インフィニット・ストラトスー炎のサムライ参上!ー 作:3kuni
「…ふぃ〜、やっぱここは落ち着くぜ〜」
時刻は夜。信玄は今温泉に入っている。
「そういや、なーんであいつ顔赤くしてたんだ?」
そう思い出すは抱きしめた後のセシリアの顔。男友達と抱き合う感覚で抱きしめた信玄にとっては一切合切ドキドキや恥じらいなどの感情は無かったが、向こうは花も恥じらう乙女。しかも信玄は少々アホっぽいがかっこいい部類に入る。それは恥ずかしくて赤くなるだろう。
「にしても、そんなに珍しいかねぇ、俺の鎧…」
遡って試合終了後ーーー
「たっだいまーーっ!竜将、勝利したぜ!」
そう言ってピットに戻り鎧を解除する。するとーーー
「なんだよ信玄、あのIS!めちゃくちゃカッコいいじゃないか‼︎」
「へ?」
「う、うむ、確かにかっこよかったぞあのIS。武士道を体現した鎧武者のようで」
「いやだって俺サムライだし」
「信玄くんって普通の刀も使えたんですね〜!」
「一応緑の火灯ってるから普通の刀じゃないけどね⁉︎」
「火刀、最初のあの喋り方は似合わないからやめておけ。聞いているこっちが恥ずかしい」
「なんでそういうこと言うの織斑先生⁉︎」
みんなが出迎えてくれた。優しい、優しいがーーー
「ちょっと待て!なんで誰もさっきの戦闘についての感想を言わないんだよ⁉︎」
そう、鎧の事に関してなどばかり話して先程の戦闘なんて誰も口に出さないのだ。これには理由があり、それは「信玄が速すぎて見えなかったから」なのであるが本人はそれには気付いていないようだ。
「織斑先生くらいなんかあるっしょ⁉︎なんか、もっとこうした方がいい、とかさ⁉︎」
「銃は投げる物ではない」
「あ、それ俺も思った」
「私もだ」
「あ、先生もそう思いました。ダメですよ、銃を投げちゃ」
「そこじゃない‼︎なんでそんなみんなの感想同じなのさ⁉︎ってててて…」
腕とか足とかが痛むのか、しゃがみ込んでうずくまる信玄。実は信玄のIS…いや、鎧は絶対防御という物が無く、名目上のシールドエネルギーはあるもののダメージはそのままフィードバックされるというただの壊れない鎧のようなものなのだ。無論この事は千冬も真耶も、誰も知らない。信玄も知らない。取扱説明書とか読まないタイプなのだ。
「お、おい大丈夫か信玄?」
「ちょーっと足とか痛むだけだから心配すんな。それにあんま俺の事心配してると篠ノ之のののが拗ねるぞ?」
「なっ、何を言うのだ信玄!い、一夏がお前と話すくらいでそんな心乱れるわけがないだろう⁉︎」
「いやもうわたわたしてる時点でお察しだよ…あ、腹減った…もう行っていいっすか?」
「ああ、もう用が無いなら帰れ。結果は後日知らせる」
その言葉を聞くや否や、速攻で走って食堂へ向かい、腹が膨れきるまで食堂の飯を食べ尽くした。
ーーー戻って温泉
「ま、今日はもうゆったりして寝るかねぇ…これ以上浸かってたらセシリアみたく真っ赤になっちまう」
そう独りごちて温泉から上がりタオルで身体を拭く。筋肉質なその肉体は、見るものを魅了するであろう。おそらく。そんなこんな、途中で上裸を女子生徒達に見られキャーキャー言われながらテントに戻っていった。
ーーー同時刻、セシリアの部屋 in シャワールーム
「…」
均整の取れた身体をシャワーから出た湯が流れ落ちる。その顔はぼうっとしている、と言うよりはポーっとしているような表情だった。考えていたのは今回の第二試合、VS信玄戦だった。
「(負けたのに、不思議と悔しく無いですわ…)」
思い出すは信玄の言葉、そして眼差し。それだけでセシリアの顔はもっと熱くなる。そして相対的に自分の両親の事を思い出す。
『ーーーサムライは相手に背中を見せねえ!』
「火刀、信玄…」
その名を口にすると身体が熱くなるのが自分でもわかった。どうしようもドキドキして、そっとセシリアは自分の唇を撫でてみる。水に濡れた形のいい唇は触れられる事を望んでいたかのように不思議な興奮を生む。
「………」
熱いのに甘く、切ないのに嬉しい。
ーーーなんだろう、この気持ちは
意識をすると途端に胸をいっぱいにする、この感情の奔流は。
ーーー知りたい。
その正体を、その向こう側にあるものを。
ーーー知りたい。信玄の、事を。
「………」
浴室でセシリアがそんな事を考えていただなんて、既に寝袋で爆睡している信玄には一切知る由もないのであった。
作者「セシリアルート?」
信玄「金髪ウェーブがどうしたって?」