インフィニット・ストラトスー炎のサムライ参上!ー 作:3kuni
それは、遥か遠い世界のある惑星の話
その星では戦国武道会なるものが繰り広げられていた。あるもの達は自らを「クロスギア」で武装し【サムライ】を名乗り。
またあるもの達は魔弾と魔銃を用い【ナイト】を名乗り。
この2勢力は戦国武道会で何度もぶつかり合った。
そして、第100回目の戦国武道会の事ーーー
「てめえら!絶対にシデンの邪魔をさせんな!!」
赤い鎧を着込んだサムライが叫ぶ。右手には刃が緑色に輝く刀を手に、異形の姿をしたナイトを斬り伏せて行く。
「おうともよ!このバザガベルグ・疾風!シデンの一騎討ちの邪魔立てする奴ァ容赦しねえ!!」
鎧を着込み背中に2つ大砲を背負い、さらには両手に剣を持った大柄なドラゴンが叫び、遠くのナイトの軍勢に向かって背中の大砲を放つ。
「どいたどいたぁ!巻き込まれたく無かったら退きなナイトども!バルガライザー様率いるドラゴン軍団によぉ!」
こちらは先ほど叫んでいたドラゴンとは違いスマートな姿をしていたがやはり鎧を着込んでいる。スピードに乗りながら二振りの剣を振るいナイトの軍勢に突撃する。
その他にも人の姿をした若武者、機械で有りながら鎧を纏い、二振りの刀でナイトを斬り伏せていく絡繰武者など、様々なサムライがナイトの軍勢を相手に力を発揮し迎え撃つ。
「シーザーよ、その魔弾を使うのをやめろ!その魔弾はこの世界を滅ぼしかねない事、わかっているのか!?」
「だからどうしたシデンよ!貴様らサムライを滅する事が出来ればそんな事どうでもよいわ!!」
上空では、鎧を纏った二刀流のサムライと、この世界を滅ぼしかねない力を持つ魔弾を使うナイトが激闘を繰り広げていた。
「貴様だって、この世界で生きている者だろうにっ!!」
「くどいっ!くどいぞシデン!世界がどうなろうと関係ないと言っている!」
「くっ…ならば仕方があるまい…!信玄っ!俺にあの刀を!」
上空で激闘を繰り広げていたサムライの方が、赤いサムライに近付き、漆黒の刀を渡す。その刀はまるで生きているかのように脈動している。
「シデンの大将!使うからにゃ必ず聖剣として使って、シーザーのド馬鹿を止めてくれるんだろうなぁ!?」
多勢に無勢。サムライ達は徐々に押され始めていた。鎧が割れ、血が吹き出し、それでも刀を握る手を離さない。赤いサムライも同じであった。それでも尚も戦い続け、軽口を叩くのは、大将であるシデンを心から信頼していたからか。
「ああ、必ずや止めてみせる!」
シデンは赤いサムライから漆黒の刀を受け取り、待ち構えていたナイトに向ける。
「シーザー!これで終わりにするっ!」
「面白い!我の「HELL」と貴様の「THE FINAL」!どちらが強いか勝負だ!」
HELLと呼ばれた魔弾がシデンに放たれる。シデンはそれをーーー
「ば、馬鹿な…!?」
一振りで、シーザーごと叩き斬った。それを見たナイト達はわめき散らしながら退散し、サムライ達は刀を振り上げて大いに喜んだ。それもその筈、この武道会という名の戦争は100年も続いたのだ。城を駆使し、ナイトを倒し、味方のサムライも何人、何十人、何百人、何千人、何万人も倒されたのだ。もう仲間が凶弾に倒れなくて済むのだ。この忌まわしい大会も遂に幕を下ろしたのだ。サムライの勝利という結果で。
「ばんっざーい!シデンが!シデンが勝ったーーー!!」
そう喜ぶは赤いサムライ。そしてはしゃぎすぎて気づかないうちに…
「おい信玄!」
戦友達が呼び止めたのも時既に遅く、
「馬鹿信玄!」
HELLにより出来てしまった時空の穴に
「信玄さん!?」
「へ?」
落ちた。
「うっそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ……………」
「信玄!?おい、信玄ー!?」
シデンは急いで中に入るも、もう既に信玄の姿は無く。
信玄は、異世界へと消えてしまった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
