Fate/DisspectOrder 作:一般デーモンコマンド
禍々しい城があった。そこに入っていく銀色ジャンヌを見て、追いかけていた龍魂珠はパギャラダイダをひっこめ、こっそりと侵入する。その時、龍魂珠は感じとった。
(さて...恐らくだが気づかれているな。それでいてわざと見逃している。侮られたものだな。
...人間モドキのクセに!生意気な!)
冷静なのかそーではないのか...よく分からない感情のまま、龍魂珠は複雑な城の内部をひっそり進んでいく。
色々見て回ったが...
(聖杯がない!何処にあるんだ!?)
聖杯だけが見つからない。
見つかったのは徘徊する雑魚、良く分からないモニュメント、あと虹色の石。取り敢えず拾えるものは拾っておくことにした。
「この虹色の石...中々のエネルギーだな。ディスタス作るのに使えそうだ。しかし、血生臭いな。掃除もちゃんとできないのか、あの銀色ジャンヌは...っと、ここだな、後探索していないのは」
音をたてずに、ゆっくりとその部屋へと入る。そこに居たのは...
「―――現界しなさい」
居たのは銀色ジャンヌと、ぎょろりとした目をした背の高い男。そして、銀色ジャンヌの目の前には...きらりと光輝く物。
(見つけた...聖杯!)
聖杯が光り輝くと、2騎のサーヴァントが召喚される。それを見て、銀色ジャンヌは頷いたかと思えば、顔をしかめて言った。
「ライダーが自決しましたか...聖女を狂化しても理性が残るのは困ったものです。とはいえ、彼女も全力で戦ったはず。それを葬り去ったと考えると、油断なりませんね」
(...ライダー、というのはあの時いたサーヴァントの一体か。チッ、せっかくの素材ゲットチャンスを逃したか)
龍魂珠はちょっとだけ後悔しつつ、話の続きを聞く。
「次は私と
ジルと呼ばれた男は、恭しく頭を下げ、言う。
「かしこまりました。かつての私ならお引き止めしたでしょうが...今の貴女は完璧な存在!ジャンヌ、貴方には武運すら不要!どうぞ、存分に蹂躙して下さいませ」
「えぇ。では、行きましょうか、バーサーカー、アサシン...ややこしいですね。真名でいきましょうか」
「湖の騎士、ランスロット。
処刑人、シャルル=アンリ・サンソン。さぁ、行きましょうか...と、いきたいですが」
キッ、と龍魂珠のいる方へと銀色ジャンヌが視線を向ける。
「どうやらネズミがいるようですね。ここは...ランスロット、貴方が始末しておいて下さい。サンソンは、私と共に」
「urrrrrrr」
「了解しました、マスター」
「私は手伝ったほうがよろしいかな?」
「ランスロット1人で充分でしょう。貴方は休んでいなさい」
「それでは、お言葉に甘えて」
別の入口から、銀色ジャンヌとサンソンと呼ばれたサーヴァントは出ていく。それを見て、龍魂珠はやれやれといわんばかりに、ジルとランスロットの前へと姿を表した。
「...やはり気づいていたか。全く、聖杯も持っていきおって。...不遜な!」
「あーぁ、ムカつく!この怒り、貴様で晴らしてやるぞ、鎧の人間モドキが!」
「...urrrrrr!」
ランスロットが吠える。それを見ながら龍魂珠は3体のディスタスを呼び出した。
「骸兵ケルトン−1、Disイバーン、Disゾン!この新たなディスタスで相手をしてやろう!...行けぇ!」
ダッ、と3体のディスタスがランスロットへと肉薄する。ケルトンは左、イバーンは右、ゾンは真ん中から。連続して攻撃を叩き込んだ。
ケルトンは槍で何度も何度も突き刺す。ゾンは剣で切り刻む。イバーンはその爪で何度も引き裂く。
「ハッ、どうした、抵抗しないのか?」
龍魂珠が侮るようにランスロットに言う。
それを聞いて、黙って攻撃を受けていたランスロットは...
「urrrrrrrr!!!」
一瞬にして、3体のディスタスが吹き飛ばされる。そして、驚異的なスピードでそのディスタス達を追いかけ、1体1体バラバラにして殲滅した。
「ハッハッハ、流石バーサーカー。そのディスタス?とやらも中々のものなのでしょうが...どうやら、無駄だったようですな」
ジルがニヤニヤと笑う。それに龍魂珠は後で殺すと思いつつ、ランスロットの動きを観察しようとするが...
