「…オオォォォォアアアア!!!」
…勝った…。
ふぅ…。死ぬかと思った…。
マジ何なんだったんだよアレ。ただの爆発って訳でもなさそうだし…。
まぁいいか。生きてんだし。
それにしても…なーんもないな…。
見渡す限り真っ黒。唯一空だけ青いってどんだけだよ…。
古龍を地面に叩きつけた時、俺にある変化が起こった。
なんか知らんが狂心と竜菌核が消えたのだ。
それのせいで拳に溜まっていた粘菌が暴走。謎の大爆発を起こした。
…いや、今はもう暴走してないよ?むしろ力が溢れてる感じがするし…。
ちなみにかなり満身創痍です、はい。
右拳はヒビ割れてるし、右眼は吹っ飛んでるし、足は焼け焦げてるし、排熱機構は煙を吹いて動かないし、左拳の粘菌が消えかかってるし…。
こんな状態でも動ける上に力が溢れてる俺って一体…。
いや、考えるのはやめとこう。うん。
まぁ、何はともあれ古龍倒せたしいいか。
この様子だと巨大龍ごと吹っ飛ばしたみたいだし。
殆ど自爆特攻だったもんなぁ…いや、ここまで傷を負うのは予想外だったけど。
取り敢えず…寝てから今後の事を考えましょうかね…。
ふぁぁ…グゥ…。
ーーーーーーーー
「朝だよー!おっきろー♪」
「…グアゥ…(ウルセェ…。)」
「ほらほら、こんなとこで寝てたら風邪ひくよー?あ、でも、君なら心配いらないかも♪なんか一週間くらいで完治しそうだし♪」
…んん?…この無駄に無邪気な幼女の声は…。
「ガァァアア!(祖龍!?祖龍か!?)」
「うん、そーだよー?わかったら起きよーねー?」
「グァ(お、おぅ。)」
…なんのサプライズだこれ。
寝て起きたら目の前に俺以上のチート野郎。…本当、なんの冗談だおい。
「いやー、君ってばやるねぇ♪まさか古龍倒しちゃうとは思わなかったよ♪しかも色々強化済み♪
アルバちゃんあたりにかかれば瞬殺とはいえ、獣竜種である君が倒しちゃうなんてねぇ♪」
「は、はぁ…そりゃどうも…。」
聞き取り辛かったので擬人化しつつ、突然現れた祖龍に先を促す。
…てか、今さりげなく瞬殺発言きたんですけど…。
俺割と死にかけたよ?この上にまだ上がいるのかよ…。
「てな訳でぇ…ここ、封印しちゃいます♪」
「…はい?」
「いやー、君の立ち位置って、unknown以上私達以下なんだよねー。流石にこれ以上放置してたら、人間さん達が滅んじゃいそうだし♪
私的にそれはマズイって事なんだよ♪」
「あぁ、そう。なら別にいいけど…。封印ってなんだ?」
「文字通りだよー?ここら一体の空間を切り取って、適当な所にワープさせる感じかな?
私の空間操作はそーいう事も出来ちゃうのだー♪
星の巡り合わせで多少の力のブレはあるけどね♪
それに千剣山が丸ごと無くなったせいで、色々と支障が起きてるんだよねー…。だから君には悪いけど、所謂ボス的な事をしてくれないかな?ここら辺の空間は好きにしてくれていいし。」
チートや。そんなんチートや。空間切り取るって何?チート具合がいい感じにぶっ壊れていらっしゃる。
あれか?固有結界みたいなもんか?
てか、どっちにしろ逆らえん。今は動くのだって少しキツイくらいだ。素直に従った方がいいかな…。
「あ、ちなみに、私の空間操作って少し特殊だから、切り取った後の空間って基本的に空間の持ち主が操作権を得るんだよ。
だから来て欲しくない相手を任意で弾く事もできるよ?
龍脈も普通に流れてるから死ぬことないし♪」
え…それって…俺の問題の一つ、何処に住むのかという事が解決するってことか?
