MUGEN アーカイブ    作:わんたんめん

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最近緩くないやつDLしたけどこやつ狂最上位ってうせやろ


属性 水もしくはカエル

 

「それじゃあ、ぼちぼち行ってくるねー。」

 

「諏訪子先生……本当に向かわれるんですか?公式にはないはずの委員会のために行くのはわたしは今でも反対ですからね。」

 

「それでも先生としてはやっぱり行かないとね。学校が不良に狙われているなんて、らしくなってきたじゃないか。」

 

「先生、何かありましたら必ずご連絡を。」

 

「もう心配性だねぇ、何もなければ支援物資置いてくるのと不良を蹴散らしてくるだけで済むって。」

 

自分の周りに置いてある物資に何か不備のようなものが無いかを確認しながらこれから向かう先の心配をするユウカちゃんとハスミちゃんに笑みを浮かべて大丈夫だと返す。

 

「でも何かあったら必ず連絡を寄こすさ。一人でダメなら二人で、二人でダメならみんなで。わたしはそういう風にして()()をつないできた様を何度も見てきたんだから。」

 

さて物資に特に不備はなさそうだ。じゃ、始めますか。

 

「そういうことで留守の間はよろしく。二人にもいつもの業務があるだろうから優先度は低くていいけど、長くなりそうなら部室の掃除をよろしく。」

 

それだけ言い残すとわたしは自身の体から生み出される青白い光を纏い、周囲にあった支援物資ごとワープした。

 

 

「先生のワープ………どうにかして実用化できないかしら………せめて原理のようなものさえ……」

 

「ユウカ。気持ちは凄まじく理解できますが、おそらくきわめて難しいのでは?」

 

 

 

 

 

 

 

ことの始まりは数日前、ようやく書類の山という名前の現実に慣れ始めたころ合い。

初めは最初の任務で一緒になったユウカちゃん四人とヒイコラ言いながら(主にわたしが)書類をやっていたが、チナツちゃんが途中で風紀委員会の別件とやらで来れる回数が少なくなり、スズミちゃんも自警団としてのパトロールをいつまでも空けておくわけにはいかないのか次第とユウカちゃんとハスミちゃんの二人に手伝ってもらうのが自然となりつつあった。

ユウカちゃんの指導でまぁまぁ書類に対する知識もついてきた。例えばわたしのサインなり何かしらの証拠がいる場合、わたしがそれをするまでその書類を承認したことにならないから効力を持たないとかね。

 

『先生、ちょっといいですか?』

 

シッテムの箱からアロナちゃんが呼びかけてくる。

わたしはそれに言葉で返したりはせずに顔をだけを向けてアロナちゃんに内容を催促する。

聞いたところによるとアロナちゃんはわたし以外の人間には姿が見えないらしい。

つまり変にわたしが人前でアロナちゃんと話そうとしたら、肝心の会話相手の姿が見えないため、周りから見れば幻覚の類と会話している頭のおかしい人と見られてしまう可能性がある。

 

『生徒さんたちから送られてきた手紙なんですが、その中に一件不穏なものがあるんです。』

 

そう言われ、シャーレに向けて送られてきた手紙をアロナちゃんの指示のもと漁ってみる。

見つけた手紙の差出人の所属と思われる部分には綺麗な書体でこう書かれていた。

 

「アビドス廃校対策委員会…………?」

 

廃校って…………学校がお取り潰しになるって意味合いだよね?

なんだか急を要するような雰囲気の差出人の名前にわたしはユウカちゃんたち2人にアビドスとやらについて聞いてみた。

 

アビドス高等学校

 

2人曰く、昔はかなりの勢力を誇る一大学校だったが数十年前の巨大な砂嵐により、自治区の多くが砂に埋もれ、加速度的に自治区内の人口が減少して行き、今は学校としての機能しているかどうかすら怪しいらしい。

それで手紙の封を切って内容を見てみると、学校が不良に狙われていて支援を求めているということだった。

 

「ユウカちゃん、今から物資ってどれくらい捻出できそう?」

 

「え!?行くんですか!?」

 

「そりゃあ廃校なんて一大事じゃん。」

 

