Fate/DisspectOrder 作:一般デーモンコマンド
マルルのフレテキ好きな人ごめんなさい。
「...えぇい!失ったモノは仕方ない!次だ次!」
龍魂珠は改めて戦況を確認する。どうやら、立香達が優勢のようだ。
「我直々にやられた所に素材を取りに行ってもいいが...我は学習しているのだよ。我が分身よ、素材を回収するのだ」
ディスタスとしての龍魂珠が現れる。ディスタス龍魂珠は、それぞれの戦闘場所にゆっくりと、こっそり近づいていく。そして、相手のサーヴァントが光の粒子と化した瞬間、シュバッ!と素材を回収した。
「よしよし、気づかれずに回収成功。そういえば、ジャンヌはどうなった?」
ジャンヌの方を見れば、フニールの助けもあり、ジャンヌ・オルタと数体のワイバーンに対して優勢に戦えていた。
(サーヴァントは近くに居ない。いるのは数体の雑魚だけ...攻めるならば...今!)
ドルマーク−2を召喚し、後ろからジャンヌ・オルタの元へと距離を詰めさせる。
(このままスレイヤーでやってやる!)
そして、ドルマークの拳がジャンヌ・オルタへと当たりそうになった時...
「守りなさい」
「な...何ぃっ!?」
一体のワイバーンがドルマークにぶつかってくる。結果、ドルマークのスレイヤーはワイバーンに発動してしまった。
「貴様は...ギョロ目人間モドキ!」
「失礼なあだ名ですな。私にはジル・ド・レェという名があるのですよ」
ワイバーンをけしかけたのはジャンヌ・オルタの腹心、ジル・ド・レェ。どうやら龍魂珠を足止めするつもりらしい。
「はっ、貴様がどんな名前だろうが知ったことか。それより、我の邪魔をするつもりか」
「当たり前でしょう?彼女の邪魔をしようとする者を止めるのは」
「そうかそうか。ならば...我の素材の1つにしてくれるわ!」
龍魂珠の身体が輝き、Disイバーン、Disマスター、Disドラピ、Disアサイラムが召喚される。
「新旧入り混じっての戦闘だ。存分に楽しむがいい」
イバーン、アサイラムが空中のワイバーン軍団を、ドラピとマスターが地上のゾンビやウルフなどの雑魚を相手し始める。
「ふぅむ。せっかく用意した兵をたった4体で蹴散らしている。成る程、これが貴方の力ですか」
「おいおい、我の全力はこんなものではないぞ?折角だ、貴様はこいつで相手をしてやろう!」
龍魂珠の身体が再び輝く。現れたのは、白く輝く武装に悪魔の力を連結されてしまった不滅の天使。
その名は、滅将連結パギャラダイダ!
(そういえばこいつを作っていたのを忘れていた。バロディアスを作る前に作っておいて正解だったな...)
「これは...なんとも...」
ジルはさらに目を開き驚く。それに龍魂珠は勝ち誇った表情をする。
「貴様はこれで充分よ。いや、寧ろ過剰まであるかな?まぁそこはいいか。では...やれ、パギャラダイダ!」
パギャラダイダが吠え、ジルに突進する。
「おっと、危ない」
それをスルッと避けたジルは、手元に持った本から魔力弾を放ち、パギャラダイダに攻撃する。
その魔力弾を...いつの間にかパギャラダイダの近くに現れた骸兵ケルトン−1が身を挺して受ける。パギャラダイダの能力で、この特異点で死んだディスタスが蘇ったのだ。
「ほう...死をも操る...」
「そう珍しいものでもないがな」
龍魂珠とジルが睨み合う。他の場所からは段々と戦闘音が減ってきているようだ。
戦いの終わりは近い。
◇
「なに...馬鹿な...!」
ジャンヌの一撃によってジャンヌ・オルタは倒れる。それを見たフニールはかつてのことなど忘れたように高らかに勝利の雄叫びをあげた。
「聖杯を持つものに敗北は無い...筈!それ、なのに...!」
瞬間、近くに人影が現れる。ジルだ。
「おぉジャンヌ!なんと痛ましい姿に!」
「ジル...私は...」
「大丈夫です。このジル・ド・レェが来たからには全てお任せを。大丈夫、貴女は負けていない。ただ少し休む時が来ただけなのです」
「...そうね...貴方に任せれば...大丈夫...」
そうして、ジャンヌ・オルタはあっさりと光の粒子となり消滅していく。
「待てギョロ目人間モドキ!...って、急に逃げたと思えば銀色ジャンヌがやられているではないか!?」
パギャラダイダと共に龍魂珠も駆けつける。その後に、立香達もやってくる。あまりの急展開に目を開いた驚いていた。
「えーと、どうなってるのかな?」
「銀色ジャンヌがジャンヌとフニールによって倒されてハッピーエンドになった、ということだ」
「...本当に?」
「我を信じろ...うん」
「煮えきらないなぁ...」
立香がため息を1つついている側で、ジャンヌとジルが話始めた。
「成る程。やはり、貴方の仕業ですか。ジル」
「えぇ、貴女の想像通りですよ、ジャンヌ。彼女を倒せば良いわけではなかったのですよ」
「...ジル、何故このような...」
その会話にマシュも加わる。
「あの、ジャンヌさん、これは一体どういう...?竜の魔女はジャンヌさんが倒したのでは...」
マシュの疑問にジャンヌは冷静に答える。
「...聖杯の持ち主は竜の魔女ではなかったのです」
「なに...?」
(どういうことだ...確かに我は銀色ジャンヌが聖杯を使っているのを見たぞ?)
