もんすたーな世界にもんすたーで転生?   作:ひなあられ

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過去に響く思い

ドガッ!

 

「ぐっ…!」

 

「ハッ!王女程度が俺らに逆らってんじゃねぇよ。」

 

「ったく。散々手こずらせやがって。」

 

「どうする?殺っちゃう?」

 

「いや、仮にも王女だしな。

このまま届けて金貰った方がいいだろ。」

 

「こいつはどうする?」

 

「そいつは適当にぶっ殺して素材でも売り捌こうぜ!

闇た持っていきゃ、いい値段で売れるだろうよ。」

 

…どうも。転生者にやられちゃったクロです。

メイド改め王女は転生者に囚われ、俺は鎖に縛られて放置プレイだわ。

はぁ…。

 

しかも左腕と尻尾を斬り飛ばされましてね。

出血多量で死にそうです。狂竜粘菌が頑張って血を抑えてくれてますがね。

 

こうなった原因は、転生者が力を抑えて戦っていた事に気付かなかった事。

一時までは、俺の毒キノコ乱舞で優位に立っていた。

いやぁ…まさか毒キノコが効くとは思いにもよらなかったね。

あのハンター達は息止めるとか訳ワナメな芸当を披露してくれたけど、こいつらは反射に頼るしか無かったみたいだ。

俺の毒キノコは三種類もある。その毒を反射するのは至難の技だったみたいで、みるみるうちに追い詰めたんだよ。

だけどまぁ…火を出す刀を持った転生者が、本気を出して全部焼き払っちゃったんだよね。

卍解とかなんとか言ってたわ。それが熱いのなんのって。

その時から劣勢になってね…。

 

背中に向けての攻撃は全部王女が払ってくれた。

本人曰く、「モンスターに効くような攻撃は得意では無いけど、人相手なら負けない。何故なら王宮戦術は人相手の術だから」だそうだ。

それを聞いて、火を出すヘタレ第三皇子を思い浮かべた俺は悪く無い。

 

まぁ、奮闘虚しくこの鎖で縛られちゃったけど。

 

酷いことするよなぁ。

鎖で縛った後、尻尾を光の転生者に切られ、腕を火の刀を持つ転生者に斬り飛ばされ、角を一方○行もどきに蹴り砕かれた。

その後、王女は縛られて地面に転がされ、俺は宙吊り状態だ。

 

…。

 

最初っから本気を出してれば、こうはならなかったのかな?

まぁ、俺は助かりそうだな。

血も止まったし、緑化粘菌を総動員させて、斬り飛ばされた尻尾と腕を探した出した。

くっ付けるとかは出来そうに無いので、後で食おうかと思ってる。

いや、なんか勿体無いでしょ。

食べた方が絶対良いって。

 

後は三つの竜菌核を発動させ、この鎖を振り千切って逃げればいい。

王女は王女であのまま帰れそうだし、なんの問題も無い。

確かに悔しいけど、命を落とすよりマシだな。

だからそんな悔しそうな顔すんなよ。

俺はこのままトンズラ出来るんだからさ。

 

「……何故…。」

 

「あぁ?なんか言ったか?」

 

「何故…何故お前達はこんなにも残虐な事が出来るのじゃ!

お前達は命を何と心得ておるのだ!

動きを止めるならば、この鎖で充分じゃ!妾を助けるならば、あの高速移動でも使えばよかろう!

なのに何故!お前達はこんなにも…。」

 

「うるせぇよ。」

 

ガスッ!

 

「グゥ…。」

 

転生者の一人が王女の頭を踏みつける。

…下衆が。幼女相手にそこまでやるかフツー。

 

「ここはどうせゲームの世界なんだよ。

俺らが楽しいようにやって何が悪い?

ここは俺たちの為にある世界なんだよ!俺たちが好き勝手やったって、誰も何も言わない!

そういう奴らは力で潰せばいいんだからな!」

 

「な、何を…。」

 

「はっ!テメェには分からねぇだろうな!

