MUGEN アーカイブ    作:わんたんめん

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新年明けましておめでとうございます
今年もよろしくお願いします。

アビドス編終わったら多分更新の頻度しばらく下がると思います
その………他二つのヤツをいつまでも未完にはできないので……


「魔女」

 

「君が来ちゃったからほぼ勝ち確なんだけど…………まぁ、追い込めるところは追い込もうか。」

 

「神の中では温厚であるあなたにしては容赦のないことね。」

 

「下手に余力を残されるとわたしがいなくなったあとに、なんてことがあるからね。それと、とりあえずセリカちゃんを離してあげたら?猫耳といい名前といい君の好きな要素がものの見事に合体してるのは知ってるけどさ。」

 

カイザーの勢力を撤退に追い込み、この後の動きを共有するために一旦学校に戻ってきた。依頼としてアビドスの援護を請け負ってくれた便利屋の面々も一緒だ。

そんな中、基本制服の少女たちのグループに似つかわしくない格好をした女が1人。

胸元がはだけてるドレスのようなものを着込み、ツバの幅が広い紫のとんがり帽子を被った姿はまさしく魔女と呼ぶに相応しい。

そして目を引くは彼女が見せる真っ黒な双眸。普通であれば白なはずのその部分がまるで生気を感じさせないような漆黒に染まっていることが、彼女が真正の人間でないことをまざまざと語っていた。

そんな彼女は椅子に座っているセリカちゃんの後ろに立ち、彼女の猫耳をフニフニといじっていた。

 

「ちょっと!!さっきから気安く触んないでくれる!?」

 

セリカちゃんからシャー!!って威嚇されると特に意にかす訳でもなく、愛らしいものでも見るかのような笑みを浮かべ、手を引っ込める。

 

「あら、残念。それで?どうやらこれから攻めてきた連中へ仕返しをするタイミングで来たみたいだけど、あの機械人形たちの居所はついてるのかしら。流石の私でも来たばかりだと何もしてないわよ?」

 

「お願いはしてある。ただ、どこかは予想はつくけどね。」

 

「空気が乾燥してたしここ砂漠に近いでしょ?とすると砂漠の奥とかそこらへんかしら。」

 

「まぁ、大方君の言う通りだよ。アナザーナイン

 

 

魔女の名は、アナザーナイン。

基本的に大会で彼女の姿を見る機会は少ない。見れたとしてもそれは援軍での途中参戦とかがほとんどだ。

その理由は彼女は隔離攻撃を有しているからだ。ちょくちょくやりすぎ(エラー落ち)てしまうこともおっきいが、一番はそれだろう。

 

隔離攻撃は………一言で言えばだれかの作った迷路を上から踏み潰すようなものか。

一応高ランク帯になってくると撃破やダメージを与えるのに条件がついてくるが、隔離はそういうのを一切合切ガン無視して攻撃してくる。

まぁ、そういうのに耐性があるやつもいるが、残念なことにわたしにはそういうのはない。

だから隔離勢に暴れられると止められない可能性があるからハズレだと言っていたのだ。

まぁ、手伝ってくれる気はあるみたいだから今回はその力を頼りにさせてもらうが。

 

「とりあえず、カイザーコーポレーションの行動はばっちり撮れたんだよね?ヒマリちゃん」

 

『ええ、既に監視カメラの映像を正確性ならともかく話題性と拡散力には秀でているクロノススクープに提供済みです。』

 

シャーレの仕事をし始めたころにもらった通信端末からホログラムとしてヒマリちゃんの姿が現れる。

 

「その声…………もしかしてあなたはこの前の………!?」

 

「やぁ、ちゃんと顔が見える状態で話すのは初めてかな。わたしがシャーレの先生やってるGM諏訪子だよ。改めてよろしく。」

 

『ええ、そうですね。ミレニアムサイエンススクール所属、特異現象捜査部部長の明星ヒマリです。今回は先生からの依頼という形でサポートをさせてもらっています。』

 

「…………もしかして、ヴェリタスの部長?」

 