さて、場所と世界、星も変わってここはIS学園。この世界最強と誉れ高いはわからないがそのくらいの戦力であるISなるパワードスーツのパイロットを養成する訓練所のような学校である。
その職員室で女教諭2人が雑談に花を咲かせていた。
「しかし驚きですよね、まさか織斑先生の弟さんがISを動かしただなんて!」
そう言うはワンピース姿の女性、山田真耶。緑色のショートにメガネといった出で立ちの可愛らしい女性だ。
「まったくあいつめ…次から次へと問題を起こしおって…」
そう言うは黒スーツに凛とした表情、堂々とした出で立ちの美人、織斑千冬。まさに武人と言うに相応しい雰囲気を持つ。
「それにしてもなんd」
「とまってとまってとまってぶつかるぶつかる鎧壊れるあかんあかん危ない危ないあぶぬァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!?!?!?!?」
山田真耶の言葉を遮るように男の叫び声が学園中に響き、そして
[ドッゴーンッッッッ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎]
轟音と共に墜落した。
「ひゃっ!?な、なんでしょう今の声…男の人のような声でしたが…」
「…何かが墜落したようだな」
冷静にそう言うと、通信端末を手に取り管制に繋げる。
「こちら織斑、何があった?」
「わ、わかりません!ただ、突如上空に現れたと思ったら猛スピードで落ちてきてそこから更にスピードを出して墜落して…」
職員室のみんなに聴こえるようにスピーカーモードにしていた為、全員同じ疑問を抱えていた。
【何故わざわざ加速して落下したのか?】
「…で、何が落ちたかわかるか?」
「え、ええっと、今確認します!あ、あれは…!?え、でも嘘、えっ…?」
管制を担当している教師の声からは驚きと疑問の声が上がっている。
「何が見えたんだ?」
そう織斑千冬は尋ねる。彼女は敵襲かテロか何かだと思っているのか、警戒をしているようだ。一方山田真耶はというと…
「落下してるのに加速だなんて…きっとうっかりさんですね〜」
などと呑気に言う。これは織斑千冬も脱力してしまう。
「よ…鎧武者です。赤い鎧武者がグラウンドに倒れこんでます!」
「…は?」
これは職員室の教師全員の総意だろう、織斑千冬も困惑顔だ。
「えっと、今映像送ります!」
設置されている大型モニターに映像が映し出されるとそこには。
「ほ、本当に鎧武者さんですね〜…怖い人じゃないといいです…」
先程時空の穴に落ちたサムライが倒れていた。ご丁寧ダイイングメッセージのように地面に「しーざー」と書いてある。あながち間違いではない。
「…ぐへっ」
所変わってグラウンド、赤いサムライは目覚める。
「ここは一体…って全身が痛いぃぃぃぃぃぃぃぃ⁉︎⁈⁉︎⁈なんなんこれなんなん⁉︎」
と言って、先程の自分の行為を思い出す。
「あー…あれか、キレイに着地して助かろうとして竜装ザンゲキ・マッハ・アーマー使ったら思いのほか加速して全力で墜落しちゃったのか…ってやっぱ全身痛いぃぃぃ!痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」
「あ、だ、大丈夫ですか⁉︎」
山田真耶が駆け寄ってくる。それを見た赤いサムライは(めっちゃ揺れてる…主に胸が)とか考えていた。
そしてーーー
「大丈夫なんですか⁉︎しっかりしてください!」
と身体を揺すられながら胸が揺れてるのに満足し意識を手放したーーー
「…知らない天井だ…」
赤いサムライが目を覚ますとそこは知らない部屋のベッドの上だった。
「ふかふかだなぁ…二度寝しよ」
と枕にぽふっと顔をうずめた時、違和感に気付いた。
ーあれ?俺の鎧どこいった?ー
慌てて飛び起きると全身に痛みが走る。
「ぐぬぅぅぅ…これ痛みが走るっつーか絶対痛みがフルマラソンだろ…」
横になって点検する。服は着てる。なんか新品の服に着せられてる。あ、病院で着るやつだこれ。下もじゃんやっり、新しい服ゲットー!
