デート・ア・サバイブ   作:亜独流斧

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おまけ
須藤「ライダーの力は癖になるんですよ…そして頂点を極めたいと思うようになる…」
折紙「それはつまり私が士道の***が癖になって、士道を***したくなるのと…」
須藤「違いますね」
折紙「じゃあ***は?」
須藤「私が言うのもなんですが、ちょっと交番へ行きましょうか」


今回はおまけが先という構成になってます。紛らわしくてすみません。
加えて、話グダグダな上に、更新遅くなってすみませんでした。そろそろリアルも忙しくなってきて、今後も更新が遅くなるかもしれません…。
あと、作中の「キッド」はドラゴンナイトネタです。



訓練、そして…

「…なんですかこの部屋」

 

「このコンピューターとかディスプレイすげーな!OREジャーナルにもこんなのあったら良かったのに…。あ、でもオレ基本取材派だったな…。でも、これなんですか?」

 

「…部屋の備品さ?」

 

「いやなんで疑問形なんですか!ていうかそれ以前に、ここ物理準備室でしょう?もといた先生はどうしたんですか!」

 

「…ああ、彼か。うむ…………。まあ、そこで立っていても仕方がない。入りたまえ」

 

「うむ、の次は!?」

 

「ホントにすっげーなこの部屋!秘密基地みたいだ!その辺にファイズとかイクサとかG3とかいたりして!…誰のこと言ってるんだオレ?」

 

「ガタガタうるさいわよ士道。真司も落ち着きなさい。…ていうか真司、昨日本物の秘密基地見たでしょ」

 

本来物理準備室という部屋は、実験の準備くらいでしか生徒は入らず、基本的に静かな場所のはずである。だがその日の来禅高校物理準備室は、とても騒々しかった。防音加工という本来物理準備室に必要無い改造が施されていなければ、平気で廊下や隣の教室の生徒達に会話が聞こえていただろう。

真司と士道がラタトスク機関に加わった翌日。突然村雨令音が士道達のクラスに副担任として赴任してきた。驚く真司と士道。だが、彼女や何故か校内に現れた琴里に連れられて物理準備室へとやってきた二人は更に驚くこととなる。

物理準備室は、多くの液晶画面が設置された『少なくとも物理準備室では無い部屋』に変わっていた。

 

「…さ、ともかく訓練を始めよう。ここに座りたまえ」

 

「ちょっと!オレの質問は無視ですか!?ていうか訓練って!?」

 

「昨日も言ったでしょ。精霊との対話のための訓練よ。もしかしてもう忘れたのかしら?」

 

司令官モードの琴里が、呆れたようにため息をつく。その様子に士道は一瞬文句を言いかけるが、ぐっと堪えた。士道はまだ、リボンの付け替えによって現れるらしいこの状態の琴里に慣れていないのだが、少なくとも口喧嘩で自分に勝ち目が無いことは、なんとなく悟っていた。

 

「仕方ないわね…令音、真司とこの記憶力の残念な兄に訓練内容を説明してあげて」

 

「…ああ。シンとキッド、君たち二人にはやってもらいたいことがある。それは女性への対応に慣れてもらうことだ」

 

「シンって…真司のことですか?キッドってのは…」

 

「…?いや、シンは君のことだが。彼は旧姓が『城戸』だと聞いていたのでキッドと呼んだのだが…」

 

「いや、なんでオレがシンなんですか…オレの名前は士道です…」

 

「…そうだったか。すまないね。…話が逸れたが、精霊とデートするためには会話が不可欠だ。ある程度の指示はこちらからできるが…やはり本人が緊張してしまっていては話にならない。だからしんたろうと真司には、そのための訓練をしてもらう必要があるんだ」

 

令音の言葉は至極当然の内容だったが、士道は少し納得できない様子を見せる。

 

「令音さんがオレの名前に関して直す気ゼロなのはこの際置いといて…女の子との会話って、流石にそのくらいは」

 

と、そこまで言いかけたところで、士道は琴里に後ろから押されて令音の胸に顔面から突っ込む。

 

「……ッ、な、ななななにしやがる…ッ!?」

 

士道は顔を真っ赤にさせながら抗議したが、琴里は嘲るように肩をすくめて士道の言葉を一蹴した。

 

「ダメダメね。わかったでしょ、このくらいで心拍を乱していちゃ話にならないの」

 

士道は明らかに例がおかしいと感じながらも、琴里の言い分にも一理ある部分はあると訓練に対する認識を改める。

一方真司は令音の説明に疑問を感じていた。

 