姿を見せたヒマリちゃんを見てカヨコちゃんが言葉を漏らした。

知り合い?って思ったけど、前のヒナちゃんのように一方的に知っているだけのパターンかと思い、特に言わないようにした。

 

「え?カヨコ、あなた知り合いなの?」

 

「いや、単純に知っていただけだから…………」

 

『正確には元、がつきますがどうやら知っている御方がいるようですわね。』

 

と思っていたらアルちゃんが言った。

とりあえず話が脱線しそうだから楔を打っとかないと。

 

「ごめーん、できれば話を進めたいからいい?」

 

『…………そうですね。流石に他校とはいえ生徒の安全が脅かされている状況で長々と談笑にふける時間はありませんね。結論から申し上げますと、小鳥遊ホシノさんはアビドス砂漠の奥地へ拉致監禁されていると予測されます。』

 

「か、監禁って…………それじゃあホシノ先輩の手紙にあったカイザーからのスカウトって言うのは…………」

 

『真っ赤な嘘、もしくはカイザーと協力関係にあり、彼女の身柄そのものを目的とした存在へ引き渡すための方便であったと考えるのが筋でしょう。』

 

「そんな!?じゃあ早く助けに行かないと!!」

 

「逸る気持ちもわかるけど、一旦落ち着いて。」

 

ヒマリちゃんの出した結論に先走りそうになるセリカちゃんに釘を刺しつつ、わたしはホログラムの彼女の方を見る。

 

「正確な場所はわからなかった感じ?」

 

『残念なことに監視カメラの映像からではアビドス砂漠の奥地へ向かったことしかわかりませんでしたが、カイザーがアビドス砂漠に広大な前哨基地のような建造物を建設していたことから少し視点を変えて資材の動向を精査してみました。』

 

そう言ってヒマリちゃんは通信端末にデータを転送してくる。

それを見てみるとどうやらどこかの座標を示したもののようだが、わからなかったからアヤネちゃんに投げた。

 

「ここは…………アビドスの旧本校舎です!!」

 

『そのポイントに不自然な資源の動きがあることを確認しました。なんらかの目的で改築が行われているのであれば、可能性が高いのはそこでしょう。』

 

「ありがとう。助かったよ。」

 

『この程度、全知にして元ヴェリタスの部長、そして超絶美声ハッカーである私にかかれば朝ご飯の下拵えより簡単な作業です。』

 

『?????????』

 

…………いや、いきなりぶっこむのはやめといたら………?

ほら、みんな困惑してるから…………

 

「確かにいい声だとは私も思うけど、どちらかと言えばいい性格ね。この子。」

 

アナザーナインの微笑と共に作戦会議のようなものは進み、終了したところで便利屋の面々は装備を整えるために一旦帰った。

 

「焦ってもしょうがない。夜襲を仕掛けるのも手だけど相手は少なくとも装備は潤沢だ。おそらく夜戦にも則しているだろうからわざわざ君たちが不利な状況で戦う道理もない。素直に日が昇ってから行こう。それでいい?」

 

朝早くから戦闘を行ったが気づけば空がオレンジに染まっていた。

この時間からわたしやナインのワープで飛んでもいいが、常に囲まれた中での夜間での戦闘はわたしたちはともかく生徒の子たちへのリスクが高い。

正直自分に言い聞かせているようなもんだ。だってわたしも早くホシノちゃんを助けに行くべきだとは思う。だが、そんなわたしの確認に他の生徒たちは頷いてくれた。

 

 

 

「先に呼ばれた連中から聞いてはいたけど中々様になってるじゃない。まぁ、あの子たちも相応の経験積んでるからそれほど先生としている必要もなさそうだけど。」

 

「あんまりからかわないでよー……………」

 

その日の夜、わたしとナインは校舎の屋上の鉄柵に寄りかかりながら談笑に耽っていた。わたしはちょっと気になるものがあったから端末に目線がいっていたが。

 

「作戦も作戦って言うより私が後ろから火をつけに行くぐらいの適当なもので退屈なのよね。……………一戦やらない?」

 

「やめてください死んでしまいます。」

 

