もんすたーな世界にもんすたーで転生?   作:ひなあられ

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火山の生活【改】

バッコンドッカンと爆発音が響き渡る。しかし火薬など使ってない。只々愚直に振るわれた拳が、岩に衝突しているだけだ。

 

うん、火薬岩とか使うよりも殴った方が速いわ。

 

アレだ、下手の考え休むに似たりってか?偏差値三十ちょいちょいの馬鹿がどんなに知恵絞ったってどうしようもねぇわな。

 

その代わりと言っては何だが、矢鱈と気配に聡くなった気がする。産まれてこの方、噴火する火山と煮え立つ河川の音しか聞いて無いもんだから、それ以外の音と匂いが感覚に引っかかるんだ。

 

その大半は虫なのだけれども、偶に猫も居る。…何しに来るんだろうね此奴ら。危機察知能力が軒並み高いのか、実物を見た事は無いのだけれど。

 

漫画アニメでお馴染みの、『ハッ!?この気配は…!』をリアルでやる事になるとはね…。まぁあんまし役に立たんけどな。気配っつーか音と匂いでそれとなく分かるとかそんなレベルだし。

 

ーーーーーーーーー

 

…あーっと…コレどう反応すれば良いんだ?

 

いや、確かに来る事は予知してたんだけども、コレは予想外と言うか何と言うか…。

 

今俺の気配察知(笑)に引っかかっているのは、中程度の大きさ二足歩行で進む集団だ。草と獣と…油?……うぅ…何か気分悪くなる匂いだな。一体どれだけ匂いを染み付けていやがるんだコンチクショウめ。

 

…まぁ、人間なんだろうけどね。問題はハンターじゃ無いって事だ。どちらかと言うと軍隊っぽい。

 

こんなの絶対にお近付きになりたくないな。もし見つかれば数の暴力でとっ捕まった挙句に、スプラッタリアル18禁確定間違い無い。ヤダよそんなの。

 

てな訳で逃げます。スタコラー。触らぬ人間祟りなしだ。本当なら縄張りとかあるんだろうけどさ、俺こんなんでも元人間だから。周囲10メートル程度しか確保してない訳よ。

 

それにそんなブチギレる事も無いだろうし、普通の竜に比べれば十分穏便な方じゃ無い?や、知らんけど。

 

ーーーーーーーーー

 

人間鬱陶しい…。

 

何なの?彼奴ら何なの?人の事散々嗅ぎ廻りやがって。こっちだって暇じゃねーんだぞ。さっさとどっか行ってくれませんかねぇ。

 

人間来てから一週間。割とストレスの溜まる日々が続く。

 

しかし手を出す事も出来ない。何故なら人数が阿呆みたいに多いからだ。しかもその全員がこの火山地帯で普通に活動している。要するに人間っぽい何かだと言う事だ。

 

まさかとは思うが、もしかしてクーラードリンクで万事解決とかそんな感じなの?もうそれ人間じゃねーぞ。ドリンク一本でどうにか成る程火山は甘く無い…と思いたい。

 

でも普通に溶岩に手を突っ込んでるんだよなぁ…。もう何処から突っ込めばいいのやら…。要するに化け物という事が解った。奴らは人間じゃねぇ。

 

そう言えば気になる点として、奴等の服装が少々異なっている。ヒラヒラした布っぽいのを着た奴と、ガッチガチの重装備の奴がそれぞれいるのだ。

 

基本的に採取とかしてるのが布っぽい奴等で、常に周囲を警戒しているのが重装備の奴等。もしかすると思っている以上に戦闘員は少ないのかもしれない。

 

まぁそれでも迂闊に手は出せんけど。あの布っぽい奴等だっていざとなれば戦えるだろうし。この世界、あのイビルとガンキンで学習したつもりだったが、想像以上にヤバイようだ。

 

序でに言えば、見つかった時は更なる戦力、ハンターを呼ばれる可能性もある。成長途中なこの身体としては御勘弁願いたい所だ。鬱陶しいが、我慢して隠れ続けるしか無さそうだ。

 

ーーーーーーーーー

 

色々頑張って隠れてたんだが、あんまりにもウロウロされるもんだから、遂に今日発見されてしまった。

 

……なのだが、完全にスルーされた。

 

あぁ、うん。……うん。そりゃそうか。だって俺粘菌持ってないし。変わったと言えば黒い程度だし。単に食生活の違いで色が変化した位に思われてもしょうがないわな。

 

実際その通りな訳だけれども。

 

いやでも、スルーって。スルーは無いだろ普通。見つかった時は全力で逃げるか、相打ち覚悟で立ち向かうか真剣に悩んだのに、此方をチラッと見て手元のノートにメモしてそのまま通り過ぎやがったよ。ここ最近の俺の努力って一体……。

 

日数感覚が狂ってるもんだからハッキリとは言えんが、おそらく二ヶ月程は滞在しているようだ。いい加減どっか行ってくれるとありがたい。だって面倒いし。

 

……昔は二ヶ月なんて結構長い期間だったんだけどなぁ。今の生活って完全に人間辞めてるから、割とあっという間に過ぎる。毎日命の危機に晒されてりゃそうなるのも致し方無しってか。

 

さて、危機は去った。イビルの次は人間と、ある意味ラスボス手前な奴等と対峙した訳だが……。正直な所勝てる気がしない。

 

俺だって弱いとは言え草食竜位なら狩れる。今の所最強の攻撃方法はパンチだけだが、岩を殴り砕くその威力は本物だ。序でに言えば奥の手もある。まぁこっちは滅多に使えないが。

 

だが、それでも勝てないと理解してしまう程の力量差があるんだ。どうやら俺の目指す道は果てし無く遠いらしい。

 

でもなぁ……イビルや人間と比べてとか、基準がおかしいんだよな。それもしょうがないと言えばしょうがないんだが。

 

だって俺の他に生物居ないし。

 

一応草食竜辺りは復活し始めている。人間が立ち去った事を記念して、さっき仕留めた。……ただし、頭部は丸ごと消え去っているが……。

 

俺の言っているのはコレだ。昔は散々っぱら苦労してきた突進生肉が、たったの一撃で消し飛んだのだ。明らかに前よりは強くなっているだろう。

 

だがしかし、この程度のことはイビルにも人間にも可能なのである。下手すれば大型モンスターの殆どが出来るかもしれない。

 

そう、強くなるにしても、今俺がどの位強いのか全く見当が付かない。目的はあっても、道が無い。何をどうすれば強くなるのかがてんで解らない。…うぬぬ……。

 

 

……考えても無駄だなこりゃ。どうしよう?この火山を出て武者修行でもするか?もう手当たり次第にハンターやモンスターに喧嘩吹っかけて戦いまくる?……それは駄目だろ。せめて攻撃された後にやり返す位で無いと。じゃ無いと獣と変わらん。

 

うん、よし決めた。攻撃されない限りどんな敵も無視。勝てそうだろうが何だろうが、攻撃して来ない限りは戦わない。その代わり、攻撃されたら徹底的に叩きのめす。ブチのめす。相手が強かろうが弱かろうが古龍だろうがぶっ飛ばす。

 

今までは成長途中だったり、人間に見つかって無かった事もあって隠れながら生活してたが、それも辞めよう。其処はモンスターらしく堂々と行こうじゃ無いか。見つかったんなら、どうせ近いうちにハンターと戦う事になりそうだしな。

 

さて、今後の予定は決まったし、寝るか。

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