インフィニット・ストラトスー炎のサムライ参上!ー   作:3kuni

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いざ、決戦!


4話「竜将決闘!」

「なあ、箒」

 

「なんだ、一夏」

 

セシリアとの決戦の日、つまり一週間経った。信玄が知らない間に二人は名前で呼び合うようになっていた。いと妬まし。

 

「気のせいかもしれないが」

 

「そうか、気のせいだ」

 

場所は第三アリーナ・Aピット。一夏と箒は二人で話している。信玄は一夏達から少し離れた場所で勝利のダンスを考えていた。若干サンバ調のようだ。

 

「ISの事を教えてくれる話はどうなったんだ?」

 

「……………」

 

「目 を そ ら す な」

 

あれから六日間、一夏はみっちりと箒にしごかれたようだ。時には信玄も見に行ったがみっちりしごいていた。問題は、一切ISの事をやらずに剣道だけをやっていた、という事だが。

 

「し、仕方ないだろう。お前のISもなかったのだから」

 

「まあそうだけどーーじゃない!知識とか基本的なこととか、あっただろ!」

 

「……………」

 

「目 を そ ら す な っ」

 

「まあいいじゃねえか一夏、俺も剣術しかやってなかったしさ」

 

「そうは言ってもだぜ、信玄…」

 

なお、一夏のISは未だにまだ来ていない。

 

「一夏、IS来なかったらこれで戦え。ーーー大丈夫、勝てる」

 

「いや無理だろっ⁉︎」

 

そう言って信玄が取り出したのは赤い褌略して赤フン。真紅のようなどぎつい赤が目に優しくない。

 

「大丈夫、ぜーったい大丈夫だよっ!」

 

「いやこれISじゃn」

 

「大丈夫、ぜーったい大丈夫だよっ!」

 

半ば無理やりに一夏に褌を渡すも突き返されて不満顔になる。と、そんな時。

 

「お、織斑くん織斑くん織斑くん!」

 

駆け足でやってくるのは山田真耶。見てる方がハラハラする足取りで、今にもこけそうである。

 

「先生、危ないですから落ち着いt」

 

「そぉいっ!」

 

「きゃうっ⁉︎」

 

一夏が注意しようとした矢先、信玄がスライディングの要領で足を引っ掛けて思いっきり転ばせた。一夏唖然、箒唖然、信玄満足気な顔、山田真耶涙目。

 

「う、うぅ〜…ヒドいですよ信玄く〜ん…」

 

「すんませんあまりにもこけそうだったもんでつい」

 

「何がつい、なんだ馬鹿者」

 

ズッバーーーーンッ‼︎‼︎‼︎

 

信玄の頭にまたもや出席簿がヒットする。

 

「いい加減人の頭をバンバン叩くのやめね?」

 

ズッバーーーーンッ‼︎‼︎‼︎

 

「目上の者には敬語使え、馬鹿者」

 

「いい加減人の頭をバンバン叩くのやめねせんかねぇちーたんや」

 

ズッバーーーーンッ‼︎‼︎‼︎

 

「誰がちーたんだ」

 

「すいませんした織斑先生」

 

正座で謝る信玄と覇気を出しながら信玄の前に立つ千冬。そんな中勇気を出して山田真耶が声をかける。

 

「あ、あの織斑先生!」

 

「ああ、そうだな。織斑、お前の専用機が届いた」

 

「えっ」

 

「織斑くん、ごめんなさいですけどすぐに準備してくださいね。もっと早く準備出来れば良かったんですけど…ぶっつけ本番です、ごめんなさい」

 

「えっ」

 

「この程度の障害、男子足るもの軽く乗り越えてみせろ、一夏」

 

「ちょっ、えっ?」

 

「勝ったら赤フンやるから負けたらお前のエロ本コレクション全部俺に捧げろよ」

 

「ちょっ、おまっ、えっ⁉︎」

 

「「「「早く‼︎‼︎‼︎‼︎」」」」

 

と、四人に叫ばれる。一夏は涙目になっている(特に最後の「エロ本コレクション全部捧げろ」という発言に)。

 

ガコン、という音がなりハッチが開き、「白」が姿を現す。静かに、まるでこの時を待っていたかのように、ただただ鎮座している。

 

一夏がそのIS、「白式」に触れ、身体を預け、最適化が始まる。その事でみんな手一杯のようだ。

 

