もんすたーな世界にもんすたーで転生?   作:ひなあられ

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長い…。



蒼き豪腕

お、来たな。

足音は4っつ。あのハンター達で間違い無い。

 

…休憩かなんかしてたのか?

やけに遅かったんだが…。

 

まぁいいや。

 

空気粘菌の配置は完了しているし、繁殖範囲も問題無い。

後は俺自身の準備だ。

 

雷撃粘菌を活性化状態へ。

…チャージ中…。

 

10…20…

 

「あれ?何処にも居ないぞ?」

 

「!?そんな筈は…。」

 

30…40…50…

 

「ねぇ、本当にここにいるの?」

 

「あぁ、間違い無い。

千里眼スキルだと、もう少し先の辺りに反応があるがな。」

 

「ならもう少し前に行ってみようぜ!」

 

60…70…80…100…

 

「…奴は穴を掘って行った…。

まさか!?」

 

「!?おい!ハンマー!今すぐそこを離れろ!」

 

「へ?」

 

…全身全霊渾身全力120%!

 

『雷撃』

 

いっきまーす!

 

右拳に溜めたエネルギーを解放しつつ、地表に向かって蹴り出す。

所謂、昇竜拳みたいな感じだ。

 

 

ーカッ!

ーーーーッッッォォォオオオンンンン!!

 

 

 

「グワァア!」

 

「ハンマー!

…ランサー!守り重視でハンマーを回収!

回復に専念させる為にネコタクを使え!」

 

「…了解!」

 

…完全に当たりはしなかったみたいだ。

まともに当たってたら、多分死んでただろうし。

ん?殺しに忌避感とな無いのかって?

 

今更だろ、それ。

 

確かに相手が人間な分、躊躇いは少しあるけどさぁ…。

初めの洗礼で大分慣れたわ。

起きて叫んだら親死んでんだよ?この世界の残酷さなんかとっくに理解してるし。

 

 

ジャギィとかじゃ無い分まだマシだけど、それでもかなり不便な体だからね、これ。

 

クック先生やヘタレウスみたいに火を使えないし、フルフルやラギアみたいな電撃も使えない(今は使えるけど…)。

ラージャンやドドブランゴみたいな器用な骨格も無いし、爪や牙による攻撃が不可能。

ビームみたいな明確な遠距離攻撃が存在しないから、距離を詰めて戦うしか無い。

 

…ほら、粘菌なんか霞む程の弱点がありまくりだろ?

 

更に言えば飯食う時も相当苦労してる。

爪とか牙とか手とかあれば、もっと何とかなったかもしんないけど、この体で獲物を仕留める時は相当SUN値を削られる。

…今までグロすぎてあまり語ってこなかったけど、相当ヤバイんだよ…。

 

初めての獲物(ウロコトル)の時はそれ程でも無かったせいで油断してた時があってね…。

うっかりアプノトスに粘菌攻撃を仕掛けちゃったんだよ…。

 

…結果?

 

うん、まぁ。簡単に言えば…。

 

 

臓物ブッシャア☆

 

 

だね。

即死させるなんて考えが無かったから、適当に横っ腹を殴りつけたのがいけなかった。

…背骨の砕ける感触と音。

拳が当たったところは、皮がズル剥けて真っ赤な筋肉と真っ白な肋骨がコンニチハ。

止めに粘菌が爆発して血、肉、骨、臓物が弾け飛ぶと言う酷い有様に。

 

ウロコトルの方は爆発に耐性があったのか、そこまで酷くは無かった。

ちなみに、曝発四散したアプノトスはスタッフ(俺)が美味しく頂きました。

悲惨だったけど美味しかったです。マル。

 

…と、まぁ、グロ耐性なら自信あるよ?俺。

それに命を奪う事が当たり前で、それが摂理だと納得してしまった俺は、人間を特別扱いして殺さないと言う選択肢が無い。

つーか、向こうから殺しに来てるのに、此方が手加減して殺さないと言うのも可笑しな話だ。

 

…悪意さえ無けりゃ襲ったりしないのにねぇ…。

 

食っても不味そうだし。

…防具?

死んで何日もたった上に薬品加工されたアレが美味い訳無いだろ…。

感覚的に言えば、ホルマリン漬けのカエル食うみたいなもんだよ…。

うぇ…体に悪そう…。

 

….さて、いい感じに大穴ぶち開けた事だし、戦闘開始といきますか!

…あのハンマーよく生きてたな…。

俺の通った所は溶岩みたいになってるのに…。

うん、流石モンスター(な)ハンターだな。

俺の常識を簡単に覆してくれるぜ!

