あ、それはそれとしてブルアカという一大コンテンツを土台にしているとはいえMUGENで評価バーに色がつくとは思ってなかったです。
評価してくれた方やお気に入りに入れてくれた方は本当にありがとうございます
「はえー…………おっきい建物だねぇ。」
シャーレのロビーまでやってきたところで改めてその建物の大きさに目を見開く。
外から建物の外観を見た時もなんとなく思っていたが、明らかに自分1人で使うには持て余すほどの広さ。おそらく大人数が常駐して仕事を行っていくのが正規の形であるというのは想像に難くない。
「ここが、シャーレのメインロビーです。長い間空っぽでしたけど、ようやく主人を迎えることになりましたね。」
そう言いながらリンちゃんはロビーに繋がる扉に貼り付けられていた紙をはがした。
周りに目を取られてあまりしっかりとは見れていなかったが、『空室。近々始業予定』と書かれてあった気がする。
「おや、中は思ったより綺麗だね。」
リンちゃんが開けた扉に続くように中に入り、地下室周りと違って人の手が入っているような雰囲気に思わずそう言葉を漏らした。
長机の上にはモニターのようなものが置かれ、ホワイトボードにはどこのかは知らないが地図が貼られていた。あと壁に銃もかかってた。まさかとは思うけど護身用かな?
「で、わたしはこれからここでシャーレの先生として働くんだろうけどさ。結局何すればいいの?」
「そうですね……………一応は管轄的には連邦生徒会にはなるのですが…………シャーレは先もご説明したと思いますが、超法規的な組織である以上、これと言って何かをしなければならないというような強制力は存在しません。」
「ん?じゃあ完全にわたしの好きにしていいって言うこと?それは流石にリンちゃんたちにとっても目の上のたんこぶにならない?だってさっきのワカモちゃんを招集しまーすってのも極論アリなんでしょ?」
「……………まぁ、先生がそれを望むのでしたら我々としては受け入れざるを得ないでしょう。」
いやいやいや、そこは嘘でもいいからダメって言ってよ。
…………待って。普通にわたしは困ることを言ったはずだがリンちゃんの表情は穏やかだ。
「冗談が過ぎたよ。流石にそれはやりすぎだ。」
「ええ、そうだと思いましたよ?」
性格がいいねぇ、リンちゃん。冗談だと分かったうえでのあの反応か。
「話を戻しますと、先生の好きにしていい、というのはおおむね合っています。我々連邦生徒会は行方不明になっている連邦生徒会長の捜索に全力を尽くしているため、キヴォトス中のあちこちで起こる問題に対応できるだけの余力を残していません。」
シャーレは連邦生徒会所属ではあるけど、生徒会関連……今だと連邦生徒会長の捜索に加わる必要はない。けどその間にもキヴォトス中では問題が起こる…………
「要するにわたしは雑用をこなしまくれってこと?」
「………そんなことはありませんよ?今も連邦生徒会に寄せられる様々な苦情……。支援物資の要請、環境改善、落第生への特別授業、部の支援要請などなど……どれも立派な業務です。その辺りに関する書類は、先生の机の上にたくさん置いておきました。気が向いたらお読みください。すべては、先生の自由ですので。」
今返答に間があったな。
とはいえ雑用かは置いといてリンちゃんが挙げてくれた例は始めたての自分にはありがたい。まずは簡単なことから始めて、みんなにシャーレのことを知ってもらう必要がある。
まぁ…………言うなれば実績が必要ってやつかな。
知名度を上げて、危機に瀕している生徒の子たちのSOSがシャーレに届くように。
でも書類かぁ……………全くの初心者だけど大丈夫かなぁ…………
「リンちゃーん、いっこだけお願いしたいんだけど……………」
「あぁ…………わかりました。こちらで何人か目星をつけておきますので彼女らと実際に連絡を取り合う際にはこちらのタブレットでモモトークを使ってください。」
書類仕事に対する不安からリンちゃんに頼み事をしようとするがわたしの顔から察してくれたと同時に彼女が持っているものとは別の端末をわたしにくれる。
モモトークとはよくわからないが会話の様子からして連絡用の何かなのは確かだろう。
