Fate/DisspectOrder 作:一般デーモンコマンド
よーやくエピローグです。
『...終わったみたいだね...なんともスッキリしない終わり方だけど』
ロマニの言葉に立香達はうんうんと頷く。
一方、龍魂珠は内心ウッキウキだった。
(ようやく、ようやく手に入れたぞ、聖杯!これで我の力を取り戻し、新世界創造の続きを再開できる!ククク、待っていろ旧世界のクリーチャー共!我が戻った時が貴様らの醜い歴史の最後だ...!)
そう龍魂珠が考えている時、冬木の時のように周りが震え始めた。
『聖杯が回収されたおかげで、特異点の修正が始まったようだ。レイシフトの準備はできているから、直ぐにでも帰還してくれ!』
ロマニの言葉に立香とマシュは頷く。すると、それを見ていたジャンヌが立香に話しかけた。
「...もう、いかれるのですか?」
それに立香はキリッとした表情で答える。
「まだ、やるべきことがあるから。いかなくちゃ」
「...そうですか」
ジャンヌは少し悲しげに答えた。
...周りを見れば飛んでいたワイバーンや、ゾンビが消えていく。そして、消えていくのはワイバーン達だけではない。
立香達の味方として戦ってくれたサーヴァント達も役目を終え、光の粒子となり始めていた。
「あら、もう終わり?まぁ、目的は果たしたし良しとするわ。じゃあね、子イヌ」
「ここでお別れ...でも、安心してください、マスター。私、執念深いタチなので。...それでは、ごきげんよう」
エリザベート、清姫が消えていく。続いて、ジークフリート、ゲオルギウスも消え始める。
「改めて、助けてくれたことに感謝する。マスター達が来てくれなければ呪いによって俺は終わっていただろう。...またいつか、召喚してくれ。その時は再び力を貸そう」
「私も、貴女と戦えていた良かった。貴女達の旅路はまだまだ続いていくのでしょう。貴女達の旅路に幸あらん事を祈っておきます。...では」
そして、この特異点で龍魂珠が初めて出会ったサーヴァント。マリーとアマデウスも消え始める。
「あぁ、ようやくお役ゴメンか。働きすぎてケツが痛い!」
「アマデウス、それはダメですわ!」
「あぁ、このネタは禁句だったか。失敗失敗。それはともかく、いい指南だったよ立香。実に、やりがいがある仕事だった。...後、龍魂珠、君もね。君が居なかったらマリーはこの場に居なかっただろうし。じゃ、改めて。また会おう!」
「まったく、アマデウスは最後まで...とにかく、わたくしからも感謝を。貴女達や、アンさん、そして、ジャンヌと戦えた事はわたくしの中で忘れられない事になりましたわ。ぜひ、次は貴女方が召喚してくださいね。それでは、ごきげんよう」
アマデウス、マリーもそう言って消えていく。
最後に、立香はジャンヌの方へと向く。駆け寄って来ていたまだサーヴァントではないジルとの話を終えたジャンヌは立香に気づくと、にっこりと笑い、話始めた。
...一方、龍魂珠はというと...
(素材がウハウハだぁ!聖杯も手に入ったし、運は我に味方している!)
