>HACKNET - LABYRINTH_ [TYPE: SS]   作:峰霧 澪

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第一話「Bit」

[14 DAY TIMER EXPIRED - INITIALIZING FAILSAFE(14日経過-フェイルセーフ解除)]

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>Hi(やあ).

>This is strange……Stranger than I expected(こいつは……思ってたより奇妙だな).

>I guess I’m supposed to write this in past tense, though I hardly feel like admitting it’s over(過去形を使って書くべきなんだろうね。これで終わりだなんて認めたくはないけれど).

>My name is Bit, and if you’re reading this, I’m already dead(僕の名前はBit。もし君がこれを読んでいるなら、僕はすでに死んでいる).

 

──それが、私のもとに届いたメッセージだった。何の前触れもなく、ただ突然に。

私は「Bit」なんて人物は知らない。だが、メッセージと共に届いた仮想OSには、「HACKNET OS」という名がつけられていたことから、ハッカーかクラッカーか、そのどちらかであろうことはおおよそ見当がついた。

「HACKNET OS」にはおそらく再配布対策だろう、「SecurityTracer.exe」なる追跡プログラムが仕掛けられていたが、それを取り除いていくつか機能を試すうちに、こいつがとんでもなく有能なOSであることが判った。

何らかの手段でファイア・ウォールなどを突破し、ポートさえこじ開けてしまえば、「PortHack.exe」を動かすだけで管理者(Admin)権限を手に入れられるのだ。──今までのハッキング・ツールがまるで玩具に思えるほど簡単だった。

「Bit」が死んだ原因は、恐らく他殺だろう。このOSの開発関係者で、こいつの危険性に気付いて抹消かなにかでもしようとした矢先に殺されたのかもしれない。──ともあれ、彼の「置き土産」のおかげでハッカー集団「ENTROPY」に入団できたのは僥倖だった。このOSがあれば手持ちのツールで簡単に依頼はこなせる。

──どんな、依頼でも。

 

「……ん?」

 

しかし、今日開いた依頼確認ページには、なにか違和感があった。赤い警告マークのついた依頼があったのだ。依頼名は──「#ALERT# - KAGUYA TRIALS」。

「TRIALS」ということは何かの試験だろうか?

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