魔法少女のお助けヒーローをやめたくて 作:うてなにお兄ちゃんって呼ばれたい
何気ない日常が今日も始まる。
昨日から義妹は機嫌が良かった。学校で良いことがあったらしく、そして秘密にもしたいらしい。何かを思い出した様子で頬が緩み、普段よりも快眠もできたようだ。
そんな義妹が玄関で自分のお尻をさすさすしている。
「うてな、どうかしたか?」
「あっ、な、なんでもない…」
お尻と言えば、俺としても昨日は楽しいことがあったが。
あの女幹部とは真逆の服装だな。
義妹が通う中学は深緑色のセーラー服であり、そのスカートの丈の長さは基本的に自由だ。膝より長く、しかも黒タイツまで着用するくらいには露出を避けている。
もし義妹があんな大胆な服装をした場合には、視界に入った男たちを一時的に消さなければならない。
「じゃあ、いってきまーす!」
バタバタと出かけていく義妹だが、そんなに美化委員の仕事を真面目に取り組むなんて感動の涙が出そうだ。お花のことに興味を持ったのか、夕飯時に付いていたテレビのそういう番組も熱心に見ていたし。
「車には気をつけろよー」
俺は少し心配になったので。
サンダルを履いてから玄関の前まで歩く。
すでに義妹は小走りする体力を切らして、肩で息をしながら学校へ向かっていた。あのスピードなら安全だろう。
仮に魔法少女になったら後衛になるだろうな。
「へぇ」
どうやら他にもこんな朝早くから通う女子がいるらしく。
「「いた~い!」」
青い髪と金色の髪の女子たちがぶつかった。
そんなとき。
~~ ~~
なんかカオスな時空に飛ばされていた気がする。
早朝からヒーロー活動をした気分だが。
ていうか連勤かよ。
次にやってきたのは廃工場というやつだ。
「はひぃ~ おかしくなりゅ~!」
「くっ うぅ…」
「あっ そこは…」
魔法少女トレスマジアたちがそれぞれマネキンに拘束されていて、そのコスチュームは脇の下が見えるくらいに破かれている。また、ブーツも脱がされていて裸足にされていた。
こちょこちょ攻撃にアズールとサルファはまだしも、マゼンタが限界を超えて気絶しそうなくらいには叫んでいる。
昨日出会った女幹部自らの手で、その攻撃に1番弱いマゼンタを攻めているようだが。
「とうっ!」
さすがにこれ以上は見過ごせないな。
身体だって魔法少女を救うべく動く。
「っ!? 仮面タキシード様!」
「また会えたな、乙女たちよ!」
女幹部が攻撃を中断したところをすかさず、マゼンタをお姫様抱っこで救出する。考える余裕もないのか、少女は俺のタキシードをギュッと掴んできた。
「はぁ はぁ ふぅー
はぁ はぁ ふぅ…」
「アズール! サルファ! 拘束が弱まったぞ!」
「このっ!」
「いけるで!」
アズールは力を振り絞って、サルファは悠々と、2体のマネキンを破壊している。
さて、3体同時に怪物化させたようだが、残り1体は女幹部とマスコットの近くにいた。
「どうも、仮面タキシードさま?」
なぜか女幹部を怒らせてしまったようだが。
女性には紳士的にもまず謝るべきだな。
「すまない」
「いいえ。また助けてくれたんですね」
しがみついてくるマゼンタの手をゆっくりと取り払う。両手と両膝を地面についているアズールは無理そうなので、サルファの側に寝かせる。
「キミの相手は私がしよう。魔法少女たちは安全に帰るといい」
「フフッ… ええ、付いてきてください」
『あっ…』という呼び止める声はガン無視したが、サルファが『彼に任せて帰ろうや』と言っているから邪魔は入らないだろう。
女幹部に連れられて廃工場に入れば、まだまだ大量のマネキンがある。
彼女はマスコットと相談していて。
まだ戦闘慣れしていないようだな。
「いいだろう。何体でもかかってくるがいい」
「挑戦的だね。あと何体くらい魔物化できそうかい?」
「それはやってみないと分からない… ですけど」
どんな欲望を妄想したのかは知らないが、そう簡単に俺が攻められる立場になると思っているのか。
「何事もチャレンジさ。やってみなよ」
「あわよくば! タキシード様を倒せる!」
「来い! 女幹部!」
結果的には。
10体くらい破壊した。
「ぜぇ… ぜぇ… 負けました…」