龍魂珠が内心そう考える。
ジャンヌは続ける。
「そもそも竜の魔女...あのようなサーヴァントは英霊の座には存在しないのです」
「...なぁ、マリー。英霊の座とは何だ?」
「わたし達サーヴァントの元になる英雄の魂が保管されている場所...みたいな感じかしら。わたしもそこまでちゃんと知っているわけではないからわからないけれど」
「ふぅん...」
「...あの竜の魔女が私の闇の側面ではない以上、そう結論づけるしかありません。では、何故サーヴァントは強力な力を手に入れたのか。それは間違いなく...聖杯によるもの」
ジャンヌはジルの目を真っ直ぐ見据えて言った。
「貴方の願望。私を聖杯の力で作った、ということ。でしょう、ジル?」
その言葉にジルはクックッと笑うと、肯定の言葉を返した。
「えぇ、えぇ。その通り。私は貴女を蘇らそうと願ったのです、心の底から。...しかし、その願いは聖杯に拒絶された。万能の願望器でありながら、それは叶えられないと」
「ならば新たに創造するしかない!私の望んだ、信じる、聖女そのものを!」
「作り上げたのですよ...!聖杯そのものによってね!」
息切れしながら早口でいいきるジル。そんなジルの前に龍魂珠が目の前に立ち、言った。
「貴様...」
「はぁ、はぁ...何です?」
「そんっなくだらない事で聖杯を使ったのか!?」
空気が凍る。完全に余計な一言であった。
「私のこの願いを、くだらないと...?」
「あぁ、くだらん!人間のジャンヌは死んだのだろう?死者をいつまでも未練がしく思うなど...我にとっては時間の無駄としか思えんな」
「...貴様っ!」
ジルが龍魂珠を睨み叫ぶ。それを聞きながらも龍魂珠は続ける。
「理想の聖女を作り上げる?そんな人形遊びの為に?せっかく強大な力があるというのに!力の使い方がへたくそ!へたっぴだ!」
「真の黒幕が貴様だと分かった時は期待したのだがなぁ...残念だ。結局は人間モドキか。我のような崇高な目的だったら少しは協力してやろうと思ったのだが」
ジルは龍魂珠を見て身体を震わしている。一方、立香達も龍魂珠の言動に引いていた。
『...いやぁ、嫌な性格の人だとは思っていたけど...こう、なんだかなぁ...や、彼は人間じゃないから考えが違うという可能性も...』
「どっちにしろ、聞いて気持ちの良いものではないよね...」
「マスターの言う通りです。たとえ悪い願いでも人の願いを頭ごなしに否定するのはいいことではないです」
「何故我は責められてるのだ...?」
周りからの言葉に疑問を持ちながらも龍魂珠は気を取り直してジルに言った。
「まぁ、とにかくだ。貴様を倒し、聖杯を奪う。それが我達の言いたいことよ」
(勝手にこっちの総意みたいに言いやがった!)
立香は内心ツッコんだ。
そして龍魂珠は言った。
「5秒やろう。神か悪魔に祈るが良い」
「...私が祈るのは『聖女』だけだァァァ!」
ジルが吠え、龍魂珠に突っ込んでくる。
あわや、その攻撃が龍魂珠に当たりそうになったその瞬間...
「...とまぁ、見事に釣れたものだな」
「ガッ、アァ...!?」
後ろから迫っていたパギャラダイダがジルの身体を貫いていた。
「バ、カな...」
「貴様のようなちょこまかと逃げる、自分を冷静だと思っているようなヤツは地雷を踏めば勝手に逆上して突っ込んでくるからな。気を悪くしたなら謝ろうか?」
「ぐ、ふ、ふざけ...がはっ...」
ジルの身体が粒子化し始め、聖杯がジルの懐から転がり落ちた。
龍魂珠は聖杯を拾う。
最終決戦は、あっさりと終わりを告げるのだった。
次回、エピローグ。