「…うわぁ…。」
「なんじゃ小僧。そんな嫌そうな顔しおって。」
「いや、だって…この格好でここ通るのか?
はっきり言って目立ち過ぎるぞ。」
「…ふむ、そういうものですかな?
私にはさっぱり理解できないのですが。」
「お前はまだいいよ。
馴染んでは無いけど変では無いから。
だけど俺らの格好は流石にまずいだろ。」
「そうなんですか?」
「何よりもお前が一番の問題だよ!
馴染む馴染まない以前の問題外の外だこの野郎!」
あの衝撃的な出会いから少し経ち、俺たちは地上のバルバレと言う所に来ている。
地上に出る時は、上にいる人間を全て眠らせてから出る事が出来た。
それを可能にしたのはゴグマジオスさんの力。
なんでも重油に似た体液をもち、それらを操る事が出来るんだとか。
さらに体内にある発熱機関を持ちいることによって重油を気化させたり、熱した重油を放つ事によって強大な爆発を起こしたりする。
その中にある重油を気化させる能力によって、地上にいる人間を昏倒させ、誰にも気付かれる事なく外に出れた。
通った跡はとんでもなく大きい穴が出来たけど、そこはラオ爺の力によって塞がれた。
うん、古龍に立ち向かう人間の気が知れないわ。
どうやって戦ってんだよ。
さて、ここで俺たちの服装を紹介しよう。
先ずは俺。
前回の擬人化と比べると、更に変化が起き、それなりな見た目にはなっている。
黒い絹の半袖シャツと黒い革の長ズボン。
装飾は一切なくなり、ジャラジャラと煩かったチェーンや銀の髑髏ベルトも無くなった。
代わりに無骨な黒革ベルトになっていた。嬉しい。
靴は普通の黒い靴に。素材は…なんだろうね?少なくとも革では無いと思う。
そして相変わらず存在する黒革コート。
こちらも装飾品が全て無くなり、無駄にあったポケットも一切付いてない。
形は長袖のフード付き。足元に向かうにつれてフワリと広がっている。
髪型に至ってはブラキディオスらしさの欠片も無いストレートに変化。
黒髪の中にうなじから生えた紅い髪が混じる事なく伸びている。
武器群はロープとサバイバルナイフになり、腰のベルトにぶら下がっている。
ケースすら無いってのは驚いたが。
ギター諸々は別空間へ。何気に重いんだよアレ。
顔?ケッ!俺はどうせ女顔だよ。
てか、女顔度が上がってるような気がする…。
別にフードで顔隠せばいいんだけどさ。
次にグランさん。
スーツである。以上。
…ハイハイ、真面目に説明しますよこんちくしょう。
外のスーツは紅みのかかった紫。中のシャツは紅いストライプ。
ネクタイは無く、少し着崩したホストのようだ。
俺とは正反対の髪の毛の色で、単発のスポーツ刈り。
そしてイケメンである。
死ね。そして爆発しろ。
まぁ、服装的にはまだいいかな。うん。
次はラオ爺。
もう…呂布でいいんじゃ無いかな…?