デカくて広くて誰にも邪魔されない自分だけの空間…。
うん、いいな。何してもいいなら尚更。
「…いいな、それ。」
「本当?よかったー♪断られたらどうしようかと思ってたよ♪
じゃあ早速やっちゃうね?日が沈んだら作業は終わってるから、その後は基本君の自由だよ♪
…それと転生者の件、ありがと。バレちゃうからお礼は出来ないけど、いつか君の行きたい所に連れてってあげる。
…それじゃ、バイバーイ♪」
祖龍の隣の空間が裂け、その中に消えていく祖龍。
それと同時に地面が微かに揺れ始め、遠くの景色が霞み始めた。
おそらく、空間を切り取っている最中なのだろう。
…やっぱチートや。祖龍さんマジもんのチートー(チートドラゴン)や。
うん、少しゴロが悪いな…。
てか、何気に伏線張るのやめて頂けますかねぇ…。
心臓に悪い…。
治療に専念する為に再び竜に戻る。
やっぱこっちの方が落ち着くわ…。
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日が沈んで夜になり、なんとなくこの空間との繋がりを感じ始めた頃、少し気になるものが見えた。
いやまぁ、自分の体なんですがねぃ。
何かこう…湯気?蒸気?的な感じの何かが、体から立ち昇ってるんです、はい。
しかも黄金色。どんなに意識してもそれが何かは分からず、止める事も出来ない。
もしかすると、狂心と竜菌核が無くなったことに何か関係があるのかもしれない。
いつから出始めたかは分からないが、結構長い時間出てる気がする。
なんせ遥か上空まで登ってるし…。
…早く治んねぇかなぁ…。
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ジンオウガさんが来た。
結界の外をウロウロしていたので、中に入れてやろうと思ったら普通に入って来た。
結界は正常に作動してるみたいだ。
取り敢えずこれまでの事を謝りつつ、たわいもない事を話す。
なんか俺に殴られまくったりしたせいか、予定より早くアマツさんの元を離れる事が出来るらしい。
擬人化もそれなりに気に入ったらしく、俺との会話には終始擬人化していた。
これだけ何もない土地にテンションが上がったらしいジンオウガさんは、虫無しで何処まで出来るか試してから帰るそうだ。
面白そうなのでずっと観察してた。
観察結果。…何あれ空飛んでる…。
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グランミラオスさんと痴女…もといゴグマジオスさんが来た。
強引に結界ブチ破って現れた。もうヤダ古龍…。
二匹ともかなりデカイ上に、熱系の力を持っているせいか暑苦しい。
ラオ爺はまだ復活していないらしく、ここにはいなかった。
この二匹、どうにも馬が合わないらしく、俺と少し会話した後はずっと喧嘩してた。
一応地面を強化しながら戦っていたようで、これといって地面に損傷はないが、バトルの最中はずっと世紀末な光景が広がってた。
あと二匹とも、ゲーム中では絶対してこないであろうモーション連発してた。
グランさんは背中の羽から弾(クソデカイ爆発を起こす)を這いずり状態で乱発したり、口先に形成した火球に羽から出した溶岩弾を当てて巨大化、アホみたいな範囲を誇るブレスをぶっ放したりしてた。
ゴグマジオスさんの方はよく知らないけど、少なくとも背中に二本ある撃龍槍を第三の腕で掴んで攻撃とかはしないと思う…しないよね?俺、この龍のこと知らないんだが…。後は普通…普通かな?あの羽で空飛んで、背中の針をミサイルみたいに飛ばすとかしてたけど。
結局、散々暴れ回って引き分けで終わってた。
取り敢えず帰れお前ら。
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アカムの兄貴が来た。
ラオ爺も一緒である。
…いや、エロ爺が来た。
一応昔の事は微かに覚えているらしいが、古代人とやらの闘いは思い出せないらしい。
それでも相変わらず元気なジジイの姿だったので、種族的にそんな姿になるのだろう。
で、だ。
なんか少し若返ったようで、出会って早々にセクハラ発言をかましてきた。
『何じゃい、そこは恥じらうところじゃろうに…。』などとふざけた事抜かしたエロ爺に電撃をくらわせておいた。
俺は男だっつーの。
アカムの兄貴は苦笑い。ホモォ的な服装の癖に、矢鱈と似合ってますぜその笑い方。
