた。

 

が、それをしたところでアビドスがカイザーに売ってしまった土地が戻ってくるわけでもない。

まぁ、それはいい。いや決してよくはないのだが一旦置いておいて。

借金を完済したところでアビドスはおそらく現状では残せない。

 

ビナーとやらと戦う前にも思っていたことだが、アビドスはそもそもとして生徒の数が少ない。周辺の環境のせいで入ってくる生徒も望み薄だろう。

このまま行けば自然消滅するのは火を見るより明らかだ。

 

「ぶっちゃけこの先アビドスを残したいなら周辺のヘルメット団を生徒として受け入れてしまうのが最善だと思うんだけど、君の心情だとどう思う?」

 

「それは─────」

 

わたしは教室に一緒にいたアヤネちゃんに聞いてみた。

聞かれた質問に彼女は長い思案のあとに表情を陰らせた。

 

「先生のおっしゃっていることも理解できます。確かにこの先のことを考えれば新しい生徒が入ってくるとは限りませんが………………」

 

「…………まぁ、そうだよねぇ。」

 

アヤネちゃんの様子で彼女が言わんとしたことを察する。

心情的には厳しいというのが本音だろう。何せついこの間までお互いに銃を向け合っていたのだ。

しかも向こうはバリバリの悪意を持って。

向こうにも生活のためにやっていたというのを考慮しても突然仲良くしてねというのは虫のいい話だ。

 

「どの道を進むにしても、時間がかかるってことかぁ。」

 

割と詰みに近いんだよねぇ。口が裂けても言えないけど。

お金稼ごうにも日雇いのような稼ぎだと限界があるし、なんとかして安定した収入に漕ぎつけようとしてもそもそもとして土地がないから何か事業みたいなのを立ち上げることも出来ないし。

 

「どーしたものかねぇ。」

 

堂々巡りをしているような感覚に困り果てた表情を浮かべていると突然対策委員会の電話が着信を知らせる音を鳴らす。

 

「こんな時間に…………一体誰なんでしょうか?」

 

突然の大きい音にびっくりしている間にアヤネちゃんが電話を手に取った。

一応聞いておこうかなと椅子から立ち上がろうとしたが、アヤネちゃんが気を利かせて電話口の相手の声が聞こえるようにしてくれた。

 

『初めまして。私はミレニアムサイエンススクール、特異現象捜査部部長の明星(あけぼし)ヒマリという者です。』

 

「み、ミレニアムサイエンススクール………ですか。」

 

どうやら電話の相手はユウカちゃんと同じ学校の生徒のようだ。

突然のことにアヤネちゃんの表情が困惑に染まっていたため、助け舟を出すようにジェスチャーで電話をわたしに渡すように促した。

 

「あー、もしもし。突然電話を変わってごめんね。わたしは連邦生徒会のシャーレで先生やってるGM諏訪子。さっき電話を受け取った彼女に変わって君の話を聞こう。」

 

『まぁ!あのシャーレの先生がアビドスにいるのですね!』

 

「ええ………まさか初対面の相手にすら知られているとはなぁ。」

 

『……………確かに初対面ではありますが、先生はこの私をご存知でないと?』

 

「え、うん。だってここにきてまだ日が浅いし。」

 

なんとなしに答えたその質問。

正直ミレニアムの生徒ってユウカちゃん以外あまり把握してないし。

 

『この!超越にして卓越の天才美少女ハッカーにして「ヴェリタス」の元部長であり!ミレニアム最高峰の病弱美少女である私を!ご存知でないと!?』

 

あ!!この子すっごいめんどくさい子だ!!!

なんだこの自己顕示欲の凄まじさ!?カイザー理事もそうだったけどこの子もこの子で大概だねぇ!?自分から天才だとか言っちゃってるし!!

やばいと思ったのも束の間、そこから電話口の相手である彼女の自画自賛のような功績語りが数十分以上続けられた。

途中で口を挟みたかったがまぁ彼女の口から飛び出る言葉が止まらない止まらない。

いっそこのまま切るべきか、と思っていた矢先マシンガントークをつづけていた彼女の声が初めて止まった。いや、遠くなった?

 

『────ごめん、自分語りを始めると部長って止まらなくなっちゃうから。わたしが無理やり電話をひったくった。』

 

少し声の遠い会話のあと聞こえてきたのはヒマリという少女とは違う声の人物だった。

 

「えーっと、まずはありがとう。それで君は?悪いけど名前を聞かせてくれる?」

 

『部長と同じ特異現象捜査部の和泉元(いずみもと)エイミ。こっちが勝手にやったことだから気にしなくていいよ。で、部長早く説明してあげてね。向こうも暇じゃないだろうし。』

 

『────もう、まだまだこれからだと言うのに。』

 

止めてくれたエイミという少女から電話の相手が戻った。

だいぶ不服そうな声だったけど大丈夫だよね?

電話口の彼女は一つ咳払いのようなものをあげた。

 

『まず、我々特異現象捜査部がどういう活動をしているのかについて話しましょうか。』

 

あ、大丈夫っぽい。ちゃんと話を進めてくれそう。

そのことに内心安堵しながらわたしは電話相手の話を耳を傾ける。

 

特異現象捜査部。

ヒマリという少女曰く、ミレニアムの生徒会セミナー傘下の組織で主にオーパーツやオカルトといった、科学的に証明しづらい現象についての研究を行っているそうだ。

 

ん?オーパーツ…………?

