SAO〜異界の仮面騎士〜   作:蒼龍ミヤイ

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いつも読んで頂きありがとうございます!
今回は、コハルとタカシの始まったばかりのアインクラッドでの日常を描いたつもりです!
どうぞ!


第4話 共に生き抜く為に

 アルゴから生き抜くための知恵を教えてもらってから数日が経過した。

 この世界の通過であるコルを稼いで圏内の宿屋に泊まったり、武器などのアイテムの購入に使ったりする為には必要だということ。後は、戦闘による経験値も必要だということなのだが、俺たち初心者組には、まだまだ危なっかしいということで俺たちは、連日はじまりの街近くの草原へとやって来ていた。理由は、アルゴに訓練だと言ってその日のうちにフレンジーボアを決められた数を狩って経験値とコルを稼いでこいというものだった。

 今までは、順調に何体か狩っていたのだが、今日は、はじまりの街にいる多くのプレイヤーによってモンスター狩りが行われている為、中々次がリポップせずに時間だけが過ぎている状態だ。

 

「中々、出ないね」

「このままじゃ、埒が明かないな──コハル、場所を変えよう」

「でも、ここから離れると戻るのに時間が……」

「──大丈夫!」

 

 俺は、そう言ってメニューを操作し改造オートバイサイクロン号を出現させる。それに跨りエンジンをかける。爆音のエンジン音に周囲のプレイヤーは、こちらへ目を光らせる。

 

「さぁ、行こうか」

「そうだね、タカシにはこれがあったね」

 

 そう言い、コハルは俺の後ろへ座り腰に腕を回す。それを見てからサイクロン号のアクセルを回してプレイヤーが少なそうな地点へ向けて出発する。

 

「──ねぇタカシ、あんなに目立つところでサイクロン号出して大丈夫なの?」

「──あ、やっちまったかも」

 

 後日、レアアイテム持ちとして他のプレイヤーから目の敵にされる事になるが、それはまだ少し先の話。

 

 

 

 ◇◇◇

 プレイヤー集団から離れた場所へ移動すると次第に人気が少なくなる。どうやら、先へ急がずに安全圏内へすぐ逃げれる所を狩場に選んでいる人がほとんどの様だ。ちなみにキリトや他のベータテスターの人達は、序盤のコツなどを知っているからか先へ進み一刻も早くゲームクリアを目指している様だ。情報屋でもある彼女から小耳にしたが、まだ迷宮区のボス部屋へ到達することは出来ていないみたいだ。

 

「ここならいいかな」

 

 俺は、そう呟きサイクロン号を停める。別の草原エリアに着いた俺は、辺り見回す。はじまりの街から離れたエリアでもあるここは、人も少なくモンスターという名の資源が豊富に存在していた。

 コハルは、サイクロン号から降りて細剣を鞘から抜き構える。

 

「私、行ってくる!」

「じゃあ、俺も近くで別のモンスター狩ってくる」

 

 俺は、そう言ってコハルと別行動をとる事にした。ここまで来るに経験を積み多少上手くスキルを発動できる様になったし、既にここら辺のモンスターでも一人で狩れるくらい強くもなっている。

 俺も負けずに狩りを行おうと気合いを入れようとした時……

 

「──助けて」

 

 その声を聞き、俺は思わずその場に留まる。

 それは、通常の人間では決して聞けないぐらい小さな声だ。

 空耳かと思い俺は、今より聴覚を研ぎ澄ます。すると、ここから更に奥にある木々で囲まれている所で激しい音が聞こえた。誰かが大型モンスターに襲われて窮地にたたされているみたいだ。

 俺は、慌ててサイクロン号に跨る。

 

「え、タカシ?」

 

 突然の行動に驚くコハル。

 だが、俺は彼女に気もとめずサイクロン号を加速させる。このままでも間に合いそうではあるが、一刻も早く現場へ向かわないと、プレイヤーの命が危ない。

 サイクロン号が真の姿へと変形すれば、今よりももっと早く走行する事が可能だ。

 だが、サイクロン号の変形には仮面ライダーになる必要がある。

 俺は、迷う間もなく左ハンドルにあるスイッチを捻りハンドルを押し込む。

 すると、サイクロン号が次々と変形していきオフロードからフルカウル状態へと姿を変える。マフラーの本数が増えた事によるジェット噴射のような加速によって発生する風圧をタイフーンにある風車を回す。