俺が殆ど動けない事を知ると、ラオ爺は興味を失ったように帰っていった。…俺と戦うつもりだったのかこいつ…。古龍コワイ。
帰り際に、『そうじゃ、久しぶりにドンドルマにでも喧嘩を売りに行くかのぅ…。』とか恐ろしいこと呟いていやがりました。頑張れレイスターさん。
ーーーーーーーー
蒸気は止まったものの、未だに回復の兆しをみせない体に少し不安を覚えつつ、ゆっくりと散歩してみた。
一歩踏むごとに体が軋み、焼け焦げた足が悲鳴を上げる。
結局、五歩進んだ所でコケてしまった。
しかもコケた時に左腕に亀裂が入った。
粘菌も殆ど機能してないし、いよいよかなぁと感じる。
まぁ、ゆっくり過ごしますかねぇ…。
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ナルガ親子とティガ親子が来た。
ナルガの両親は俺の状態を見て悟ったのか、労わるような声をかけてそれっきりだった。
ガキ達は心配そうに寄り添って来て、キュンキュンガウガウいっていた。
明日死ぬんじゃあるまいし、そんなご大層にしなくても良いんだけどなぁ…。
ティガの親の方は感慨深げにこっちを見ていた。
『ハッハッ!…坊主、いよいよか。』『…また、様子を見に来ます。…頑張って。』だと。
だからそんなご大層じゃなくても良いってのに…。
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ドスゲネポスとドスランポスのパルトとホルトが来た。
懐かしいなぁ…古龍会議以来かぁ…。…でもそんなに時間経ってないけど。
二人の話によると、俺が黄金の古龍と戦っている間、下では巨大古龍を足止めする攻撃をしていたらしい。
その時の様子を聞いて、軽く唖然とした。
…それ、別に俺が戦わなくても良かったんじゃね?と。
まぁ実際は、俺以外に狂竜ウイルスの抗体を持っている竜がいなかったのが原因らしいが。
ジンオウガさんと同じように駄弁って1日を終えた。
もうそろそろかもしれないな…。
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今日、誰も入ってこれないように結界を設定した。
片目しか見えず、遠近感が狂った視界に映る星空を見つめ、この日を終えた。
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古龍観測隊より本部へ
報告。
巨大古龍決戦跡地に謎の霧が発生。
調査しようとしていたギルド員が立ち入れないでいます。
よって事の詳細は未だ不明。
研究者を総動員して事の究明にあたっています。
本部より古龍観測隊へ
了解。
引き続き調査をお願いします。
古龍観測隊より本部へ
了解。
調査を続行します。
報告。
霧は未だに晴れませんが、霧の内部に巨大な影を確認。
古龍の一種ではないかと仮定し、文献を調査しました。
その結果、この古龍がダラ・アマデュラとわかりました。
何故決戦跡地に何故この古龍が現れたかは不明ですが、万全を期すために一時撤退。
霧が晴れるまで調査の続行は不可能と判断しました。
本部より古龍観測隊へ
了解。
ダラ・アマデュラの文献によれば、身じろぎ一つで山を崩す巨龍として伝えられています。
保護したシナト村の住人の間にも同じような伝承が伝わっており、その信憑性は高いと判断。
後日ギルドナイトを派遣する事が決定しました。
観測隊は帰投してください。
古龍観測隊より本部へ
了解。
帰投します。
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ギルドナイトより本部へ
報告。
霧が晴れた為、調査を再開。
件の古龍、ダラ・アマデュラの存在は確認出来なかったものの、その痕跡を確認。
千剣山に酷似した地形となっており、容易ではないものの調査は順調に済みました。
その際、千剣山中心地の谷に、ブラキディオスとみられる甲殻を確認。
日数が経過している為、ハッキリとした事は言えないものの、黒闘竜のものであると見て間違いないそうです。
あまりの重量に現在の人力では運搬できませんでした。
よって、後に人員を増やして運搬するようです。
本部よりギルドナイトへ
了解。
黒闘竜の甲殻は今回最も活躍したハンター三人に贈呈される事が決定しました。
現地の状態からして、黒闘竜は死亡した可能性が高く、元々の危険性も低い為、依頼を撤回します。
調査、ご苦労さまでした。
帰投して下さい。
ギルドナイトより本部へ
了解。
帰投します。