デート・ア・サバイブ   作:亜独流斧

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仮面ライダーデータ
『仮面ライダーゾルダ』
変身者・北岡秀一(一度だけ由良吾郎が変身したこともある)
契約モンスター・鋼の巨人マグナギガ(6000AP)
ファイナルベント・エンドオブワールド

遠距離攻撃系のカードを一枚も持たないライダーも多い中で、所有カードのほとんどが銃火器類を召喚するものという珍しいライダー。銃撃戦を得意とし、その性質上中距離~遠距離での戦闘ではかなりの実力を誇る。反面、龍騎・ナイト・王蛇などの戦う事の多かったライダーたちと比べて格闘能力はそれほど高くない。
龍騎同様に特殊なカードを持たないが、それを補えるほどの火力を有している。特にファイナルベントは非常に強力で、サバイブ系ライダー3人を除くと、王蛇のドゥームズデイに次ぐ威力である。ただし発動までの隙が大きく、また広範囲を攻撃出来る反面威力が拡散してしまうというデメリットもある。
今作では海之と共にラタトスクのメンバーとして士道らをサポートする。龍騎の世界で真司に少しずつ感化されていったことに加え、戦う動機であった不治の病から解放されたことで、以前よりも性格が少し丸くなった。とはいえ、毒舌やナルシストでワガママなところ等は全く改善されていないが、本人曰く「これがなきゃオレじゃない」とのこと。
以前同僚のクルー達に好みの女性を聞かれたとき、桃井令子に関して説明の仕方をミスしたせいで、「なかなかつれないところがいい」と言いたかったのを「虐められるのが好き」と誤解されてしまった事がある。ちなみにこの誤解のせいで、一時神無月に物凄く親近感を持たれた(現在は解決済み)

「オレは自分が一番可愛いんだよ!他人の為の犠牲は美しくない!!」


雨の日の出会い

「…おいおい、今日は晴れって言ってたじゃねぇか」

 

ポツリポツリと降り出した雨の中、士道は疲れた様子で呟く。

結局あの後、十香と折紙は喧嘩を始め、士道は止めに入ることとなった。途中で真司が気付いて手伝いに来てくれたとはいえ、士道の身体には大きな疲労が残っている。

そこへ追い打ちをかけるかの如く、帰り道で降り出した雨。疲れ切った様子の士道は、周りからは実年齢より若干老けて見えた。

そんな士道をあざ笑うかのように、雨はみるみるうちに激しさを増していく。このまま家まで突っ切るのは不可能だと判断した士道は、仕方なく目についた神社の大きな木の下へ入り、雨の勢いが弱まるのを待つことにした。

 

「最近あてにならないな…降水確率10%って言ってたのに」

 

士道が制服に付いた水滴を払いながらそんな事をぼやいていると、不意に水たまりに踏み込んだかのような音が近くから聞こえた。何気なく士道がそちらへと目をやると、そこには雨の中を楽しげにぴょんぴょん飛び跳ねている少女がいた。

少女は可愛らしい意匠の施された緑色の外套に身を包み、ウサギの耳のような飾りの付いた大きなフードを被っている。そしてその左手には、いやにコミカルなウサギ型のパペットが装着されていた。

雨の中を軽やかに飛び跳ねる少女。その姿に士道が目を奪われていると…次の瞬間、少女が盛大にこけた。少女の手からはパペットがすっぽ抜け、少女はうつ伏せのまま動かなくなる。

 

「だ、大丈夫か、おい」

 

士道は慌てて少女に駆け寄り、彼女を助け起こす。そこで初めて、士道は少女の顔をハッキリと見ることが出来た。

歳は琴里と同じくらいだろうか。ふわふわとした青い髪の、フランス人形のような可愛らしい少女だった。

 

「…!」

 

と、そこで少女は目を見開いた。そしてその目に士道を映した途端に顔を真っ青にし、少女は怯えるかのように士道から距離を取った。

 

「…ええと」

 

助け起こすためとはいえ、少女の体に触れてしまったのは軽率だったかもしれない。とはいえ、やはりいきなり小さな子に拒絶反応を起こされるというのは、士道にとっても少しショックだった。

 

「そ、そのだな、オレは―――」

 

「……!こ、ない、で…ください…っ」

 

「え?」

 

士道が少女の方へ足を踏み出すと、少女は怯えた様子でそう言った。

 

「いたく、しないで……ください……」

 

続けて少女はそんな言葉を吐いてくる。少女のあまりの怯えように、どうするべきか士道が戸惑っていると、

 

「お前…そこで何をやっている……」

 

背後からそんな声が聞こえてきた。

 

(この状況は…マズい…!オレが幼女を怖がらせているように見えるッ……)

 

勿論士道は無実なのだが、もし誤解されて通報でもされれば士道はいろんな意味で終わってしまう。士道は慌てて声の方へ振り返り、状況を説明しようとする。

だが、そこで士道の目に映ったのは、予想外の人物だった。

 

「お前は…!確か……五河士道とか言っていたな」

 

「この前の喫茶店の…」

 

士道の目の前に立っていたのは、十香とのデートで訪れた喫茶店の店主の少年だった。

 

