カイナシティ···市場で賑わい、人とポケモン、そして自然が行き交う港と紹介されている場所がこの港町であり、海の幸や近くの大自然から取れた珍しいきのみ、技マシンや御香、人形なんかも売られていた
「賑わっとるな」
「そうでありますな」
人とポケモンが行き交う街と言っているだけあり多くの人々が買い物をしに訪れていた
それだけでなく、ここにもポケモンコンテスト会場があり、コンテストをするため、観るために人が集まっていた
あとは造船の街でもあるので船造りも盛んらしい
ただ、やるべきことはミュウの捕獲
最果ての孤島に向かう準備を整えるとハクリューにホエルオーに乗って出発した
最果ての孤島
あらゆるポケモンの故郷とされる島であり、ミュウが居る可能性が最も高い島でもある
「巡視船多すぎやろ、ホエルオーの巨体だから人が乗っ取ることにバレんかったが、道中5隻も見つかったねんな」
「大回りして予定より時間がかかったでありますからな」
「うう、海風にずっと当たってたからボク少し冷えたっぽい」
「帰りはカイナシティにテレポートの場所を設定したから一瞬で帰れるから、さて早速調べますか」
まず島の外周部から探していく
ゴツゴツした岩場で、奥に進むと森みたいになり、背丈の高い雑草が生い茂っていた
「ミュウはいなさそうやな」
「そうでありますな」
「ねぇヨウコ、アカツキ、これ化石?」
トモが地面を指差すと地面に骨が埋まっていた
「化石やなくて骨やん」
「ミュウの頭蓋骨でありますかな?」
「掘ってみるか」
小さなシャベルを取り出して掘ってみると全身の骨が出てきた
「死後そんなに時間が経ってないポイな」
「ヨウコ、見ただけでわかるものですか?」
「ポケモンの死体なんて森とか行けば結構転がってるで、白骨化してミュウくらいの小さいポケモンの骨が全身残ってる時点で死後1年から10年以内やと推測できるわ。しかも浜風で砂が舞っとるのに背丈の高い雑草が守ってくれとったとはいえ、骨の一部が埋まること無く露出してたのも推測する材料としては大きいわな」
「でも残念だね。ミュウって幻のポケモンが居なくて」
「いや、うち等の任務はこの骨で十分やで」
「え? そうなの?」
「それよりもトモはこれからどうするん? うち等はカントーに戻るし、会社勤めに戻るんやが」
「どんな会社なの?」
「悪の組織やな。まぁうちは雇われ社員て形や」
「いやいや、捕獲実績が凄すぎて幹部候補になっただけでは飽き足らず、カントー、ジョウト地方の最難関ダンジョンに1ヶ月半も籠もって生存したじゃないでありますか! 幹部候補でありますよ!」
「カントーの最難関ダンジョンってどれくらいおっかないん?」
「基本吹雪、野生のポケモンがジムリーダーの手持ちくらい強い、そんなのがうようよ居るんやけど、傷を癒やす秘湯があったりするんやで」
「よく生きてたねヨウコ」
「うちも何度も死ぬかと思ったわ。まぁトレーナーとしての才覚も上がったから良かったけど」
「トレーナーとしての才覚?」
「あれトモは知らない? トレーナーとしての才能ってやつ。捕獲、育成、戦闘、あとは統率だったりやな。ポケモンに才能があるようにトレーナーにも才能があるんやで〜」
「トレーナーとしての才能が高いとポケモンの能力を最大限活かせるんやで〜まあ人間の才能の数値化はできんけど、ジムリーダーが他のトレーナーとは違った能力を持っていたり、実力が高かったりするのはトレーナーとしての才能が高いからやね〜」
「で、悪の組織やけどうちの部下ちゅうことなら雇えるんやけどどうする?」
「お金も心許ないし、ヨウコとアカツキと2ヶ月ちょっと共に生活して楽しかったし、ヨウコの下でならヨウコの言うボク自身の才能を上げられる気がするからヨウコの下で過ごすよ」
「馬車馬の如く扱うからな〜」
「その分お金払ってもらうよ」
ミュウは居なかったが遺伝子情報のある骨を回収し、カイナシティの船着き場から客船に乗り込んでカントーに戻った