「令音さん、オレも訓練するんですか?デートするのは士道で、オレは裏方なんじゃ…?」

 

真司の疑問に、令音は部屋のコンピューターや機械のいくつかをいじりながら答える。

 

「…状況次第では君にも精霊との対話役をやってもらうかもしれない。それにシンの手伝いにしても、女心というものを知っておいて損はない」

 

「なるほど…」

 

「…対話を手段として用いるとはいえ、相手は精霊。ちょっとしたミスが命取りになりかねない。…流石に失敗したら『折れたァ!?』じゃ済まないからね」

 

「ちょっと待って!なんでそれ知ってんの!?」

 

令音は真司の言葉には答えずに、机の上のモニターの電源を入れた。すると画面には、可愛らしくデザインされた『ラタトスク』の文字が映し出される。そしてそれが消えると、今度はポップな音楽と共に、カラフルな髪の美少女達と『恋してマイ・リトル・シドー』というタイトルが表示された。

 

「訓練ってギャルゲーかよ!」

 

画面を見た士道は思わず突っ込む。一方の真司はギャルゲーというものにあまり実感が湧いていないのか、画面に表示されたキャラクターたちをキョトンとした様子で見つめていた。

 

「令音さん、これって?」

 

「…ああ、そういえば海之たちもよく知らなかったね。君たちの世界にも全く無かったというわけではないだろうが、彼らの話を聞く限りこちらほど知られてはいないようだ。…第一、君たちは進んでギャルゲーをやるようにも見えないな」

 

そう言って令音はもう一台のモニターの電源を入れる。

 

「…それはいわゆる『ギャルゲー』、恋愛シミュレーションゲームだ。ゲーム内の自分の行動を選択して、キャラクターと恋愛するというものだ。…まあ、訓練用のゲームだから、市販されているものとは多少異なるがね」

 

「う~ん…分かったような…よく分からないような」

 

「…まあ、実際に慣れてみるのが一番だろう。真司、君はこっちでやってみたまえ。一応君は裏方だから、シンのものより難易度は下げてある」

 

そう言って令音は、電源を入れたモニターの前に真司を座らせた。

 

「………令音さん、オレのやつ、ホントに恋愛のゲームなんですか?」

 

「…そうだが」

 

「いや…士道のとオレの、全然違う気がするんですけど」

 

士道の画面と同様に『恋してマイ・リトル・シンジ』というタイトルが表示される。だが、士道の方の画面がピンク色を基調としたもの。対して、真司の方は背景が燃え盛る炎という、まるでRPGや格闘ゲームのようなものだった。

 

「…気のせいだ。バトルなどは一切なし、難易度もやや低めで甘々な恋愛を体験できる」

 

「…はあ。それならまあ…」

 

やってみますと真司が言いかけたところで、遮るようにスピーカーから音声が響く。

 

『戦わなければ生き残れない!』

 

「……」

 

「「「……」」」

 

物理準備室に静寂が訪れた。しかしそれも一瞬。

 

「あ、士道は失敗したら黒歴史をいろんなところで公開するから。昔士道が作ったポエムとか」

 

「なんで!?」

 

すぐに士道の悲鳴が響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『さて士道、真司。いよいよ実戦よ。準備はいいかしら?』

 

装着したインカムを通じて、二人の耳に琴里の声が届く。

 

「いや…準備ってか、オレは色々トラウマが増えただけに感じるんだが」

 

「……二次元の女の子ってあんなにたくさん必殺技持ってたのか…知らなかった」

 

二人は訓練のときのことを思い出して、少々げんなりした様子になる。

 

『だらしないわね~。今からそんな様子じゃ、先が思いやられるわよ。精霊はもう、その部屋(・・・・)にいるんだから』

 

琴里の言葉に二人の表情は一転して引き締まったものになる。

それは、二人が訓練を始めて数日後のことだった。

 

 

 

 

事の起こりは数時間前に遡る。

真司はギャルゲーに対する間違った認識を、士道は数々のトラウマを得ながらも、なんとかギャルゲー特訓を終了させた。

その後、今度は生身の女性相手との訓練ということで、岡峰珠恵を士道が口説けという指示が出された。事が起こったのは、士道が口説く中で口にした『結婚』という言葉に目がマジになってしまった珠恵を振り切り、次なる相手として鳶一折紙に接触していたときだった。

 

ウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ――――――――――――

 

突然、何の前触れも無く、空間震警報が響き渡る。それを聞いた折紙は、

 