お前だってゲームの住人の一人に過ぎねぇ。所詮、俺たちを引き立てる脇役に過ぎねぇんだよ!」

 

ガッ!

 

「ケフッ…!」

 

「あ〜…なんか気分悪いな。

やっぱ予定変更して殺っちまうか?」

 

「…いや、犯そうぜ?

力で屈服させれば、こいつも他言しねぇだろ。」

 

「おぉ、いいねぇ!

なんたってこいつは王女だしな!名も知れないハンターに犯されたとあっちゃ、こいつも他言なんてしないだろ!」

 

「それもそうだな!」

 

…おい、今何つった?

犯す?犯すつったか?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『や、止めてよ…。お願いだよ…。』

 

『ヒヒヒ…タマンねぇなぁ…。』

 

『ボ、ボクは男の子だよ…?なんで…?来ないでよ…。』

 

『アー…やっぱそこらの幼女と格がちげえなぁ…。

犯しがいがあるってもんだぜ。』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

テメェらはそれが何かわかってんのか?

それが何を意味するか分かって言ってんのか?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『嫌だ…来ないで…イヤ…。』

 

『怯える姿もイイねぇ…。

縄で動けず悶える姿も可愛いぜぇ?』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

それをされた者は最後、消えない傷を負うんだぞ?

どうしようもなく深い傷をな。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『もういいだろ?…なぁ…一歌。』

 

『嫌だよ…。イヤ…。』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

…許さん。

 

「おい、この鎖解け…ん?」

 

「おいおい、まだ動けんのかよ。」

 

「どうする?止め刺しちゃう?」

 

「そいじゃもう一回…。」

 

緑化粘菌始動。

腕と尻尾の緑化粘菌を遠隔操作。

俺の足元まで移動。

 

許さん…許す訳無い。

 

縛る鎖を引き千切る。

龍脈エネルギーを竜菌核へ。

限界を超えたエネルギーを叩き込み、圧縮する。

俺の怒りに同調してか、限界を超えたエネルギーを入れても、その器を広げ続ける。

 

「あ?おい、鎖解いたのか?」

 

「いや…そんな事してないぞ?」

 

俺の足元に浮かび上がった尻尾と腕を食らう。

流石は俺の体。硬くて食いにくいが、なんとか砕き食らう。

その異様な光景に、転生者が後ずさりしているが、知ったこっちゃ無い。

 

ギシリギシリと。甲殻が軋みを上げる。

膨大な龍脈を吸収し続けているせいか、辺りに風が吹き荒れ、空気が重い唸りを響かせる。

 

一歩、前に、進む。

 

「ヒ、ヒィッ!」

 

「おい!鎖出せよ!」

 

「今呼び出してる!」

 

慌てるゴミを無視して側を通り過ぎ、蹴られてボロボロな王女を拾う。

右腕の緑化粘菌を始動させ、王女の体を繭のように包んでいく。

包み込み、一切の攻撃を通さないように。

それを遠くに放り投げ、転生者の目に届かないようにする。

…準備は整った。

 

「天の鎖!」

 

ジャギリ!

 

…こんなチンケな鎖、なんの障害にもならない。

こんなカスみたいな能力、俺には通じない。

こんなクズに、王女の心は折られてはならない。させてはいけない。

俺の来た世界の住人かどうか知らないが、異世界人として、落とし前をつけなければならない。

…許さん。許さない。決して、許さない。

 

許す訳が、無い!

 

 

ドッッッツツ!!!

 

 

狂心始動。

その一回の鼓動で、鎖が全て吹き飛ばされた。

震える。全てが。

 

「お、おい、ヤバイんじゃねぇか?」

 

「逃げるか?」

 

「いや、四人で行けば何とでもなるさ!

いくぜぇっ!」

 

「「「おうよ!」」」

 

砕く。

お前らがその腐った能力(チカラ)を振るうなら。

壊す。

お前らがこの世界にいる意味を。

消す。

粉微塵も残らず、存在の全てを。

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