MUGEN アーカイブ    作:わんたんめん

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………ランキングにまで乗るとは思いませんでした(自分が確認した限り最高順位40くらい)
あと禍霊夢の人とパルスィの人から感想頂いたりと中々濃い一日でした。
えー………とりあえず頑張りますとしか言えませんが、ありがとうございます!!


好きなんでしょ?

 

「言い出しっぺのおじさんが言うのもなんだけどさぁ、先生ってついてきてもよかったの?」

 

「ちょっと見ておきたいものがあってね。お荷物にはならないようにはするよ。」

 

「ふーん…………まぁ、おじさんたちも先生に弾が飛んでこないように頑張るけどさ。」

 

そう言ってホシノちゃんは醸し出していた訝しげな雰囲気のままみんなを守るように先頭へと戻っていく。

やれやれ、どうも近寄り難い雰囲気してるなぁ。表情だけとかだとそんな感じはしないんだけど。

しかしアビドスの自治区っての砂ばかりだね。道路は愚か建物まで砂に埋もれてるところもある。こうも乾燥してるようじゃあペットボトルの水が欠かせない。

 

「先生、そんなに喉乾いてるの?」

 

「んー、ここ乾燥してるから喉乾きやすいんだよねぇ。」

 

「そう?あんまり気にしたことはなかったけど…………」

 

「気にしなくていいよ。わたしの体質みたいなものだし。」

 

頻繁に水を飲むわたしを不思議に思ったのかシロコちゃんからそう聞かれてしまう。しかしキヴォトスの人たちで強いよねぇ。30キロくらいならほとんど休みなしで走破できてしまうとは。

 

「ま、ぼちぼちヘルメット団の基地っぽいからここからは気を引き締めておくよ。」

 

「ん、先生も気をつけて。」

 

『もうすぐカタカタヘルメット団の前衛基地に入ります!』

 

ついてきているスピーカー付きのドローンからそんな報告をするアヤネちゃんの声がする。

銃を構え、戦闘準備をするみんなに続くようにわたしはシッテムの箱は起動し、見え透いた攻撃に備える。

 

『先生は指揮をお願いします!!』

 

「それじゃあみんな、とっつげき〜!!」

 

「適当すぎない!?あと何そのポーズ!?」

 

「知り合いのマネ。名前をアルティメット・ホーリー・ガール*1

 

「それ名前なの!?」

 

みんなに指示を出すついでにマネと評して体を半身に逸らし、両腕を前に突き出しながら片足立ちをしてみる。

しかしセリカちゃん、君いいツッコミをするねぇ。そうなの、ウチはそういう名前のやつら結構いる。

 

「ん、先生センスある。おもしろい。」

 

「わぁ☆わたしもやってみます!とっつげき~♪」

 

『あの~、戦闘前なんですけど……』

 

「まぁ、いいんじゃない?変に緊張するよりかは全然マシだしさ。」

 

正直シロコちゃんとノノミちゃんが乗っかってくるとは思っていなかったが、ともかくわたしたちはヘルメット団の虚をつく形で戦闘に突入。

奇襲を受けたヘルメット団の団員たちはまともに迎撃する猶予すら与えられずに蜘蛛の子を散らすように逃げて行った。

中にはかろうじて立ち向かっていた子たちもいたが、個々の実力でもアビドスの生徒と団員に差がある以上蹴散らされるのは時間の問題だった。

 

 

 

 

『ヘルメット団、基地を放棄して退却していきます。作戦成功です!!』

 

「うへぇー、まぁこれでしばらくはおとなしくなるでしょ。」

 

アヤネちゃんの状況報告とホシノちゃんの判断で戦闘態勢を解除する4人。

周囲を見てみたり、アロナちゃんに探査をかけてもらったがあたりに敵対反応はなさそうだ。

これならうろついても何かあるって可能性は低いかな?

