前回より少し長めです。
…ファァア…。
ん?なんか暗い?
…おっかしーなー。昨日はちゃんと寝…てないね。
unknownさんに吹っ飛ばされて、ダイナミック着地したんだった。
目の前は壁?…いや、きのこか。
横は…なんだこの落書き?猫?
上は…巨大な竜の肋骨の部分が、俺の形にくり抜かれているついでに、そこから綺麗な満月が見えるね。
誰か突っ込んでくれ、お願いだから。
「ニャーニャ?(お目覚めですかな?)」
「グォウ!?(誰だ!?)」
ちょ、どこに居るし。
声が聞こえてくるのに姿が見えないんですけど。
軽いホラーだわ。
「ニャニャ(貴女様の足元ですよ)」
「…グルル(…メラルー?)」
「ニャ(いかにも)」
…何気に猫を初めて見た。
火山とか水没林とか砂漠とか結構居そうな所に居たはずなんだけど…。
てか、おい。
貴女様って…俺は男だっつーの。
この部屋をきのこだらけにしてやろうか。
…こいつは長老とかの類いなのか?杖ついてたりしてるからなんとなくだけど。
「グルゥ(人型の方がいいか?)」
「ニャ?ニャー(人型になれるのですかな?ならばそちらの方がよろしいかと。)」
人型の方がいいみたいだ。
こいつらって人間と近い存在だから、話術の心得とかありそうだし。
人型になった途端、上からギターとアンプが降ってきた。
イビルを埋めようとした時に経験済みな為、一旦避けてからそれらを受け止める。
…あの時は痛かったなぁ。
「ほいっと。」
「ニャ?(それは?)」
「ん?ただの趣味だ。」
「ニャ。ニャーニャ(そうですか。ならば気をつけていて下さい。子供達が悪戯に盗むかもしれませんから。)」
「お、おう。…まぁ、盗むなんて出来そうに無いけどな。」
「ニャ(それは頼もしいですな)」
…何か勘違いしてるようだけど、これを持つことは猫に出来んだろって事なんだが…。
このギター、かなり重い。
鈍器として使っても遜色ない程に重い。
ていうか、今現在も軽く地面にめり込んでるし。
俺?…紙を持っているかのようだよ。
どんだけ筋力ついたんだか。
「ニャニャ?(人語の理解がお有りのようですな。こちらも人語で話しても構いませんかな?)」
「どうぞ。」
「では遠慮にゃく。…貴女様はどうしてこちらに?」
「…ちょっと色々あって空中散歩してました。」
「にゃるほど。訳がわかりませんにゃ。」
「…それで…って、わかんないのかよ!?」
「わかれという方が無理があるかと思いますにゃ。」
「なら相槌打つなよ…。詳しく言えば…かくかくしかじかだな。」
「にゃるほど、わかりました。」
「いやー、説明が難しくて…って、こっちはわかるのかよ!?言っといてあれだけど、わかったんだ!?」
「大体は。最終鬼畜系妹並みに強い黒いヤンデレイアに追いかけられたと言った所ですかにゃ?」
「大体あってる!?しかもなんでネタが通じてんの!?」
「慣れですにゃ。」
「…もうやだこの爺さん…。ネタをネタで返される…。」
「年の功、と言うヤツですにゃ。」
「猫程度が何年生きれんだよ…年の功もへったくれも無いって…。」
「ざっと五百年生きてますにゃ。ナズチ三兄弟がナズチ三姉妹になる過程も見ておりますにゃ。」
「どんだけ生きてんだし。俺なんかまだ一年経ってねぇぞ。」
「そちらの方が驚きですにゃ。若すぎですにゃ。」
「色々あったんだよ。…で?なんの用だ?」
「用、とは?」
「なんで俺が寝ている間に拘束とかし無かったんだって事だよ。
ここはどう見てもお前らの住処だろ。そこを滅茶苦茶した俺を捉えるのは当然の事。
なのになんでそれをし無かったんだ?
そう言うのって大体何かあるだろ。」
「…疑り深いお方ですにゃ…。
普通、空から降ってきた上に気絶した方を、無闇に拘束しようとなど思いませんにゃ。
どんな環境で育ったんですかにゃ…。」
「あり?お咎め無しか。ラッキー。」
なんだ杞憂だったか。よかったよかった。
俺の常識からすると、自分の家を壊した輩は容赦無くぶちのめすからな。
理由?んなもんあとからいくらでも…ゲフンゲフン、聞いた後で謝ればいいんだよ。
…あれ?もしかして俺が間違ってる?
