Fate/DisspectOrder 作:一般デーモンコマンド
ローマを侵攻していく連合、そして突如として現れた怪物、アルカワネットを倒すため、進む立香達とネロ。
一旦拠点へと戻る事になり、立香達は目的地へと足を進めていた。
「しかし、本当に龍魂珠さんはどこへ行ったのでしょうか?」
「さぁ...」
『彼の魔力を感知できればいいんだけどね。あのディスペクターの巨大な魔力のせいで、こっちの感知器はそれにしか反応しないんだ』
「とことんヤバいね、あのディスペクター」
そう雑談しながら進んでいると、ネロが悩んだ様子で話しかけてきた。
「話している所すまないが...」
「どうしました?ネロさん」
「あの話をまたさっきあった農夫から聞いたのだ」
「あの話...地中海のある島に古き神が現れた、という話のことでしょうか?」
「あぁ、それだ。これで何度目だ?この話を聞くのは」
ネロの言葉にマシュが答える。
「正確には、四回ですね。この数日間、龍魂珠さんの事を通りすがりの人々に聞いてみましたが、皆さんから聞けたのはその話だけでした」
「本当にアントマなんちゃらとやらは逃げるのが上手いようだな。全く、仲間の手を煩わせるとは良くない球体だ」
ネロは呆れた様子でそう言った。すると、ロマニが全員に提案をした。
『立香ちゃん達がよければだけど...その島に行ってみるのはどうかな?』
「島に...ですか?」
「あぁ。もしかしたら神と名乗っているのは龍魂珠かもしれないし...そうではなかったにしろ、何か手がかりがあるかもしれない。行って、損はないと思うんだけど、どうかな?」
ロマニの提案に、真っ先にネロが答えた。
「余は賛成だ。民や、他の将達からの情報もない以上、自分達で探すしかない。幸いにして、ここは地中海に面しているしな!」
「...そうですね。あのディスペクターを倒すには、龍魂珠さんが必要不可欠です。マスターもいいですよね?」
「うん。そこに行ってみよう」
『決まりだね。じゃ、早速...』
その時、兵士の一人が急いだ様子でかけてきた。
「ほ、報告いたします、皇帝陛下!隊列後方が正体不明の怪物に襲われています!!なかなか抑えきれず、このままでは...!」
「むぅ。話の途中だというのに。間の悪い奴らだ」
「ドクター、正体不明の怪物は...」
『あのディスペクターではないよ。恐らく、連合だろう』
「手早く片付けて、龍魂珠を探しに行こう」
「はい、マスター!戦闘、開始します!!」
そうして、怪物達との戦闘が始まった。
◇
立香達が怪物達と戦っている頃。龍魂珠はある島にたどり着いていた。
(アルカワネットのものではない力を感じてここまで来てみたが...)
龍魂珠はあたりを見渡す。あるのは小さな入口の洞窟と、砂浜、そして森。
(無駄足だったか...?)
「あら、そうではないかもしれませんわよ?」
「っ!?」
龍魂珠は骸兵ケルトン−1、Disゾンなどのディスタス達を呼び出し、戦闘態勢を取る。龍魂珠の視線の先には、人のものとは思えない美貌を持つ少女がいた。
「ごきげんよう。私はステンノ。当代における私の仮住まいへようこそ、歴史の冒涜者さん?」
「...貴様、どこまで知っている」
「あら、そんなに警戒しないでくださる?私が知っているのは、ここに現界した時に入ってきた情報だけですわ」
「どうだかな」
「あらあら、疑り深いのね。人間だったら、とっておきの試練を用意しておいたのだけれど」
そう言ってクスクス笑うステンノ。だが、龍魂珠は警戒を緩めない。いつ戦闘になってもいいように、ディスペクターの召喚の準備を始めていた。
「おい、人間モドキ。貴様の持つ情報とやらを我に話せ。そうすれば、貴様を敵とはみなさないでおいてやる」
そう龍魂珠が言った瞬間だった。ステンノから、莫大な魔力が発せられる。
「こ、れは...」
「あらあら、流石にそれは不遜ではなくて?いくらあなたが異界からの
「ふぉー、りなー?い、いや、それは後だ。
...貴様こそ調子に乗るな!一体、貴様が何だというのだ!」
「女神ですけど、なにか?」
「...女神ぃ?」
龍魂珠の思考がストップする。莫大な魔力、そして龍魂珠に不遜と言ってのける態度。それらの事から、龍魂珠はよっぽどの奴なのだろうと思っていたのだが...
(か、神如きのヤツが我にあんな態度を取っていたのか!?な、なんて馬鹿馬鹿しい...)
本来ならば、ステンノの女神だという発言はとてつもないものだろう。しかし、相手は
(はぁ、警戒して損したな。神くらいなら、大丈夫だろう)
「...あー、悪かったな。それはともかく、我は情報が欲しい。貴様の知っているということを、教えてはくれないか?」
そう言う龍魂珠を見ながら、ステンノは静かに考え始める。その姿すら美しいのは、流石女神と言うべきだろう。なお、龍魂珠には全く響いてはいなかったが。
少し考えたステンノは、ゆっくりと口を開いた。
「...しょうがないわね。いいでしょう、今回だけの特別ですのよ?」
そう言って、ステンノは洞窟の入口を指差す。
「あの洞窟に、困った怪物がいるの。それを倒してくれたら、あなたの望む『情報』をさしあげますわ」
「本当だな?」
「えぇ、女神は嘘をつかないのよ?」
「ふぅん...?まぁ、いいだろう。我がその怪物とやらを倒してやろうではないか」
龍魂珠は訝しみながらもそう言うと、召喚していたディスタス達を連れ、洞窟の中へと入っていった。
「うふふ...」
...それが、女神の用意した罠だと知らずに。
◇
「...」
クマリーン・アルカワネットは、とある街で佇んでいた。その街は、既にアルカワネットの手によって燃え盛る廃墟へと変貌していた。
「―――」
アルカワネットのぽっかりとあいた首の穴から、空気の漏れる音が鳴り響く。何を言っているのかは分からない。悦に浸っているのか、それとも哀れんでいるのか...
「...」
ふと、アルカワネットは手を前にかざした。手から、魔力が溢れ、とある形へと象られていく。
現れた姿は異形のものだ。ところどころがモザイクのようになっている。それは、アルカワネットに施された『混成』と同じもの...
「――」
短く音を鳴らすと、アルカワネットは飛び去っていく。後に残されたのは、アルカワネットのコアとなっている、龍魂珠の混成の力で作られたサーヴァントディスペクター。
狂った皇帝と、策士の皇帝が混成されたその存在の名は...
『狂策混成カリウス・ギュリウス・ラエサル』。
狂気と策を合わされた皇帝は、とある島の方向へと進みだした。
オリジナルディスペクター紹介
狂策混成カリウス・ギュリウス・ラエサル
カリギュラ、ガイウス・ユリウス・カエサルが混成され作られたサーヴァントディスペクター。身体の左半身がカリギュラ、右半身がカエサルとなっており、一見アンバランスに見えるが、充分な機動力を持ち、カリギュラ由来の力も持つ強敵である。
宝具
我が心を喰らえ、黄と月の冒涜(フルクティクルス・ディスモース)
フレーバーテキスト
狂気と策が合わさる時、最悪の最後が訪れる。