 

「先生?どこか行くの?」

 

動いたところで即座にホシノちゃんに察知されて声を掛けられる。

参った。ホントにわたしの一挙手一投足まで見逃さないつもりかこの子。

 

「最初言ってた見ておきたいことをね。なんならついてくる?」

 

「うーん、先生に何かあったら困るし、そうさせてもらおうかな。」

 

変に拒むよりはいいかと思って誘ってみたが、それが功を奏したらしい。

まぁ、ホシノちゃんからしたらわたしのこと監視するって名目が出てくるし断る理由もないだろう。

他の3人には先に帰るようにホシノちゃんが促し、わたしたちは戦闘で破壊された基地の奥に進む。

 

 

 

「で、先生?見ておきたいものっていったいなに?」

 

「いやね、わたしって新参者だからさ色々気になっちゃうんだよねー。例えばそもそもヘルメット団はどうしてアビドスを襲い続けるのか、とか。」

 

「うーん?私たちを追い出せば住みやすい場所が手に入るからじゃない?」

 

「君たちが使っている弾丸だっってタダじゃない。だから補給がいる。で、ヘルメット団が使っていた銃なんだけど………」

 

ホシノちゃんの会話を続けたまま、わたしは足元に転がっていた一丁の銃を拾い上げる。

混乱状態に陥ったヘルメット団が置き去りにしていったものだが、彼女たちの身なり、砂まみれだったりしてお世辞にも清潔であるとは言い難い彼女たちが持っている割にはきれいな銃だった。

 

「これ、君の目から見るときれい?それともそうじゃない?」

 

「………きれいではあるよ。それこそ新品みたいにね。」

 

わたしから渡された銃を見てそう言ったホシノちゃんはどこかわかっているような感じだった。

これ、わたしが考えていることにこの子は割と前から気づいていたのかな。

まぁ、シロコちゃんの様子からするとかなり物資を切り詰めていたようだから考えに行きついても確証を得ることはできなかった、と考えるのが筋かな。

 

「襲撃してくる以上、彼女らには資金がいる。それと戦うための装備。でも彼女らはいわゆる不良のレッテルを貼られている。おそらくバイト然り資金面でのやりくりは厳しいってみるべきだろうね。」

 

そして基地を設営できるほどの人員と規模。不良とかが寄せ集まってできる範疇を大きく逸脱しているように見える。仮にヘルメット団にこの規模を統率できるカリスマ持ちがいるならもうとっくにアビドスは墜とされているだろう。となると可能性が高いのは────

 

「これ、たぶんだけどヘルメット団には何かしらの資金面での後ろ盾がいると思うよ?で、廃校の直接的な原因は不良じゃなくてそっち。何か明確な目的をもってアビドスを潰しに来てる。」

 

「………不良の襲撃だけが原因だとは思っていないんだね。」

 

「一応ある程度は調べてきてるとは言ったからね。」

 

「なら先生はどうしてここに来たの?調べているのなら、あんな手紙もらったところで────」

 

「え?だって君たちこの学校のこと好きなんでしょ?」

 

ホシノちゃんの質問に思わず反射的にそう答えてしまう。

 

「好きっていう感情は何か行動するにあたって一番の原動力さ。それのためならたとえどんな困難にぶち当たろうと臆せず立ち向かうことができる。わたしはアヤネちゃんの寄こしてくれた手紙からそれを見たから来たんだ。こういう子たちの背中を押してあげてこその先生なんじゃないのかってさ。」

 

そういいながら君は違うの?とほぼ流れで聞いてみてしまうが、ホシノちゃんからの返答はなかった。

ただいつも眠たそうにしているあの目を見開いていたから驚いてはいるんだろうけど。

 

「……………先生ってさ、見た目によらず大人だよね。」

 

「これでも色々と濃い連中の相手をしてきてるからね。闘っているのに突然前触れもなく自爆してくるヤツまでいるんだよ?」

 

「…………なにそれ変なの。」

 

そう言って軽く笑みを見せるホシノちゃんだが、なんとなくそこで初めて彼女の笑顔というものを見た気がした。

 

 

 

 

 

「お帰りなさい。皆さん、お疲れさまでした。」

 

ヘルメット団にバックの存在を感じつつもアビドスに戻ってくるとアヤネちゃんが出迎えてくれた。

 

「これでしばらくは襲撃されることはなさそうかな?」

 

