ポケットモンスター···縮めてポケモン
この世界に存在する不思議な生き物達のことである
これはそんな世界で悪いことをするお姉さんのお話
うっす、うちの名前はオーモリ·ヨウコ、ヨウコと気軽に呼んでくれてええで
薄い赤髪のボブカット、今は胸に赤いRと描かれた黒い制服黒い帽子を被っとる
10歳で成人だからと旅に出たのはええけど、負けに負けまくってな、相棒の子もバトルの負傷で亡くなってもうて、さてどうするかっちゅう時にアルバイトでロケットカンパニーっちゅう会社に入社したんやが、まぁ金払いがええ、しかもポケモンを支給してくれるっちゅうから太っ腹やろ?
うちのアルバイトはポケモンの捕獲やから指定されたポケモンを納期までに捕まえてくる部署やな
今入社2年目で13歳やが、創意工夫で成績上位を維持しとる
お陰でアルバイトなのに10体1万(モンスターボール代は別途支給)でウハウハが止まらん
例えばズバットというポケモンがおるやろ? 奴らはロケット団の支給されるポケモンに指定されとるから沢山捕獲する必要があるんやな
そんなズバットを捕獲する日決まって肉屋に行く
「おっちゃん、今日もすまんな」
「あいよヨウコちゃんいつもありがとな。売れねえ屑肉を買い取ってくれて」
「ええって、ポケモンの餌に必要やからおっちゃんには感謝しか無いわ」
「ポケモンの餌って言うが、結構な毎回結構な量だよな。古血ビタビタの20から30キロだろ? そんな食べるポケモンいたか?」
「うちのというよりは会社のやな。結構な量が必要やねん」
「まぁうちとしちゃあ処分する品が売れるから有り難いが···ゴーリキーいつもの持ってきてくれ」
「ゴリ!」
ドサっと砕かれた骨や血でビタビタの肉が袋詰されている
「ほい、屑肉20キロ2万だな」
「あい、おおきに」
「うい、確かに」
ポケモンによって変わるが肉屋や八百屋、時には道具屋で捕獲用の道具を集めたりする
「ほなユンゲラー肉いつもの冷蔵庫の中にテレポート頼むわ」
「ユン」
今の手持ちは上から支給されたケーシィを進化させたユンゲラーとゴルバットの2体
レベルは高くは無いが捕獲するのには便利や
ロケットカンパニーが運営する借家に帰ったらすぐに捕獲の準備を始める
今回の場合はモンスターボール程度の肉団子を木の実を繋ぎにして形が崩れないようにしながら作り、それをビニール袋で包んでいく
「毎度作ってるから慣れたもんよな」
「ユンゲラー!」
「お前さんも悪いわないつも手伝ってもろて、今日のご飯は奮発しよるからな」
「ユンユン!」
ユンゲラーに手伝ってもらいながら肉団子を50個作り、残りの屑肉は冷蔵庫に仕舞う
夜になると近場のイワヤマトンネルに向かい、ヘッドライトを片手に中に入る
まぁ大体スバット程度であれば浅い所にも沢山いるので気にすることは無い
サイリウムを取り出して地面に転がし、そこに肉団子を置いておく
そうすると肉団子の匂いに釣られてズバット達が集まってくるので、サイリウムの光目掛けてボールを投げると結構な確率で捕まえられる
あと血をたっぷり吸うとズバット達は動きが鈍くなるので1回目で捕まえられなくても数回血を吸ったスバットは飛べなくなって地面に転がってたりする
なので最初に罠を仕掛けまくって肉団子とサイリウムの周りで転がっているズバットを捕まえるという方法もやる
大体1夜で50から70匹捕まえられる
今回ノルマは50匹なのでノルマ分捕まえてとっとと帰る
「今夜は日を跨ぐこと無く済んだな。今から帰れば風呂入っても2時くらいには寝れるんやないか?」
リュックには捕まえたズバット達が詰められており、ユンゲラーの持つバックにもパンパンに入っている
「ユンゲラー家にこの子達飛ばしてや、うち等もその次のテレポートで帰るで」
「ユンユン!」
こんな感じで1日が終わる
朝にはノルマのポケモンを会社から借りている転送装置で会社に送り、仕事は完了
「ふう、疲れたわぁ。ん? 連絡来てる。なんやろ?」
会社からメールだ
メールを要約すると会社への貢献から正社員にならないかというお誘いである
「固定給が発生か、あとは研修をしないといけない感じやな〜うーん、まぁいつまでもアルバイトは困るか」
ということで面接を受けにヤマブキシティに行くことになり、ハナダから自転車を漕いで向った
ヤマブキシティ···大企業シルフカンパニーのお膝元の街であるが、ロケットカンパニーの支社がある街でもある
ポケモンジムの近くにある事務所の様な場所で面接が行われた
「ちわ~リョウさんおる?」
「ヨウコ遂に正規隊員になる気になったか」
「毎度思うんですが隊員ってなんですか? ロケットカンパニーでは社員の事を隊員と呼ぶ決まりでもあるんですか?」
「お前気がついてないのか? ···まぁいいや、とりあえずこれにサインしろ」
「ふーん···まぁサインしなければ話が進まないならサインします」
「ああ、助かる」
「ほい、サインしました」
「まずなロケットカンパニーは表向きのダミー会社で、本体はロケット団だぞ」
「ロケット団···ん? あれ~? マフィアとかそういう組織的な感じってどっかで聞いた様な気がするんやが」
「それだよ。俺はその中隊長、ヤマブキ方面の新人育成とかを担当している。まぁサブエリアマネージャーとかそういう感じだろうな」
「まぁポケモンの売買をしている時点で駄目な会社なのは知っとりましたけど、マフィアかぁ~」