ふと思いついたように目を輝かせながらそう言ってくるナインに青ざめながらもその誘いを断った。無理だよカラーレスヴォイド(隔離技)された時点で詰みなんだし何よりここら辺一帯が吹き飛びかねない。

そんなわたしを面白がったのかクスクスと笑っていたナインだったがふと何かを思い出したみたいな声をあげた。

 

「そう言えばあなたに伝言があったのを思い出したわ。」

 

「伝言?誰から?」

 

「『コトワリ』からよ。」

 

はい?『コトワリ』?一体誰から─────いや………待てよ。

 

「全く、どこまで識っているんだか…………で?その内容は?」

 

その伝言の相手を察したわたしは深いため息をついた。

絶対面白がってそう名乗ってるよねぇ。

ナインも同感なのか再びクスクスと微笑を浮かべ始めた。

 

「この世界には少なくとも六つのシナリオがあるそうよ。規模も大小様々だけどあいにくと私たちが関わった時点でシナリオ崩壊は必然。だけど少なからずそれに沿った出来事は確定で起こるらしいわ。」

 

「なるほど?それで次のシナリオに続くきっかけみたいのはありそう?何かの拍子でそういうのを見落とすとだいぶ不味い気がするんだけど。」

 

「ええ、そうね。彼女曰く新しい冒険の香りが漂うお願いが来たら、だそうよ。それ以外は自然と向こうの方から舞い込んでくるみたい。」

 

新しい冒険ねぇ……………いや、一体どういう内容なのさ。冒険って聞くと帰宅部の彼が脳裏によぎるけど、どっちかといえば『勇者』とかそこらへん?御一行様でもくるのかね。

まぁ、彼女が的外れなことを言うはずがないからおそらくそういうお願いが来ることは確定なんだろうけどさ。

 

「まぁ、なんであれ記憶には留めておくよ。」

 

「あら、どこか行くの?さっきからその端末で何か見ていたようだけどそれ関係?」

 

寄りかかっていた鉄柵から離れるとめざとくナインがそんなことを聞いてきた。

 

「そんな感じ。ちょっとフライングしちゃったことを咎めに行くだけだからすぐ戻ってくるよ。」

 

わたしはナインに持っていた端末の画面を見せながら屋上を後にした。

 

「ふぅん、宛て先不明の相手ね…………まぁ、GMならそうそうやられることもないだろうし、別にいいわね。」

 

 

 

 

 

 

「お邪魔しまーす!」

 

ドゴシャア!!なんてド派手な音を鳴らしながら開けられたドアは蝶番が壊れて吹っ飛んでいった。

場所は何の変哲もないビルの一部屋。ブラックマーケットとか、そういう場所ではないなんてことのない区画の建物の中だった。

 

「………………お待ちしておりました。諏訪子先生……いや、異界に住まう神の一柱とお呼びした方がよろしいでしょうか。」

 

「諏訪子で結構。うちにはほかにも神はいっぱいいるし、リングネームに近いとはいえそれは立派なわたしの名前さ。ねぇ?『黒服』さん。」

 

「なんと………これはこれは………ククッ、連邦生徒会長も不可解極まりない存在を呼んだものですね。」

 

そこには明らかにキヴォトスの住民とは一線を画す異形がいた。

恰好こそは黒いスーツに身を包んだ小綺麗なものだが、体全体が闇に包まれているといってもいいほど黒く、それはさながらマネキンのよう。

顔には目と口のようなものはあるがそれは右目の亀裂から出ている光がそう見せていた。

 

「…………なんか君、どこぞのケチャップ好きのスケルトンの知り合いと似ているね。ちょっとこの文字読んでみてよ。」

 

そういってわたしはハンドサインの手とそのほかの記号がちりばめられた文章とは言えないナニカを黒服に見せてみた。

 

「いや、流石にその文章のようなナニカを突然見せられても理解するには時間がかかるのですが…………」

 

「そっかー、ダメかぁ………まぁ、別に読んでもらうことに期待なんてしてなかったけど。」

 

 

 

 




ランセレはできてあと一回かなぁ………というか一番長丁場なタイミングでとんでもない人が来たから………
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