「急用が出来た。また」

 

と言って駆け出した。

そして折紙と入れ替わるように、士道のもとに真司が駆け付ける。

 

「士道!琴里から連絡だ。一旦フラクシナスへ戻れって」

 

「分かった!急ごう!」

 

「おう!ところでお前、先生との結婚どうするんだ?」

 

「今言うことか!?」

 

 

 

そうして準備を整えた二人は、精霊の出現場所へと向かっていた。

 

「まさかオレたちの通ってる教室に現れるなんてな。…士道、緊張してるか」

 

「ああ…まあな…」

 

『今なら止められるわよ』

 

琴里は試すようにそんなことを言う。…が、

 

「いや…やるさ。オレはもう、あの子のあんな顔は見たくない……」

 

士道は力強く答えた。その答えに琴里は満足した様子を見せる。

 

『よく言ったわ。流石私のおにーちゃんね。…さ、頼んだわよ二人とも』

 

「おう!」

 

「ああ!士道たちのことは任せろ!」

 

『さあ、私たちの戦争(デート)を始めましょう』

 

琴里の掛け声と共に、二人は二年四組の教室へ突入した。




番外編・「恋してマイ・リトル・シンジ」誕生秘話
「…ということで、士道くんのためのソフトについてはこれで決定とします。次に、真司くんの方ですが…こちらも司令と村雨解析官から一任されてますので、我々で制作にあたります。副司令」

「川越さんの説明した通りです。みなさん、制作に関して何かアイデアはありますか?…はい、北岡さん。どうぞ」

「俺思うんだけど、城戸の仕事は士道くんのサポートと、彼に万一があった場合の交代要員でしょ?だったら両方の訓練が必要だと思うのよね」

「なるほど…。一理ありますね。他には…海之くん、どうぞ」

「詳しく聞いたわけではないが、恐らく城戸はギャルゲーというものに触れた事が無いだろう。だから、いくら高性能な物を作っても、訓練という意識が湧かないと思う。そうなれば、せっかくの訓練もただのゲームに…」

「確かに…それについて何か考えはありますか?」

「奴ライダーバトルや異世界への転移といった、普通起こりえない経験はすでにしている。ならば、それに似たような設定にしてやれば、自然と訓練内容に入っていけるんじゃないだろうか」

「なるほど…映画などで、子供部屋のクローゼットなどが未知の世界に繋がっているという演出で、観客を物語に引き込むのと同じ発想ですね。」

「すごい…みんな!我々も彼らに負けないように頑張ってアイデアを出そうではないか!そしてそれが、真司くんたちを助けることになる!」

『おおーーー!』




「…で、その結果がこれってわけ?」

「すみません…少々悪ノリしました」


【企画書『恋してマイ・リトル・シンジ』】
・ストーリー
ある日突然世界が崩壊を始めた。戸惑う主人公・五河真司だったが、突如現れた謎の少女によって、この現象が9つの並行世界が1つに混じろうとして起こったものだということ、自分の使命が「9つの世界を旅してそれを阻止する」というものだということを告げられる。だが彼は行く先々の世界で、その世界の鍵を握る少女たちから『悪魔』と忌み嫌われ、襲われる。
果たして真司は、彼女たちをデレさせ、世界を救うことができるのだろうか!

「『できるのだろうか!』じゃないわよ」

・ヒロイン案(一例、今後案を追加予定)
『乾 多久実』ぶっきらぼうな態度だが、本当は不器用で心優しいツンデレ。必殺技はクリムゾンスマッシュ
『五代 雄香』一見変わり者だが、強い意志と優しさを兼ね備えた人物。2000の技を持つ。必殺技はマイティキック。
『天道 総子』自分が世界で一番偉いと本気で思っており、クールかつ不遜な態度を取る。一方で、弱者は決して見捨てない熱さと正義感を持つ。必殺技はライダーキック

「なんでヒロインがみんな必殺技持ちなのよ」

・キャッチコピー『戦わなければ生き残れない!』

「やかましいわ」


「司令、だめでしょうか…」

「当たり前でしょ!なんでこんな10周年企画みたいな内容になんのよ!いろんなところから怒られるわよ!」

「し、司令、落ち着いてください!何を言っているのか分かりません!」

「むう…でももう手直ししてるヒマもないし…真司には悪いけど、これでいくしかなさそうね」

こうして、真司の訓練用ソフト『恋してマイ・リトル・シンジ』は、おおよそギャルゲーとは呼べそうにない代物となったのだった。

終わり
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