SAO〜異界の仮面騎士〜   作:蒼龍ミヤイ

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ディアベルに呼ばれたタカシ。
果たして、話とは!?
続きをどうぞ!


第7話 上へ行くために

「──すまない、ここまで来てもらって」

「いや、大丈夫」

 

 俺は、ディアベルに連れられて人気の少ない路地裏へやってきた。ここまで連れてくるという事は、ろくな話ではないだろうと思う。

 

「──君、レアアイテム持ちなんだろ? それも出現方法不明の超レアアイテム」

「これの事か?」

 

 俺は、そう言ってアイテムストレージからサイクロン号を出現させる。それを見るとディアベルは、興奮しながらサイクロン号に触れた。

 

「これが……君は、これをどこで?」

「昨日、キバオウって人にも聞かれたがこれは、俺がこの世界に来た時には、勝手にストレージに入っていた」

「ふむ──プレイヤーを選ぶ限定系か、そうなると運営は彼を何かに仕立てたいのか!? このバイクの性能は?」

「このオフロード形態での最高は、135キロ──フルカウルの状態に変形ができてその時の最高速度は、400キロです」

「──400!? つまり、君は今SAOで一番早い移動手段を持っているということだね」

 

 そう言いながら、サイクロン号の性能に驚くディアベル。彼は、腕を組みながら何やら考え事をする。少しして意見が頭の中でまとまったのか彼は、俺に提案をしてきた。

 

「君に頼みがある、そのサイクロン号で多くの人を救って欲しい」

「急に突拍子のないことを」

「無理だとは思ってないさ、君にはそれを出来る資格があるのだから」

 

 そう言いながらディアベルは、何も力のないモブが勇者の力に憧れるような眼差しに似て羨ましくサイクロン号を見つめる。

 

「俺は、コハルやキリト達とパーティを組んでるからここでは返事出来ない……けど、もし誰かが窮地になったらその時は、独断で動かせてもらう」

「それでいい、明日はよろしく頼む」

 

 そう言って差し出してきた彼の手を俺は、しっかりと握り返し握手を交わすのだった。

 

 

 

 ◇◇◇

 その夜、初めて行われるボス攻略前の決起集会が行われた。集会と言う名ばかりの会食だ。

 俺とコハルは、宿から広場へやってくると既にどんちゃん騒ぎが行われていた。

 

「──凄い賑やかだね!」

「俺達も明日の為に英気を養うか?」

「うん、沢山食べよう!」

 

 そう言って俺たちは、広場へ混ざり出されていた料理を皿へ移して立食形式で食事する。

 

「なんや、アンタらも来とったんか?」

 

 独特な関西弁がこちらへ向けられる。振り返るとキバオウが木製のジョッキを片手にこちらへやってきた。

 

「昨日はすまんかったな、こちらも攻略に必死さかい」

「別に気にしてないさ」

「私も気にしてません」

「おおきにな」

 

 そう言って手を合わせるキバオウ、俺達はどこか彼のことを誤解してたのかもしれない。攻略のために大柄な態度を取っているだけで、根は良い奴なのかもしれない。

 

「それよりディアベルはんから聞いたで、明日は遊撃手として動いてくれるんろ?」

「あぁ、コハルはともかく俺はな」

「明日は、アンタのそのアイテムでボスを掻き回してくれれば、こっちも攻撃しやすいっちゅうもんや」

「期待に応えれるように頑張るさ」

「おおきに、ほなワイはこれで失礼するで」

 

 そう言って次の人へ話しかけに行くキバオウ。お酒が入っていたからか饒舌になっている彼のトークは、止まることがなかった。良い奴なんだが、なんか少し疲れた気がする。

 

「──あんた凄いな、キバオウさんと仲良く出来てるなんて」

 

 次に話しかけられたのは、昼間仲裁していたエギルだ。彼も木製のジョッキを片手にこちらへと歩み寄ってくれた。

 

