デート・ア・サバイブ   作:亜独流斧

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今回、全くと言っていいほどデートアライブの話が進みませんでした…。申し訳ありません。
その分、今回は龍騎分多めになっております。……龍騎分てなんやねんオレ


再開

(しっかりしろよ!お前は運命を変えるんだろ!運命に決められた通りに死ぬのかよ!?)

 

(違う…あの時占った…次に消えるライダーは……本当はお前だった…。しかしオレは…)

 

―――お前なら…雄一…お前は後悔なんてしてない…今なら分かる―――

 

―――お前はオレの運命を変えてたんだ…―――

 

―――そしてそれがもっと大きな運命を変えるかもしれない―――

 

 

 

――――――オレの占いが……やっと外れる――――――

 

 

 

(手塚!手塚!手塚あああああああああ!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「久しぶりだな、城戸。いや、今は五河だったか」

 

「手塚…お前…なんで」

 

真司は自分の目の前の光景を信じられずにいた。

彼の目の前にいたのは、かつてライダー同士の戦いを止めるため共に戦った、仮面ライダーライアこと手塚海之だった。

 

「お前と同じだ。オレもこの世界で精霊たちを救うために神崎に呼ばれたんだ。」

 

そう言って海之はカードデッキを取り出す。手塚の死後、ライアの契約モンスターだったエビルダイバーは王蛇が契約したはずだった。だが、どうやらタイムベントの影響によって、一度死んだはずの真司や海之同様に元に戻ったらしい。そのデッキにはエイを模したライアのマークが描かれていた。

 

「手塚…謝って済むようなことじゃないし、なんて言えばいいかよく分からないけど…ごめん…!オレの…オレのせいで…お前は……」

 

真司はライダーバトルの前半戦で、ガイに続いて死ぬ運命にあった。そのことを知っていた海之は、王蛇との戦いの中で、龍騎を王蛇のファイナルベントから庇って命を落としたのだった。

 

「手塚…ごめん。ずっと謝りたかった。オレがあそこで出ていかなかったら…」

 

「その時もオレは浅倉にやられてた。あんな一方的に押されていたんだからな。違うか?」

 

「それは…」

 

海之に非難されても仕方がない。そう思っていた真司は、予想外の返答に言葉を詰まらせる。そんな真司に、海之は優しく語り掛けた。

 

「オレはあの戦いの間、ずっと考え事をしていた…雄一がライダーにならなくて悔やんでいたのではないか…とな。どのみちあの状態では、浅倉に敗北するのは目に見えていた」

 

「手塚…だけど…」

 

なおも謝ろうとする真司を制し、海之は「それに」と続ける。

 

「オレは自分の意思で死を選んだんだ。お前が来ないまま浅倉にやられていたら、後悔しか残らなかっただろう。だが、お前を庇ったことはオレの意思だ。オレは運命を変えることが出来た。雄一(あいつ)は後悔なんてしていなかった…それを知ることも出来た。オレは満足していたんだ。だからお前が責任を感じる必要はない」

 

(お前たちが責任を感じるのは勝手だ…だが忘れない方がいい。手塚は自分の意思で死を選んだんだ…。そういう男だったはずだ)

 

真司はかつて蓮にかけられた言葉を思い出す。おそらく彼も海之の死について思うところはあったのだろう。だが、蓮は海之の思いに気付いていたからこそ、彼の死について「何も感じない」とまで言って感情を殺していたのではないだろうか。そう思った真司は、蓮にきつく当たってしまったことについても後悔した。

 

「手塚…ありがとう。お前の言葉で、ちょっとは気持ちが楽になった。…それに、蓮にも謝らないとな」

 

「秋山に?」

 

「ああ。お前が死んだ後、オレあいつに八つ当たりしちゃって…だけどこうしてお前と会って、やっぱりオレ、あいつにちゃんと謝らないといけないって思った」

 