 

「グルルル…(さぁ、かかって来いよ!)」

 

「…ヒレ!?あの時の奴と同じ!?」

 

「何を今更…。」

 

「…どうするの?」

 

「とにかく、この場を維持するのが先決だ。

お前は旋律に専念してくれ。

俺が前に出る!」

 

「わかったわ!」

 

 

お、ガンナーがメインみたいだ。

さてさてどんな手を打って来るのやら。

 

「ハッ!」

 

ドン!

 

…単発、発砲音、風を切る音からしてそれなりに重い弾。

弾の周りに何も無い所を見ると、徹甲榴弾か。

いやー、動体視力もろもろが上がるっていいねぇ。

弾が止まって見えるぜ。

 

殴り返す事は出来そうに無いな…。

なんか、返し?みたいな物が弾頭についてるし…。

ま、避けりゃ良いんだけど。

 

「グルッ(ヒョイッ)」

 

「…やっぱり弾の種類が解るのか…?

なら!」

 

バンッ!

 

…?何でさっきと発砲音が違…って。

散弾!?さっき徹甲榴弾撃ったんならリロードが必要…。

…あー、リミッター解除か…。

あれなら全弾フルリロード出来るもんなぁ。

 

「人の居る乱戦状態では使わなかった散弾だ…。

これなら…!」

 

甘い!甘いよガンナー!

砂糖菓子に蜂蜜とシロップとチョコレートをかけて混ぜ合わせたものより甘い!

火山地帯ではあまりの寂しさに耐え切れず、岩を爆破させて遊んでたんだ。

その際に覚えた技を利用すれば、散弾など、どうという事はない!

 

いくら散弾とて、全ての弾が同じタイミングでは飛んでこない。

腕に飛んで来た弾を弾道に沿って動かし、横にそらして行く。

この時、動かすのは左腕のみ。

雷撃粘菌を即爆モードに変え、弾が腕に触れた途端、雷が飛ぶようにする。

端の弾は横へ逸らし、正面の弾は叩き落として行く。

 

…即爆モードがなんなのかって?

それは…後で言うよ。…多分。

 

頭に来た奴は電磁バリアをかけているので当たりません。

徹甲榴弾とか通常弾になると当たりそうだけど。

 

…3、2、1!

 

「グラァァア!(ヨッシャア!全弾パリィ成功!)」

 

「つくづく規格外だな…。」

 

「グルルル…(油断しちゃあかんゼヨ!)」

 

さっき俺は"左腕"でガードしていた。

なら右腕は?

 

「…?右腕が…光って…?」

 

「グァッ!(ハッ!)」

 

 

左足を思いっきり踏み込む。

 

…地面が陥没したけど気にしない。てか、気にしちゃいけない。

 

そして右腕を前へ突き出す。

この時、左腕で弾くと同時に溜めていた右腕の雷撃粘菌を解放。

せいぜい50%位しか溜まって無いけど、威力は充分にある。

 

ズドンッ!

 

地面が半円状に抉れながらガンナーの元へ向かっていく。

雷が所々弾け飛び、空気の割れる音が響き渡る。

そんな実態のない攻撃の正体は、俺の拳から出た衝撃波だ。

 

…もはやブラキがしていい攻撃じゃ無い?

大丈夫。自覚してるから。

 

普通、ブラキの角と腕は中空状になっていて、そこに粘菌が繁殖している。

だけど、俺の拳は中空になって無い。

 

…角は中空状だよ?

 

原因は…あの転生者ハンターと戦った時かなぁ?

それか狂竜病にかかっていた時かどっちかだ。

あの時の記憶が朧げで、明確なものじゃ無いからなんとも言えないけど、拳を何度も負傷してた気がする。

粘菌をしっかり操れていたか疑問だし、搦め手を一切使っていなかったみたいだし、最後は本気で戦ってたし…。

 

何度も負傷している内に、拳の中空状の部分が潰れちゃったみたいだ。

…それが今回の衝撃波となっている原因なんだよ。

 

元々、動くだけで衝撃波が出ていたのに、そこに狂竜粘菌が合わさり、更に拳の密度が跳ね上がった。

粘菌自体のパワーアップのおかげで、少量の粘菌でも普通に攻撃可能。

これだけの要因が重なった結果、この衝撃波となったのだ。

 

「クソ…!回避が間に合わない…!」

 

「…ぬん!」

 

ズバンッ!…ビリ…ピシッ…。

 

「ランサー!」

 

「…大丈夫だ。先程の攻撃は防げそうに無いが、これ位ならば問題無い。

…それでも並の覇竜程はありそうだが…。」

 

 

ラ、ランサーがイケメン過ぎる…!