「だ、ダメですよ動いちゃ!」
山田真耶が走ってくる。そして転けてそのまま赤いサムライの胸元へダイブする。
「ぐへぁっ!」
「す、すいません!大丈夫ですか⁉︎」
「いや見りゃわかるだろだいじょばない」
この赤いサムライ、いつもなら「役得役得!」とかほざいて抱きしめるだろうところ、本当に痛いのかさっさと降りてほしそうにする。山田真耶が涙目で謝るのに少しだけ罪悪感が湧くがそんな事よりも大切な事を思い出す。
「ねえ、緑髮メガネ巨乳さん、俺の鎧どこ?」
あの鎧は大切な物だ。戦場ではあの鎧と共に生き抜いてきたのだから。戦友と言っても過言ではないのだ。
「みどっ⁉︎…ええっと、と、とりあえず織斑先生呼んできますね!」
山田真耶は「みど…みどりって…」とかブツブツ呟きながら行ってしまった。ショックを受けてしまったのか。
さて目を閉じて状況把握といこう、俺はベッドの上、鎧は無い、うん丸腰!
「今戦闘になったら確実に死ぬ…」
「そんな事にはならないから安心しろ」
いきなり聞こえたその声に驚き、身体を起こすがすぐにベッドに倒れる。
「…あなただーれー?」
「名を名乗る時は自分から、だろ?」
なんて女だ、嫁の貰い手なんかないぞ絶対。
「今何を考えていたか言ってみろ」
「なんて女だ、嫁の貰い手なんかないぞ絶対」
赤いサムライの頭をボードで叩くとスッパーンッといい音がした。
「痛い…」
「当たり前だ、で?貴様名前は」
「名乗る時は自分から、だろ?」
スッパーンッ。
「ボルベルグ信玄です」
「それは本名か?…いや、本名だろうな、お前は見てくれからして嘘はつけんだろう」
何故ばれたし。と思う赤いサムライ改め信玄。彼は実際嘘がつけない性格なのだ。
「ああ、私は織斑千冬だ、この学校の教師をしている」
「ではボルベルグ」
「信玄って呼んでください」
「ではボルベルグ、お前は何をしにここに来た?」
「人の話聞いて⁉︎」
とツッコミを入れつつ、ここに来たいきさつを話す。
「…なるほどな。荒唐無稽な話だが…騙すのであればもっとマシな嘘をつくだろうな」
「だから俺は嘘つけないって」
はぁー、っとため息をつく。
「これからどうする、ボルベルグ。貴様がこの世界の生物では無いならば元の世界に戻る方法でも探すか?まだそんな技術はないだろうが」
「若干わかってた。ま、これも修行という事でちょっとの間ここに残るよ」
「そうか」
「うんそう、そういえばISって何?」
勿論信玄はこの世界に来たばかりでISなんて知らない。
「ああ、そうだな。この世界で生きるからには知っておかないとな」
ISについての説明を受ける。が、信玄の頭では「それなりに凄い武器」としか捉えられなかったようだ。
「いや、クロスギアのがつえーし」
「お前らのと比較するな」
「で、俺の鎧どこ?」
「ああ…ちょっと色々あってな」
「壊してない?」
「壊してない」
「溶かしてない?」
「龍の炎にも耐えられるよう造られたんだろ?」
「じゃあどうなってんだよ!」
「…ISになった」
「マジでか⁉︎」
これには信玄も驚きを隠せなかった。
「なんでISになったん⁉︎」
「お前が気を失った後、山田先生1人では運べないという事でラファール・リヴァイブに乗って運びに行ったんだ。そうしたらお前は立ち上がりラファール・リヴァイブをスキャン…とでも言うのか?それをして今はこれだ」
と言って龍を模した額当てを取り出すと、信玄はひったくるように受け取った。