「そういうことか…。なら、謝ればいい。きっとあいつなら許してくれるだろう」

 

「え?それって…」

 

「ちょっと!いい加減説明しなさい!」

 

海之の言葉にどういう意味かと尋ねようとした真司だったが、その言葉は琴里によって遮られた。

 

「どういうことよ!?真司、海之とどういう関係なの?それに海之が死んだって一体…」

 

「…それについては私が説明しよう」

 

その言葉に真司や琴里のみならず、その場にいたほとんど全員が驚いた。その声の主は令音だったのである。そのことについて何も疑問を抱いていない様子なのは、海之ともう一人。

 

「…その様子だと神無月、あんたも知っているみたいね」

 

「…申し訳ありません。どのような処罰でも受け入れますゆえ、司令、どうかお許し下さい。とゆうか、是非処罰を!なんなりと!ハードなやつを!」

 

神無月の言葉を無視して、琴里は令音の方へ向き直る。

 

「……これまで黙っていたことについては何も言わないわ。令音のことだから何か考えがあったんでしょ。令音。あなたの知っていることを教えてちょうだい。」

 

「…わかった。まず、先程の変身についてだが…」

 

そう言って令音は琴里や士道、フラクシナスのクルー達に説明を始める。仮面ライダーのこと、ミラーワールドやミラーモンスターのこと、さらにはライダーバトルやタイムベントのことについても彼女は知っていた。

 

「…というわけだ。要するに彼らは、異世界から来た人間ということになる」

 

「な、なんだよそれ…願いのために殺し合うなんて…」

 

あまりに信じ難い内容に、真司・海之・神無月・令音を除くその場にいた全員が驚きを隠せずにいた。

 

「…確かに信じ難いし、正しいとも思えない。…だが、その是非を問えるのは、実際にライダーとして戦った者達だけだと私は思うよ」

 

 

「だけど…」

 

令音の言葉に、士道は納得出来ない様子で反論しようとする。しかしそんな士道に、神無月は先程とは違う真面目な様子で言葉をかける。

 

「私も村雨解析官の言う通りだと思います。例えば士道くん、もし五河司令が何らかの理由で命が危なくなったとき、ライダーバトルに誘われたらどう思いますか。しかも、人を襲うモンスターを止められるのも仮面ライダーだけです」

 

「それは……」

 

「…いずれにせよ、このことについてこの場で議論することに意味は無い。だからいいとは言わないが、既に行われ、終わったことだからね。…もっとも、時間としてはこの先に起こるはずだった出来事だが」

 

令音がそこまで言ったところで、再び入口が開く。そこから二人組の男が入ってきた。

 

「そういうこと。オレもあの時は死なないために必死だったわけよ。あ、司令、頼まれてた書類出来たよ」

 

「先生、お疲れ様です」

 

真司はその声に、琴里を含めたフラクシナスのメンバーはその言葉に再度驚かされる。

 

「北岡さん!?それに秘書のあんたも…」

 

「秀一!?あなたもライダーだったの!?え、まさか吾郎も!?」

 

「いっぺんに話しかけるなよ。そりゃあオレは金持ちで天才でカッコいいけど、聖徳太子じゃないんだからさ」

 

そこにいたのは仮面ライダーゾルダ・北岡秀一と、秘書の由良吾郎であった。

 

「司令のご想像通りオレも元ライダーなのよ。あ、吾郎ちゃんは違うけどね。そして、お前ら同様神崎に連れて来られたってわけ」

 

「オレは付き添いです。オレは先生の秘書ですから」

 

「そういうこと。吾郎ちゃんのいない生活なんて考えられないからね。神崎に吾郎ちゃんも一緒でいいならこっちに来てもいいって希望したんだよ」

 

かつてと変わらない姿で説明する秀一。そのそばで嬉しそうにしている吾郎。以前見たのと全く変わらない光景に真司は懐かしさを感じていたが、秀一のその一言に疑問を感じる。

