「…全く…何故私がこんな事を…。」
「負けたからじゃろ。文句言わんとやれぃ。」
「…クッ…!」
「準備できたら離れろよー。」
どーも。現在ルコディオラさんと協力してドームをこじ開けようとしてる一歌だよ!
…罪悪感半端ねぇ…。いや、先に仕掛けたのはあっちだけどさぁ…。
アカムの兄貴と共にどうやってドームに入ろうか悩んでたら、『勝負だ!黒いの!』とか言われて襲われたんだよね。
結果?ルコディオラさんの頭部が地面に減り込んで終わりですが?
ハハッ、ワロス。
現在ルコディオラさんを王女がこき使い、本来ならレビディオラが使うようなあの雷球を作らせてます。
そこに向けて俺が全速力で突っ込み、レールガン(笑)をドームに当てて穴を開けようという作戦だ。
「小僧!こっちはいつでもいけるぞ!」
「…圧縮…圧縮…空気を圧縮じゃ…。」
その作戦の補助として、アカムの兄貴とアマツさんが協力してくれている。
アカムの兄貴は俺の後ろにまわり、ソニックブラストで俺の後押しを。
アマツさんは…アクセラ○ーターのアレだね。ルコディオラさんの雷球をプラズマ化させているけど…どうも実体はあるっぽい。…なんでだ…。
やべぇ…アレ教えたの俺なんだけどさ…。あんなもん使われたらハンターどうしようもなくね?
上空に作り上げたプラズマ弾を地上にドーン☆
あらゆる物が蒸発するトンデモ状態になるとか…。
学園都市並みの技術がいりそうなんですけど…。
他の奴らが自身の特技を活かし、ドームに穴を開ける準備を進める中、唯一俺だけがあまり変化していなかった。
雷撃粘菌は活動を停止しており、干からびたような状態である。
…実は、これからちょっとした賭けに出ようと思ってるんだ。
あそこまで高めた雷撃が効かないとなると、もう一段階上の威力が求められる。
だけど竜菌核を使ってまで攻撃したのに傷一つないとなると、本当にお手上げ状態なのだ。…本来なら。
ならばどうするか?
簡単だ。単純に雷撃粘菌の質を高めればいい。
それには様々な方法がある。
一つは龍脈エネルギー。
俺自身が使える龍脈エネルギーだけでなく、他の奴らからもエネルギーを供給してもらい、まさに元気玉状態で突っ込む。
一見完璧のように見えるが、この作戦は色々と穴がある。
龍脈エネルギー自体は誰でも使えるんだけど、これを竜が使うと色々変質してしまう。
要するに、龍脈エネルギーというガソリンで作りだしたエネルギーが、必ずしも炎という訳ではないということだ。
流石の俺でも、変質した龍脈エネルギーを元に戻すようなことは出来ない。
自然に戻るのを待つしか無いのだ。
もう一つはドームを壊す(物理)
…これは…言わずともかな。
どう足掻いても無理だ。
あれだけの攻撃を食らっても壊れ無いあのドームが、今更俺程度のパンチで壊れるとは考えにくい。
限界までチャージした雷撃粘菌を併用しても無理だろう。
そもそも雷撃粘菌関係ない。質なんていらなかったんや状態だ。アカムの兄貴に言われてハッとしたよ…。
その考えの末、行き着いたのが…。
「緑化粘菌始動…。」
これだ。
本来なら辺りの生物を行動不能にする為の粘菌である緑化粘菌。
だが、その緑化粘菌の元祖は空気粘菌だ。
空気粘菌は雷撃粘菌の元祖でもある為、親和性的意味では最も高い。
別に三つ一気に発動させることも可能なのだが、それだと互いを潰しあってしまうので強くはならない。
なので二つだけ粘菌を使い、より高い威力を叩き出そうと考えたのだ。
やってみなきゃわからんけどな。
「右手に雷撃…左手に緑化。
角で合わせて…滅龍粘菌!」
覚えているだろうか?
緑化粘菌の前代、キノコ粘菌を。
キノコ粘菌は怒り状態に突入すると、龍属性のキノコを作り出すことが出来るのようになる。
その特性は緑化粘菌にも引き継がれていたようで、この通り龍属性を発現する。
ただし、雷撃粘菌との併用が必須みたいだが。
右手と左手に作り出した粘菌を角に集め、更に竜菌核のエネルギーも使って赤黒い炎にさせる。
粘菌を使うことによって発生したエネルギーを竜菌核に充填し、狂竜粘菌を活性化。狂心を始動。
甲殻がスライドし、蒸気を吹き上げた。
「…準備完了!
全員退避!
兄貴!やってくれ!」
「おうとも!いくぞ一歌!
ソニックブラストォォォォオ!!」
背後からくる強烈な追い風に乗り、地面を爆走。
一瞬で風も音も超え、浮かび上がる雷球に突っ込んでいく。
狂竜粘菌の影響によって、モノクロのゆっくりと流れる視界の中、徐々に近づく白い雷球。
「オォォォォラァァァア!!」
ぶつかる瞬間、裂帛の咆哮を上げ、更に加速して角を思いっきり雷球に突っ込んだ。
ー接触ー
まず起きたのは色の奔流。
青、赤、黒の色が入り混じり、狂竜粘菌を切った俺の視界を染め上げた。
そこから先はよくわからない。
爆発によってか、俺の体は後方にぶっ飛ばされたからだ。
兄貴がしっかりと受け止めてくれて助かったぜ。
「一歌…お前ェ、つくづく頑丈だな。」
「んぁ?あぁ、うん。好き嫌いせず食べればこうなるさ。」
「全く。お前は規格外だなぁ…。」
あきれたような声を出す兄貴を訝しく思いながらも、取り敢えず結果を見てみる。
立ち込めていた土煙が丁度晴れる所だったようで、その結果はよく見えた。
…成功だな。
しっかりと大穴が開いてる。
所々赤黒いスパークが走るのを無視すれば、ほぼ完璧じゃなかろうか。
ミャウミャウギャウギャウ煩いジンオウガさんにしがみついたガキ共と、『やり過ぎだろ!これ向こう側まで貫通してんじゃねぇーか!』と子守しながら叫ぶジンオウガさんなんて知らない。やり過ぎ?知らんな。
「よっしゃあ!姉さんがやってくれたぜ!」
「兄貴ぃ!突撃の合図をくだせぇ!」
「ティガ夫婦はもう突っ込んでいっちまったぜ!」
「わかったわかった。野郎共!整列して突撃だぁ!」
「「「「アイッサー!」」」」
「じゃあな一歌。お互い生きて帰ろうぜ。」
アカムの兄貴は俺を振り返ると、そんな言葉を残して穴に突撃していった。
早速中から戦闘音が聞こえてくる。
…てか、兄貴ぃ…。
「ちょ、盛大にフラグ建てんなよ!」
そいつは死亡フラグなんですけどぉ…。