夢の世界の向こう側   作:original

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夢のAnemone

 「タイムトラベル…ですか…。」

唐突に意味の分からないことを言い出したそいつに、明らかに困惑した表情と対応をした俺。

 「同士よ、驚くではない。実のところ私もタイムトラベル…を。」

 「そ、その前に名前を聞いても…?」

 「む、あぁ、そうであったな。私の名は、世紀最後のサイエンティストであり!最悪の“Traveler”……凶静燐 真(きょうじょうりん まこと)だッ!!!」

そういうと凶静燐はバサッ!と白衣をたなびかせた。

 「は、はぁ…。それで、凶静燐さんはタイムトラベルを…?」

 「む、いかにも。お主もそうであろう。」

 「い、いや、俺は別にそういう訳では…。」

い、一刻も早くこいつから逃げなければ…!

 「ふ~む…これは噓をついている人間の行動パターンと一致している…。隠さないでもいいのだぞ、確かにタイムトラベルを知っている人間は我々のいた時代は少なかったが…。」

多分この感じいた時代も同じなんだろうな…。しかし、面倒なことになったな…。

 「そ、そいえば俺他の国に行かなくちゃ…!」

 「ダウト…。君に行かなければならない国なんてない。」

 「ッ…。」

く…地味に正解だが…。

 「だ~が、君に耳寄りな情報を伝えよう。今私が歩いてきた道のりで、大きく発展してる街があった。日本では見たこともない所ではあるが…俺は今未来と過去、どちらに来ているんだろうか…。」

 「ここか…。」

結局、凶静燐に導かるまま街に来てしまった俺だったが、その町は俺が想像していた街とは大きくイメージと変わっていた。街ではブリキで作られたようなロボットと人間が共存しており、見渡すところ工場。街の中心では大きな時計塔が聳え立っていた。

 「ここ、さっきフラッと寄ってみたんだが、その辺歩いてる機械に聞いたらリュードロスって街らしいぞ。この感じ未来感はあるが…平原にこんな工場ばかり、意味わかんねぇ街だな。」

 

未来都市 リュードロス

 

 「こんにちわ。」

 「うおッ…!びっくりした…。」

俺がリュードロスの街並みを見ていると、俺の後ろから突然声がした。

 「私はRP09-33198、この街に新たに来た人間にこの街を紹介する“案内人”であります。」

 「“案内人”か…。」

凶静燐がそう呟く。恐らく今までこの街に来た人のデータを覚えて判別でもしているのだろう。

 「まぁ、いい。じゃあ、早速案内してもらおうか。」

俺がその案内人にそう言った時だった。

 「ちょっと待ったぁぁ!!」

突然響いたその声と共に、俺の目の前に突っ立っていた“案内人”の頭部が吹き飛んだ。黒い燃料が噴き出すとともに、一人の白衣を着た少女が俺の目の前に現れた。

 「ふぅ…危ない所だったわね。」

 「な、何だ貴様は…!」

凶静燐がそう叫ぶ。あまりの突然の出来事に事態を呑み込めていない俺達を他所に、その少女は走り出す。

 「こっちに付いてきて!!」

 「ここまでくれば安全よ。」

 「はぁはぁ…一体ここはどこなんだよ…。」

少女の背中を追って走ってきた俺達は、とある倉庫に辿り着いた。息切れる俺と凶静燐とは裏腹に、少女は自己紹介を始めた。

 「初めまして、私はこの街のTime Traveler、アネモネ。ここは私のラボよ。さっきはごめんなさいね、あの案内人…ここらでは有名なチンピラの使い手なの。あのままだと貴方たち、金銭巻き上げられるか…最悪の場合死んでたわ。」

 「そ、そうだったのか…。助けてくれてありが」

俺が言い終わる前に、凶静燐がすっと遮る。

 「お前も、その集団のメンバーなんだよな。俺は知っている、白衣を着ているに悪い奴がいないとは思っていたが、お前は例外だ。」

 「―――へぇ、何で?」

 「ラボ。そういう割に特筆することのないこの倉庫、根城ってところか。次に、その情報を知っている理由。それに最後、Time Travelerなら証拠があるだろう?」

凶静燐はそう言うと決まった…と言わんばかりに、決めポーズを取って見せた。

 「―なるほどね…そういうなら見せてあげる。私がTime Travelerという証拠を…。」

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