俺はこいつの手を引きこの町を去ろうとしていた
直感で分かったこの場所で俺たちは浮いた存在だと
俺たちを見るあの目の中に嫌悪と同情がこもっていた
「気分悪ぃな 早く抜けた方がいいな」
そんな中
「おいおい!誰だよこの町に"家畜以下"のクソ垂らしを野放しにしてんのは」ヒック~
は??家畜以下?誰が?俺たちが?
こんな昼間から酒を飲んで酔っ払ってるおっさんに
何故そんな胸糞悪ぃこと言われなきゃ行けない?
「誰に言ってんだ?!クソジジイ!」バッ!
俺はすぐこのおっさんに喧嘩を仕掛けた
こんなガキにボコられるわけ無いと周りも含めおっさんも思っていたはずだ 生憎産まれた環境が既に違う普通はガキが負ける だか俺は赤ん坊の時から地獄で生きてきた 経験値が違う
「グェッ!このがっ!!」
地獄で産まれたような俺は生きている以上血を多く流す
俺自身も相手も
おっさんも反撃しようとしているが俺がそれを許さん
殴られそうになれば小柄なこの体を上手く使いおっさんの股の間を通り足払いをする
「っ!」グイグイ
最後に男玉を1個潰してやろうかと思ったその時
こいつが俺の袖を強く引っ張った まだ居たのかと思った
こんな俺を見て怖くなり逃げ出すか 距離を置くと思っていたが やはりこいつはよく見てる 多分こいつは生まれた環境が悪くどうすれば殴られずに済むのかと体が考え
必要以上に視えるらしい 俺から何を見たのかは知らんが
「分かったもうやめとく さっさと去ろう」フキフキ
鼻を殴ったからか返り血がすごい
再び俺たちは足を進めた
それから町を転々と周っていた
すごく楽だった 人生初めての自由 初めての海
初めての雪 こいつも顔には出ないが 明らかに明るくなった
よかった 1人も1人で良かったところがあるが
2人だからこそ出来たことも多い効率もいいし
こいつは目がいいから山菜やら寝床に丁度いい場所を見つけてくれる
そんな平穏な日を過ごして日が暮れたあとの事だった
俺は信じられない体験をする
「ケケケケケ!ガキが2人しかも食べ頃ときた!俺って運がいいよなあ」ジュルリ
俺たちは人型の化け物に出会った
しかも食べ頃なんて言っている やつは人を食うナニか
「抵抗はするなよ〜しなけりゃ一瞬で食ってやるからなあ〜」ノソリノソリ
「精一杯抵抗させていただく!」ダッ!
俺は手を引き障害物の少ない所へ逃げた
「逃げても無駄だぞー」ケケケケ
ヤツはすぐに俺の目の前に立った
早すぎる 瞬きをしてもいないのに気づけばそこにいた
「俺の背中に乗ってくれ」
「っ!」コクコク
震えていた 当然だわけも分からん怪物に獲物として見られている
俺はひとつ考えていた 何故このような怪物がいるにもかかわらず人間は平穏な日々を過ごせているのかと
特定の場所を離れられないから?1回食えば当分の間は食わなくていいから?それとも太陽に弱いから?
相手側から聞くしかない やつは俺たちを舐めている
聞き出せる可能性はある
「おいおい人間のなせる技じゃねぇな」
「当たり前だ俺は鬼だからな」ニヒッ