「そんな事ないさ、根はいい奴なんだろうが──それより、凄いのはそっちの方だろエギルさん」

「エギルでいい」

「分かった、俺はタカシでこっちがコハルだ」

「よろしくお願いします! 攻略会議の時は凄かったです!」

 

 コハルがそう言うとエギルは、満更でもない態度でそんなことはないと口にする。俺たちは、少しの間エギルと楽しく談笑した。中でもエギルも驚いていたが、俺が攻撃や仲間のサポートを行う事が一番意外だったらしい。

 

「──明日は、よろしく頼む! タンク役が必要な時は頼ってくれ」

「よろしく、エギル」

「よろしくお願いします!」

 

 そう言ってエギルも他の人の方へ向かう。様々な人と会話をして結束力を高める中、俺は少し離れたベンチを指さしながらコハルへ声をかける。

 

「──コハル、ちょっと休まない?」

「いいね、私もちょっと疲れたところ」

 

 コハルの了承を得てから俺たちは、盛り上がっている会場から少し離れた場所にあるベンチへ腰をかける。夜風に当たりながら空を見上げると暗闇に星々の輝いていた。

 

「ねぇタカシ、星綺麗に見えるね!」

「そうだな、まるで本当に外に居るみたいだ」

 

 浮遊城と呼ばれるこの世界では、天候もシステムによる設定により動いている。その種類は、様々で昼間も晴天や曇天など、様々に変化する。

 

「にしても今日は疲れた」

「だね、タカシ一日だけですっかり人気者だね!」

 

 今日の攻略会議から振り返り背筋を伸ばすと横でクスクスと笑いながらコハルがそう口にする。確かにここトールバーナへ来てから話しかけられることが増えた。

 

「私もタカシみたいな力があったらなー」

「そう?」

「うん、何事にも怯まない強さがあったら良いなって」

 

 少し辛気臭いこと言をうコハル。よく見ると彼女の足は、子鹿のように震えていた。きっと怖いのだろう。

 

「俺だって臆病さ」

「タカシ?」

「この力と受肉する為の条件がなければきっと上へ行こうなんて思わない……結局、みんなどこか弱い自分を隠して生きてるんだよ」

「そうだね、私も明日は弱い自分を隠してみる!」

「一緒に攻略しよう! そして、一緒に上へ行こう」

「うん!」

 

 少しは、彼女を前へ向かせることが出来ただろうか。子供の頃、仮面ライダーは神に近いんじゃないかと思ったことがある。誰もが憧れるヒーローであるからそう思うのは当然だ。しかし、この世界へ来てから仮面ライダーが万能の神などではなく少し人より力のあるだけの存在だと再確認出来た。だから、自分の出来る事を精一杯やる。

 明日もそう頑張ろう。俺は、目の前で美味しそうに食べるコハルの姿を見てそう自身に誓いを立てるのだった。

 

「いつか、誰かの手料理食べてみたいな……」

「え、タカシなんか言った?」

「いや、なんでもない!さぁ沢山食べようぜ!」

 

少し先の未来にエプロン姿のコハルを想像して口にしたなんて言えず、俺は料理のある皿の方へと向かうのだった。

 

 

 ◇◇◇

 翌日、迷宮区にて。

 攻略メンバーが一同にボス部屋の前へ集結していた。その中心には、ディアベルの姿があった。

 

「──俺から言えることはただ一つ、勝とうぜ!」

 

 彼の声に答えるようにそれぞれが声を出して叫ぶ。各自気合いは十分のようだ。俺以外のプレイヤーは、それぞれ所持している剣や斧、鎌などを抜刀して構える。

 それを見てディアベルがゆっくりとボス部屋の扉を開けるのだった。




いかがでしょうか。
次回は、遂にボス戦となりますのでよろしくお願いします!
ここまで8話ですか……
先が長すぎる!?笑笑

恐らくカットが入ると思いますが、次回もよろしくお願いします
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