驚きの表情を浮かべるユウカちゃんに我ながらあっけらかんとした様子で答えると、一瞬の凍結の後に鬼気迫るような表情で電卓を叩き始めた。

 

「ユウカ。こちらの方で現状のアビドスについて調べておきます。先生、少しばかりシャーレの権限を使わせて欲しいのですがよろしいでしょうか?」

 

「ありがとう!それと先生!あとでぜーったい何か奢ってもらいますからねー!!」

 

「んー?2人ともいいよー。」

 

忙しなく動いている2人を尻目にわたしはもう一度手紙を見てみる。

 

(よく見てみるとところどころ字が震えている。おそらく相当切羽詰まっている状態でこの手紙を寄越したのかも。文字通り、わずかに垂らされた蜘蛛の糸を掴むような。)

 

ただ、砂漠による影響があるとはいえ、不良が原因で廃校にまで追い込まれるとはあまり思えない。わたしは別の理由を考えながら2人が終わるまで待っていた。

 

「え?5人しかいないの?」

 

「はい。」

 

ハスミちゃんから渡されたアビドス生のリストを見て思わず表情が固まってしまう。

上から順に3年生、2年生と1年生が2人ずつの合計5人。片手で数えられる人数で今のアビドスの全生徒だと言うのだ。これではもはや学校どころの話ではない。

 

「それとこの手紙の差出人である廃校対策委員会ですが、連邦生徒会のデータにそのような名前の組織はなく、非公認の集まりだと思われます。それにこの生徒の人数では……………おそらく生徒会は機能していない可能性が…………」

 

「生徒会が動いてないってことは学校としては…………」

 

わたしの言葉にユウカちゃんは難しい表情を見せる。みんな口にしてないがわかっているのだろう。アビドスは学校としてはすでに形骸化しており、存在できていないと。

 

「いえ、辛うじて………彼女がアビドス生徒会のメンバーであるため存在はしています。本当に………辛うじてですが。」

 

そう言ってハスミちゃんはリストの一番上の名前、三年生の小鳥遊ホシノの名前を指差し、険しい表情を見せる。

待って、この子が三年生ってことは────

 

「この子が卒業とか何かしていなくなったら、それこそ本当にアビドスはなくなるってこと?」

 

「…………先生、正直言ってこれは手を出して良い案件ではないと思います。アビドスの問題は絶対に不良だけではありません。具体的に何がと言われると言葉に詰まってしまうんですけど…………」

 

「いや…………うん。わたしも何かしらはあるって思ってる。それ以外の何かが。でも、これは行かないとダメだと思う。」

 

わたしは送られてきた手紙を取り出す。廃校対策委員会。そしてたった5人だけの生徒。普通ならとっくに別の学校に転校なりしてもなんらおかしいことはない。

それでも、それでもこの子たちは自分たちの学校を守りたいんだ。大切な居場所、思い出の詰まった心の拠り所。

 

「好きじゃなきゃこうまでして守りたいとは思えないよ。そしてそれを手助けしてあげるのが先生の、もっと言えば大人の役目ってもんじゃない?」

 

ま、見た目子供のわたしが大人だどうこう言ったところで説得力ゼロなんだけどね。

 

 

 

 

 

「うえー!口の中に砂入ったー!!」

 

一応ハスミちゃんから今現在のアビドス高等学校の場所を教えてもらったから合ってるとは思うけど…………空気に砂が混じってるよー!!

わたし属性的に乾燥地帯ダメなのにー!!

 

『先生大丈夫です!!無事にアビドスについているので!!』

 

アロナちゃんの報告を聞きつつ、口に入った砂を吐き出しているがここまで砂漠化がひどいとは思いもよらなかった。

 

「ううっ………来て早々ツラい。しかし、ここがアビドスかぁ………」

 

目の前の閑散とした校舎に生徒が本当に5人しかいないことを察する。

人の気配が少ない少ない。校舎も補修の手が入れられてないのか外観はボロボロだ。

さてどうしようかな…………勝手に校舎の中に入るのもダメだし………かと言って支援物資のそばから離れるのもなぁ、不良が結構いるみたいだし…………

 

「うーん……………」

 