てか、衝撃波をガードってあんた…。

衝撃波だよ?普通の人はズタボロだよ?何でガード出来んのさ。

色々物理法則無視してるよね?…俺が言えた事じゃ無いけどね…。

 

まぁ、気を取り直して頑張りますか。

 

「オラァアア!」

 

「グラッ!(おっと危ない。)」

 

ヒョイッ

 

「ハンマー!大丈夫か?」

 

「問題ねぇっすよ!せいぜい全身打撲っすから!」

 

「おぉ、運が良いな!」

 

「全くっすよ。」

 

ちょ!?

ちょいちょいちょい!

今とんでも無い会話が聞こえたんだけど!?

せいぜい全身打撲!?普通動けないから!それ、車同士の正面衝突並の怪我だから!

…なんなの?このモンスター達…。

俺よりよっぽどモンスターじゃん。モンスターハンターじゃ無くてモンスターモンスターじゃん。

 

しかもどんな回復力!?

ありえねぇよ!レイなんとかさんと戦った時、角が完治するのに何日かかったと思ってんだ!

キノコ粘菌が出来た辺りでやっと完治してたんだよ!?

それをものの数分って…。

 

…うん、あまり考えないようにしとこう。

 

「かなり早かったが、どんな手を?」

 

「…ネコタクだ。」

 

「あぁ、成る程。」

 

 

…しかも一対多数にになっちゃったし…。

雷撃粘菌は攻撃重視。一発一発が強烈な代わりに、連射の効かない使いずらい粘菌だ。

その原因は雷撃粘菌の性質にある。

 

雷撃粘菌は部位によって役割が異なっており、末端が放電器官、口の中が発電器官、その他がバッテリーの様に電気を蓄えられる仕組みになっている。

 

んで、この放電器官が問題なのだ。

この放電器官…角以外自由に操作出来ない。

衝撃が加わらないと放電しないという性質を持っていて、逆に言えば自分の意思での放電不可能。

欠陥もいい所のポンコツである。

更に言えば、衝撃によって発動するので、溜めの最中に攻撃されると勝手に放電してしまう。

 

さっき言ってた即爆モード…もうわかっている人もいるかもしれないが、あれは弾丸が当たった衝撃を利用して放電、撃ち落とすと言う寸法だ。

溜めのいらない防御法として重宝するかもしれん。

 

粘菌が地面に付かないと言うのもここに理由がある。

電気を使うために、色々な所に粘菌を使っている分、地面に付着させる程の粘菌が存在しない。

近ずいてガチンコ仕掛けろ。と言わんばかりである。

そのくせ、一番遠距離攻撃し易い属性と言うんだから仕方がない。

 

…マジでレディオノイズ(欠陥電気)だな、これ。

 

まぁ、やりにくいと言うだけで、色々とやりようはあるんだけど。

空気粘菌の繁殖準備が完了して無い今、電撃粘菌本来の力が発揮出来ない。

ここは搦め手を使わせて貰うとしますか。

 

先ずは角から意図的に放電。

…角は出来るんだよね…。多分、一番粘菌の量が多いからかな?

角から出た電撃は、そのまま下へ…向かわずに、少し逸れた所へ着弾する。

…意外と近くにあったな…。割と運がいいんじゃ無い?この前は四回放電してやっと見つけたし。

 

着弾地点に腕を突っ込み、ある物を取り出す。

掴む事は出来るんだよ。地面に付かないだけで。

それを上に放り投げる。

 

「…何をしているんだ?」

 

「さぁ…。岩石?のようね。」

 

「いや…あれは鉄鉱石の塊だ。含有量が多いと言うだけで、殆ど岩石と変わりない物だな。」

 

「攻撃したほうがいいんじゃ無いっすか?」

 

「少し様子を見てからだな。

さっきのようにはなりたくないだろ?」

 

「う…そ、そうっすね。」

 

「ランサー、警戒を。」

 

「…了解。」

 

放り投げたそれを…殴る!

殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る!

 

「グラララララ!(オラオラオラオラオラオラ!)」

 

「「「「!?」」」」

 

殴るたびに電撃が飛び、最初の一撃で粉々になった岩石は、地面に落ちる事なく拳の連撃を浴び続ける。

何秒と経たない内に岩石が赤くなり、粉々に割れた岩石が一つの塊に変化する。

それは赤い円盤のようになり、高熱を放っていた。

 

そしてそれを…右拳で粉々に砕く!

 

「グラァッ!(フィニッシュ!)」

 

ドパァン!

 

赤い円盤は真ん中を打ち抜かれ、広範囲に四散する。

…準備完了!

