Fate/DisspectOrder 作:一般デーモンコマンド
龍魂珠Startセプテム
これは、龍魂珠達がカルデアに戻ってきたばかりの時の話。
無事にレイシフトすることができた立香、マシュ、ついでに龍魂珠はカルデアの部屋へと歩を進めた。
「やぁ、おかえり!君達のおかげで1つ目の特異点は無事に修正された。全カルデア職員を代表して言おう。本当にありがとう!君達はもう一人前の魔術師だ!」
ロマニからの感謝の言葉にこそばゆく感じる立香。その表情は照れながらも自信をつけた、という表情だった。
「さて、じゃあ聖杯をこちらに渡してくれるかな」
ロマニが龍魂珠の方へと向いて言う。それに対して龍魂珠は何も答えない。この場の全員が何も言わない龍魂珠に注目する。
「えっと、龍魂珠さん?どうしましたか?体調が悪くなったりして...」
そこまでマシュが言った時だ。突然龍魂珠が地面に落ちて、そのまま動かなくなる。どうやら冬木の後の時のように意識がまだちゃんと戻っていないようだった。
「あー...レイシフト酔いしてたのか。立香ちゃん、悪いけど後で寝床に連れて行ってあげてくれるかい?」
龍魂珠が地面に落ちた衝撃で、龍魂珠の身体から転がりでてきた聖杯を回収しつつ、ロマニが立香にそう頼む。それに対して立香は快く快諾した。
「分かりました」
「ありがとう。では改めて...今日のところはこれで終わり!温かいベッドに入ってゆっくり休んでくれ」
そして、立香とマシュは自身の部屋へと向かう。それを見送っていたロマニにダ・ヴィンチが話しかける。
「いやぁ、無事に帰ってきてくれて良かったねぇ。そうだ、はい、これ最新の観測記録」
「おおお!完璧だ!一寸の狂いもなく修正されている!良かった!」
「うんうん、彼女等は凄いね。それはそうと、こっちも渡しておくよ」
そう言ってダ・ヴィンチがロマニに渡したのは、龍魂珠の姿が描かれた紙だった。
「これは?」
「彼...龍魂珠の事を調べている時に現れたデータさ。と言っても、よくわからないことしか書かれていないけど」
ダ・ヴィンチは困ったように言う。
「よくわからない...?ちょっと失礼。...なぁ、これに書かれている『超獣王来列伝』て何だ?」
「いくら私が天才でも、分からないことはあるんだよ?それはラプラスやシバが最低限度動くようになってきたから、試運転程度に彼の事を調べたら出てきたものだからね」
「まだ最低限度にしか動かないからこの程度の情報しか観測できないのか...それとも、本当にこれだけしか情報がないのか、のどちらかだ。いずれにせよ、彼の事はまだまだ調べたほうが良さそうということさ」
そこまで聞いたロマニは、少し考えた後、申し訳無さそうにダ・ヴィンチに言った。
「成る程...分かった。君の負担が増えてしまうが...龍魂珠についても、他の作業と並行して調べて貰えるかな。もちろん、何か手伝うことがあったら手伝うからさ」
「りょうかーい。ま、取り敢えず今日はキミも休むと良い。後は私達に任せてね」
そう言いながら、手を降って部屋から出ていくダ・ヴィンチ。それを見て少し微笑むと、ロマニも自身の仮眠用部屋へと向かうのだった。
◇
「ム。いつの間に我が部屋に戻っていたのだ?」
ぬっ、と、どう見ても猫用ハウスにしか見えない場所から龍魂珠は出てくる。
ハウスが置かれているのは立香の部屋だ。
何故、龍魂珠が猫用ハウスから出てきたのかというと、最初は無事に余っている部屋が無く、龍魂珠は立香の部屋で寝泊まりすることになった。
しかし、龍魂珠は自分専用の部屋が良いとごねた。全員が困っていたところ、たまたま物資の整理をしていた職員の1人がこの猫用ハウスを持ってきたのだ。
猫用ハウスを知らない龍魂珠はそれを自分専用の部屋だと勘違いした。結果、今のこの状況に至っている。
それはさておき、目覚めた龍魂珠は扉を開け、廊下へと出る。龍魂珠は歴史を観測するような能力を持つ特別な存在だが、生き物だ。勿論、腹が減る。簡易食堂へと向かっていると、通りがかった部屋から沢山の人の声が聞こえてきた。
「...何だぁ?」
扉を開け、中に入る。躊躇はまったくしていなかった。そして、中で見たものは...