 風力エネルギーを受けて俺の肉体は次第に人ではなくなっていくとバッタをモチーフにした複眼のマスクが顔を覆う。エネルギーが全身に満たされ、変身完了を告げるかのように複眼がピカッと光る。

 爆音を轟かせ、声のした方へと向かうと大型モンスタージャイアント・アンスロソーが女性プレイヤーを今にも食おうとしていた。プレイヤーの方は、生きることを諦め抵抗する居力もないほど、虚ろな目をしている。

 ジャイアント・アンスロソーは、サイクロン号の爆音を聞き彼女から顔を上げてこちらを見る。俺は、その隙がチャンスだと思いジャイアント・アンスロソーの顔面へ向けてバイクごと跳躍して体当たりする。タイヤで顔面を擦り上げダメージを入れると俺は、サイクロン号から垂直に飛び空中にてバク宙の様に一回転してから右拳に力を込め、ジャイアント・アンスロソーを殴り飛ばす。落下速度も相まって強烈な一撃を受けジャイアント・アンスロソーは、勢いよく木々に背中を打ちながら飛んでいく。それを目視しながら着地すると俺は、横たわっているプレイヤーの方へかけよる。

 

「大丈夫か?」

「ひぃ……」

 

 手を伸ばすが怯えている彼女は、それを拒む。

 誰かを助けたいと思ってとった行動が相手に恐怖を植え付けてしまえば、元も子も無い。

 

「──すぐ戻る」

 

 腰が抜け立ち上がれない彼女にそう言い残してから俺は、サイクロン号に乗り殴り飛ばしたジャイアント・アンスロソーを追いかける。

 元々俺とコハルが元々居た場所まで吹き飛ばされたジャイアント・アンスロソーは、怒りに身を任せもっと力をつけようと言わんばかりにほかのモンスターを捕食していた。近くには、コハルもいる。突然の事で初動が遅れてしまったみたいだ。

 

「逃がさない、コハルは下がって!」

「う、うん」

 

 戸惑ってるコハルに俺はそう言ってから再びサイクロン号から飛び上がり数メートル級の高さまで跳躍し、落下速度に生かしながら強烈な飛び蹴りを放つ。技名は、もちろんこれだ。

 

「ライダーキック!」

 

 叫びながら放った飛び蹴りは、ジャイアント・アンスロソーに命中するとそのまま地面へ押し倒す。衝撃により四方へと広がった大きな亀裂がライダーキックの威力を示していた。

 

「──こりゃ、バケモノだな」

 

 そう呟きながらゆっくり立ち上がって周囲を確認する俺。

 自身を中心に発生した亀裂の範囲内に居たジャイアント・アンスロソーを始めとしたモンスター達は、ライダーキックの威力に巻き込まれ既に爆散していた。よって大量の経験値量が俺に入っていた。この一撃は、ゲームバランスが崩壊するレベルだ。

 

「──変身解除してあの子のところへ行くか」

 

 そう言って変身を解除しようとした時、一通のシステムメッセージが届く。

 

ライダーシステム起動を確認しました!マニュアルをを開きます

 

 俺は、メニューを開きメールを読む。

 読むんだけど、これだけは言わせてくれ。

 

「──剣の世界なのに剣使えねぇじゃねーか!」

 

 この変身がきっかけで俺は、この戦闘スタイルでしか生き残る為の道がなくなるのだった。

 

 ライダーシステムの起動を確認、対象プレイヤータカシは、今後ソードスキルの一部を封じる。以後、使用可能なスキルは、体術スキルと日常生活スキルのみ。変身後の通常攻撃の威力は、常にソードスキルと同じ威力となる。また、高威力のスキルが存在するが今後順次解放となる。また、ベルトの装備解除はできない。変身しない時は、アバターの肉体の内側に同化している。変身時に姿を現す仕様となっている。

 

 

 システムメッセージを読み唖然とした。まさか、一度変身をするとデバフのような制限を受けるとは思ってもいなかった。と言うか、これだけの力を制限無しで使えると勝手に思い込んでいた自分に呆れてしまう。

 

「タカシなの……?」

 

 そこへ戸惑いながらコハルがやって来た。突然居なくなった人が複眼の仮面を被り巨大な破壊力の籠ったキックをモンスターに浴びせてれば誰だって戸惑う。

 