 

ちょっと脳裏によぎるものがあったが、とりあえず今は彼女の話に耳を傾けるのが優先だ。

 

『今回私たちが調べているある存在がそれまでのパターンとは異なる行動を取ったのを確認しました。今回はそれについて何か情報をいただければと思いまして。』

 

「先生、それはおそらく────」

 

「うん…………君の言っているのはビナーのことだよね?あのー、デカマクラみたいな名前してる。」

 

「先生ッ!?私の記憶があっていればデカグラマトンだったと思うんですけど!?」

 

手を額に当てながらこの間戦ったビナーのことを思い出そうとしたが、合っていなくてアヤネちゃんから訂正されてしまった。

そうそう。デカグラマトン。ビナーっていうセフィロト関係の名前を冠していることぐらいしか印象に残らなくてねぇ。

 

『え、えーっと…………まぁ、はい。そうです。デカグラマトンについてはいずれ先生にも私たちの調査を手伝ってもらおうと思っていますので、その時に改めて説明させてください。』

 

「あ、そうなの?じゃあその時になったらよろしくね。」

 

『はい、こちらの準備が出来次第まだご連絡いたしますのでこちらこそよろしくお願いします。』

 

「軽すぎませんか?」

 

アヤネちゃんの困惑を他所に話は進んでいく。

 

「そういえば調査って言っていたけど、アビドス砂漠にも向かいたい感じ?」

 

『そうしたいのは山々ではあるのですが…………』

 

言葉を濁らせるヒマリちゃん。

どうやらこっちの事情をある程度は把握しているらしい。

 

「うん、その様子だと知っているみたいだね。大っぴらにはされてないけどあの辺の所有権、今はカイザーのものになっている。おそらくアビドスで許可を出すと話が拗れるし、カイザーに聞いてもどうせ突っぱねられる。どうもあの辺はあの会社にとって大事な地域らしい。実際ついこの間調査の体で行ったら不法侵入を理由に攻撃されたし。」

 

『えっ!?ま、待ってください!ついこの間………まさかとは思いますけどビナーと戦闘を行った、などということはありませんか!?』

 

あれ、そこまでわかってるのかい?

アビドス砂漠は広い上にミレニアムとも距離があったはずだろうし………

だとするとミレニアムの情報収集する力もすごいってことか。

 

「君の言うとおり、戦闘をしたしなんなら倒してきた。」

 

『─────なんと』

 

『おおー、部長が目に見えて驚いているのがわかるのって珍しい。』

 

『……………失礼ですが、先生は一体…………いえデカグラマトンが内包する神秘を上回るほどの、まさか─────』

 

「こことは異なる世界、可能性が無限(MUGEN)に広がる世界から連邦生徒会長に呼ばれちゃった神さまだよ。」

 

『──────』

 

電話の向こうから彼女の息を呑むような声が聞こえた。

 

「どう?何かいい感じの情報にはなりそう?」

 

『ふぅ…………はい、それはもう。まさか全知である私がここまで驚かされるのはこれっきりだと思いますわ。ですけど、連邦生徒会長は一体何をしたのでしょうか?』

 

「さぁ?私自身目が覚めたらシャーレのある地区の建物の中だったし。」

 

『そ、そうですか………それはなんと言ったら良いのか…………』

 

「君が謝ることでもないし、慰めとかも大丈夫さ。別に元いた世界の知り合いと全く話せないと言うわけでもないからね。」

 

『もしや………その者たちを呼び出せるナニかをお持ちのようですね。』

 

「まぁ、そういうこと。機会があったら君たちも見れると思うよ。ウチのメンツは大概だから。」

 

『…………あの、参考として聞かせて欲しいのですが、ビナーを相手にした時はどうでしたか?』

 

「勝ちは当たり前として相手取る奴によってはもっと早く仕留められるんじゃない?」

 

 

 

 

「なんだかとんでもない存在だったみたいだね。」

 

「ええ………まさか異世界の神が先生として呼ばれていたとは。実際に戦うところを目にしたわけではありませんが、少なくとも先生の言葉に嘘のようなものは感じられませんでした。」

 

「つまりとっても強いってこと?C&Cのあの人よりも?」

 

「エイミ………そのような発言が彼女に聞かれてしまったら絶対に喧嘩を売られたと思って先生に仕掛けにいきますよ?まぁ断言はしませんが、ビナー相手に余力を残して勝利を収められるような先生が各学校の最強格の生徒たちに劣っていることは考えにくいとだけは。」

 

エイミの発言にヒマリはそれが失言だと言うように苦言を呈するが、彼女自身GM諏訪子が上澄みレベルの生徒たちに対して遅れを取ることはないと考えているようだ。

 

「それに、先生が神そのものだとすればビナーが接触を行った理由にも合点がいきます。かの預言者たちは神を人工的に創り出すための自立型分析システムである以上、真正の神である先生を狙わないはずがありません。」

 

「ということは………先生はこれから先確実に他のデカグラマトンに狙われる?」

 

「そういうことになるでしょう。エイミ、可能な限り準備を進めましょう。ありがたいことに既に先生のアポイントを頂くことは出来ましたし。」

 

 

 





ちなみにブルアカには『神秘』と『恐怖』の概念があるけどそれを所持キャラに当てはめてみたときの一覧
なおネタバレしてしまうので隠しますがその上で作者はこんなキャラを持ってるのね程度に思ってください

神秘:『霊剣』『人間』『正体不明』『門』『天』

恐怖:『邪剣』『影』『闇』『歪』『魔法』

もちろん今があげたのだけじゃないのでランセレの展開になりそうだったら誰が呼ばれるか楽しみにしててください。

あとこれに関して感想稼げると思ってる卑しい作者なのでください(強欲)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。