「ふむ。なかなかやるじゃないか」
残骸を片付けるべく端に蹴り飛ばすが、素体が微妙なのもあるだろう。これなら前回の花の怪物のほうが単体としては強力だった。
今のところ女幹部の能力は『魔物化』といったところしか把握していないが、彼女自身もマスコットもまだ『試し段階』のようだな。
へなへなと座り込んでいる女幹部の手から、十字星のついたステッキを奪い取る。俺もマネキンを叩いてみるが、これ自体に能力があるわけではないらしい。
「また武器を取られちゃった… んっ」
魔法少女への攻めだけでなく、仮面タキシードへの敗北願望もあるのは、なかなか愉快な女性だな。俺を見上げて、もじもじと身体を揺らしている。
「さて、さっきは何をしていたのかな?」
「あぅ… 捕まえて… こちょこちょしました…」
そうだな。
こちょこちょだ。
「拘束・くすぐり って言うんだよ?」
「そうなんですか?」
「そうなのか?」
さすがは女幹部のマスコットなだけあって物知りだな。俺も成人とはいえ、義妹で妄想するわけにもいかないから、そういう本とか読んだことがない。
だからそういうことを希望している女幹部で試せるのは、こちらとしても本望というわけだ。
「ならばお仕置きタイムにするが、ここには古びた縄しかない。もしこれで拘束したなら綺麗な肌を傷つけてしまうだろう」
「タキシードさまぁ やさしいですぅ」
「タキシード君の腕力なら逃げられないと思うよ」
名案だな。
翼がきつくならないよう後ろから首に片腕を回す。
女幹部は息が荒く、耳は真っ赤になっているな。
「脇の下を失礼させてもらう」
「ふふふ わたしこちょこちょされてますぅ」
もじもじと身体を揺らして喜んでくれている。
たわわな胸が揺れるから。
アソコがきついな。
「くぅっ」
「ふひひ 楽しい気持ちなんですね、くすぐりって」
気づいたらしく、お尻をすりすり動かしてきた。
こいつは天性のサディストだ。
「あらぁ~ どうかしましたか? あひぃん!?」
「キミこそ、随分とハレンチな格好だな」
そう簡単に攻守を逆転されてたまるか。
脇腹やおへそをこちょこちょしてやる。
「ひゃぁ! こ、これは私の好みじゃ!」
「俺からすればキミは魔法少女より可愛いさ」
しゃがみ込むことで彼女を俺の上へ座らせてハイヒールを脱がす。足を曲げさせて裏のこちょこちょ攻撃に合わせて、耳にふーふーと息をかけてやる。
太ももをこねこねするように動かすが、片腕でがっしり掴まれているから、彼女のアソコはもっと大変そうだな。
「や、やだぁ やばいですぅ~」
「ふむ。キミの正体が気になるが、この胸元の十字星が変身アイテムなのかな?」
ビクンと彼女の身体が跳ねた。
どうやら当たりらしい。
「あひぃん! と、とらないでください!?」
「怯えさせてすまない。キミから正体を明かしてくれるまで待つことにするさ」
待たずに攻めさせてもらうがな。
ツンツンと胸を隠しているやつをつつくと。
「うぅ~ いじわるぅ~!」
ギュッーと抱き着いてくる。
そしてこちらへ真っ赤な顔を向けてきて。
「タキシードさまぁ~ ?」
その金色の瞳は蠱惑的だが。
その腕を掴んで止める。
どさくさに仮面を取ろうとしてくるなんてな。
まあ俺の正体が気になるのは嬉しいが。
「キミは面白い女性だな。そろそろ特売セールの時間だから、今日はここまでだ」
「あぅ そんなぁ~」
彼女の身体をお姫様抱っこで持ち上げて、廃工場の階段に座らせた。さっきは目の前でマゼンタにしてしまったから、女幹部は嫉妬してくれていたと思っている。
「女幹部…… いや、キミの名前を、次に会うときは聞かせてほしい」
「は、はいぃ! 考えておきますぅ!」
「前向きでいいね」
目がハートマークになっていた気がするが、そんなアニメや漫画みたいなことはないか。
俺はマントを翻して、その場から瞬間移動した。
それにしても今日は危なかった。
ふぅ。
変身を解いたとしてもガチガチに固くなっている。
今日は特売セールへ行けそうにない。
最近タマゴ高いんだがな。
???「はぁ…
またやっちゃったぁ…
魔法少女の肌は綺麗だけど…
でも私も綺麗って言ってくれた…
お兄ちゃんくらい優しい…
んっ ぁん タキシードさまぁ~」