「コハルか、これが俺の本当のレアアイテムだ」

「こんなの持ってるってタカシは何者なの?」

 

 コハルが恐らく俺に対して抱いていた懸念。疑うのは、仕方ない。サイクロン号といい、この姿といい明らかにゲームバランス無視のレアアイテム持ちなのに、ゲーム初心者。気味が悪いだろう。

 

「──教えるよ、コハルの何故って思ってること全部、その前に先に向こうに腰が抜けてしまった女性プレイヤーが居たんだ、まずは様子を確認したいその後でもいいかな?」

「うん」

 

 俺は、変身を解除する。おれにあわせて自動的に変形する前の姿へと戻ったサイクロン号に跨る。それを見てコハルも俺の後ろに乗ると俺たちは、彼女の居た雑木林の方へと向かう。

 しかし、そこには誰一人姿が見えなかった。誰かが介抱してくれたのだろうと思い俺は、はじまりの街へと戻ることにした。

 

 

 

 ◇◇◇

 アルゴのお使いを終えて、俺たちは本格的な旅支度を終え明日の出発へ備えるために宿をとった。勿論、一人一部屋だ。流石に未婚の男女が二人一部屋なのは、倫理観的にまずい。そこは、コハルにも納得してもらい、用が済んだら部屋へ来てくれと頼んである。

 

「しかし、困ったな」

 

 俺はそう呟きベットへ倒れ込む。風力を得ないと仮面ライダーの姿になれない。その為には、サイクロン号の加速が必要。しかし、それを戦場で行う時間があるのかという疑問もある。

 いっそ、フィールドでは変身した状態を保つべきかと今後のことで悩んでい時、扉をノックする音が聞こえてきた。俺は、起き上がり「どうぞ」と、扉の向こうにいる人物に声をかける。すると、扉をゆっくり開けたコハルが部屋へと入ってきた。

 

「──お邪魔します」

「わざわざ来てもらって悪いな、ここに座ってくれ」

 

 俺は、そう言って彼女に座るように指示するとコハルは、何も言わずに俺の横へと座る。お互いに無言のまま時が流れる。コハルも何か聞いてはいけない物を聞いてしまったと後悔しているような表情に見える。俺は、メニューを開き順を追って説明を始めた。

 

「この世界に来た時、アイテムストレージにサイクロン号とベルトに着けてたタイフーンがあった」

「この世界? タカシは、どこから来たの?」

「俺は、異世界転生の試練を受けている──このアインクラッドをクリアしないとこの世界で受肉は出来ないんだ」

「転生!?」

「俺、少し前に死んでるんだ……子供を交通事故から助けてね」

「そんな……」

「だから俺は、生き抜く為に──あんなバケモノみたいな力を振るわなきゃいけないんだ、無理ならついてこなくても」

「それは、嫌!」

 

 コハルの大きな声が部屋中に響く。

 俺は思わずコハルの方を見ると彼女の緑色の瞳は涙が溜まっていた。

 

「タカシが、この世界の人でもなくてすでに死んでるのも分かった……そして、人ではありえないくらい凄い力があることも……でも、タカシは私を助けてくれた! もし、誰も助けてくれなかったら私も死んでたかもしれない……私は、まだあの時のお礼してないから──だからついて行く、そう決めたの!」

「──そうか、俺といると周りから蔑まれたり辛い思いをするかもしれないそれでも?」

「それでもついて行くから! タカシと離れ離れなんて嫌だ」

 

 そう言って泣き出すコハル。怖いと言えば、フレンドになったクラインに頼んで彼女の保護をお願いしようかと思っていたが、杞憂のようだった。こんな俺と一緒に居てくれたいと言う彼女の気持ちを無下にはできない。

 

「──分かった、じゃあ俺たちは、パートナーだ、これからもよろしくコハル」

「うん、タカシ!」

 

 隠していた秘密を打ち明け、更に仲良くなった俺たちは、これから正式なパートナーとして活動を共にすることになった。

 コハルと共に生きて現実世界へ戻る。そう心に決めたのだった。




遂に変身しました笑
ここ数日は、変身せずにライダーが居ない話が続きましたが、これからライダーとしてのタカシを見てもらえればなと思います!
これからもよろしくお願いします
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