もんすたーな世界にもんすたーで転生?   作:ひなあられ

54 / 87

遂に物語が動きます。
いやぁ…長かった…。



拡大する闇

「…何この状況…。」

 

「おぉ、あん時の坊主か!

いやぁこんな所で会うとは奇遇だな!」

 

「…」

 

なんぞこれ。

ティガのおっさんに再会できたのはいいけど、何この状況。

竜にそんなもん流れる訳無いのだが、全身から脂汗を流し、何処か怯えた目をしたおっさん。

その背後に謎の木の柵。

時通り殴打音と叫び声が聞こえる。

具体的に言うと『ネエ、ネエネエネエレックス?ソノオンナハダァレ?ワタシニダマッテウワキ?ウワキナノ?ウフフ♪ソンナワケナ…』…ここから先は俺の精神衛生上よろしく無いので控えておく。

 

「…やっぱ気になるか?この中身。」

 

「いや、正直聞きたくも無い。

まぁ、でも、木の柵の間から黒い瘴気が見えてる時点でなんとなく察しはつくね。多分それおっさんの奥さんだろ。

しかも狂竜ウイルスにやられちゃったって所か?」

 

「流石坊主。頭がいい。

その通り。これは内の嫁のリーロックと言うんだが…。

見ての通り豹変しちまってなぁ…。

打つ手も無いからこうやって閉じ込めてるって訳だ。

今んとこ解決策もみつからねぇし…ここから移動する事も出来ねぇ。」

 

「子供は?」

 

「お前さんの頭の上に避難してる。

気付かなかったのか?」

 

「んぇ?」

 

「ギャギャウ♪」

 

「…なんで毎度毎度俺は子供に好かれるんだ…。

おら降りろ。お父さんのとこに行け。」

 

「ギュゥゥ…。」

 

「…はぁ…。わかったわかった。降参だ。

その代わり粘菌に触れるんじゃねぇぞ?今の俺の粘菌は危険な物しかないからな。」

 

「ギュウッ!」

 

さてさて、これはどうしたもんか。

おっさんの焦り様からして、まさか妻がこのウイルスにかかるとは思っていなかったんだろう。

言葉を理解し話す竜の殆どは通常と違い、強力な力を得ている。

だというのに狂竜ウイルスにかかっていると言うことは、感染域が急速に拡大していることを表している。

かく言う俺もかかった事もあるし、別段不思議な事では無いんだが…。

 

この違和感は何だ?

 

力の弱い者からかかっていき、やがて強力な個体も犯される。

それは確かにウイルスにありがちな事なんだけど…。

狂竜ウイルスは変異しない。いや、出来ない筈だ。

 

俺の粘菌は置いといて、あのゴキブリが撒いていたウイルスは鱗粉のような何かだった。

ばら撒かれたウイルスが変異すると言うことは、ゴキブリ自身が進化しないといけない。

だけどそれはかなり効率の悪い作業になる。

そんな事が出来るなら、最初っから強力な竜でもかかるウイルスをばら撒けばいい筈だ。

 

だと言うのに、ゴキブリの撒いたウイルスは段々と強力に、その効力も増している感じがする。

実際この旧砂漠にくる過程で、感染したモノブロスと会ったんだけど、そのパワーは砂漠で会ったディアブロスに匹敵していた。

まぁ、俺の甲殻を貫く事も叶わないどころか角の方が折れ、更に俺の粘菌が付着したせいで盛大な花火を咲かせて絶命したけど。

 

そして…黒い龍脈が強くなっている。

俺はその龍脈を使う事は出来ないが、ウイルスから変異した粘菌を持っているせいか、その龍脈を見る事が出来る。

古龍達に聞いてみたが、そんな物は見えないと言っていた。

つまり、この龍脈は何者かが隠蔽した物である…筈だ。

もしくは龍脈とウイルスには何らかの関連性があるのか…まさかね…。

 

まぁ、今はおっさんの奥さんをどうにかするか。

古龍会議の時に相当お世話になったし。このぐらいは何か協力してやらないとね。

とは言っても何していいかわからんけど。

 

「…取り敢えず、ハンターに見つからない所まで移動させようか?俺の粘菌だったらそう言うのも出来るぞ。」

 

「おぉ、助かるわ。付いて来い。こっちに未知の樹海に続く地下道がある。あそこならハンターも見つけられないだろう。

治療法はそこで話し合おうか。」

 

「了解。」

 

ーーーーーーーー

 

「ザギャァアアア!!(遠隔咆哮!)」

 

「グルァァァアアア!!(大☆爆☆発☆)」

 

「「「ぎゃぁぁぁあああ!?」」」

 

おっさんの咆哮が三人のハンターを薙ぎ払い、俺の粘菌による遠隔爆破によって黒焦げになりながら空に打ち上げられる。

あ、おっさん。岩投げるのはやめたげたら?

しかも両手使っての超特大なヤツ。

 

「ザギュァァアア!!(内の嫁に手ェ出してんじゃねぇぞ人間共!)」

 

「…グルルゥ(おっさんェ…)」

 

ブンッ!

 

「「「ヘブシッ!?」」」

 

あ、ネコタクだ。

つまりはアレで三乙って事ね。

うわぁ…誰が勝てんだよこれ…。やった本人が言うのもアレだけど、ここまで見事に三連撃叩き込まれるとか、トラウマ物だろ。

 

「よし、こんなもんだろ。

暫くはここに人間はこねぇ。拠点にするにはぴったりだ。」

 

「そうだな。まぁ、時間が経つと強力なハンターが来るからなんとも言えないけど…。」

 

「その前に治療法を探すぞ。

今更だが悪いな。こんな事手伝って貰っちまって。」

 

「いいよそんな事。俺だって恩返ししたいし。

俺はそこら辺の薬草とかを探してくるわ。

もしかしたらウイルスを抑えるなりなんなりするものがあるかもしれんし。」

 

「わかった。俺はリーロックの様子を見とく。

…子供は任せた。俺も出来る限りの事はするが、保証はできん。俺も感染したら…わかるな?」

 

「あぁ。こいつ一応雌だろ?気が進まないが、あの三姉妹の所に預けるわ。

それでいいか?」

 

「…よろしく頼む。」

 

「…頑張れよ。おっさん。」

 

これ以上はフラグになりそうなので、さっさと薬草を探す事にする。

狂竜粘菌を使って探せば、結構簡単に見つかると思う。

なるべく良質かつ大量の薬草を取って来るか…。





ブラキさんの復讐編が終わり、今度は黒い瘴気編へ。
この物語も終わりが近づいて来ました。
どれ位続くかわかりませんが、これからもよろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。