「あー、これ俺の鎧だ」
「嘘をついているかもしれんぞ?」
「いや、わかるって。100年以上も一緒に戦ってきたんだぜ?俺の鎧かどうかくらいわかる」
胸を張りそういう姿を織斑千冬は素直に感心していた。100年以上も使い続けたというその愛着とその心に。
「それはプロテクトが固くて解析出来なくてな。おまけに使用者まで細かく設定されているようだ」
「さっすが俺の鎧!よくわかってんじゃんよ!」
「提案がある。お前、IS学園に入学しないか?」
「いいよー」
「即決か…」
あまり深く考えない性格の為か速攻で乗ってしまう。いい点なのか悪い点なのかはさておきだが。
「では、入学試験として教員と戦ってもらう」
「よしきた!んで、どこでやるの?」
ベッドから飛び跳ね起きをして着地。既に額には額当てをしている。
「着いてこい」
ピッチまで案内される。途中途中で軽口を叩く度にいい音がするのはご愛嬌だ。
「着いたぞ、まずは装着しろ」
「どうやって?」
「イメージしろ」
適当過ぎるだろ、と思うが言わない。言ったらまた叩かれる、信玄ももう痛い思いしたくないのだ。
「…装着っ!」
叫ぶ。そしていつものボルベルグ信玄の鎧を纏う。
「もう相手の教員は待っている、行くがいい」
「応っ!竜将ボルベルグ信玄、いざ参る!」
そう言うと、ピットから飛び降り見事着地。
「では試験を開始しますよ、よろしいですか?」
信玄が前を上を見ると、ラファール・リヴァイブに搭乗あした山田真耶の姿があった。
「応っ!山田先生、勝負っ!」
「ではいきますよ!」
その言葉を皮切りに試験が始まった。先手は山田真耶、マシンガンを信玄目掛けて放つ。
「よっ、ほっ、サムライなめんなっ!」
見事回避し今度はこっちの番と言わんかのようにクリムゾン・ライフルを取り出すと山田真耶めがけて撃つも、流石は元代表候補生と言ったところか、全く当たらない、それどころか山田真耶も回避しつつマシンガンを放つ。
「くーっ、やっぱ遠距離はダメだな、こいつで行こうっ!」
クリムゾン・ライフルを消し、新たなクロスギアを装備する。
「竜装ザンゲキ・マッハ・アーマー!」
全身に刀が生えた追加装甲を纏い、かなりの速度で山田真耶の目の前まで到達。
「くっ!」
「そいやっ!」
帯刀している刀を抜き斬りかかるが、後ろに下がって避けられ、その上ミサイルポッドを撃ち出す。
「装刃レオ・インパクトっ!」
その上から更に鎧を纏い、なんとか防ぐもののボロボロになってしまう。
「どうしたんですか信玄くん、その程度ですか?」
「舐めんなよ、童顔緑髪巨乳眼鏡!」
「童顔もついた⁉︎」
「いくぜ、炎水剣オンセン・サバキ!」
右手に炎、左手に水の片刃の剣を出すと同時にレオ・インパクトが音を立てて崩れる。そんなこともお構いなしに突撃、そして炎の剣を振るう。
「必殺!オンセン斬り!」
「くっ!?」
炎の剣を避けるのは流石は元代表候補生だ、しかし水の剣がここまで伸びるとは思っていなかったのか、まんまと食らって隙が出来、その後炎の剣も食らってシールドエネルギーが0になってしまう。
「試合終了!」
織斑先生の声が響き、ピットに戻る。
「まあ、合格と言えよう」
「やっりー!」
その場で合格をもらい満面の笑みで喜ぶ信玄。これでIS学園に入学だ、初めての学校楽しみだな、と浮かれている。
しかし彼はこの後に待ち受ける境遇をまだ知らないのだったーーー
信玄「クロスギアってある意味チートじゃね?」
作者「せやな」