…その為、信玄の行為に誰も気付く筈が無く、流れるように出撃用意まで終わっていた。

 

「箒」

 

「な、なんだ一夏」

 

「行ってくる」

 

「あ、ああ…勝ってこい」

 

「おう。信玄」

 

信玄は無言でサムズアップしピットを出て行き、それに一夏はサムズアップで応え、ピットから出撃する。

 

「あら、逃げずに…って、な、なんですのその格好⁉︎」

 

「えっ⁉︎」

 

いきなりセシリアに叫ばれて身体見回す一夏。するとーーー

 

腰には立派な赤褌略して赤フンが装着されていた。先程、誰にも気付かれないように一夏の腰に巻き付けたようだ。

 

「し…信玄んーーーーーっ‼︎‼︎‼︎」

 

一夏の叫びと共に試合が始まった。

 

 

 

ーーー30分後ーーー

 

試合終了のブザーが鳴って少しするとビニール袋をぶら下げた信玄が帰ってきた。

 

「終わったみたいだな、ってだらしねえ顔してんなぁ、一夏?」

 

「あ、ああ…って信玄お前!白式に巻かれてた赤褌、あれお前だろ!」

 

「むしろ俺以外に誰がいるってんだ!」

 

「開き直るな馬鹿者。それよりも、オルコットは既に補給も済ませているぞ」

 

「火刀…あれはなんだ…?」

 

「おい篠ノ之ののの、それあんま呼ばれ慣れて無いから信玄って呼べ」

 

ズッバァーーーーンッ‼︎

 

「いいから早く行け」

 

「すんませんした」

 

千冬を無視した事により、またもや思いっきり頭を出席簿で殴られる。向こうのピットまで届きそうな音だった。

 

「早く準備をしろ火刀」

 

「はい、先生」

 

そう返事をし、額当てに手を翳し鎧を装着する。

 

「「………IS?」」

 

初見の一夏と箒からしてみれば驚きだろう、何せどう見てもISというよりも全身装甲の武者甲冑なのだから。

 

「まあ、見てろって。一夏、お前の分までやってきてやるよ」

 

「あ、ああ」

 

そう一言会話を交わすと深呼吸をし、目付きが変わる。

 

「竜将ボルベルグ信玄、いざ出陣っ‼︎」

 

そう叫び、カタパルトから飛び降りるとすぐ斜め上の位置で既にセシリアが待ち構えていた。

 

「来ましたわね、なかなか来ないから逃げてしまったのかと思いましたわ」

 

「サムライは相手の背中を見せねえ」

 

いつもならうるさく噛み付くところを、一言で返す。戦闘モードに入ったのだろう。

 

「負けた時の言い訳は考えて来ましたか?」

 

「いらねえよ。負けた後の事は負けた時に考える」

 

セシリアの問いにそう答えると竜将刀「火炎」を抜く。それと同時にセシリアもスター・ライトMk-IVをライフルモードで構える。そして、数分か数秒か、静寂がアリーナを支配する。

 

「…来いっ」

 

試合開始のブザーと共にセシリアがスター・ライトMk-IVを信玄に向けて放つ。しかしーーー

 

「こんなもんじゃねえだろ?」

 

「火炎」で軽々と弾いてしまう。その刃には薄い緑色の炎が灯っている。

 

「くっ…言うだけの事はありますわね!ですが、これでどうですの!」

 

そう言うや否や、フィンアーマーからレーザーが発射される。

 

「ガーディアンっ⁉︎」

 

そう言って回避する信玄。彼の脳裏には光の守護種族「ガーディアン」の姿がよぎっていた。

 

「さあ、踊りなさい。わたくし、セシリア・オルコットとブルー・ティアーズの奏でる円舞曲で!」

 

雨のように射撃が降り注ぎ、いままで戦った事の無いような攻撃に手こずってしまう。

 

「ちっ、遠隔操作ってやつか⁉︎厄介だぜっ‼︎」

 

先程までの冷静な口振りはいずこやら、もう何時もの口調に戻っているが目は真剣そのものである。

 

「竜装ザンゲキ・マッハ・アーマー!クリムゾン・ライフル!」

 

ザンゲキ・マッハ・アーマーを装備し、「火炎」を納刀してクリムゾン・ライフルを二丁装備、その姿はさながら武者ガンマンと言ったところか。

 

「ツインクリムゾン!」

 