「はい☆火急の事案だったカタカタヘルメット団の件が片付いたのでこれで一息つけそうです。」

 

「そうだね。これでやっと重要な問題に集中できる。」

 

「うん!先生のおかげだね、これで心置きなく()()()()に取り掛かれるわ!」

 

「……………借金?」

 

「あ」

 

セリカちゃんがもらした借金返済の言葉に思わず反芻しながら首をかしげると完全にしまった、という表情で狼狽える反応を見せる。

なるほど、絶対なにかあるとは思っていたが、廃校問題の本命は借金か。

 

「えーっと、、聞かない方がよかった?」

 

「いいんじゃない?隠すようなことじゃないからね。」

 

「おっけー、じゃあ全部話してもらおっか。あ、手紙の内容と違うからってアビドスを助けない、なんていうことは誓ってしないから安心してくれていいよー。送ってくれたアヤネちゃんには悪いけど、元々不良を蹴散らしたくらいで解決できるとは露にも思ってなかったし。」

 

「そ、それは………」

 

「ちょちょ!!ちょっと待ってってば!!」

 

確認ついでに聞いてみたホシノちゃんからお許しが出たからなんともない雰囲気を作って話を促そうとしたが、そこに漏らした張本人であるセリカちゃんに待ったをかけられる。

残念、アヤネちゃんは話してくれそうだったのに。

 

「ホシノ先輩いいんですか!?今更……今更部外者を呼んで!!」

 

「確かに先生がパパッと解決してくれるような問題じゃないかもしれないけどさ。でもこの問題に耳を傾けてくれるような物好きな人は先生くらいしかいないじゃーん?悩みを打ち明けてみたら、何か解決法が見つかるかもよー?」

 

それとも何かほかにいい方法をあるのかな、と言ったところでセリカちゃんはたじろぐようにうめき声を漏らして一歩後ずさった。

 

「で、でもさっき来たばかりの人でしょ!!今まで誰かが、この学校がどうなるかなんて気に留めたことがあった!?」

 

セリカちゃんの絶叫ともとれる声が対策委員会の部室に響く。

彼女の言葉が全て事実なら、それは本当に悲しいことだ。誰だって、そこにあったものが何か不幸なことがあってなくなるのは悲しい。それも思い出の詰まった学校とかならなおのことだろう。

 

「この学校の問題は、ずっと私たちだけでどうにかしてきたじゃん!なのに今更、他人が首を突っ込んでくるなんて────」

 

私は認めない。

 

そんな言葉を吐き捨てながらセリカちゃんは委員会の部室を飛び出していった。

 

「…………あれま、だいぶ困ったことになったねぇ。」

 

「私、様子見てきます。それと先生、セリカちゃんがごめんなさい。」

 

「気にしなくていいよ。相当鬱憤たまっていたんだろうさ。ま、一度は吐き出せないと体に毒だからね。あれはあれでよかったと思っておくよ。」

 

セリカちゃんの様子を見に行くというノノミちゃんにそう返すとありがとうございます、と一礼して部室をあとにした。

ノノミちゃんが部室の扉を閉める音を最後に無言の重圧が部室を包む。

 

「えーっと、一応確認。セリカちゃんはああいう反応だったけど。君たちはどう?やっぱり彼女と同じ意見?」

 

「私はいいと思う。協力してくれる人は他にいない。」

 

「私もです。先生は大丈夫な人だと信じます。」

 

残った二人も快諾してくれた。ホシノちゃんもセリカちゃんとの会話の間でああ言ってくれてたし、わたしをひとまずは信じてくれるという認識でいいだろう。

そう結論づけたわたしは気合を入れなおすようの帽子をかぶりなおす。

さて、じゃあ聞かせてもらおうか。アビドスが抱えている真の問題ってやつを。

 

 

 

*1
究 極 聖 少 女

淡水椛氏によるアンジェリア・アヴァロン改変 記憶が定かじゃないがどこぞで対希望十割を叩き出したキャラを裏切らせたような? 

というかこの子の改変これとエレシュキガルしか知らない……




おじさんの心の内がわからないよぉー(白目)
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