だが、この2人以外にその世界を彷徨っていた
1人の少年がいた。
Mr.Jは彼の力を借りつつ、
3人と共にその世界から脱出した。
今日はここから始めるぜ。
俺らがパストに敗北する寸前にまで追い詰められた時。
突然、靈夢が意識を取り戻した。
同時にMr.Jも完全復活に至った。
だが、アイツの姿はここにいる全員が
思ってもいなかった“あの姿”だった。
完全体の姿じゃないか。だが、涙を流している。
まるでこの姿には二度となれないのだと
悟ったかのように。
その容姿を見た直後、完全体の姿となった
Mr.Jの翼が光り始めた。
その光は、まるで己の邪心を
取り除いてくれるかのようにあたたかく、
眩しいものだった。
そしてこのとき、俺は気づいた。
アイツの進化ってこれのことだな…。と。
眩しい光が収まったとき、
Mr.Jらを見るといい意味でいろいろ変わっていた。
中でも一番特筆すべきなのは
アイ、靈夢、魔理沙の3人の容姿が
元通りになったことだ!!
もちろん、先ほどの光の効果であるのは
言うまでもない話だろう。
一方のMr.Jはというと…。
少しカオスな状況になっていた。
なんと2人になっていたのだ。
1人はあの黄色いワイシャツに
頬の印象的な痣を持った少年だ。
もう1人はと言うと、あの眼鏡の野郎だ。
だが、眼鏡の野郎はMr.J本人ではなかった。
アイツはMr.Jの心の中に閉じ込められていた
Mr.Jの前世時代の魂だった。
もうここまで言うと、アイツが何を救いたかったのか
もう分かっちまったよな?
さて、俺らがMr.Jのもとに駆けつけると、
Mr.Jは涙を流しながら嬉しそうにこう言った。
「ようやく取り戻した…。オレ自身を。」
続けて彼はこう言った。
「オレの本名は…、205海志。…やっと自分自身を思い出したよ。」
海志…。カッケェ名前だな。
俺は思わずそうつぶやいた。
さて、Mr.J…。いや、海志は
さっきの魂と共にパストに挑んだ。
俺ら5人はあの2人を援護する形で戦った。
もっとも、俺はそれで軽傷を負ったが。
そのことに気づいた海志は方針を変え、
アイと共に囮になった。
パストが隙を見せた直後、霊夢と魔理沙が
スペルカードを発動した。
だが、パストはかろうじて生きていた。
すると、俺の治療にあたっていたあの魂が
パストのもとへ向かった。そして、
パストと融合したのだ…!
その魂は創造主となった。そして彼は
「心也」と名乗ることになった。
心也は自ら新たな世界を創るため、幻想郷を後にしていった。
ま、なんだかんだ異変を解決したってワケだ。
さて、異変を解決した翌日、
宴会を始めた。そのとき、紫さんがこう言った。
「どうして勝ちゃんは変わらなかったのかしら?」
と。どうやらあの4人の容姿が
変わったことについての話題だった。
確かに俺もヤツの攻撃に遭った。だが、そのときに
変わらなかったのも事実だ。これはどうやら
俺や紫さん以外の3人も同じ疑問を感じていた。
だが、海志はどうやら分かったらしい。
どういうことなのかというと、
これが相当単純なことだった。
実は、俺自身は「年齢」が若返ったのだという。
確かに俺は40弱のおっさんだ。
だが、見た目の年齢は永遠の21。
海志曰くこれがカギだったらしい。
どうやらあの時の俺は「マジの」21歳の男だったのだ。
すると、俺含めみんな腑に落ちた。
そして俺はこうつぶやいた。
「そういえば、今の体の方が地味に重くなったような…。」
もちろん冗談で言った。すると海志が
「それは勝二の気持ちがブルーになったからじゃないかな?」
と言った。まあ、一応事実だけど。
そしてアイツは続けて
「あっ、元からブルーだったか」
とからかった。どうやら俺の仕事場についての
チョットしたジョークらしい。
いや俺の心は常に明るいわ!!
俺は思わずそうツッコんだ。
すると、みんな酒に軽く酔っていたからか
笑い始めた。まあ、なんだかんだ楽しい宴会だったぜ。
さて、俺らは元の世界へ帰って行った。
その直前、霊夢は海志と別れる際こう言った。
「あんた…。もう帰るの?」
海志はすました顔で、
「オレも住むべき場所があるからね。」
と言った。すると霊夢が
「たまには遊びに来てくれない?」
と言ってきた。それを聞いた海志は
「もちろん来るさ!それに、参拝もするし。」
と答えた。霊夢は思わず絶句した。
そして、半ばからかいながらも
感謝の気持ちを込めてこう言った。
「あんたって…、面白い人ね。」
そのときの霊夢は嬉しそうな表情だった。
まるで海志を信用しているかのように。
その表情を見た海志はこう言った。
「まあな。」
彼もまた嬉しそうな表情だった。
幻想郷は今日も今日とて明るかった。
まるでこれから先新たな出会いがあると
語りかけてくれるかのように。
これにて、カコノスガタ編はおしまいです。