誰か赤兎馬持って来いよ。
服装は兜無しの武者鎧。
基本は黒だが、縁取りや紐に白が使われていてメリハリがある。
白髪なのか地毛なのか知らんが、それなりに長い髪の毛を無造作に後ろで括っている。
髭はない。
そしてナイスミドル。イケメンとは少し違うな。よし。
因みに薙刀を左手に持ってます。いるのかそれ。
そして…ゴグマジオスさん。
これは突っ込みどころが多過ぎて…なんか…うん…。
先ず、顔が見えない。
黒いと言うか、光の当たり具合によっては群青色に見えると言うか、緑暗色に見えると言うか…。
そんな感じの髪の毛が貞子のごとく伸びており、顔が全く見えない。
服装はボロッボロの何かを着ており、辛うじてそれがドレスの成れの果てだとわかる。
因みに色合いは髪の毛に似ている。
そして…拷問器具を模したような拘束器具。
足枷手枷首輪頭枷、左足に棘付き鉄球が繋がれており、全ての拘束器具に、外側に向かって伸びる棘が付いている。
勿論、色合いは例のあの色だ。
…ここまで酷い擬人化初めて見た…。
そんで多種多様、しかしどれを取ってもこの空気に不釣り合いな四人組が大通りを堂々と歩く光景…。
うん、不自然過ぎて頭が痛い…。
「…はぁ…。もういいか…。
で?お目当ての友人って何処にいるんだよ。」
「むむ…気配を消しておるのぅ…。
じゃがまだまだ甘い。その程度なら直ぐに見つけられるわ。」
「…えー…アレ…?怪しさ満点だろ…。
『霞三姉妹の魅惑の店♡』?どう見ても地雷だな。」
「おお、アレがわかるのか!やるのぅ!」
「…いや、龍脈の扱いズタボロだとか、香水の匂いで丸わかりだとか、そもそも表に使ってる幻覚がケバケバしいとか抜いてさぁ…。
嫌な気配がビンッビンなんだよ。
見ろよ俺の髪の毛!鳥肌が立ち過ぎてヤマアラシみたいになってんだぞ!?」
「フードで見えんわい。」
「…ソウデスカ…。」
うんヤバイ。
あの店だけはヤバイ。
何がって嫌な予感しかしないって所がヤバイ。
もう希望が見えないレベルだよ…。
ついでに…前世の記憶的にもヤバイ。
何故だろう。あそこに入ったら凄く大事な物を失った記憶が蘇りそうだ。
記憶が蘇る事は良いことなんだろうけど、こればっかりは御免だ。
第一、最初に蘇った記憶が失った物とか嫌すぎる。
「…匂う…匂うわん…。
超美少女の芳しい匂いがねん…。」
…ビックゥ!
「…ヒィ…!」
「お、なんじゃ?そんなに怯えおって。
安心せい。根は良い奴らじゃ。」
ヤバイ…ここはもう既に街中。
擬人化を解いて逃げ出す訳にはいかない…。
「感じる…感じるわ…。
綺麗で可憐で、でも獣のように猛々しい最高の逸材の存在を…。」
「…」
「…どうかしましたか?私の影に隠れてもあまり意味はありませんよ。」
取り敢えずゴグマジオスさんの影に隠れる。
野郎に抱きつく趣味は無いし、守ってもらういわれもない。
あと、この人ならあのモンスターを眠らす事が出来る…筈だ。
あ、ヤバイ。なんか自分で無意識に否定してきた何かが崩れていく感じがする…。
「…聴こえる…聴こえるわよ…。
優美で優雅な、最高の声の持ち主の声が…。」
…イヤダ。オモイダシタクナイ。
オレハ、オレハ…。
「「「見つけた(わん)(わ)(わよ)」」」
…
……
………
…………………
………………………………………
…そうじゃん。俺の前世の姿、アレ、俺の兄貴じゃん。
俺があんなフツメンな訳無いじゃん。
黒髪で、やる気無い黒眼だけど整った顔立ち。
それが俺の前世の姿だと思ってたけど、そんなわけ無いよな。
あまりにもオタクっぽい没個性だったから、それで納得してたよ…。
俺の前世の姿、それは…。
「「「あぁん♪怯えた姿もたまらないわぁん♪」」」
どっからどう見てもチビロリな男の娘だったよコンチクショウ!!!
「いつからブラキさんをフツメンオタクと錯覚していた?」
「なん…だと…?」
鏡男水女!
…とまぁ、ネタは放置して…。
ついに発覚したブラキさんの前世は男の娘でした。
この辺りは予想出来た方もいらっしゃるのでは無いでしょうか?
伏線的には、
1、ブラキさんの明確な前世の記憶が一切出て来ない。
2、本物のオタクはリア充爆発(物理)を実行したりしない。
3、ブラキさん自身、あまり変化に戸惑っていなかった。
4、オオナズチ三姉妹に対する異常な憎悪。
などがありました。
…まぁ、作者の糞みたいな文章力では、わかる人もわからないと思いますが…。