また、評価までしてくれて嬉しいです!
感想評価に負けないくらい面白い話をかけるように頑張ります!
では、本編どうぞ!
「──タカシが異世界から」
部屋に戻りベットへ身を委ねたコハルは、ぼそっと呟いた。彼の部屋で真実を明かされた時は、困惑しなかったと言えば嘘になる。
けど、違和感がなかった訳では無い。
初めて会った時もゲームの世界観に合わない様なバイクで現れた彼は、レアアイテム持ちにしてはゲームの知識が浅はかだったりや剣を使わずに体術で強くなろうとしてるところなど、どこか引っかかっていた違和感の正体が昼間見たあの姿に詰まっていた。
濃紺のヘルメットに大きな複眼、黒色のスーツに青緑色の手袋やブーツと言ったデザインは、少し不気味とも言えるだろう。しかしながら彼の心や行動は、人を助けるために動いていた。
「いつか、みんなの前で変身するのかな」
コハルは、窓から見える夜空を眺める。
きっと彼は、ゲームクリアするためにあの力を使うだろう。いつか、人々の前で変身をしないといけなくなる時が来る。見た目や圧倒的力などきっかけに一部のプレイヤーから厄介者扱いされるかもしれない。そう思うと、今後前線で戦うことに不安になる。
何故か、タカシが一人になってしまうのではないか。圧倒的な力は、時に恐怖へと変わるものだ。
「──今日も善意で助けた人を怖がらせてたし」
みんなから拒まれることで彼の心が破壊への一途を辿るかもしれない。
しかし、タカシの人を守ろうとする善意の姿勢を見てコハルは、未来彼の姿を想像する。強力であるボスに対してあの必殺技である飛び蹴りを決める彼の姿、人々からヒーローと言われる彼の姿。
「タカシの力は、みんなの希望になる──それまでは、私が……」
──私が彼を支えたい。
それが彼女がこの世界に来て初めて自分に誓った決意。
今まで、タカシについて行くだけだったコハルが1歩前へ進んだ瞬間だった。
「今日は、よく寝れそう」
デスゲームが始まってから不安や悩みなどで考え耽ることが多くて寝れずに来てたコハルだが、彼女の心が前へ向いたからか気持ちよさそうに眠りにつくのだった。
◇◇◇
朝を迎えた俺──タカシは、支度を済ましてから宿屋の前でコハルを待ちながらある人へ会えるようにアポ取りの為にメッセージを送っていた。
「それにしても……コハルの奴、遅いな」
既に待ち合わせの時間から数分が経過しているのだが、まだコハルの姿が見えない。この場合、部屋まで迎えに行くべきかなど思考を巡らせる。
出た結論は、もう少し待ってみるだったが少し近くの出店へ行き回復薬や防具を買う事にした。ヘタレとかそういう訳では無いが、女の子の寝込みに行くのは良くないと思えたからだ。
宿屋が目につく所なら行ってもいいだろうと思い移動する。武器が使えないからこそ、俺が所持しているコルの使い道は、自然と防具やアイテムなどになる。
「うーん……アイテムは、一通り揃えたから後は防具か。変身する前は、多少身につけた方がいいと思うから一つ買っておくか」
そう考えていると、先程メッセージを送った人物から返事が返ってきた。俺は、買い物を終えてからメニューを開きメッセージを確認する。
「──ボス部屋が見つかった!? トールバーナへ来てくれか……遂にここまで来たか」
メッセージのやり取りをしていたのは、情報屋のアルゴだ。
初日にレクチャーを受けた後、レベリングや経験値を得てからはじまりの街を出たいと彼女に進言したのだ。その時が来たら連絡をしてくれと言われていたのだ。
「距離があるから急ぎトールバーナへ行くか、その為には……」
俺は、アルゴにわかった旨をメッセージで送りコハルの迎えにいく為に宿屋へ戻り部屋の前までやってきた。
「──コハル、準備出来たか?」
返事がない。
何度もノックをしたのだが、反応がない。もしかして、何かあったのかと心の奥から込み上げてくる不安と本当に扉を開けていいのかという背徳感を感じながら俺は、部屋の扉を開ける。
すると、なんか気持ちよさそうに寝ているコハルの姿があった。彼女の寝ている姿を見て募っていた不安が消える。
「──気持ちよさそうだな」
静かな部屋にコハルの寝息が響く中、彼女へ声をかける。どうして女の子の部屋というのは、こういい香りがするんだろうか。ここに長居すると背徳感に押しつぶされそうになる。それに必死に堪えながら返事のないコハルの肩を揺すった。
「コハル、起きろ──行くぞ」
「──ん? え、タカシ!?」
眠たそうに目を擦りながら起き上がるコハルは、俺と目を合わせると驚いた表情で固まる。口がアワアワとしながら起きたての思考でこの状況を理解しようとしていた。
「すまん、何度もノックはしたんだが……随分気持ちよさそうだったから」
「ごめんなさい、醜いものを見せてしまいました!」
コハルは、ゆっくり目線を落とし自分の姿をよく確認する。少しはだけた寝間着、寝癖におそらく寝ていた時に見られた寝顔と見られないものを一気に見られてしまったという感情があったのだろう。両腕で顔を隠しながら悶えてしまう。
「──まぁ、ぐっすり寝れたなら良かった」
「もうお嫁に行けない……」
「そんなに変じゃなかったから、気にするな……俺部屋から出るから準備出来たら来てくれ」
俺は、そう言って部屋から出て行った。扉を閉めた後、コハルの部屋から悶絶に耐える悲鳴が響いたのは言うまでもない。
だが、俺自身もコハルの健やかな寝顔みてつい可愛いと思ってしまった。お互い悶々としながら再び集合するまで時間を過ごすのだった。