 

「北岡さん、希望したって…?」

 

真司は何気なく思っていたことを口に出す。しかし返って来た答えは無慈悲なものだった。

 

「何言ってんの、当然でしょ?異世界に行くんだ。それも天宮市の火災からだから最低数年はいなきゃならないし、任務完了までどの位かかるかも分からない。てことは実質元の世界に帰るの無理。だったら拒否権や条件出す権利だってあるでしょ」

 

「え……?そう…なの?」

 

真司は救いを求めるように海之を見る。だが彼もそんな視線に気付かずに答えた。

 

「ああ。オレは浅倉が起こした事件から雄一たちを救うことを条件にした。あいつのピアノをもう聞けないのは残念だが、精霊のことを知った以上放ってはおけないからな」

 

「ま、オレも令子さんに会えないのは残念だけど、健康な体に戻れて、万が一の場合も医療用顕現装置(リアライザ)を使わせてもらえて、吾郎ちゃんも一緒なら断る理由もないしね」

 

二人に続くように令音も言葉を続ける。

 

「…ライダーやミラーワールドのことは神崎士郎から直接聞いた。…正直、鏡の中に見知らぬ男が映っていて、しかも話しかけてくるのだから驚いたよ。知っているのは私と神無月、それと数人の技術スタッフだけだ。…琴里、君に伝えなかったのはこれ以上負担を掛けたくなかったからだ…。ただでさえフラクシナスの司令として負担が多かったからね」

 

「令音…ありがとう…」

 

思ってもみなかった令音の優しい言葉に、琴里は思わず涙を流しそうになる。が、なんとかそれを堪えて言葉を発する。

 

「…でも、これからはちゃんと話してよね!私たちは家族も同然なんだから!」

 

「…琴里…わかった。気を付けよう」

 

琴里の言葉に今度は令音が面食らったような表情になるが、すぐに微笑んでそれに答えた。

そして琴里は、士道に改めて発破をかける。

 

「さあ士道!これだけたくさんの人間が協力してるのよ!覚悟決めてしっかり挑みなさい!」

 

「…ああ!やってやる!」

 

「それでこそ私のおにーちゃんね。今までのデータから見て精霊が現界するのは最短でも一週間後。早速明日から訓練よ」

 

「おう!……ちょっと待て、訓練って?」

 

「さあ、私たちの戦争(デート)を始めましょう」

 

「ねえ!訓練ってなに!?」

 

琴里の言葉に士気の上がるクルー達。一体何をさせられるのかと慌てふためく士道。それを穏やかな表情で眺める令音、海之、秀一、吾郎。フラクシナス艦橋は、騒がしいがとてもいい雰囲気で満ちていた。

……一人を除いては。

 

「…オレ気づいたらここにいたんだけど。しかも説明とかロクに無かったし…なにこの差…イジメなのか…?」

 

一人部屋の端でいじける真司(主人公)には誰も気付かなかった。




おまけ
須藤「ライダーになって、頂点を極めるのは興味深い…!」
夕弦「疑問。蟹が龍や蛇や不死鳥に勝てると本気で思っているのですか?」

東條「英雄って…どうすればなれるのかな…?」
夕弦「嘲笑。英雄(笑)」

芝浦「オレが…ゲームを面白くしてやったのに」
夕弦「無視。近くにいたガイが悪いです」


令音「…このところカウンセリングに訪れるライダーが増えたな」
夕弦「困惑。何かあったのでしょうか」



手塚に続き、北岡と吾郎も参戦です。さらにお気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが、龍騎の最高の相棒とも言えるあの(・・)ライダーのフラグも立ちました。登場はまだ先になりますが、ぜひご期待ください。
ちなみに作中の令音の言葉は、最終回の大久保の言葉を基にしています。最後にいいこと言ったよ編集長。
お読みいただいてありがとうございました。ご意見、ご感想、お待ちしています。
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