「そういえばまだ名乗っていなかったか。オレは羽黒蓮だ」

 

そう言って蓮は、士道と怯えた様子の少女を見比べる。そして蓮の視線が少女の左手へと向いたとき、彼は納得したような表情を見せた。

 

「なるほど…大体状況は理解した。五河、お前あいつが着けていたパペットがどこに行ったか分かるか?」

 

「へ?」

 

突然の問いかけに士道は一瞬戸惑うが、すぐに少女が転んだ時の記憶を思い起こし、パペットが飛んで行った方向へと目をやる。するとそこには、先程のウサギのパペットが落ちていた。

 

「あ、あった!」

 

「お前はあれを取ってきてくれ。オレは四糸乃を落ち着かせておく」

 

「え?四糸乃…?」

 

「そいつのことだ。ちょっとした知り合いなんだが…訳あってそいつは中々人に馴染めない…」

 

「人見知りってこと…か?」

 

士道の問いに対し、蓮は「そんなとこだ」とだけ答えると、まるでもうこの話は終わりだと言わんばかりに、四糸乃の方へと歩き出した。

士道としてはまだ気になるところはあったが、これ以上踏み込んではいけないような気がして口を閉じる。

そして士道は、質問を続ける代わりにパペットを拾いに行った。

 

 

 

 

 

「あ~…つっかれたぁ~…」

 

真司は一人、帰り道を歩いていた。本当なら士道と一緒に帰るつもりだったのだが、昼にクッキーを味見した女子たちから色々とアドバイスを求められ、それに答えている間に士道は先に帰ってしまっていた。そのとき真司は鞄を持って移動していたので、おそらく士道は机に真司の鞄が無いことから、真司が先に帰ったと勘違いしてしまったのだろう。

ちなみに、その女子たちが傘の予備を持っており、それを貸してくれたので真司は濡れず済んでいた。

 

「ん?あれって…」

 

真司が神社の前を通り過ぎようとしたとき、そこに見知った人物を見かけて足を止める。

 

「あれは…士道か?」

 

そこにいたのは先に帰ったはずの士道だった。どうやらここで雨宿りをしていたらしい。

真司が士道の方へ歩いていくと、士道の他に小さな女の子らしい人影と、真司や士道と同じくらいの男性と思われる後姿が目に入る。見知らぬ人物がいたため、真司は話かけていいのか一瞬迷ったが、まあいいかと士道に声をかける。

 

「おーい、士道!」

 

「あ、真司!どうしたんだよその傘?」

 

「ちょっとな。それよりお前ど……」

 

そこまで言いかけて、真司は言葉を失った。理由は目の前にいた人物である。

真司の声や、士道のそれに対する返事につられて、士道と話をしていた二人が真司の方を向いたのだが……真司はその内の一人の顔に見覚えがあった。

 

「五河。こいつは?」

 

目の前の少年が士道に尋ねる。

 

「ああ、こいつは五河真司。オレの兄弟だよ。真司、この人は…「蓮…」え?」

 

真司は士道の言葉を遮って、その名前を口にする。

 

「真司…お前なんで…?」

 

「………貴様、何故オレの名前を知っている?答えろ」

 

蓮がそう言うと同時に、真司と蓮の頭の中に例の音(・・・)が響く。

 

「この音…モンスターか!」

 

真司は反射的にポケットからデッキを取り出す。一方蓮は、真司が取り出したデッキを見て一瞬驚いたような顔をしたが、すぐに冷静さを取り戻した。

 

「お前…。そうか、お前が菊池が言っていた4人目か…。オレの過去を知っているとかいう連中の仲間だな」

 

「…菊池ってあの店番してたおじさんか。…そうだよ、蓮。オレは昔のお前を知ってる」

 

「あいにくオレはお前らの事を信用していない。…だがまあ、取り敢えず今はモンスター(こっち)を先に片付けるぞ。…四糸乃、よしのん、ここを離れてろ。変身!」

 

「士道も先に帰っててくれ。変身!」

 

真司と蓮は水たまりを使って、それぞれ龍騎・ナイトへと変身する。そしてそのまま水たまりへと飛び込み、ミラーワールドへと向かって行った。

 

 

 

「ええ!?蓮も仮面ライダー!?マジかよ…」

 

残された士道は驚きのあまり目を丸くしていた。そしてふと、士道の脳裏に疑問が浮かぶ。

 

「…ええと、四糸乃だったな。君は蓮がライダーだってこと知っていたのか?」

 

だが、士道が先程まで四糸乃がいた方向を見たとき、すでに四糸乃の姿は無かった。

 

 

 

ミラーワールドへと入った二人は、それぞれ一体ずつモンスターを相手取っていた。龍騎が戦っているのは、バクラーケンと呼ばれるイカ型のモンスター、一方ナイトの相手は同じくイカ型のウィスクラーケンと呼ばれるモンスターであった。

 

「ほっ、てやぁ!」

 

ドラグセイバーを装備した龍騎は、力強い剣裁きでバクラーケンを追い詰めていった。

 

「おりゃあ!!」

 