◇◇◇
「──お待たせしました、あと起こしに来てくてありがとうね」
身支度を綺麗に整えたコハルがやってきたがどこかよそよそしい態度をとる。そんな態度だとこちらも照れくさくなってしまったせいか、心臓の音がどんどん強く早く鳴り続ける。コハルにこれが聞こえないか不安になる。
「──どうしてオマエたちは、こんな白昼からイチャイチャしてるのカ?」
突然、声をかけられ俺たち二人は驚いて声を上げてしまう。「一緒のタイミングとかオマエら本当に仲が良いナ」と言いながらアルゴがにししと笑う。
「アルゴか、脅かさないでくれよ」
「悪いナ、けどター坊がオレっちのメッセージ無視するから迎えに来たんだゾ? 本当なら追加料金って言いたいところダガ、イイモノ見させてもらったからチャラにしておくヨ」
「アルゴさんとメッセージしてたの?」
「──あぁ、コハルにはまだ話してなかったな」
俺は、そう言いながら事の経緯を話す。すると、和やかだったコハルの表情が次第に凍っていくのが分かった。
「──遂にボス部屋を見つけたんですね」
「あぁ、それで前線のプレイヤーから戦える奴を紹介してくれって言われててナ、ター坊とコハルっちを紹介しておいたんダ」
「そういう事だったんですね」
「トールバーナまではオレっちが案内するからついてきナ」
そう言ってアルゴは、俺たちをトールバーナまで案内しくれた。先に前線にて戦ってるプレイヤーの手によって転移碑がアクティベートされている。
アルゴは、アクティベート済みだったので彼女について行くことで俺たちもトールバーナへと無事に転移することが出来た。
「ター坊もコハルっちもアクティベートしておいた方が移動も楽になるゾ」
「ありがとう、そうさせてもらうよ」
アルゴから手順を教わりアクティベートを済ませる事にした。メッセージには記されていなかったが、明日にはボス攻略会議があるらしい。
「じゃあオレっちは、これで失礼するヨ──ター坊にコハルっちもお熱いのも良いガ、時間には守ってくれヨ」
「おいおい、からかわないでくれよ」
しかし、その声はアルゴには聞こえずにししという彼女の笑い声だけがその場に残り彼女は、どこかへ行ってしまった。
「アルゴさん、勘違いしちゃってるよ」
「だな、時間あるけどどーする?」
「タカシ、もし良かったらこの後狩りに行かない? ほら、転移で来ちゃったけど私たちのレベリングついでにどうかな?」
「いいよ、じゃあ行こうか」
俺は、そう言ってサイクロン号を具現化させて跨るとエンジンをかける。それを見てコハルも俺の後ろに乗る。コハルもだいぶ後ろへの乗り方が慣れてきたなと思う。
「──じゃあ、行くよ」
「ちょまたんかい! なんやそのアイテムは」
トンガリ頭の関西弁の男性プレイヤーに声をかけられた。何事かと思い振り返ると真新しそうな物を見る目をしてこちらに走ってくる男性プレイヤーが一人居た。
「アンタ、これの所有者か?」
「そうだけど、あなたは?」
「ワイは、キバオウと言うものさかいここはひとつよろしゅう頼んます」
「俺は、タカシ、こっちはコハルだ」
一応、挨拶はする。しかし、キバオウは俺たちよりサイクロン号へ興味津々みたく舐め回すかのようにじっくりと細部まで見ていた。
「アンタ、これどこで手に入れたんや? この世界にバイクがあるなんて聞いてへんで」
「そう……だな、俺もたまたま手にしただけで何が解放条件かは、分からないんだ」
「それはないで、何か覚えてるやろ? ほなよぉ思い出してみぃや」
何とか、情報を聞こうと躍起になるキバオウは、凄い勢いで詰め寄ってくる。正直、この場から去りたい。
「──あ、あの!」
困っていたらコハルが叫びキバオウの注意を引く。
「なんや嬢ちゃん、今良いとこやねん邪魔せんといてや」
「ごめんなさい、けどタカシもドロップのきっかけ覚えていないですし、私たちこれからレベリングに行くので失礼します! 行こう、タカシ」
「お、おう……」
俺は、そう言ってサイクロン号を走らせフィールドへ向かうことにした。
「なんや、あのガキ──気に食わんの、あれがあれば効率よく移動できるのに」
俺たちは、変な人に目をつけられたのかもしれない。後ろからブツブツ言っているキバオウを声を聞き取りながらそう思う俺だった。
サイクロン号をしばらく走らせると、後ろに乗っているコハルが不意に質問をしてきた。
「タカシって、どうやって変身するの?」
「どうって──今やって見る?」
「うん、見てみたい!」
「良いけど、比べ物にならないくらいスピード出るから気をつけて」
俺は、そう言うと左ハンドルのスイッチを捻りハンドルを押し込むと、サイクロン号がオフロードからフルカウル状態へと姿を変えると最高速度へ達するとベルトの風車ダイナモが風を受けて回り出す。そこからエネルギーを得ると俺の肉体は、仮面ライダーの姿へと変わる。エネルギーが満たされた事を知らせるかのように複眼が光る。
「凄い──」
風を切り裂きながら進むサイクロン号。
変身した俺の硬い皮膚や凹凸のコンバーターラングやタイフーンにペタペタと触れながらコハルは、そう呟く。
「じゃあ、ちゃっちゃと狩ってレベリングしますか」
「うん!」
こうして俺たちは、トールバーナ周辺の草原でレベリングに励むのだった。
いかがだったでしょうか?
コハルの思いやね普段の生活を感じれたかなと思います
やはり、突然のことだと寝不足とかになりますよね
さて、トールバーナということはそろそろ話が進みそうですね!
これからもよろしくお願いします