「大抵のアルバイトは捕獲が上手くいかずにノルマ未達成でペナルティで他の部署に回されて型にハメてって感じで入団するんだが、ヨウコは普通に稼いでたから幹部コースに俺から推薦するって形だ」
「幹部かいな? バトルの腕をはそこまでやないで」
「でも捕獲と知識は凄いだろ? どこでそんなに知識を蓄えたんだ?」
「うち、これでも旅してましたからな〜、生き残るために人よりすこぅし、詳しいとちゃいますか?」
「まぁそのポケモンの知識を活かして今後も組織に役立ってくれれば良い。とりあえず当分は俺の下で勉強な。あとボスがお前さんに興味を抱いてるから会ってもらうぞ」
「ええ、そなけったいな〜」
「俺でもボスと面会したの入団から2年かかったんだからお前は恵まれてるんだぞ」
「そうなんですか?」
「とりあえず明後日までにタマムシシティのゲームコーナーに行ってこい。そこの社員にこの書類を見せれば面会ができるから」
「わかりました。とりあえず会ってきます」
成り行きで悪の組織に入団することになったが、ポケモンの販売はあまりよろしいとされていない
それを大々的にやっているのだから少し悪い会社だろうと予想はしていたが、生活していくためにはロケットカンパニー改めロケット団に縋るしかない
「まぁ景気が悪いと裏稼業の方が儲かるっちゅうことやな。大学とか行けばまた話が変わってきたんやろうが」
残念ながらヨウコは10歳で家を飛び出さなければ行けないほど家庭の経済状況は悪かった
両親共に定職に付かないで今だにポケモンマスターを目指している現実が見えない人達で、大会で活躍すれば数ヶ月普通の生活ができたが、成績が残せないとヨウコに当たったりする屑親であった
だから逃げるように旅に出た為親を頼るということができない
「屑の子もまた屑っちゅうことかいな?」
そんな事を考えながら自転車を漕いでタマムシに向かい、せっかく来たのだからとゲームコーナーで遊ぶことにした
「スロットとルーレットやな。とりあえずスロットやってみよか」
景品のポケモンは日替わりらしく色々なポケモンが並んでいた
「ほーん、いつもは目玉のポリゴンっちゅうポケモンがコイン8000枚で、コイン9999枚でヨーギラスっちゅうポケモンか。ヨーギラスっちゅうとジョウト地方のポケモンやな。確かに珍しいわな」
コインを購入してスロットに座る
スロットは無難にピッピダンスという機種で、当たり演出でピッピが指を指す方向のボタンを押すと連チャンし、色違いのピッピが出ると大当たりのチャンスというスロットだ
「まぁ早々に当たるわけ」
『ピッピ!』
「て、当たるんかい!」
10回転目で色違いのピッピが出現して777が揃いボーナスに突入
そこから怒涛の12連チャンをし、一回途切れるが、途切れた瞬間に通常ピッピが指を振り出し、指の示す方でボタンを押したらまた777が揃ってしまった
ジャラジャラジャラと途切れること無くコインが箱に積み上げられ、9999枚どころか250000枚近く吐き出した
「ヤバ、今年の運今日で全部使ったかもしれへんな」
そう考えながらとりあえず景品と交換する
「とりあえずポリゴンとヨーギラス交換やな、あとはミニリュウと冷凍ビーム、10万ボルト、火炎放射、シャドーボールの技マシン貰おうかな」
「はいよ」
「あとこれ店員さんよろしゅうな」
「···わかりましたこちらにどうぞ」
景品は後ほど交換ということで、奥へと通された
「君がヨウコ君だね。バイトで飛び抜けて優秀な成績を出していたから部下から話は聞いているよ。まぁ楽にしてくれ」
明らかに格が違うおじさんが居た
オールバックの髪型に右胸にRが刺繍された黒いスーツを着用して座るおじさんはカリスマと言うべき畏怖の様な感情を植え付けてくる
「ほな、座らせてもらいます」
「君の方言からしてカントーの人間ではないな。出身はどこかね」
「ジョウトのコガネ出身です」
「コガネ···あっちも結構な大都市だな」
当たり障りのない話から始まったが、直ぐにロケット団の思想について話される
「Raid On the City, Knock out, Evil Tusks···町々を襲いつくせ、打ちのめせ、悪の牙達よという意味だ。頭文字を取ってロケット団と呼んでいる」
「街々を襲い尽くせですか···物騒ですな」
「なんだ気に食わんか?」
「まぁうちは俗物ですから支配やらなんやらに興味はございません。ちゃんと給料を支払ってくれる限り会社の為に働くのが普通とちゃいますかな?」
「オレにそう言い切るか···面白いな」
「それはそれは」
「お前の捕獲の腕で組織の力を更に強化してくれ」
「うちが通報するとは思わんの?」
「しても無駄だ。警察は既にこちらの味方が多くいる。密告者はこの世から消えてもらうだけだ」
「おお、怖いわ···じゃあ消されんように頑張るわ〜」
「景品は私からの餞別だ」
「ああ、やっぱり操作されてました? 不思議やったんですわ。普通あんなに出ませんわな」
「まぁそういうことだ。捕獲の腕だけではなくトレーナーとしての才能も見させてもらうぞ」
「うーん、うちあんまトレーナーとしての才能は無いと思うんですがな」
「いや、お前には才能がある。オレはジムリーダーだぞ。多くのトレーナーを見てきたが、お前はちゃんとトレーナーとしての才能を秘めている」
「ほな、そういう事にしときます」
「話は以上だ。帰ってよいぞ」
「次会うときまでには景品のポケモン等を進化できるようにがんばりますわ」
「ああ、せいぜい頑張れ」