龍騎は一気に仕留めようとドラグセイバーを振りかざすが、その瞬間バクラーケンは頭上の口吻から煙幕を放出する。龍騎の視界が一気に暗くなった。

 

「のあ!?くそ…、何も見えない!」

 

煙幕から脱出するため距離を取ろうとする龍騎だったが、直後何か(・・)が迫って来るのを感じ、咄嗟にドラグセイバーで防御しようとする。

その何か(・・)は龍騎の首を絞めようと放たれたバクラーケンの触手だった。ドラグセイバーで防御したため最悪の事態は逃れたものの、あまりの粘着性の強さにドラグセイバーを外すことが出来ず、そのまま奪われてしまう。

 

「ああ!?返せちくしょー!!」

 

煙幕から脱出した龍騎が抗議したが、そんな事をしたところで返してくれるわけもなく、バクラーケンはドラグセイバーを無造作に放り投げる。そして今度は龍騎の体を拘束しようと、再び触手で攻撃してきた。

龍騎はそれを躱し、デッキから新しいカードを引いて、ドラグバイザーにセットする。

 

「近付くと触手と煙幕…なら遠くからでどうだ!」

 

『STRIKE VENT』

 

ストライクベントのカードが発動し、龍騎の手にドラグクローが装備され、それと共に上空からドラグレッダーが現れた。

何かを感じ取ったのか、バクラーケンは焦ったかのように煙幕を放出するが、ドラグレッダーの放つ火球によって吹き飛ばされてしまい、すぐにその姿があらわになる。

 

「おりゃあああ!!」

 

そして龍騎は、その姿めがけてドラグクロー・ファイヤーを放った。

 

 

 

一方その頃ナイトは、ウィスクラーケンの動きを完璧に捉えていた。ウィスクラーケンは長い槍のような武器と、得意の素手での近接格闘攻撃を組み合わせてナイトに繰り出していたのだが、ナイトはそれをことごとく躱し、すれ違いざまにダークバイザーでのカウンター攻撃まで叩き込んでいた。

 

「いい加減チマチマやるのも飽きてきた。一気に決めさせてもらう」

 

そう言うと蓮は1枚のカードをダークバイザーに挿入し読み取らせる。

 

『TRICK VENT』

 

ダークバイザーから電子音声が発せられると同時に、一人だったナイトが二人になる。そして一人、また一人と増えていき、ウィスクラーケンが気付いたときにはナイトは8人になっていた。

 

「「「「「「「はっ!!」」」」」」」

 

7人のナイトが一斉にウィスクラーケンに襲いかかる。ウィスクラーケンは得物を振り回すが全て躱され、更にその隙に背を向けてる方向のナイトたちから一斉に斬りかかられ、逆に大ダメージを負った。

 

「これで終わりだ!」

 

『FINAL VENT』

 

唯一攻撃に参加していなかったナイトがファイナルベントを発動させ、空高く飛び上がる。

身の危険を感じ取ったウィスクラーケンは逃げ出すが、逃げ切れるはずも無く、背後から飛翔斬によって貫かれた。

 

 

 

「………」

 

ナイトは無言で龍騎の方を一瞥する。どうやら向こうも終わったらしく、こちらに近づいて来る。

 

「あれ?蓮、お前待っててくれたのか。てっきりさっさと帰っちゃうもんだと…」

 

「…馴れ馴れしくするな。別にお前を待っていたわけじゃない」

 

ナイトはそう言って踵を返し、そのまま歩き出してしまう。

 

「お、おい蓮!待ってくれ!オレは…」

 

龍騎が慌てて呼びかけると、ナイトは一旦足を止め、振り返らずにそのまま

 

「お前を信用したわけじゃない。…だが、話くらいは聞いてやる。ついて来い」

 

とだけ言って、再び歩き出した。

 

「蓮、それって!」

 

驚いた龍騎が再び呼びかけるも、今度は返事は返って来なかった。ナイトは無言のまま、近くにあった水たまりに入って行ってしまう。

 

「あ、蓮!待てよ!」

 

ようやく掴んだチャンスを手放すまいと、龍騎はナイトの後を追って水たまりへと向かって行った。




お読みいただいてありがとうございました。今回ついに真司と蓮を対面させることが出来ました!ただその分、ちょっと詰め込みすぎたかな?って感じにもなってしまいました。読みにくいと感じられた方がいらっしゃいましたら、申し訳ありません。

前回までの読んで下さった方々の感想を見ていると、ちょくちょく他のライダーのネタを挟んでも、やっぱり分かる方が多いんだなぁと感じました。余裕があれば、『龍騎×デート・ア・ライブ×別のライダー』みたいな感じでこの作品と、他のシリーズのライダーとのクロスオーバーもやってみたいなと少し思っています。
設定の矛盾?問題ありません。「番外編」「MOVIE大戦」「パラレルワールド」「ここが○○の世界か…」「ゴルゴムの仕業」世の中にはこんなにも都合のいい言葉が溢れています。バーコードモチーフの悪魔が通りすがって、多少の無理は破壊してくれるはずです。

長々と失礼いたしました。ご意見、ご感想などお待ちしています。


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