「あら、アンさん!少しぶりですわ!」
「...マリー?それに、他の人間モド...サーヴァントまで」
居たのは、オルレアンで味方として戦ってくれたサーヴァント。そして、ジャンヌ・オルタ含む、敵対していたサーヴァント達であった。
「おはよう、龍魂珠」
「お、おお。立香、これはどうなっている?何故コイツらがここにいるのだ」
ワイワイとマリーと談笑しているアマデウスと、それを少し嫉妬が含まれた視線で見ているサンソンを見ながら立香に質問する。因みに、ディスペクターにした筈の2人が普通にいるのを見て龍魂珠はビックリしていた。
「それは私が説明しよう」
「お前は...!ダ・ヴィンチ!」
「ダ・ヴィンチちゃんって呼んで欲しいなぁ?ま、それはとにかく。何故彼らがここに召喚されているのか。それはこの...英霊召喚システム、フェイトが直って使えるようになったからさ!」
「...あぁ!そういえばそんなモノがあるとオルガマリーとかいう人間が言ってたな!」
龍魂珠は思い出す。それを見たダ・ヴィンチはうんうんと頷くと、色々説明し始めた。
「このシステムは既存の召喚とは別の観点からサーヴァントの召喚を実現していてね。魔力は無茶苦茶消費するし、召喚のランダム性が強いのだけれど、その分使用者との『縁』に反応してね。そのサーヴァントを優先して召喚できるようになっているのだよ」
「説明が長い、1行でまとめろ」
「知り合いのサーヴァントが召喚できるモノ」
「ふん、最初からそう言え」
そんなやり取りを後目に、龍魂珠に近づく何人かの影。龍魂珠が気づいて振り返ると...
「やぁ、龍魂珠、だったかな?お久しぶりですなぁ」
「久しぶりね、まんまる」
ジャンヌ・オルタと黒いジル・ド・レェがそこに居た。
「うぉぉぉ!?おい、敵だぞ敵!何故貴様らのがここにっ!?」
「...癪だけど、こいつとの縁から呼ばれたみたいなのよ」
「私も同じく。いやぁ、まさかすぐに味方に引き入れられるとは思いませんでしたがな」
まさかの新メンバー達。よく見れば長髪ロングのジルや普通のジャンヌも居る。というか冬木で仲間だったキャスターも居る。キャスターと顔がそっくりな槍を持ったヤツも居る。
サーヴァントは何でもアリなのか...そう思う龍魂珠だった。
◇
召喚された彼らと分かれた後、立香と共に食堂へと向かい、食事を取った龍魂珠は、立香がロマニに呼ばれていると聞き、そのままついて行っていた。
「やぁ立香ちゃん、おはよう。それに龍魂珠も来てたのか。呼ぶ手間が省けて良かった良かった」
にへらと笑うロマニ。すると、ダ・ヴィンチと共にマシュもやって来る。それを見たロマニは表情を引き締めると、全員に向かって言った。
「では、全員揃ったね。と言っても、実働部隊は立香ちゃん、マシュ、そして龍魂珠だけ何だけどさ」
「ん?召喚していたジャンヌ達がいるだろう。何故奴らを呼ばん」
龍魂珠の質問にダ・ヴィンチが答えた。
「んーとね。今の設備や資源の状況的に、君達3人送るのがギリギリなんだよね。だからジャンヌ・ダルク達は今回は同行出来ないんだよ」
「ほーう、そうかそうか。成程なぁ」
「...えーと、じゃ、改めて。今回行く特異点を発表する。皆、よーく聞いてね」
全員がロマニの言葉に集中する。そして、ロマニから伝えられた次の特異点は...
「ローマ。具体的にいうと古代ローマだね。そこが次のレイシフト先だ」
「...ほう」
特異点の旅が、再び始まる。
タイトル詐欺感あるな...まぁ、良いでしょう。
章の始まりなのは間違ってないしね!