…んー…これ、助けたほうが良いのか?
「シュゥルルル!(クソ!奇っ怪な力を!)」
「ハッハァ!オラいい加減ふっ飛べよ!」
ブワッ!
「シャガゥッ!(グアッ!)」
なんか…こう…黒くてビリビリするクシャルダオラに若干似てる竜?古龍?
龍脈的には古龍だけれども、遠くからだとわからん。
そいつが四人のハンターに襲われてるのだ。
しかも転生者っぽい奴らに。
一人は一方○行か?攻撃を全部跳ね返して、黒い翼を生やして戦ってるな。…蹴っただけで竜巻並みの暴風が起きるのかよ。あの龍はなんとか耐えてるみたいだ。
もう一人は…ギルガ○ッシュの『王の財宝』?武器を射出してるし、爆発を見た所、自然な爆発では無さそうだし。
後の二人はよく分からん。
一人は日本刀を持ち、そこから炎を出して斬りつけている。日本刀を扱う者として意見するけど、それ意味あんの?熱いし、視界は揺らぐし、振り方によっては自分に当たるし、余計なエネルギー使うし、良いところなんて一つも無さそうだけど。やるなら氷とかにすればいいのに。
もう一人は…光?うん、これもよく分からん。
光になって攻撃を受け流したり、レーザー放ったりしてる。
でもなんで爆発?レーザーの真骨頂は焼き切る事でしょうに。ムギのんを見習えムギのんを。
「あれはルコディオラ!?もしや開拓地に入ってしもうたのか!?ぬぅ…早過ぎるのも考えものじゃのう。」
「グゥ…(能天気お転婆娘め…。)」
「聞こえておるぞ。」
「グァ(スンマセン)」
ルコディオラねぇ…。
うん?砂鉄があの龍に引き込まれてる?
へぇ…磁力を操るのか…俺も真似してみようかな?
雷撃粘菌だと、大雑把な放出しか出来ないせいで、レールガンとか放電が精一杯だしね。
あの龍の龍脈の使い方を見れば、何かヒントがあるかもしれない。
「キュォォォオオオ!!」
「ハッ!効かねぇよ!」
「熾天覆う七つの円環!」
「流刃若火ァ!」
「剃!」
…だーめだこりゃ。
全然参考になりゃしねぇ。
俺の雷撃粘菌と違って、純粋に磁力を操ってら。
ナズチ三姉妹の時に立てた仮定が見事に命中してる。
龍玉に龍脈エネルギーを流し込んで、そこから発生するエネルギーを角に送り、制御しつつ放出。
力の流れ方が違うんじゃ、真似のしようがないよ…。
てか、大丈夫か?あの龍。
あいつの戦い方を見ると、普段はハンターの行動を阻害しつつ戦うようだけど、あいつらにはこれっぽっちも効いてないぞ。
しかしあれだけ攻撃受けてんのに、よく倒れないな。
普通なら一撃でアウトだぞあんな攻撃。
…あ、転生者のほうね。誰が人の応援するんだよ。それも胸糞悪い奴らの。
「お主…助け無いつもりかの?」
「グアゥ(お前がいるんだからしょうがないじゃん。)」
「む!?聞き捨てならんの!妾が弱いと言いたいのか!?」
「グアアァ…(いや、そうじゃなくてだな。)」
「ならなんだというのじゃ!」
「グルルル…?(俺が本気で動くと、捕まってられないと思うぞ?)」
「む…それもそうじゃの…。
うぅ…妾が大人であれば、造作も無い事だというのにのぅ…無念じゃ。」
今更だけど、このメイドとなんか意思疎通出来てます。
理由は知らん。本人によれば、血筋がどうのこうの言ってたな。メイドに血筋もクソもあんのかね?
「グアァゥ(大体、助けるとか可笑しいだろ。)」
「何故じゃ?」
「ググアゥ(いや、人が竜の味方していいのかよ。普通しないだろ。)」
「ふんっ!そんなものは人の偏見じゃ!