「それではごゆっくり。必要な時には、またご連絡いたします。」
「ゆっくりできるかなぁ。」
机の上に積まれた紙の束の厚さをみて思わずそう言葉を漏らすとリンちゃんは愛想笑いのようなものを見せながらシャーレの部室から出ていった。
「…………………」
一応椅子に座ってみて書類の山から一枚取る。紙には文字がびっちりと書かれており、内容を理解するだけでも時間がかかりそうだ。
「……………よし、一旦下にいると思うユウカちゃんたちに会いに行こう。」
少しの間書類の山と睨めっこをしていたが、現実から逃げるようにわたしはシャーレのロビーに降りる。ダメだ、あれはわたしにとっては論外ランクの相手だ。
ロビーに降りてみると4人の話し声が聞こえてきた。そっちに向かってみると各々の上司にあたる人物と連絡をとっている彼女らの姿があった。
「あ、先生!!」
「お疲れ様。一応リンちゃんの方だとサンクトゥムタワーの復旧を確認できたって言ってたけど、そっちも大丈夫そうかい?」
「ええ。こちらでもサンクトゥムタワーの制御権を連邦生徒会が取り戻したことを確認しました。」
「それは何より。こっちもリスク踏んで向かったかいがあったものだね。」
「ワカモは自治区に逃げてしまったのですけど……すぐ捕まるでしょう。私たちはここまで。あとは担当者に任せます。」
「まぁ…………それが一番だね。」
ハスミちゃんの言葉に帽子のつばを下げて顔を隠した。彼女がなんで逃げたのかよくわからないんだよねぇ。ホントに前触れもなく急に逃げられちゃったし。
とりあえず余計な情報をあげて混乱を与えるわけにはいかないから黙っておくことにするけど。
「改めてお疲れさまでした、先生。先生の活躍はキヴォトス全域に広がるでしょう。すぐにSNSで話題になってしまうかもしれませんね?」
「…………それは流石にワカモちゃんをわたしがとっ捕まえたくらいのインパクトないと無理でしょ。わたしは簡単な指揮とせいぜいハスミちゃんの手助けしたくらいだし。」
「…………戦車を浮かせられるほどの威力がせいぜいでいいのでしょうか。」
ユウカちゃんの賞賛に帽子をあげながらないないと首を横に張ってると隣のチナツちゃんからそんな訝しげな言葉を向けられる。
「どうであれ頑張ったのは君たちだよ。ここの主になってしまう者として改めてお礼を言うよ。ありがとう。」
ちょっと有無を言わさない感じで言ってしまったが、チナツちゃんはそれ以上の言及をしては来なかった。
「なってしまう、ですか。まるで本来はそうではないというような言い方のようです。」
「あー…………そのことでみんなに一つ言っとかないといけないことが………」
ハスミちゃんにそう問われたわたしは申し訳なさそうにしながらリンちゃんに渡された書類のことを明かした。
けつろんわたしは書類仕事をやったことがない。
「しょ、書類仕事の経験がないんですか!?」
「そうなんだ。一応今回のことでみんなが使った弾とかにお金がかかっていることくらいは素人なわたしでも察せれるんだけど……そのお金って誰が出すの?」
「それは…………シャーレのことで使ったんですから、シャーレに請求しますけど………」
「ということは何かしら書類書かなきゃいけないんでしょ?でもわたしやり方とか一切知らないよ?あとこのシャーレにお金どれくらいあるかも知らないし。」
おずおずとした様子でシャーレ────つまるところわたしに対して請求が飛んでくることに対してそう言うと4人はお互いに目を見合わせると一旦わたしから離れて井戸端会議を始めた。
「あのー…………先生ってモモトークとか持っています?」
「あ、うん。持ってる。なんならついさっき察してくれたリンちゃんから渡された。」
「とりあえず後日また私たちでシャーレを訪れますので、それまではあまり書類に手を出さないでください。」
そうユウカちゃんに念を押されながらわたしは4人と連絡先を交換した。
やれやれ、初めてのお仕事にしては上出来だったと思うけど、なんとも閉まらない終わり方だねぇ。
閃光きぼぜつ終わっちゃったぁ…………ガンダム勢の活躍すごくて非常に見応えがあった………