「まぁ、少々被害もありましたが、殆どこちらの失態で起こったものなので、気にすることはにゃいですにゃ。」
「というと?」
「まず、大工の芳吉が腰を抜かして治療中ですにゃ。あと貴女様の粘菌を剥ぎ取ろうとした不届き者が爆発して治療中ですにゃ。」
「何に使うつもりだったんだろ…。」
「鉱山で働くオトモに売り捌こうとでもしたんじゃないですかにゃ?」
「世知辛いな。
あ、爆発したメラルーに言っといてくれ。下手すりゃ毒と麻痺と睡眠と龍属性やられと雷属性やられになるついでに、時間が経ったらきのこだらけになるかもしれないから気をつけてくれって。」
「…それは「大変にゃ!」」
「にゃにごとにゃ?」
「先程、盗みを犯した者から大変奇妙な症状が出たにゃ!
今すぐここを閉鎖して新天地を目指すにゃ!
このままじゃ全滅にゃ!」
「あ、そうそう。どう足掻いてもたかだか粘菌だから、ほっとけば勝手に消えるぞ?
毒もそんなに強いもんじゃ無いしな。」
「…ドクター、落ち着くにゃ。その者には普通の風邪と同じ処置をするにゃ。そんなに慌てなくてもいいにゃ。」
「にゃ!わかりましたにゃ!」
なんかちょっとした騒動になってるなぁ。
俺が寝ている時は、粘菌の操作なんざろくに出来ないから、三つの粘菌が混ざったりするんだよ。
寝起きに粘菌使うとえらいことになるのは経験済みだ。
主に威力と混沌的な意味で。
「貴女様はにゃかにゃかの実力者のようですにゃ。
失礼ですが、古龍と戦った経験でもおありですかにゃ?」
「いや、全く?あえて言うなら三匹の古龍を纏めてクレーター送りにしたぐらいだ。」
「十分過ぎるですにゃ…。
所で、この後何かご予定はありますかにゃ?」
「うーん…。一応あるには有るんだけど…。
なぁ、ここに黒くて鱗粉を撒き散らす奇妙な竜が来なかったか?俺はそいつを探しているんだが…。」
「残念ながら、見たことも聞いたこともありませんにゃ。」
「そうか。ならいいや。
だとするとこの後の予定は一切無いな。」
「にゃにゃ。にゃらここに泊まっていきませんかにゃ?
寝床なども用意いたしますにゃ。
ここにしばらくいるのにゃら、その間の寝床も確保いたしますにゃ。」
「そりゃまた親切な。
何か理由でもあるのか?」
「…にゃ。実はこの辺りで二匹のラージャンが大暴れしているのですにゃ。
今日の朝から始まり、日が沈むまで戦って両者共に力尽きたにゃ。
ラージャンは古龍様ですら手に余るヤツらにゃ。
それが運悪く二匹同時にこの地に現れ、壮絶な大喧嘩を始めたにゃ。
しかも、どちらも同じ程の実力があって、決着がつかない状態になってるにゃ。
今は疲労して寝ていますけど、いつ起き出して戦い始めるかわからんのですにゃ。
そんな騒動の最中に貴女様を送り出すのは少々心苦しい所があるにゃ。」
「そりゃまた物騒な…。そう言う事情があるのなら此処に泊まっても悪い事は無いな。
しばらくお世話になるわ。
よろしく。」
「こちらこそよろしくですにゃ。
実を言うと此処が貴女様のお部屋になるのですにゃ。
ベットなどは後で運び入れておきますにゃ。」
「了解。」
「では何もにゃい所ですが、どうぞごゆっくりお休み下さいにゃ。」
「うん。ありがとう。」
「それでは。」
…さーて、どうしたものかね?
嘘をついているようには見えなかったし、多分本当の事なんだろうな。
ラージャンねぇ…。
俺なら簡単に倒せそう…いかんいかん。
ここ最近、戦闘狂みたいなことしかして無いから、なんと言うか…戦いたいって言う気持ちが大きくなり過ぎてる感じがする。
いや、イビルを食ってからまともな運動して無いせいで鬱憤が溜まっているのか。
イビルを食った分、筋力と体重が増してる気がするし。
後は…。
グギュルルルルーー!
…これだよなぁ…。
お腹すいた…。
今まで古龍化の影響で、食欲が皆無だったんだけど…イビルを食ってから食欲が復活した。
黒いゴキブリモドキの時みたいにヤバい感じでは無く、元の食欲だけが戻ったって感じだ。
通算六日以上何も食べて無い計算になるので、そりゃ腹も減る。
なんとかして食料の確保…と言いたい所だけど、話によればラージャンが暴れ回っている。
当然肉なんざ既に食われているだろうし…どうしたものかねぇ。
…まぁ、後で考えますか。
アイルーいいですよアイルー。
作者はメラルー派ですが。