ヨウコが最果ての孤島で入手したミュウの骨はすぐさまロケット団の研究所に送られ、ミュウツーの素材として使われた
「カツラ博士、どうですかミュウツーの研究は」
「ケン(ロケット団中隊長の1人)か、最強のポケモンの開発は進んでいるが、ミュウの復元には失敗してしまったからな。自身の細胞を移植することで安定はしてきたが」
「それは何よりです」
「しかし、創っていて思うのだ。これは人知を超えてしまっているのではないかと」
「何を今更、ロケット団に化石の復元等を売り込んだのはあなたでしょうに」
「それはそうだが」
「あぁ、あとあなたに幹部候補としての部下を付けることになりました。数日以内にこのタマムシシティ地下の秘密の研究所に来ると思われますので歓迎してあげてください」
「···うむ」
数日後ロケット団の服を着た3名の女性が私の研究所にやって来た
「邪魔するでー」
幹部候補のヨウコ
その部下のアカツキ、ホウエンからスカウトしてきたトモ
私はロケット団に所属する者なのでどこか破綻者とか倫理観が欠けていたり、荒くれ者をイメージしていただけに少し意外に思った
一番驚いたのがボスであるサカキへの忠誠心の薄さだ
「一度会ったんやけど、確かにカリスマは凄いわな。人を見る目もあるけどあくまで金で雇われているだけやで」
「アカツキはあれで結構ロケット団に心酔しとるからこの話は内緒な」
彼女とは仲良くなり、私の研究を教えることにした
「ヨウコは研究者の方が向いていたかもしれんな」
「なんでや?」
「いや、学術書を読んでポケモンについての勉強を独学で学んでいたから私が教えたことをみるみる吸収していくじゃないか。あと君が連れてきたトモは機械工学に興味があるみたいだな」
「カツラ博士の勉強は楽しいで、ただ強いバイオポケモンを作るのは面白くない」
「なぜだ?」
「だってそこに至るまでの育成も味があるねんな、最初から強ければ育成の失敗が味わえんからな」
「育成の失敗?」
「あぁ、うちの最初の手持ちや。どういう技が強いのか、どういう行動をすれば勝てるのか、そこら辺がまだ未熟やったからポケモン達も未熟で結果全滅してもうてな。健気だったで〜うちを逃がすために自らを犠牲にするポケモン達は···残ったのは命と無力感だけやったが」
「そこからや。勉強したり、捕獲術を身につける修行をしたのわ、自身が弱かったから、ポケモン達が弱かったから全滅した。これを育成の失敗と言わずになんて言えばええんかね」
「ふむ」
「まあうちはスリルと安定をこよなく愛する矛盾女やから深くは考えんでええでカツラ博士」
カツラ博士から色々と勉強を教わっている中、最近ロケット団の情報部からこんな情報が寄せられていた
「ふーん、タマムシシティの地下でバイオ研究を行って、それをヤマブキシティで戦闘訓練をして、クチバでグレン島を経由してトキワの森に改造ポケモンに野生の力を再び取り戻させるなぁ···相変わらずやることがあくどいなぁ」
「そんなあくどい組織の小隊長なんだけどなぁ君は」
「カツラ博士、体調はどうや? 大丈夫かいな?」
「あぁ、ミュウツー計画も最終段階に入ったからな、少し気合いを入れすぎてしまったらしい」
「気をつけんとな。本調子でない中実験とかしたら危ないで」
「···そうだな」
「あ、カツラ博士、うち等本部からの命令で少し別の街に行くことになったわ、今ロケット団と敵対している街の調査に行けと、ほんま人使いが荒いわ」
「そうか少し寂しくなるな」
「これでも食べて元気になりやー」
「···何だこれは?」
「ポロックや、ホウエンだとポケモンのお菓子として有名やったんやけど、味をアレンジして人間でも美味しく食べられる味にしたで」
「ほう? ···甘じょっぱくて美味いな」
「せやろ〜じゃあアカツキとトモも連れて行くさかい、次会う時は元気になっとるんやで」
「···あぁ」