デート・ア・サバイブ   作:亜独流斧

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今回はいよいよラタトスクとの接触。色々と物語が動き出します。
ちなみに、冒頭部分はネタに走り過ぎました。すみません…。一人もしかしたら分からないライダーがいらっしゃるかもしれませんが、そんな方はディケイドの「龍騎の世界」について調べてみて下さい。ヒントは「卑怯もラッキョも大好きだぜ!」「バカな!私は、絶対生き延びて…」です。


変わる運命2

真司はどこかの廃工場にいた。

 

「あれ?さっきまでオレ街中でAST…だっけ…、とにかくそんな人達に追いかけられてたのに…」

 

不思議に思いながら辺りを見渡す。なぜだろうか、その場所はどこかで見たことがあるような気がした。

と、そこで真司を呼ぶ声が聞こえる。

 

「龍騎!」

 

真司が声の方向へ顔を向けると、ナイト、ゾルダ、王蛇、そしてアギトが立っていた。

 

「蓮!北岡さん!浅倉!それに仮面ライダーアギトも!」

 

「俺達もいるぜ!」

 

今度は真司の後方から声が聞こえる。振り返ると、そこにはかつて戦ったライダーたちが集合していた。

 

「みんな…どうして」

 

真司が唖然としていると、ゾルダが真司に語り掛ける。

 

「何を言ってるんだ龍騎、また俺達の使命を忘れたのか?人間の自由と平和を守る。違うか?」

 

「北岡さん…」

 

ゾルダに続いて、王蛇も口を開く。

 

「俺達はお前の仲間だ…だからここにいる。フッ…」

 

王蛇の言葉に周りのライダーたちも頷いた。

 

「浅倉…みんな…」

 

「正義もラッキョも大好きですよ…」

 

「みんなで一緒に…英雄になろうよ」

 

「オレも先輩たちと一緒に戦いますよ!オレ、強いんですから!」

 

「みんな…」

 

感動で涙を流しそうな龍騎に、ナイトが優しく声をかける。

 

「俺達は仲間だ。みんな、お前と出会えて…幸せだ」

 

「蓮…。オレも…みんなと出会えて幸せだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「幸せだ!」

 

「え!?何!?」

 

突然叫び声をあげた真司に、隣のベッドに腰掛けていた士道は体をビクっと揺らす。

 

「あれ?ここは?ていうか士道?みんなはどこ?」

 

「真司?何言ってんだ?」

 

「…ん、そっちも目覚めたようだね」

 

真司がまだ少し寝ぼけながら周囲を見回していると、少し離れた場所から士道のものとは違う声が聞こえた。

声のする方を見ると、妙に眠たげな顔をした見知らぬ女性が、こちらに向かって歩いて来るのが見えた。

 

「気分はどうだね」

 

「えっと…まあ大丈夫です」

 

真司は自分の置かれている状況がいまひとつ理解出来ず戸惑っていた。見知らぬ女性に声をかけられたことで完全に目を覚ましてはいた。なので、先程の廃工場(ミラクルワールド)の光景が夢であったのには気付いていた。

だがその前の記憶、崩壊した街でASTに追われていたことについては間違いない。…はずなのだが、現在真司がいたのは保健室のような場所で、先程いなくなったと思っていた士道も隣のベッドにいた。

 

「えっと、ここはどこですか?それに、あんたは…」

 

「ああ…ここは『フラクシナス』の医務室だ。先に気絶していた君の兄弟を運び込んだ後、君も回収時に意識を失ってしまったので一緒に寝かせていた。…そして私はここで解析官をやっている、村雨令音だ」

 

「『フラクシナス』?士道、なんだそれ?」

 

真司は先に運ばれたという士道に問いかけるが、それに対し士道は首を横に振りながらこたえる。

 

「いや…オレもさっき目が覚めたばかりで…」

 

と、そこで村雨令音と名乗った女性は二人に背を向けながら呼びかける。

 

「…ついてきたまえ。二人に紹介したい人物がいる。……どうも私は説明が下手でね。詳しいことはその人から聞くといい」

 

そう言って令音は歩き出す。真司と士道も困惑しながら後に続いた。ちなみに道中、令音が30年寝ていないなどと言って睡眠薬を大量に飲みこんだときには、二人とも令音が死んでしまうのではないかと不安になった。

 

「…さ、入りたまえ」

 

そう言って令音に連れて来られたのは、まるで船の艦橋のような場所だった。そこで待ち構えていた人物が二人に声をかける。日本人離れした顔つきに、金髪で長身の美青年だった。

 

「初めまして。私はここの副司令の神無月恭平と申します。以後、お見知り置きを」

 

「は、はぁ…どうも」

 

突然知らない人から挨拶されたことや、軍事施設のような場所に自分たちが案内された理由が分からず戸惑っていた士道と真司だった。が、その直後に目の前の艦長席から響いた声に更に驚かされることになる。

 

「来たわね。歓迎するわ。ようこそ、『ラタトスク』へ」

 

「「琴里!?」」

 

そう、真司たちの方を向いた艦長席に座っていたのは、真紅の軍服を肩がけにした可愛い妹であった。

琴里は二人の叫びを無視して真司の顔を見る。

 

「そんなことより真司!あれは一体どういうことよ!」

 

「えっ、ちょ、呼び捨てェ!?あと『そんなこと』って…」

 

「自分の兄が姿を変えて、しかも剣の中に行ったり来たりしてたら他の大半は『そんなこと』よ!」

 

「あ…。もしかして…見てた?」

 

「見てたわよ!さあ早く!」

 

と、そこでヒートアップする琴里を諌めたのは、先程の村雨令音だった。

 