少なくとも向こうからの接触がないとあまり動けない。

どうしたものかと考えていると、学校の校門の方から何が自転車のようなものを漕いでいるような音が聞こえてくる。

 

「ん。誰?」

 

現れたのは頭に獣耳を生やした白髪の女の子だった。一瞬飾り物かと思ったが毛並みを見た感じとこちらを警戒するようにピクピク動いていたから本物だろう。

ちなみに多分犬系の耳だと思う。

 

「わたしはGM諏訪子。シャーレの先生。君はアビドスの生徒さんで合ってる?」

 

自己紹介と一緒に必要ないとは思うが、彼女が一応アビドスの生徒かどうかを聞いてみると彼女はん、という淡白な返事だが頷いた。

 

「奥空アヤネちゃんからの手紙を受けて、支援物資を持ってきたよ。できれば呼んできてもらえると助かるかな。」

 

わたしの言葉を聞いて後ろにある物資の中身を見た彼女は表情は大して変わらないが、明らかに嬉々とした目つきでん!ん!と何回か頷くと駆け足で校舎の方へと向かっていった。

 

 

 

 

「いやー、ごめんねぇ。気づいたら校舎の前にいたものだからおじさんたちも警戒しちゃってさー。」

 

さっきの犬耳の生徒が引き連れてきた4人。おそらくあれが全アビドス生徒だろう。

一人称おじさん、ほんわか巨乳、猫耳、眼鏡っ子、それと最初に会った犬耳の生徒

 

「こっちこそ警戒させてごめんね、なんだか急を要するような内容だったからまとめられるだけまとめて飛んできたんだ。」

 

こんな風にね、と言いながらわたしは5人の背後にワープで移動する。

 

「う、うへぇ!?」

 

「わあ☆ワープなんてできるのですね!」

 

「な、なにもんなのよアンタッ!?」

 

「ん、これなら銀行も襲い放題。」

 

「す、すごい…………!!」

 

5人からさまざまな反応をもらうが、若干一名反応に困るコメントがあった。何さ銀行を襲うって、物騒な。

 

「で、手紙を送ってくれた奥空アヤネちゃんってどの子かな?」

 

「あ、はい!私です!!支援要請を受けてくださってありがとうございます!」

 

眼鏡っ子が勢いよく挙手しながら出てきてくれる。なるほど君がアヤネちゃんか。

 

「在庫処分のものを買い叩いてきたようなもんだから質はともかく量は保証するよ。」

 

「ん、質も悪くない。むしろいつもよりいい。」

 

「これだけの量があれば数ヶ月は持ちそうです!」

 

え、そうなの?ユウカちゃんはこの量で一ヶ月分って言っていたのに。

もしや平時から相当切り詰めて生活してる?この子達。

とりあえず、このまま砂に野晒しになっているのはよろしくないため、5人に運び込むのを手伝ってもらおうとしたとき、また校門の方から音がした。

 

しかも今度は破裂したような乾いた音が連続して聞こえてくる。

誰がどう聞いても銃声だとわかると、わたしより先にアヤネちゃんを除く4人が自身の得物を持ってフォーメーションを組み始める。

 

「武装集団が学校に接近しています!カタカタヘルメット団のようです!」

 

すごい名前だ……………

まぁ確かに遠目からだが校門に迫ってきている集団のほとんどがヘルメットのようなものを被っているからおおよそ間違いではないのだろう。

 

「…………手伝おうかい?」

 

「ありがとうございます!私がオペレーターを担当します、先生はこちらでサポートを!」

 

ありゃ、向かっていった4人の方を手伝うつもりで言ったのにどうやらまた指揮をやることになりそうだ。

まぁ、迎撃に出た4人も襲撃に慣れている様子だし、下手にわたしが加わって戦線乱すのもダメか。

ここは大人しくアヤネちゃんの隣でサポートを頑張るとしよう。

 

「アロナちゃん、向こうが何か通信とかやってそうなら干渉よろしく。」

 

『ハッキングですね!お任せください!フンス!』

 

胸を張っているアロナちゃんに微笑ましい目線を送りつつ、わたしは迫ってくる不良たちを見据えた。

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