 

「な、なんだったの!?あれ!?」

 

「俺に聞くな。」

 

「…随分と力の無駄遣いだな。」

 

「威嚇行為じゃ無いっすかね?」

 

言いたい放題だな…。

後で吠え面かくなよ!

そうこうしていると、ハンター達が動き出した。

ハンマーが正面から、笛使いが横から、ランサーが背後から、ガンナーが遠くから弾を撃ってくる。

 

…キノコ粘菌の時は粘菌が衝撃に耐えられず、100%の力は出せなかったが、今は違う。

一斉攻撃の難点は不測の事態に対応が追いつきにくい事。

この時点で最も予想外なのは…

 

「グラァッ!(ハッ!)」

 

ダンっ!

 

「んなぁ!?」

 

「…飛んだだと…!」

 

「皆!一旦離れて!」

 

角のチャージがまだ完了して無いので、正面からガチンコ勝負だ。

 

狙うのはランサー。

 

空中で前転を一回。回転の勢いを利用し、左腕を叩きつける!

 

ガゴン!バチィッ!

 

「ヌウッ!?」

 

すぐさま右腕で正拳突き!…っと危ない。

ガンナーの援護射撃か。

角にダメージを与える訳にはいかないので、一歩後退して距離を取る。

目の前を通過する弾丸。

単発、重低音、風切り音からして貫通弾かな?

横目で見る限り、反動もそれなりにあるようだ。

 

…チャンス!

 

すぐさま一歩前へ踏み込み、右腕を振り上げる。

 

「…来るか!」

 

…普通なら一回だけの振り下ろし攻撃。

機動力の上がった俺がそんな攻撃をするわけがない。

 

ブワッ!

 

「…!拳が…増え…。」

 

「ガァァッ!(オラァッ!)」

 

「…グゥッ!」

 

10発の連続振り下ろし攻撃。

仕組みは簡単。

通常の一発振り下ろし攻撃の間に10回拳を振るう。

ただそれだけだ。

…だからなんでガード出来んのさ。普通無理だと思うんだけど…。

お?角のチャージが完了したな。

 

「ランサー!」

 

うし、ガンナーも射程範囲内だ。

俺は頭を上に突き上げ、角の先にエネルギーを溜める。

 

三日前のあの時、粘菌が地面に付着しないと言う特性を持つ雷撃粘菌において、角の粘菌は使いようがないと思っていた。

 

…だって…地面で増えないから前方連続爆破が出来ないし。

 

で、どうにかしてこれを使いたいと思っていた矢先、目の前をカーグァが通り過ぎた。

…これ、最大まで溜めて一気に解放したらどうなるんだろう?

ふとそんな事を考え、やってみた。

 

結果。

 

木っ端微塵。

 

…つまり、雷撃粘菌の一番強い方法は頭突きである事になる。

俺は銀翼カラスじゃねぇ…。

というか、頭突きが必殺の攻撃なんて、見た目的にも使いずらさ的にもアウトだ。

そう考えて編み出したのが、今行おうとしている方法である。

 

…溜め完了。

 

「グラァッ!(放電!)」

 

パチッ…バーーーーーン!

 

雷が落ちたかのような音が響き、空気の焼ける匂いが辺りを漂う。

所々で爆発が起き、草花が火花を散らす。

 

「キャアッ!」

 

「…グアッ!」

 

「ランサー!笛使い!」

 

「俺が回収に行くッス!」

 

「任せた!…こっちを向きやがれ!」

 

ダンッ!ダンッ!ダンッ!

 

「グル!グラッ!グル!(ほいっと、よっと、ほっと!)」

 

当たらんよ。

あ…殴り返せばよかった…反省。

 

それにしても…あいも変わらずとんでもない威力だ。

今のは、辺りに飛び散った鉄鉱石の塊を利用して、雷撃を広範囲に撒き散らすと言うものだ。

俺の拳を受けた鉄鉱石は磁力を帯びる。

そこに向けて雷撃が飛んで行く。…基本的にランダムだから、狙い撃ちは出来ないのが難点かな?

 

…そろそろ止めと行きましょうかね?

実戦でも充分使える事が分かったし。

ついでに空気粘菌の準備も完了したし。

 

…さあ、ラストスパートだ!




最近、やたらと文章が長引いてしまいます…。
この回も二回に分けれれば丁度だったんですが…切るタイミングがありませんでした。すいません。

ブラキさんの心情にも大分変化が起きていますね。
死に対する考え方が変わっただけで、性格はかわっていないようですが…。

この回で起きている様々な矛盾は次回で解決するつもりです。
…解決…出来るかなぁ…。


蛇足:

ブラキ「貴方にアツアツで真っ赤な殺意をお届け☆
ブラハット!」
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