ザンゲキ・マッハ・アーマーで飛び上がり、フィンアーマーを撃つも狙いが定まらない為当たらない。ちくしょうちゃんと銃も使えるよう練習しておけばよかった、と今更思っても時すでに遅し、信玄のシールドエネルギーがどんどん減っていく。

 

「あーっ!もうややこしい事はやめだやめ!ファイアー・ブレード!」

 

クリムゾン・ライフルをセシリアに向かって投げ、ファイアー・ブレードを装備する。

 

「ちょっと!銃の使い方が間違ってますわよ⁉︎」

 

「あー、そうかい!俺は銃よりも剣のが使えてね!」

 

そう言うと、信玄の姿が消えーーー

 

「まずは一機!」

 

いつの間にかザンゲキ・マッハ・アーマーの角がフィンアーマーの一機を貫く。

 

「なっ…いつの間にですの⁉︎」

 

そうセシリアが問いかけた時、既に信玄の姿は消えていた。

 

「信玄…いつの間に…?」

 

「確か話終えた次の瞬間にはもうあそこにいたぞ…」

 

信玄側のピット内でも何が起こったのか千冬を除いてみんな頭に?マークが浮かんでいる様子だ。

 

「…(あいつ…戦略を全て捨てて速さで圧倒する気か…なかなか考えた、と言いたいところだが本当に考えてるのかは疑問だな…)」

 

 

「次、次ぃ!ラストぉ‼︎」

 

「わ…わたくしのブルー・ティアーズが⁉︎」

 

次々と角でフィンアーマーを貫き、最後の一機を貫くと貫かれたままのフィンアーマーを両手で固定し頭を振り叩き斬る。それを見たセシリアは、想定外の戦闘に顔が引きつってしまう。それでも美しい部類に入るのは流石というか。

 

「これで…どうよっ‼︎」

 

竜将刀「火炎」と「赤竜」を抜刀し、セシリアにせまる。しかし、

 

「…かかりましたわ」

 

何かに策に嵌められたのか、そうでないのか。ヴンッ、という音とともにセシリアの腰部から広がるスカート状のアーマーの突起が外れ、動いた。

 

「おあいにく様、ブルー・ティアーズは六機あってよ!」

 

レーザーを行う射撃型ではなくミサイル搭載の弾頭型のそれは、真っ直ぐに信玄目掛けて発射される。もう回避は間に合わない。ではどうするか、決まっている。そのまま進み、ドカァァンッ!という音とともに爆風に包まれた。

 

「これで終わりかしら…あっけないものね、自称サムライさんも」

 

「んなわけねえだろ、セシリアァッ‼︎」

 

爆風を斬り裂き、姿を現す。その姿は、まるで歴戦の戦将のようであった。実際歴戦の戦将で間違いは無いのだが。

 

「シールドエネルギーが減っていない⁉︎どういうことですの⁉︎」

 

「どういうこともこういうことも、んなもん決まってんだろ!当たる前にぶった斬ったんだよ!」

 

そう言うと刀を再度構え直し突撃する。再度ミサイルを搭載したビットが来るも、ザンゲキ・マッハ・アーマーの装甲の刀に斬られ爆発する。

 

「イ、インターセプター!」

 

咄嗟に近距離戦用の武器を出すも、既に信玄は目の前に迫っていた。

 

「竜将双刃‼︎」

 

「火炎」と「赤竜」の二連斬によりインターセプターごと斬り裂き、セシリアのシールドエネルギーを0にする。

 

「試合終了。勝者ーーー火刀信玄」

 

ブザーとともにアナウンスが流れる。そして

 

「負けましたわ、火刀さん。あなたの勝ちーーって、キャッ⁉︎ちょ、ちょっと何するんですの⁉︎」

 

試合が終わり、感極まった信玄はセシリアをよりにもよって公衆の面前で抱きしめてしまう。信玄にとってそれは男友達とする「お疲れ様」や「ありがとう」の証のようなものなのだがした相手は異性。セシリアはゆでダコのように顔が真っ赤になっている。

 

「いっや、あんがとよ、俺と戦ってくれて!」

 

そう言ってセシリアを離す。そう言った信玄の瞳は優しく、そして力強いものだった。




作者「うっわぁ信玄大胆」

信玄「何が?」

作者「あ、こいつ気付いてねえ」

信玄「あ、出して欲しいクロスギアとかクリーチャーとかいたら作者に言ってやると出るかもだよ」
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