Fate/DisspectOrder 作:一般デーモンコマンド
『では、これより。AWディスペクターこと、クマリーン・アルカワネット討伐会議を始める』
疑惑が晴れ、再び協力関係となったカルデアと龍魂珠。
龍魂珠の提供した情報を元に、アルカワネットを倒すための会議を形ある島にて行っていた。
『ちなみに、ゲストに女神ステンノ様、エリザベート・バートリー、そしてタマモキャットさんが参加しているよ』
「バラエティ番組の司会みたいだね」
『...おっほん。では、龍魂珠先生。改めてディスペクターについて説明をよろしくお願いします』
ロマニに促され、龍魂珠は立香達の前に立つ。そして、ディスペクターについての説明を始めた。
「...くだらん茶番だ...まぁいい。では初めに、我が作る基本的なディスペクターについて説明する」
「ディスペクター。それは、我がデュエルマスターズという歴史に干渉することによって、その歴史から呼び出された
「質問だ。デュエルマスターズとはなんなのだ?」
「...我の世界の歴史の名前的なアレだ。他には?」
「大丈夫だ。続けてくれ」
ネロの答えを聞き、龍魂珠は説明を続ける。
「では続きだ。呼び出したクリーチャー達はそのまま運用しても良かったが...そのままでは出力不足。我の望むモノでは無かった。そこで、我は呼び出したクリーチャー達に提案をした」
『提案?』
「それは、他のクリーチャー達と合体して、さらなる力を手に入れようというものだ。我の目的を聞いたヤツらは、それはそれは
なお、実際は龍魂珠はクリーチャーに提案などしていない。実際は、クリーチャーの意思など無視し、無理矢理合体させている。龍魂珠がした説明は、立香達を信用させるための方便であった。
「つまり...龍魂珠さんは龍魂珠さんの世界の歴史からこちらで言うサーヴァントのようにクリーチャーを呼び出して、ディスペクターとして使役していた...ということでしょうか」
『サーヴァントと同等のソレを呼び出して使役...つくづく君は謎を増やすね...』
「知るか。勝手に謎に思っていろ」
「では次だ。そんなディスペクターだが、なにもディスペクターにできるのはクリーチャーだけではない。この世界に存在するサーヴァントもディスペクターにすることができる」
「原理はさっきの説明と同じですか?」
「あぁ。サーヴァントを呼び出し、合体させる」
さらに龍魂珠は続ける。
「で、ここからが本題だ。クマリーン・アルカワネット...AWディスペクターは、違う世界の存在同士を合体させて作られたディスペクターだ。本来ならば、我の奥の手として残しておく予定だったが...おのれ、我の破片如きが...!」
怒り始めた龍魂珠をなだめつつ、立香は龍魂珠に聞いた。
「まぁまぁ...あ、そうだ。AWディスペクターの弱点とかって無いの?」
「...ある」
『おぉ!その弱点とは――』
その時だった。海から、影が一つ飛び出した。
「な、なんですか!?」
「―――ロ!!」
現れたのは、『狂策混成カリウス・ギュリウス・ラエサル』。
狂気と策を合わされた皇帝。龍魂珠も知らないサーヴァントディスペクターが、立香達に襲い掛かる。
「これは!?おのれ我の破片め、サーヴァントディスペクターも作ったのか!!」
カリウスは雄叫びを上げると、その腕を黄金の剣へと変え、まっすぐとネロに向かって突っ込んでくる。
「うわぁぁ!?何故余に突っ込んできてって叔父上ぇ!?」
ネロはカリウスの半身を見て、素材にされたサーヴァントの正体に気づいたらしい。あまりのその姿に驚きを隠せないネロは、カリウスの攻撃を防ぐのにワンテンポ遅れてしまう。
「ぐっ!」
「ネロさん!マスター、戦闘開始します!」
「了解!」
立香の指示のもと、マシュは大盾を思いっきりカリウスに向けて振り抜く。が、しかし、カリウスの右半身から放たれた赤黒い衝撃波によって吹き飛ばされてしまう。
「っ!」
『衝撃波!?何なんだあのディスペクターは!』
「恐らく、我の混成の力がこの特異点で屠ったサーヴァントで作ったのだろう。我がサーヴァントを作るために課せられた条件があっちにもあるならばの話だが」
『条件ってのは気になるけど、今は聞く暇はなさそうだね...ほら来たよっ!』
ロマニの声を聞きカリウスの方を見てみれば、両腕を黄金の剣に変え、赤黒い魔力を纏わせている。そして、身体を捻ると...思いっきり振りかぶり、右腕の剣から赤と黒、そして黄金の混じった魔力を放った。
「範囲がデカいってうわぁぁぁぁっ!!」
「マスター!」
何とかマシュがスキルを発動し、強化した盾で直接当たるのを防ぐが、風圧で立香は後方へと吹き飛ばされてしまう。
「おのれ!いくら叔父上だとしてもこれ以上は許せん!!余が相手だ!」
ネロは剣を構えると、一直線にカリウスへと突っ込む。
「はぁっ!」
「ォォォォ!!」
カリウスの黄金の剣とネロの剣がぶつかり合う。
両者共々互角。しかし、相手はサーヴァントディスペクター。つまり、その力はサーヴァント二騎分。
「...ォォォォォォッ!!」
カリウスの全身が赤黒い魔力を帯びる。バーサーカーの狂化が発動したのだ。
さらに右半身の腕がもとに戻ったかと思うと、白い大理石のような見た目となって巨大化した。
カリウスの巨大化した大理石の腕がネロに襲い掛かる。
「――――!!」
「こ、この力は...!!ぐぁぁっ!」
ネロは剣でその拳を防ぐが、あまりの勢いに押し負けてしまった。
「つ、強い...」
『これがディスペクター...敵にまわるとこんなにも厄介だとは...』
今までは味方として共に戦ってきたディスペクター。その力の前に、立香達は萎縮してしまう。
しかし、諦めていない者がいる。それは...