お礼など聞いてもいない、相変わらずなヤツだった。
そして、龍魂珠が立香に話しかけようとした瞬間。
「おい、立...ぬぉぉぉぉぉぉ!?」
帰還するためのレイシフトが始まるのだった。
◇
「おーい、起きろ」
「ぬ...?ここ、は」
龍魂珠は、気付けば例の白い空間に居た。近くにはクリーチャー達が描かれたカードが並んで浮いている。
そして、龍魂珠が声をする方を向くと、そこに居たのは、五龍神の一柱、炎龍神ヴォルジャアクだった。
「...また貴様らか。今度は何のようだ?」
それにヴォルジャアクは答える。
「今回はこの我だけだ。どうしても伝えなければならない事が分かった為、こうして干渉させてもらっている」
「ほーう。で?我に伝えなければいけない事とは何だ?もう聖杯は手に入れたし、特に問題はないが」
その龍魂珠の言葉に、ヴォルジャアクは困った声で答えた。
「うむ...話したいこととはお前の力を取り戻すという件についてだ。前は聖杯を手に入れればそのエネルギーで他の合体が出来るようになり、全盛期に戻ることが出来ると言ったが...そうはいかなくなったのだ」
「何だと!?訳が分からん、さっさと説明しろ!」
「順をおいて説明しよう。まず、お前の力...ここで指すのはディスペクターを作ったりするためのエネルギーだな。それは聖杯を手に入れたりすることで取り戻す事ができる」
「そして、これが今回話そうとした事だ。...ディスペクターを作るための合体方法が、
あまりにも突然な内容。龍魂珠は困惑しながら質問する。
「どういうことだ?合体方法が散らばる?そんなことあり得ない」
「いや、実際有り得ている。散らばったタイミングは恐らくお前がこの世界に来た時。完全な別世界へと移動というのは身体に大きな負担を与える」
「お前がレクスターズとの戦いもあって弱っていた事、この世界での特異点の発生。様々な偶然が重なった結果、お前の合体の力がこの世界の特異点に散らばったのだ」
それを聞いた龍魂珠は震え声で言う。
「つ、つまり?聖杯を手に入れただけでは連結のディスペクターしか生み出せないと?」
「あぁ、そうだ」
「ば、バカなぁ...」
龍魂珠はぽよんと座り込んだ。ヴォルジャアクが続ける。
「お前の合体の力はディスタスや呪文となりこの世界の特異点へと散らばっている。それを取り戻したいならば、カルデアの人間達と共に特異点へと向かうのだな」
そこまで言うと、ヴォルジャアクの身体が透け始める。
「では、時間だ。後は頑張るのだな」
そう短く言い残して、ヴォルジャアクは白い空間から消えていった。
残されたのは、龍魂珠だけ。
「...いいだろう。やってやる、やってやろう!」
「合体の力を取り戻す!ついでに他の特異点にある聖杯も全部我の物にしてやるわ!」
うぉー!と叫ぶ龍魂珠。数秒間叫ぶと、一旦落ち着く。そして、目の前にあるカードを見つめた。
「腹いせに新たなディスペクターを作ってやる!1体分のエネルギーは溜まったしな!」
じー、とカードを見ていた龍魂珠だが、思い出したように言う。
「そーいえば、さっきの特異点で素材が沢山手に入ったのだったな。では、あっちの方に意識を集中して...」
目の間カードが入れ替わっていく。龍魂珠の身体から光がすっ、と離れると、真っ白なカードに吸い込まれていく。特異点で出会ったサーヴァント達の名前が刻まれた。
「ど、れ、に、し、よ、う、か、な。...決めたぞ!最初に手に入れた素材のコイツ...サンソンとやらと、初めてあったサーヴァントのアマデウスを『連結』させてやろう!」
そう言うと、ジッパーが現れる。そして、カードからも虚ろな目をしたサンソンとアマデウスが現界する。
「サンソン、そしてアマデウスよ。我に従え!」
ジッパーが彼らの身体に巻き付き、その身体を連結させていく。そして...
「ククク、完成だ。そうだな...名前は、
『音刑連結アマルル=サンデウスソン』とでもするか!ハーハッハッハ!」
白い空間に龍魂珠の笑い声が響く。
こうして、龍魂珠の最初の特異点攻略は終わるのだった。
――1431年:邪竜百年戦争オルレアン――
――定礎復元――
音刑連結 アマルル=サンデウスソン
頭がサンソン、身体がアマデウスになっているというディスペクター(イメージはギュカウツ・マグル)。かつて恋焦がれた女性のため、ただひたすらに処刑という音楽を奏で続ける。
宝具
死は冒涜のための葬送曲(ディスレクイエム・ラモール)
フレーバーテキスト
その葬送曲は処刑人の頭脳によって完成した。