「…待ちたまえ琴里。まず彼に話を聞く前にこちらのことを説明した方がいいのではないかね。お互いに色々疑問があるんだ。…ならまずは、こちらのことをきちんと理解してもらった方が彼も話しやすいだろう」

 

令音の言葉に、琴里は完全に納得したわけではないようだが、ひとまず冷静さを取り戻す。

 

「そうね…令音の言うことも一理あるわ。いいわ、先に私たちについて説明してあげる」

 

そう言って琴里は、正面の巨大なモニターを指さす。そこには、先程の少女が映し出されていた。

 

「まず、精霊って存在についてだけど…」

 

「精霊!?」

 

聞き覚えのある単語に真司は反応する。それは、5年前に神崎士郎から聞かされた存在であった。

 

「何?真司、精霊を知っているの?というか、知っていながら精霊とASTの戦いに突っ込んだの?」

 

「AST…ってあの空飛んでた人達か。え!?じゃあ、あの子が精霊!?」

 

「今頃!?一体真司は精霊についてどこまで知っているの?」

 

琴里が呆れたように尋ねる。

 

「えっと、普段は違う世界に住んでいて、『天使』とか『霊装』とかって個別の能力を持った強いやつら。このぐらいかな」

 

そう、真司が士郎から受けた説明はこれだけだった。なので、琴里に精霊の力が宿ったのは例外で、他はミラーモンスターやライダーのような屈強な戦士の姿をしているものだと勝手に思い込んでいたのだった。

 

「なんで天使のことまで知ってるのに、姿かたちや空間震との関連性については知らないのよ…。いいわ、真司も士道と一緒に聞いてちょうだい。精霊について、そして私たち『ラタトスク』について…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――というわけでデートして、精霊をデレさせなさい」

 

「頑張れ士道!お前ならできる!」

 

琴里の話が始まってから数分後。士道は非常に戸惑っていた。

常識外れな内容ばかりで、いまだ完全に理解できたわけではない。だが、ASTが武力で精霊を排除しようとしているということ、対するラタトスクは対話により精霊を対処しようとしていることは分かった。そして士道個人としては、対話の方法に賛成だった。

だが、そのための手段がデートという点だけは納得がいかなかった。

(ちなみに真司は話の途中で号泣し、士道のデートによる精霊の無力化に大賛成だった。)

 

「オレじゃなくて真司じゃダメなのか?」

 

「真司には士道のサポートを頼むわ。まだ説明してもらってないけど、また今日みたいな怪物が出たら真司の力が必要になるでしょ?」

 

「おう!」

 

「だ、だけど…」

 

「黙りなさい、このフライドチキン。精霊を助けたいんじゃないの!?」

 

琴里の言葉に、士道は何も言い返せなくなる。

もはや士道に逃げ場は無かった。士道は観念したように、琴里の正面に立つ。

 

「…わかったよッ!でも、デートなんてしたこと無いからどこまでできるか分からないぞ」

 

士道の言葉に、琴里は満足そうにほほ笑む。

 

「心配しなくても大丈夫よ、ここには士道をサポートする優秀なクルーがそろっているわ」

 

そう言って琴里は、艦内のメンバーの紹介を始める。

 

「5度もの結婚を経験した恋愛マスター・『早すぎた倦怠期(バッドマリッジ)』川越!」

 

「いやそれ4回は離婚してるってことだよな!?」

 

「夜のお店のフィリピーナに絶大な人気を誇る、『社長(シャチョサン)幹本!』」

 

「それ完全に金の魅力だろ!?」

 

他にも『藁人形(ネイルノッカー)』だのなんだのと、奇妙な経歴と異名を持つクルー達にツッコミまくっていたため、艦橋にいたメンバー全員の紹介が終わったときには、士道は疲れ切っていた。

と、そこで琴里がクルー達に呼びかける。

 

「そういえば海之(みゆき)はいつ頃戻るって?」

 

「ええ!?まだいるのか!」

 

琴里の言葉に士道は驚きの声をあげる。もう彼にツッコミを入れる余裕は残っていなかった。

だが、真司は『海之』という名前に引っかかるものを感じていた。かつて自分はどこかでその名を聞いたことがある。だが思い出せない。そんな思いが真司の中でモヤモヤとした感情を生み出していた。

 

「先程、連絡がありました。もうすぐ帰還するとのことです」

 

椎崎と呼ばれていた黒髪の長い女性が琴里に報告する。それとほぼ同じタイミングで、真司たちが入って来た入口が開いた。

 

「司令、ただいま戻りました。」

 

「ああ、お帰りなさい海之。ご苦労様」

 

自分たちの後ろから聞こえてきた声に、真司は思わず振り返り、そして驚愕する。琴里が艦長席に座っていた時も驚いたが、目の前に立っている男の存在はそれ以上に真司を驚かせた。

 

「そうか…来たか。久しぶりだな、城戸」

 

その姿は、真司の知っているものより若干若かった。だが、真司がその男を、自分の運命を変えてくれた男(・・・・・・・・・・・・・)を見間違える筈が無かった。

 

「手塚…」

 

そこにいたのは仮面ライダーライア・手塚海之だった。




おまけ
佐野「そんなお若いのに業務執行取締役なんて。いいな~、憧れるな~」
アイク「大したことではないさ。それにしても、君は人を褒めるのが上手いね」
佐野「いやいや、そんなこと無いッスよ!ウェストコットMDはホントに凄いですって!」

佐野「メイザース執行部長、ホントにお綺麗ですね~。しかも世界最強の魔術師だなんて!」
エレン「私にとっては当然です。ですが、あなたは人を見る目がありますね」
佐野「いやいや、オレなんて全然!強くて綺麗な執行部長、憧れちゃうな~」

1か月後
佐野「DEM日本支社の社長になりました」
真司「もう士道じゃなくてお前が対話役やれよ!」

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