「まだまだっ!!勝負はこれからだっ!!」
ネロだ。何度吹き飛ばされようとも、立ち上がり、再び攻撃する。その様子を見て、龍魂珠が立香達に発破をかけた。
「やれやれ、どうした貴様ら?いつものしぶとさはどうしたのだ?」
「龍魂珠...」
「貴様らはアルカワネットを倒し、歴史も正さなければならないのだろう?ならばこんな所で立ち止まるわけにもいかない筈だ」
『しかし、龍魂珠。今の立香ちゃんとマシュではあのディスペクターは...』
「...仕方ない。まだまだ貴様らには我的にも必要だからな...!」
龍魂珠が輝くと、劣勢になっているネロとカリウスの間にナニカが現れる。
「助っ人だ。協力して、さっさとあの雑魚は倒せ」
召喚されたのは、奇跡と祈祷師が連結されたディスペクター。
その名も、『祈跡連結ミルザビ・ミラ』!!
「ミルザビ・ミラは奇跡そのモノ。さぁ、蘇ろ!!」
ミルザビ・ミラの禍々しい腕から光が立香達に向けて放たれる。すると、今までの戦いで負った傷がジワジワと癒えていった。
「これは...」
「ミルザビ・ミラは死者すらその奇跡で蘇らせる。その程度の傷の回復など、朝飯前だ」
「凄いなコレは...!力がみなぎる!礼を言うぞ、龍魂珠とやら!」
「礼は後でいい。さっさと倒せ!」
龍魂珠のその言葉と共にカリウスの巨大な腕が再び振るわれる...が、それをミルザビ・ミラが受け止めた。
その隙を逃さず、ネロとマシュの連携攻撃がカリウスへと叩き込まれる!!
「――――――!?」
「このまま押し切る!ミルザビ・ミラ!!腕をもぎ取れっ!」
龍魂珠の命令を聞き、ミルザビ・ミラはカリウスの最大の武器の一つである大理石でできた巨大腕をいともたやすくもぎ取った。もぎ取られた腕の断面から、混成のモザイクが吹き出す。
「ォォ――!!!?」
『今だ!』
「はい!いきましょう、ネロさん!」
「あぁ!」
マシュとネロの同時攻撃が、弱ったカリウスのど真ん中へと叩き込まれ――
「トドメだ。『連結秘伝アンビバレンツリンク』」
ミルザビ・ミラから放たれた闇の瘴気が、カリウスの身体を崩壊させるのだった。
◇
カリウスを倒し、一旦の危機は逃れた立香達と龍魂珠。カリウスとの戦いぶりをステンノから認められ、連合帝国が拠点とする連合首都の位置を知ることに成功した。
「色々面白かったし、今回は特別よ?」
何が面白かったのかは聞かないでおいた方が良さそうなので聞かないでおいた。それはそれとして、龍魂珠に新たな問題が発生していた。
その問題とは...
「あはははは!」
「叩くな!ひっぱるな!笑うなー!!」
ステンノが現界するさいに引っ張られ召喚されたサーヴァント...タマモキャットが何故か付いてきたのだ。
理由を聞いても理由のわからない事しか言わず...渋々付いてこさせたものの、噛みつかれ引っ張られるという、まるでネコがおもちゃで遊ぶような状況になってしまっていた。
(おのれぇ...我の混成の力が戻ったときには真っ先に素材にしてディスペクターにしてやる!)
そんな事を考えながら、龍魂珠と立香達は首都ローマへと道を進めるのだった。
◇
「――」
「...アレが来るぞ!全員、耳を塞げ!呂布、お前は...できるだけアレがかき消されるような大声を出せっ!」
カァンッ!!
「ーーーーーーーーー!!!!」
兵士達と命令を出した黒髪の白い着物を着た女性...荊軻は一斉に耳をふさぎ、もう一人の中華風の鎧に身を包んだ大男、呂布が人のものとは思えない咆哮を出し、音をかき消そうとする。
「...ちっ、二人やられたか。仕方ない、これ以上消耗させるわけにもいかないな」
荊軻はアルカワネットの力によって自害させられてしまった兵士を見ながら、ゆっくりと身を構える。そして、兵士達に下がるように指示をだす。
「お前達!一旦安全な場所まで下がれ!呂布、残っている雑魚を頼む!」
「ーーーーー」
呂布は頷くと、兵士達が先程まで戦っていた、身体の頭が陶器のようになっているゴーレムやローマ兵達を屠っていく。
「本当に化け物だな、貴様は。殺した者達を蘇らせて、こき使うとは。...さて、どうしたものか...」
荊軻はゆっくり距離をとりながらアルカワネットを見つめる。そして、武器を構え飛びかかろうとした時...アルカワネットは、突然その場から飛び上がった。
「!?...逃げた、のか?」
唖然とする荊軻。呂布の手によって陶器のゴーレムやローマ兵もいつの間にか全滅していた。
先程までの騒がしさは消え、静けさだけがそこに残るのだった。
外伝制作中...外伝制作中...ついでにデーモンオブハイパームーンも開封中...