「ッ!?」
「urrr」
目の前に、ランスロットが居た。強烈なパンチが龍魂珠のど真ん中に撃ち込まれる。
「ガハッ...」
ボールのように跳ねながら龍魂珠は吹き飛んでいく。壁にぶつかって止まると、痛む身体を再生させていきながら龍魂珠はどう対応すべきか考え始める。
(不味い不味い不味い!何だあの馬鹿力は!?今までのサーヴァントもそこそこの力だったが、このレベルの力を持っているのは居なかったぞ!?)
龍魂珠はディスペクターを召喚すべきだと判断し、ディスペクターを出そうとする。
しかし、既にランスロットがこちらに近づいていた。荒い息遣いの音が、どんどん大きくなっていく。
「urrrrr...」
「ぐっ...来るんじゃない!」
龍魂珠はブラッドウ−2、フンヌ−2を呼び出し足止めする。今度はブロッカーというのも、あり多少は耐えているが、直ぐに倒されてしまうだろう。
「今のうちに...よし、準備完了!さっきはよくもやってくれたな、鎧の人間モドキ!新たに作り出したサーヴァントディスペクター、その実験台になるがいいわ!」
龍魂珠の体が輝き、1つのシルエットがランスロットの前に現れる。
「urrrrrrrrr...?」
そこに居たのは、セイバーオルタの手足がエミヤのものになっていて、背中から抱きつくようにエミヤの上半身が連結しているディスペクター。
「さぁ、初戦闘だ。存分に暴れるがいい、
『主従連結オルタリア・エミーチャー』よ!」
「―――――!」
くぐもった声で叫ぶオルタリア・エミーチャー。さぁ、いざ尋常に...と龍魂珠がランスロットにけしかけようとするが、ランスロットに異変が起こっていることに気付いた。
「何だ?」
ランスロットは震えてオルタリア・エミーチャーを見つめている。そして、途切れ途切れに呟いた。
「...urrr...我が...王...ここで...出会える...とは...urrrrrrrrrrrrrrrrrrr!」
ランスロットは歓喜するように声を張り上げる。それを見て、龍魂珠は結局何なのか分からないがとにかくチャンスと判断した。
「今だ、やれ!」
オルタリア・エミーチャーが4つある腕にそれぞれ剣を作り出し、ランスロットの元へと走り出す。それに気付いたランスロットも殺意を感じたのか、再び臨戦態勢をとった。
「―――――!!!」
それぞれ別方向から剣をランスロットに振るう。左、右、上、下。その剣筋は冬木で戦ったアーチャーのものだ。それを驚異的な反応速度でランスロットは対応する。
オルタリア・エミーチャーは一旦後ろにバックステップしたかと思えば、何かをボソリと呟いた。...直後、一振りの剣を床に突き刺したかと思えば、ランスロットに向けてそれと同じ剣が続々と針山のように迫っていく。
「urrrrrrr!」
それをこれまた避けるランスロット。しかし、剣の波は止まらない。ランスロットが逃げても逃げても、追いかけ続ける。
「urrr、rrr...」
しかし、いくらバーサーカーといえど英霊。体力が尽きる時はやってきた。が、丁度ランスロットを追いかけていた剣もその動きを止める。ランスロットがこれを好機と見て体力を回復させようとするが、そんなことさせるわけない。龍魂珠はオルタリア・エミーチャーに高らかに指示した。
「トドメだ!
オルタリア・エミーチャーが持つ4つの剣それぞれにエクスカリバーとほぼほぼ同等のエネルギーが宿る。それを、ランスロットへと構え...
――― 体は冒涜で出来ている。
血潮は不遜で、心は歴史。
幾たびの戦場を冒涜し。
ただの一度も敗走はなく、
ただの一度も理解しない。
彼の者は常に独り、剣の丘で冒涜の勝利に酔う。
束ねるは冒涜の歴史、輝ける偽りの命の奔流。
故に、その関係に意味はなく。
その体は、冒涜の剣で出来ていた。
『
放たれた全てを冒涜する4つの一撃は、疲弊し、動けないランスロットを跡形もなく飲み込むのだった。
他のサーヴァントディスペクターも早く出したいな...