お主のように誤解された竜はこの世に沢山おるが、その本質を見抜く人はごく僅かじゃ。
竜はこの世の理を見抜くが、人は何も見抜けぬ。
いつ何時でも愚かな戦いを繰り広げておる。全く嘆かわしい。」
「グルァウ(ふーん。じゃあ人の可能性はこの先無いと?)」
「まぁ、そうじゃの。
人が居なくとも、竜はこの世に生き続けるに違いないわ。
じゃが…。」
「グゥ?(じゃが?)」
「竜が残った…いや、残ってしもうた世の中はきっと…。
随分と退屈な世界となるじゃろうな。」
「グアッ(ハハッ、そうだな。うん、きっとそうだ。)」
…結構深い考え持ってんだな。
何かこう…カリスマ感半端無いぞ。
まぁ、置いていこうとしたら涙目になってたし、そこら辺は年相応なんだろ。
でもこれだけの価値観をサラリと言えるって事は、それだけの物を見てきたことに他ならない。
「まぁ、人の居らぬ世界など、妾のいる内は絶対にあり得ぬがの。
子供の空論じゃ。気にせんでもよい。」
「ググゥ(なーんだそりゃ。少し信じちゃったじゃん。)」
「ククッ。妾の演説に初めて共感してくれた者が、人ならざる者とは。相変わらずこの世界は面白い。
やはりお主は妾のペットになるべきじゃ!」
「グガゥッ!(なんでそうなる!)」
「冗談じゃ冗談。
…む…どうやら向こうは冗談で済まなくなってしまったようじゃぞ?」
「グガァ?(んー?)」
ありゃりゃ、もう瀕死じゃんか。
あのチート共には流石の古龍も勝てなかったか…。
これも自然の摂理…じゃないな。
かなり胸糞悪いね。うん。
「むむ…本当に助けに行かんのか?
あのままでは死んでしまうぞ?」
「グルゥ(だからお前がいる内は無理だって。)」
「…のう、お主。
妾の足元を固定する事は出来ぬか?
ほれ、この樹木のような物を使って。」
「グルルル?(んぁ?そりゃ出来るよ?それが?)」
「お主のこれを使って妾を固定し、その上で妾が戦えばよかろう。
こう見ても妾は強いんじゃぞ?
足手纏いにはならぬ。やってくれぬか?」
「…グゥル(…いや、だからやんないって。俺の首筋で少女がスプラッタとか、勘弁して欲しいし。)」
「…頼む。妾はあのように竜を殺す輩が許せんのじゃ。
人と竜の戦いは対等であってはならない。
必ず竜が上でなければならないのじゃ。
それを人が下す事にこそ意味があり、それは巡りてお主らの得となる。
最近増えてきたあやつらは、その尊い巡りをまるで遊びのように壊して行く。
妾にはそれが我慢ならんのじゃ。
だから…。」
「グゥル?グルルル。グァウ。(なんからしくないな…。そんな堅苦しい口上じゃよくわからんわ。もっとこう…スッパリした結論ないの?)」
「スッパリ…のぅ…。
ふむ。
あのムカつくゴミ共を潰したい。協力しろ。
これでどうじゃ?」
「ググアゥ(おぉ、めっちゃ分かりやすい。)」
「…それで…そのぅ…協力…してくれんかの…?
やれる報酬なぞ、何もないがの…。」
「…グルルル。(…まぁ、いいか。お前がそこまで言うんなら協力するよ。さっきの演説も面白かったしね。)」
「ほ、本当か!?
よし、直ぐに出発じゃ!
ほれ、早くせんかい!」
「グゥル…。(俺、子供に振り回されてばっかだなぁ…。)」
「何か言ったかの?」
「グルルル(いや、なんでもねぇっす。はい。)」
…なんだかんだでまた面倒事に…。
まぁ、俺自身、あいつらに地獄をみせてやろうかと策を練ってたし、メイドの事あんまり強く言えないんだけどね。
守りながら戦うのは…うん、なんか色々慣れた。
多分、失敗する事は無いかな…。
それに、もうそろそろメイドの迎えが来てもいい頃だし、振り回されるのもこれが最後になるだろ。
さーて、あと一仕事頑張りますかぁ。